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大英博物館とラッセルスクエア

2012-06-05 | 2012年、英国の旅 ~春編
SPEEDY'Sで遅めのランチを済ませた後、ガワー・ストリートを散歩し、
第二の目的地、大英博物館に到着しました。

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とにかく、膨大な展示物がある大英博物館。
歴史に疎い私には全ての中からチェックすべき展示を選ぶことは到底出来ません。
そこで、ちょうど出発前にBSで放送されていた、
2時間で回る大英博物館 ~究極の完全ガイド~」を参考にしました。
実際に時間を計ってみると、16時に回り始めて、見終えたのは17時半!
1時間半で回れました。(どっちにしても17時半になったら展示室から追い出されちゃうんですが。)
実は見逃していたものもあったので、正確に回れたとは言い切れないのですが。
順序は同じで、帰りにショップを覗く余裕もあったので、2時間で十分クリア出来ると思います。
自分の覚え書きとして、展示品をいくつか書き残しておきますね。

まずは1階、Ground Floor。



↑モアイ像こと、ホア・ハカナナイヤの石像(1000年頃)。
1868年、測量航海の際、イースター島で発見され、ヴィクトリア女王に献上された。



うずくまるアフロディテ像。
2300年前にギリシアで作られたものを、ローマで模倣したもの。



アッシリアの守護獣神像(BC210年頃)。
古代オリエント世界で絶大な勢力を誇ったアッシリア帝国・サルボン2世の王宮跡から見つかった像。
高さは4m以上。魔除けとして、宮殿の入り口に配置されていたと思われる。
前から見ると2本の前足が彫られているのが分かるが、
横から見ると4本の足が彫られており、獣神が歩いているように見える。
獣神の足下の台座には…



升目が彫られている。
兵士が時間をつぶすためにゲームをしていた跡だと言われている。



アッシリアのライオン狩り(BC645年頃)。
アッシュル・バニパル王の宮殿(現在のイラク周辺)の部屋に飾られていたレリーフ。
神聖な王等の人間は抽象的に描かれているが、ライオンや馬等の動物は精巧に描かれており、
当時の彫刻家の情熱が注がれたことが伺い知れる。



ハリカルナッソスのマウソロス廟(BC4世紀)。
古代の七不思議の一つ、カリア王国の首都にあったとされるマウソロス王の墓から見つかったもの。
墓は下の段に男女の神々や戦士の像が置かれ、36本の円柱に支えられたピラミッド型の屋根の上に、
4頭立ての馬車の像が置かれていた。
この馬の頭部はそのうちの一頭。



古代ギリシャ中期のイオニア式で建てられた、トルコ南西部リキュア王の霊廟。



パルテノン神殿の彫刻群(BC5世紀)。
両脇に並ぶのは中廊の内側に飾られたフリーズ(浮き彫り)。



神殿のペディメント(破風)部分に置かれていた彫刻。
三角形を描くように並んでいる。



裏から見たペディメントの彫刻。
本来見えない部分だが、正面と同じように丁寧に彫られている。



その他のペディメント彫刻。左は月神セレネの馬の頭部。



アステカのトルコ石モザイク(15・16世紀)。
トルコ石は太陽の光を表し、王や神官の装身具として使われた。
出土した55点のうち、9点が大英博物館に所蔵されている。
右は「テスカトリポカ神の仮面」。
メキシコシティ、テンプロマヨール遺跡から発掘された。
本物の当骸骨にトルコ石を施しており、目鼻は貝殻、歯は人間の歯で出来ている。

この後は2階Upper Floorへ。
まずは古代エジプトのエリア。




エジプトのミイラ(BC2500年頃から)。
古代エジプトでは永遠の命が信じていたため、同時に入れ物となる肉体も必要とされた。
一体がミイラになるまでに70日掛かる。



ミイラの上に載せられているのは、再生と復活の象徴とされていたスカラベ(フンコロガシ)の像と
来世でミイラの主に仕えるシャビティという像。




ウルの牡山羊とスタンダード(BC27世紀)
ウルは古代メソポタミアにあったシュメール人の都市国家。現在のイラク南部に当たる。
1927年、王家の墓の遺跡が発掘された。
その用途は謎に包まれているが、スタンダードは楽器の共鳴板だったという説がある。
スタンダードの装飾は戦争と平和を表しており、
片側(写真左)には戦車や捕虜が王に命乞いをする様子、
もう片側(写真右)には宮殿に品々をおさめる人々の様子が描かれている。



ウルのゲーム盤(BC2600年頃)。
世界最古のゲーム盤(すごろく)のひとつ。
長らくその使い方は分かっていなかったが、
「バビロニアの粘土版(BC177)」の楔形文字を解読したところ、
そのルールが書き記されていることが分かった。



これがその粘土版。
7つの駒と正四面体のさいころを使って遊ぶ。
盤の凹んだ部分から4つの升目がある方へ駒を動かし、
中央の升目を通って、最後の2マスを通ったらあがり。
ただ、自分の駒のあるマスには自分の別の駒を置けなかったり、
自分の駒のあるマスに相手の駒が置かれると、振り出しに戻されてしまう等、細かい決まりがある。



オクサスの遺宝(BC5~4世紀)。
アッシリアなき後にオリエント世界を統一したアケメネス朝ペルシャの、金を使った工芸品。
中央アジアのオクサス川で発見された。
黄金の馬車(左)は当時の車輪の大きい丈夫な馬車の作りを伺い知ることが出来る。
黄金の腕輪(右)にはグリフィンの装飾が細やかに作られている。


ここからは英国エリア。



サットン・フーの舟塚…は、改装中で見られず…。



ルイスのチェス盤(12世紀)。
1831年、スコットランド北西部ルイス島で発見されたチェスの駒。
セイウチの牙で出来ている。
発見されたうち、大英博物館が67個、エディンバラのスコットランド国立博物館が11個を所蔵している。
当時ルイス島を支配していたノルウェーで作られたものではないかと考えられている。



ローマ皇帝パドリアヌス帝の像の頭部(2世紀)
テムズ川の泥の中から見つかった。

奥にある貴重な時計ばかりを展示した部屋には…



Rolling Ball Clock(19世紀)
ボールが左右に転がることで歯車が回る時計。
ボールの転がる間隔は30秒。
動画はこちら。↓







ガレオン船型自動時計(1585)。
ドイツのハンス・シュトロハイム作。
大航海時代の主力であったガレオン船がモデル。
時間が来ると、甲板の上の人形が鐘を鳴らし、大砲から火花を散しながら船が前進した。
マストの下にある小さな文字盤の奥に神聖ローマ皇帝ルドルフ2世(右下)が乗っている。



ここまで見たらGround Floorに戻り、



ロゼッタストーン(BC195)。
ヒエログリフ解読のきっかけとなった石碑。
古代ギリシャ文字、古代エジプト民用文字・デモティック、古代エジプト神聖文字・ヒエログリフの
三種類の文字でプトレマイオス5世を讃える内容が彫られている。
1799年、ナポレオンのエジプト遠征軍隊が発見したが英国に降伏し、
フランスから英国に運び込まれた。
その後、フランスのジャン・フランソワ・シャンポリオンや
英国のトーマス・ヤングらがこの解読に着手し、
シャンポリオンが他のオベリスクに刻まれていた
「クレオパトラ」「プトレマイオス」という文字を手がかりとして解読に成功した。



丸く囲まれた部分が「プトレマイオス」

ここまででタイムアップ!




Lower Floorにある、モザンビーク内戦で使用されたロシア製自動小銃AK-47を元に作られた
ツリー・オブ・ライフは見ることが出来ませんでしたが、大体手順どおりに回れました。
この達成感!
個人的には一番楽しみにしていたウルのゲーム盤をじっくり見られたのが嬉しかったです。
時計の部屋も、古いものばかりではなく日本製の腕時計なんかも置いてあって新鮮でした。



外はまた雨がパラパラと降り出していましたが、
最後にちょっと寄り道。
大英博物館のすぐ横にある、ラッセルスクエアです。




「SHERLOCK」"A Study in Pink"で、ジョンとスタンフォードが出会う公園です。



2人が座ってるベンチまで正確に覚えてなかったので、
アングルまでは合ってないですが、雰囲気は分かりますでしょ(汗)。
ロンドン大学のすぐ裏手っていうのも、ここが撮影に使われた理由かもしれませんね。



ラッセルスクエア周辺の建物。この辺は住まいもオフィスもあるのに雰囲気が落ち着いている。
人の歩くスピードは早いけれど。
ちなみに右は公衆トイレ。20ペンス(だったと思う)を払うと入れます。



立派な外見のホテル・ラッセル。

この後は、ピカデリーを歩いてGreen Park駅まで散歩して帰りました。
考えてみると結構な距離だったかも…。
自分にお疲れ様でした。


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