久しぶりの道東出張。空き時間で野付(のつけ)半島を訪ねてみた。
道外の方はピンとこないかもしれない。
天気予報の様な略図化されたものには表現されないくらい小さな半島。しかし、日本一な面もある。
野付半島位置図
それは、日本最大の「砂嘴(さし)」であること。
「砂嘴」とは「波の働きにより漂砂が押し集められてできる釣鈎状の砂州」のこと。
衛星写真で見ると、なんとも奇妙な形である。(
ウィキペディアフリー百科事典)
野付の語源はアイヌ語で「ノッケウ」=「あご骨」という意味で、
人間のあごに似ているところから付けられた地名だそうだ。
昔、高い山から見るとその様に見えたのであろう。
しかし、長い年月を掛け変化し続けるその地形は、ミジンコの触角の様に見えるのだった。
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16日 AM8:40
札幌丘珠空港から中標津空港行きのプロペラ機に乗り込む。
(機種 DHC8-Q300 56席)
昔乗ったYS-11よりは暖房が効いていた。音も揺れも静かだった。
高度4800mを飛行。ジェットより低空を飛ぶので、地上の景色が良く見える筈だったのだが・・・。
一面、雲、雲、雲・・・
景色もつまらないので、最近購入した評判の「昆虫にとってコンビニとは何か?」という本を読み出した。
とたん、数ページ読み終えたところで、着陸態勢。
AM9:30着。
何だかんだで50分程度で中標津空港に到着した。
車で来ると6~7時間は覚悟しないといけないのに、やっぱり飛行機って便利。
手配していたレンタカーを借りた。若干、牛の匂いの染込んだシート。
周囲が酪農地帯であるため。北海道らしいと匂いである。
途中、コンビニで弁当を買い、30分程度で野付半島の中間付近の「ナラワラ」に到着。
早いが11時頃に昼飯である。
そこから見える風景・・・「ナラワラ」ミズナラなどの広葉樹の枯木群。
海水が浸水して枯れたり、また生えたりを繰り返しこのような風景になったとのこと。
チョッと遠いので雰囲気が伝わらないと思う・・・。
でもって、東側(外海側)を見ると遠くに国後(くなしり)島がくっきり見える。
現在、この島にはロシア人が4000人ほど住んでいるとのこと。
戦前は日本人が7000人程度住んでいたとのこと。もっと前はアイヌの人々が住んでいた。
国後島と野付半島の距離は約16km。
北海道と本州最短距離(戸井~大間間は約17km)より近いのだ。
最近は竹島や尖閣諸島がニュースに取り上げられるが、北方領土に家やお墓を残してきた
元島民の願いは、いつになったら叶うのか・・・。
北方四島をわかり易く解説したHP
中間ラインを航行する海上保安庁?の船。
北の方に目を移すと世界遺産の知床連峰。
斜里岳~海別岳(1419m)~遠音別岳(1331m)
海別岳(1419m)~遠音別岳(1331m)~羅臼岳(1660m)
キョクトウトラカミキリの棲む羅臼岳
それにしても、今年は雪が少ない。
この後はお仕事。
夕方、仕事を終え、再び野付半島へ。
野付半島はラムサール条約登録湿地で動植物が豊富な環境だ。
冬は雪と氷のに閉ざされ、夏とは別世界になるが、それでも豊かな海の恵みを求め、オジロワシ、オオワシ、
クロガモ、コオリガモ、シノリガモ、ヒメウ、シロカモメなどがたくさん鳥類が見られた。
そこら辺の古い電柱に止まるオオワシ
同じ北海道でも道東の自然はスケールが違う!
この後、
野付半島ネイチャーセンターで時間を潰し、夕日を堪能。
空気が澄んでいるので、すごく綺麗。
夕日をバックにオオワシがねぐらに戻っていく。
さて、明日は四角い太陽の撮影に挑戦しようかなぁ・・・(続く)