こんなイラストアップしてるからアレな宣伝コメントがつくようになったのかも。でもやめない。下書きシャープペン、清書ボールペン。またボールペンか……。
荊の城(上・下) サラ・ウォーターズ 著
(創元推理文庫)
19世紀半ばのロンドンの下町、そこでスリ(fingersmith、これが原題)として生きる少女スウ。
ある日彼女の元に、「紳士」のあだ名で呼ばれる詐欺師が現れ、大きな計画を持ちかける。
俗世間から隔てられた城館で偏屈な叔父と暮らす令嬢、その令嬢をたらしこんで結婚し、財産を巻き上げるという計画。
スウはその令嬢を油断させそれとなく誘導する役割として、侍女としてその令嬢モードに紹介されることに。
正反対の境遇にあった同い年の少女。ふたりは互いに惹かれあっていく。
友情、否むしろ愛情と、計画の間で揺れるスウ。
だが、非常にも計画は実行される。
ところが……
「半身」に続くサラ・ウォーターズの2作目。
しめやかな雰囲気とビターな結末の「半身」とは裏腹に、今作はぽんぽんとテンポよく進んでいく。(レズビアニズムは相変わらず)
あからさまにディケンズを意識した世界観(というか、序盤にディケンズの劇が出てくるくらい)、どんでん返しにつぐどんでん返し。一度読み出したら止まらない、というやつ。あー、ネタばらしたい。
文句なしにおすすめ!
本好きでこれを読んでない方は人生を大きく損している!
……と大きく出ましたが、これは本当に面白いのです。
これくらいは書いてもいいかな? ディケンズ調ということで見当はつくはずだし。
今作は苦い結末ではないのでご安心を。
まあ、どう取るかはひとによるだろうけど。俺の価値観からすれば文句なしのハッピーエンド。
どうでもよすぎる余談。
俺のゲームのリナの設定は、ある程度までスウがモデルです。
バッドエンドの「闇の契り」「闇の騎士」なんかもそれっぽい。