キキリ・キキリ・キキリ

-北海道の昆蟲と自然-

北海道の昆虫の写真を中心に、身近な生き物や自然を紹介しています。

オサムシ越冬はじめ

2007年10月26日 | オサムシ科
今週の前半は、札幌より暖かい道南方面へ行ってました。
移動中、車窓から見る各地の紅葉はとても輝いていました。






平地でもご覧の通り、鮮やかな景色です。





林縁に生育する低木の実も、視覚的に十分楽しいものです。


アキグミ[Elaeagnus umbellata](グミ科)



ノイバラ[Rosa multiflora](バラ科)



ムラサキシキブ[Callicarpa japonica](クマツヅラ科)
ニホンセセリモドキの食草でもあります。



もうこの時期まで季節が進むと、コオロギの鳴き声も聞こえてきません。
虫達は越冬状態にあるのでしょう。
「ああ、3ヶ月前に戻りたい・・・。」
と感慨にひたりながら遊歩道を散策していると、土の中から緑に煌めく物が見えました。



判ります?




あっ!アオオサだぁ~。(これで場所がバレバレですねぇ
なぜか地面に穴が開いてました。

数年前、ここでオサ堀に挑戦したのですが、その時は1頭も得ることができませんでした。
しかし、トラップならば沢山採れました。。
越冬はどんな場所でしているのだろうと思っていたのですが、こんな場所なの?!
まさか・・・ここでは水面に近すぎる。春、雪融け水で確実に水没しちゃいますよ(赤丸の範囲)




こんな時期に

2007年10月24日 | コガネムシ科など


10月22日、後志支庁の500m級の山中で、
某コガネを採集しようとトラップを設置。
そのポイントに至る林道でのお話。



オノエヤナギの幹に、ムムムッ!?な食痕を発見!
怪しい。実に怪しい・・・。
数年前、ヒメオオ目的で何度も入った林道だが、以前はこんな痕跡は見つけられなかった・・・。
しかも、新鮮ではないか!



幹や枝に姿はないので、一応、根元を覗いてみよう。



う~ん、U字に曲がった場所が怪しいのだ。
何も道具が無いので、素手で落ち葉を掻き分けてみた。

ひと掻き、ふた掻き。すると黒い影が歩き出した。
「あっ、クワだ。カメラ、カメラ!」
ほぼ同時に冷たい雨も降り出す。寒い



ぬおぉ~!見つけちゃったぁ。こんな時期に。
しかも、話に聞かないレア産地!超ラッキー



めっちゃ遅い、プチクワガタ採集記でした。


お久しぶりです。

2007年10月18日 | ゲンゴロウ科
先週末は活動できず、平日も仕事が忙しく、夜は野球中継を観戦・・・。
しばらく虫から離れてしまいました。


札幌は初雪こそまだ降ってませんが、初霜は観測し、朝晩の冷え込みは結構キツイです。
既に各家庭ではストーブを使用している事と思いますが、我が家ではまだまだ我慢しております。
目標は10月一杯使わない事。
でも今年は無理だと思います


さて、野外では甲虫は全く見かけなくなりました。
石やゴミを引っくり返えし、やっとゴミムシを拝めるくらい。
山地では初冠雪を記録した箇所も多く、オサムシは既に越冬を始めたんじゃないでしょうか?


でもでも、水生昆虫は元気なのです!
今日、観察した池では水温が12度。結構冷たいですよ。
しかし、気温はもっと低くて9度・・・。水の方が温かく感じます。
そんな感じですが、網を持って池の水際でガシャガシャ、ジャブジャブとやってみたら、
一年振りにナミゲンの♂に会いました。




正面から顔を撮ってみましたが、優しそうで愛嬌のある顔です。
この顔からはとても食事中の荒々しい動きは想像できないです。



寒露

2007年10月12日 | 採集記・撮影記
一年を二十四の季節に分けると、今は『寒露』という時期にあたる。
Wikipediaによると、寒露についてこの様な解説がしてある。

「10月8日頃で、露が冷気によって凍りそうになり、雁などの冬鳥が渡ってきて、
菊が咲き始め、蟋蟀(こおろぎ)などが鳴き止む。」

まさに今の北海道を表している。
そして、今晩は札幌でも雪が降るかもしれない。
つい一ヶ月前は真夏日だったというのに・・・。

そんな今週の北海道を何枚か撮ってみました。




早朝、お仕事で札幌より北の方へ移動中、マガンの群れが上空を通過。
10~20羽の家族群が複数集まり、百数十羽の大群が南へ飛翔。
この時期ならではの光景だ。




霜まではいかないが、花についた付いた露が冷たそう。




昨日、巣に戻れなかったのだろうか?
セイヨウオオマルハナバチのワーカーが、花にぶら下っていたままであった。




落ち葉の上のコバネイナゴも鳴く事を忘れ、黙って寒さに耐えている。




水面では冬の使者が羽を休めていた。




寒気が入ってきたせいで、せっかく陽が照っても長くは続かない。
雨が振ったり止んだり。虹が出たり消えたりを繰り返す。




気温10℃を超えた辺りで、ハナアブの仲間が動き出した。




さてさて、雪が降ってしまうと撮影&採集活動がおっくうになってしまいますが、
あと1、2回はターゲットを絞ってフィールドに出てみたいと思っています。


久しぶりのマイフィールド(晩秋編)2

2007年10月08日 | 採集記・撮影記

キバラヘリカメムシ[Plinachtus bicoloripes]★★★

北海道の南西部に分布する、やや少ない種。
生体時の腹部の色は鮮やかな黄色だ。



キイロセマルケシキスイ[Cychramus dorsalis]★★

ケシキスイの仲間の中では大きい方だが、それでも本長は5㎜程度。
つぶらな瞳が可愛い。



アカバマルタマキノコムシ[Sphaeroliodes rufescens]★★

この種は前種よりも小さく約4㎜。
材周りで多数確認できた。触るとダンゴムシの様に丸くなる。



アシナガトビハムシの仲間[Longitarsus sp.]★★

ヨモギトビハムシかとも思ったが、体長は3.5㎜。
大き目なのでオオアシナガトビハムシかも知れない。



今まで、主役が居ない時期の土場周りなど見に行こうなどと思ったことも無かったが、
小さくとも面白い虫たちが多かった。
ただ、ピンボケ連発で撮り逃がした種類も多い・・・