入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’24年「春」(32)

2024年03月28日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 まだ雨は降ってこない。午前9時、薄日が射して、外の気温は7度ぐらいだ。窓を開けて、久しぶりに炬燵以外は暖房の世話にもならずにいる。まずは春らしい陽気だと言っていいだろう。
 先程、農協の職員O君が新しい作業日誌を届けてくれたせいかも知れないが、きょうの気温、空の様子、鳥の声、上で仕事を始める4月下旬のころとよく似ている。
 
 冬の間閉めっぱなしにしてあった小屋の窓を開け、よどんだ空気と生まれたばかりの新鮮な空気とを入れ替える。次には日陰に残る雪を掘り起こし、清冽な水を小屋まで引き込む。
 いや、その前に今年も3キロほどの雪道を歩きながら、新しい早春の息吹、懐かしい周囲の風景、その匂い、鳥の声などを、まだ誰も来ない林道でしみじみと味わうことになるだろう。
 
 不思議だが、記憶の中の初日の天候は毎年良かった。一度や二度はそうではなかったかも知れないが、思い出せない。それとも、あの年は、この年は、といった年別の印象、記憶が殆ど消えてしまっているから、これまでの17年に及ぶ仕事初日の印象が積み重なって、一つの情景ができてしまっているのかも知れない。
 とにかく、あれほどまでに周囲の自然と気持ちが同化し、ショボクレタ体内にそれらが流入し、漲る、そういうことを意識する時は他にはまずない。

 そうそう、里のサクラの話をボツボツ耳にするようになった。それでも、梅の花の開花を待つほどには待たない。梅の花の場合は花というよりか、少しでも季節が進み、春が近づいてくる象徴のように思い、待っているからで、だからやれやれと思いながら眺めるのは梅の花の方だ。
 それに、ソメイヨシノ、タカトウコヒガンにしても、確かに豪華絢爛で見事ではあるが、都会の猥雑とも言える花見をつい連想して、片仮名で表記したくなる。毎年のように同じことを呟くが、やはりそれよりか、人知れず山に咲く控え目で清楚な山桜をこそ「花」と呼びたい。
 今年も仕事の合間に、残雪の山々を背景にしてそういう花々をたくさん見ることができる。有難い自然からの労いだと勝手に思い、喜んでいる。
 本日はこの辺で。

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