キキリ・キキリ・キキリ

-北海道の昆蟲と自然-

北海道の昆虫の写真を中心に、身近な生き物や自然を紹介しています。

オオバボダイジュで初物

2007年06月30日 | カミキリムシ科
今日は、空知方面へトウモロコシとエダマメの作付けを手伝ってきました。

その後、PM2時は過ぎていましたが、2時間ほど周辺の里山を散策してみました。



サルナシによって覆われた林縁。

サルナシといえば、憧れのムネモンヤツボシのホスト。

一度で良いので、あの鮮烈なイエローボディを拝んでみたい・・・。

そんな思いで執拗に叩いてみたが、落ちてくるのはシラホシ君のみ。

しかし、サルナシの下に衰弱したオオバボダイジュが隠れていたため、数種類のカミキリが採れました。



エゾトゲムネカミキリ[Oplosia suvorovi]★★★

10㎜位のやや地味な奴。けど、初採集!

狙いは違っても、初物となればそりゃ嬉しいです




クリイロチビケブカカミキリ[Terinaea atrofusca]★★

小さくて地味で比較的多い種だが、自身2度目です




シナノクロフカミキリ[Asaperda agapanthina]★

これは毎度、お馴染み様です。

でも、後食しているシーンは初めて観察しました。

他にはコウノニセリンゴ、キッコウモンケシが落ちてきました。

ムネモンヤツボシはお預けです。

あ~、早く会いたい!


初対面もの三つ

2007年06月29日 | 採集記・撮影記

リンゴシジミ[Strymonidia pruni jezoensis]★★★(特)

感激の初対面。

引き合わせてくれた、Kさんに感謝いたします。




ネグロクサアブ[Coenomyia basalis]★★★

今年、♀は既に4回目撃。

そして、ついに♂も発見!コンデジだが撮影も成功。

プリンのカラメルソースの様な甘~い匂いが、疲れを癒してくれます・・・?




アオヤンマ[Aeschnophlebia longistigma]★★★

そして憧れのヤンマにも遭遇。

せっかく出会えたのに、すぐに遠くへ飛んでいってしまいました。残念

リンベジしたい。




駆け足で蝦夷物狙い

2007年06月24日 | カミキリムシ科
今日は夕方4時までに帰宅する約束で時間を取れました。
で、思い切って遠出してみました。

狙うは、
①キボシマダラカミキリ
②ヤマナラシモモブトカミキリ
③オクエゾトラカミキリ

これらが同一地域で記録さている北の方へ車を走らせました。


AM2:50 出発


PM4時までに帰宅となると現地にPM2時までしか居られないから、超早起きしました


AM3:00 丑三つ時


当然、真っ暗です。


AM4:00 薄明





AM5:30 現地着(雨)



まず、本命の場所へ行く前に、過去にキボシマダラの産卵痕&幼虫を確認した場所に寄ってみました。

とにかくヤナギをビシッ!バシッ!



シナノクロフカミキリ[Asaperda agapanthina]★



シラホシカミキリ[Glenea relicta relicta]★

一般種と朝露しか落ちてきません。そりゃまだこの時間だもの・・・。


AM7:00 場所移動


ここも以前にキボシマダラの産卵痕&幼虫を確認した場所の一つです。



馬蹄形の傷とコブ。これが産卵痕で間違いないと思うが、蛾の一種の食痕も似ているので良く見ないとね。

しかし、産卵痕はあれど成虫は落ちてきません。時期が遅かったかな?

そして、必ず落ちてくるのが、マイマイガの幼虫。

一度に数頭落ちてくると・・・



思わず「どんだけ~」と叫んでしまいます。



AM8:00 本命ポイントに移動 


某川の河川敷です。キボシマダラは置いといて、オクエゾトラとヤマナラシモモブト探しにシフトしました。




前日の雨のせいでしょうか?やや増水気味です。

普段、河原の場所が水に浸かっていました。

それでも胴長履いて、諦めずに河原をジャブジャブと歩きます。

40分くらいで河原を一回りし終え車に戻ろうとした時、

上の写真の流木の上に・・・



う~ん、今日も運があるかも・・・。



ゴマフカミキリの仲間に似てますが、名前は・・・



ヤマナラシモモブトカミキリ[Acanthoderes clavipes]★★★(特)

この樹種は何でしょうか?ヤマナラシやポプラではなく、ヤナギ類だと思いますが・・・。いずれにしても近い仲間ですけど。

ひとまず、今日のターゲット一つクリアです。

お次はここのオクエゾトラ・・・


AM9:00 少し上流に移動しましょう。


先程より河原が広く、居そうな感じがします。

天気も回復。カミキリ達も活発に動き出すでしょう。

まもなく、先程のヤマナラシモモブトと同じ樹種に・・・


ヒトオビアラゲカミキリ[Rhopaloscelis unifasciatus]★

が、たくさんいました。

そして、これらの流木のから張り出す枯れ枝を叩くと、


ヤマナラシ君が落ちてきます。採集のコツがつかめました。

なかなか、渋くてカッコ良い奴ですね。



枝に張り付いている状態だと、遠目には気付きません。


さて、オクエゾトラの方は・・・


判ります?

11日の要領で、なんとか1頭見つけ出しました。


オクエゾトラカミキリ[Xylotrechus adspersus]★★★★(特)


AM10:30を過ぎました。

キボシマダラは残念でしたが、ヤマナラシとオクエゾは満足です。

そこで、考えました。どうせなら、もう一種のエゾカッコイイカミキリを探そうと。

ターゲットはルリヒラタカミキリ。



AM12:30 70kmほど南西に移動。

そして、この地域の何本かの林道を走ってみました。

カラマツの土場を見つけ出す為に・・・。





あった!



良さげですね~

とりあえず土場の周りを見ましたが、カミキリはいません。

ただ、タマムシがチョロチョロしていました。

タマムシも採りたいが時間も無いので、思い切って不安定な材の上に登ってみました。

すると・・・


ルリヒラタカミキリ[Callidium violaceum]★★★(特)

「うおぉ~!いたいたぁ~!」

凄く綺麗です。4年振りです

遂に見つけた!今日は結構ついてるおぞぉ!





しかし、様子が変なんです。微動だにしません。

だって、



ご臨終ですもの・・・。

腹部が丸ごと落ちていましたが、何とか展足しましょう。

これで3種クリア?です


さて、チョロチョロしているタマムシの方も撮らなくては。

結構、すばしっこく、材の上をハンミョウの様に飛び回っています。

でも、なんとなくムツボシ系であることは判りました。

しばらく、追いかけっこしていると、他にジッとしている個体がいました。


カクムネムツボシタマムシ[Chrysobothris chrysostigma yezostigma]★★★

タマムシも特産種が採れました。
 →(6/26訂正 青森県にも分布しているようです。)



そして、こちらの太目のカラマツ材置き場には、同じタマムシを4頭採ることができました。
このタマムシ、近年少なくなってきているようです。


PM2:00 タイムアップ!


本日、他に見られたカミキリは、

ヤツボシハナ、クロハナ、オオマルクビヒラタ、ミドリ、アトモンサビ、ナカジロサビ、ケマダラ。





朝方は天気悪かったけど、短時間で良い成果を残せました。

やっぱ同じ北海道でも、離れた場所の昆虫や環境は全然違います。

ああ、もっと時間が欲しい・・・。



次回の更新は金曜になります。

久しぶりにマイフィールド

2007年06月23日 | 採集記・撮影記
今日は日中の用事を済ませ、夕方1時間ほど、市内のマイフィールドへ行ってみました。



小さな材置き場

材の種類は、エゾヤマザクラ、ヤチダモ、ミズナラ、シラカンバ、カラマツ、トドマツなど。後に薪にされます。


さて、先日よりカミキリの種類は増えているのか?


シラホシカミキリ[Glenea relicta relicta]★

北海道ではごく普通に見られます。



ハネビロハナカミキリ[Leptura latipennis]★★

札幌ではそれ程多くはないと思います。

他には、ゴマフ、ナカジロサビ、アトモンサビくらい。
ショボイなぁ・・・。ヤツメは来ていると思ったんですが


と言う訳で、材の周りで見られた他の虫をサラっと紹介します。



ナガヒラタムシ[Tenomerga mucida]★★

土場周辺の木や草の上で見られます。



クロオオキバハネカクシ[Oxyporus niger]★★

エナメル質の装いがカッコイイですね。



コブサビコメツキ(ヨツコブサビコメツキ)[Lacon quadrinodatus ]★★★

サビキコリ似てますが属が違います。前胸に四つのコブがあります。



ジンガサハムシ[Aspidomorpha indica]★

生きている時は背面が黄金に輝いています。ヒルガオがホストです。
よく似た種でスキバジンガサハムシというのがいるのですが、こちらはまだ見たこと無いです。


最後に・・・


モンシロサシガメ[Rhynocoris leucospilus]★

土場でよく見られます。北方系のサシガメです。


以上、サラッと今日の虫。


明日はエゾカッコイイ?もの狙ってチョと遠征してみます。

偽装コロッケ

2007年06月23日 | その他
今日は気温も低く曇り空。一部、雨模様。
エゾカッコイイ奴を探しに大雪山周辺に行こうとしたけど中止しました。
明日はどこかに行けるかな・・・。


最近、北海道の食品会社が非常に残念なことをやらかした。
ニュース番組であの社長コメントを聞くたびに、「はっきり謝罪せんかい!」と腹が立つ。
今朝のニュースによるとDNA鑑定の結果、牛肉でも豚肉でもない肉が入っていたものもあるそうだ・・・。
一部の業者がこんなことをやっていたら、北海道の食の信頼全体が損なわれるのではないかと、一道民として甚だ不安である。

でも、人間ってだまされやすい生き物だ。加工されたら、全然わからん!
これって悲しいですね


「偽装=いつわりごまかす」ですが、自然界には「擬装(擬態)=カモフラージュ」がある。
人間が行う「偽装」も、自然界の「擬装」も保身が目的だが、自然界の「擬装」は非常に興味深い。





先日、森で出会ったこのクモには驚かされた。
えっ!ウルトラマン? いやいや、ウルトラマンに扮した宇宙人?
ウルトラマン顔以外の何者でもない。よくぞ、ここまで擬装した!
「アッパレ」を一つあげたいところだが、鳥にはウルトラマンは理解できないだろうし、小さな虫たちにも、緑の葉の上ではすぐに気付かれるだろう。
もっとも、人から見ても鼻で笑われてしまうだけだから、これは擬装ではないのかも・・・

とにかく、こんな生き物がいる森を歩くのは世知辛い世を歩くよりずっと楽しいのだ。