民主党の救世主が現れた。仏経済学者トマ・ピケティ(格差問題を掘り下げた世界的ベストセラー『21世紀の資本』の著者)だ。衆院選で2回、参院選でも惨敗した民主党。泣きの海江田代表が先の衆院選では地方区で落選、重複立候補した比例区でもカンに惜敗率で破れて落選したので辞任した。代表選の決定戦でフランケン岡田が代表になったものの党勢も人気も復活の兆しが一向に見えない。これと言う名案は浮かばないし智慧もない、思案投げ首だった。30日に駐日仏大使館に岡田、長妻、細野、山井、藤田が尋ね、雁首並べてピケティーの学説を拝聴した。岡田が挨拶で「安倍総理は成長すればいい影響が全国民に滴り落ちるという考えだが、我々は成長と同時に再分配をしなければいけない。これが安倍政権と民主党の最大のテーマだ。有益なお話をお聞かせ願いたい」と低姿勢。ピケティーが「岡田代表の言ったことは全くその通りだ。日本でも過去20年間で不平等・不均衡が拡大してきている」とお世辞を垂れ岡田を喜ばせた上に、ピケティーから安倍の経済政策について「アベノミックスは不平等を拡大する」とのご託宣を貰ったのだから堪らない。我が意を得たり。欣喜雀躍。飛び付いたのが『格差是正』だ。早速民主党は3日、格差是正策を議論する『共生社会創造本部』のカンバンを掲げて、初会合を開いたそうな。今後は『格差是正』の念仏を声高に唱えるだろう。先ず所得、世代間、男女、地域格差など格差を探しては手当てする。今は忘れられた悪夢の『マニフェスト』の復活だ。予算のムダを削れば財源は幾らでも出る筈だ。何よりも格差是正にはバラマキ政策が一番即効性がある。それ最低保障年金制度の創設だ、低所得対策だ。どんどんばら撒くのが政策だ。『アベノミックス対バラマキ』の竜虎相搏つの図にはならない。民主党は政権の座にもないし、握れる展望も開けない。さすがのピケティー様も人気回復の処方箋の持ち合わせはなかった。当分、外野で騒ぐ他打つ手がない。