初めて見ることなのに、どこかで見たことがあるような感覚。
それがデジャヴュで、日本語に訳すと「既視感」です。
小説の中などで使われていますので、ご存知の方も多いと思います。
ただ、現実の体験となると、そうそう日常的に起こることでもないようです。
わたしも数回感じたことがありますが、そういえば昔のことで近頃は経験しません。
日常が固定化して、初めて見る光景などに出会う機会がほとんどないからでしょうか。
昔、夢で見た記憶が蘇ったからだという説があります。
そう云われると、そうかもしれない、と思いますが、ほんとうはどうなのでしょう?
調べた限りでは、そういった精神作用が起きるわけはわかっていないようです。
そのデジャヴュを逆さまにしたヴュジャデは、訳せば「未視感」。
見慣れたものを初めて見るように見ること、なのだそうです。
といっても実際に存在する言葉ではなく、ある人が冗談として考えついた言葉です。
でも、冗談ではなく、そういう視点は必要かもしれません。
見慣れたものを漫然と見ていただけでは、何の新鮮味もないからです。
未視感覚を鍛えれば、新しい世界が見えるかもしれない。
そう考えて、食事時、初めて見る人のように、カミさんの顔を眺めてみました。
「顔に何かついてる?」 別に、おたくどなた?
カミさん、ぎょっと驚いた顔。
「やめてよ。まさか、ほんとにボケたんじゃないんでしょうね」
まだ、一度やってみただけですが、ヴュジャデは意外と難しそうです。
とはいえ、当たり前を問い直すことはたしかに必要なことなのでしょう。
どうすればいいのか、方法論はまだ見つかりませんが。
と考えながら、カミさんの顔を見直したら、ほんとうに初めて見る人の顔でした。
どうやら夢を見ていたようです。