「 今宵は仲秋名月
初恋を偲ぶ夜
われら万障くりあわせ
よしの屋で独り酒をのむ
… 」 逸題 井伏鱒二
と始まる、 新・ちくま文学の森 11 ごちそう帳 (1995) を読んでいる。
「…
吉野屋は、その頃住んでいた場所の関係で渋谷から西銀座に掛けて飲み歩いていた時代に
はどうかすると毎日行ったものだが、… 」 饗宴 吉田健一
こちらの『吉野屋』と 先に出てきた『よしの屋』と 同じお店なのかしらん、
白玉の歯にしみとほる秋の夜の酒はしづかに飲むべかりけり 若山牧水
しら玉の歯にしみわたる秋の夜のびいるは静かにのむべかりけり 火野葦平(『こよなくビールを愛す。』と著者紹介にあり。)…ナルホド。
などと
33人もの作者の作品が集まったこの本の中を
寄り道道草引き返したり進んだり、の読書タイムである。
池波正太郎
夏目漱石
特に気持ちを引っ張られた。