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【ネタバレ】「シャーロック 忌まわしき花嫁」まとめ【2】

2016-01-24 | TV/SHERLOCK S2〜

【1】からの続き。



ヴィクトリア朝時代から突如、現代へ戻り、
第三シリーズ「最後の挨拶」のエンディングからの続きになります。
(書いている私がマイクロフト贔屓なので、兄のシーンに偏り気味です)




(機長さんがレディー・カーマイクルと同じ女優さんですね。)
「最後の挨拶」でマイクロフトがシャーロックに電話を架けた5分後、
シャーロックを乗せたプライベート・ジェットは飛び立った飛行場に戻りますが、
当のシャーロックはヴィクトリア朝時代に戻りたがっています。
マイクロフトとジョン&メアリーには訳が分からず。

ここで私達視聴者は、シャーロックが今まで幻覚の中にいたことに気付きます。
でも、現代が本当の世界なのか? ヴィクトリア朝が幻覚なのか?
この時点では分からない状態。

■兄弟の"リスト"■

シャーロックは、モリアーティと同じく頭を撃ち抜いたリコレッティ夫人の事件を
"マインドパレス"で解決するところだったと明かしますが、
マイクロフトがシャーロックの異変に気付きます。




兄の体重の話をして話をそらそうとしてるのが子供っぽい…。
マイクロフトの告白から、兄弟の間で、摂取したドラッグをリストにする取り決めがあったことが知らされます。
おそらく「最後の挨拶」に出て来た穴蔵のような所に、マイクロフトが迎えに行ったりしていたんでしょうね…。

この前のディオゲネス・クラブのシーンでもリストの話が出てきますし、
第3シリーズの「三の兆候」でもハドソンさんと「兄はファイルを持っています」と話しているので、
この"リスト"のやり取りは、薬以外でもしていたのかなと想像させます。

シャーロックが出立前からドラッグを摂取していたと見抜くマイクロフト。
機内ではジョンと出会った時のブログを読んでいたシャーロックは、
本当はジョンとの別れを心底怖がっていたのかもしれません…。


■パンチを飲んではいないけど■





ここ!試験に出ます!(だから何のw)
マイクロフトったら、パンチを飲んで酔っぱらった時だけ優しいことをいうのかと思ったら、
こんなに極めつけのブラコン発言しちゃうなんて… Icemanなのに。なんて愛おしい…。
お兄ちゃんは心配性… それだけに、弟にとってはウザくて仕方ないのかも。

シャーロックの再び意識が混濁し、ヴィクトリア朝時代のワトソンの
「モルヒネか?それともコカイン?」の声によって、元の時代に引き戻されます。
この台詞はもちろん聖典の「四つの署名」から。


■花嫁の正体■

激しく現代とヴィクトリア朝を行き来する後半。
ヴィクトリア朝のホームズは、メアリーからの電報を受け取り、
ワトソンと共に彼女の元へ駆けつけます。
実はマイクロフトの指令を受けて極秘にリコレッティ夫人の事件と2人の動向を追っていたメアリー。
実行犯の組織を突き止めた彼女の手引きで、2人はある教会の中に忍び込みます。
そこにいたのは(K○Kのような)帽子を被った女性の集団。
そしてその中には、ホームズたちの知る顔も。



モリー・フーパーだけでなく、ワトソン家のメイドや、S3で登場したジャニーンの姿もあります。
ホームズは、リコレッティ夫人の銃による自殺はペイント弾や代役の死体を使ったトリックである事、
また夫人をないがしろにした夫や、結婚の約束までしていたにも関わらず彼女を捨てたサー・ユースタスに対しての復讐のため、
集団が結束して夫人を助け、その復讐劇を達成したことをワトソンたちに説明します。
放置され、軽視され、選挙権すら与えられない女性たちの戦争であると。
そして、その集団には事件を依頼してきたレディー・カーマイクルも含まれると推理しますが、
ホームズの前に現れたのは、彼女ではなく…



「お前のはずがない…」
「シャーロック、マジになれよ」「これは現実じゃないんだ」

シャーロックの意識は再び現代へ。


■英国情報部のセキュリティ■

病院へ運ばれたらしいシャーロックを、マイクロフトとジョン&メアリーが見守っています。
およそ100年前にリコレッティ夫人が埋められた場所を知りたいというシャーロックを鼻で笑うマイクロフト。



ジェットの中でも、マイクロフトが「私ならMI5のアーカイブにアクセス出来るがねー」と余裕かましてましたが、
その横でメアリーにアーカイブへ簡単に侵入されていたりして、形なしの英国政府。
(マイ「MI5のセキュリティをなんだと思ってるんだ?」メ「うーん、いいアイディアだと思うけど?」)
またしてもメアリーに出し抜かれちゃいましたね。


■「事件の影に女あり」■

リコレッティ夫人の墓地を突き止めたシャーロック一行。
推理の確信を得るために墓を暴こうとする"ヤク中"のシャーロックに、
ジョンは呆れてメアリーと共に帰ってしまいます。
残されたシャーロックはレストレードとマイクロフトに協力を頼みますが、




レストレードとシャーロックが力仕事をして、一切手を汚さないマイクロフトw
レストレードと視線を交わすシーンはレアですね!
掘り起こしてみたものの、期待するものは見つからず。
マイクロフトとレストレードはこんなことをしている場合ではないと声を掛けると、
掘り起こした花嫁の腐った遺体が起き上がり…

そして、このシーンもホームズの幻覚であることが分かります。
一番頼りにしている無二の親友のジョンがメアリーと共に立ち去り、
ガーディアンとしてのマイクロフトとレストレードが腐った花嫁の死体に襲われるという、
悪夢のような状態から、シャーロックはライヘンバッハの滝の中で目を覚まします。


■ウィルスにこんにちは■

ヴィクトリア朝の滝に戻って、再びモリアーティと再会。
彼はシャーロックに「おめでとう。君は史上初めて自分のマインドパレスに埋葬される男になるんだ」と言います。
「お前は何者だ?」と問いかけるシャーロックに、



この"Say hello to the virus."が今回の台詞の中でも特に好きです。(あとシャーロックの"I made me."とか。)
初めて見た時は「自分で『犯罪界のナポレオン』って言っちゃってるw」って面白がってましたが、
考えて見るとこれもシャーロックの幻想の中なんですよね…。

シャーロックの頭の中に常につきまとうウイルスとしてのモリアーティと
取っ組み合いの対決になり、ボコボコにされるシャーロック。
そこにジョンが銃を構えて現れます!
もちろん聖典ではあり得ないことですが、幻想の中ですから。
「2人一緒なんて卑怯だ」というモリアーティに、ジョンは、



かっこいいー!
まさに「最後の事件」でこうなってくれたらよかったのに!という理想の実現!
シャーロック自体も本来こんな展開を望んでいたのかもしれないですね。
2人のイマジネーションを飛び越えた信頼関係、熱々っぷりに
「もう駆け落ちしちゃえよ」とからかうモリアーティを、ジョンが一蹴して滝壺へ落とします。
さて、そこから現代にどうやって戻るのか。
シャーロックはあの一言を残して、自ら滝壺に身を投じます。
「初歩的だよ、ワトソン(Elementary, my dear Watson)」


■Redbeard、再び■

現代に戻ったシャーロックは、病院に行くか問われますが、
モリアーティが仕掛けた現在の事件を解決すべく、すぐにベイカー街へもどろうとします。
ふらつきながらプライベート・ジェットを出ようとするシャーロックを制して、
マイクロフトは、ドラッグを絶つよう迫ります。






さすがにジョンもマイクロフトの気持ちを察しているのか、この表情。
兄が弟のために今まで背負ってきた役割の大きさと、それを託されていることへの戸惑いを感じているせいでしょうか。
3人が去った後、シャーロックが切り裂いた"リスト"を拾い集めるマイクロフト。胸が痛い…。
その紙切れを挟みこんだ手帳にはあの言葉が…。




(ヴェルネは聖典「ギリシア語通訳」で明かされたホームズの祖母の姉妹という画家オーラス・ヴェルネのことでしょうか。
 ファンの間ではヴェルネ・シンドローム=頚静脈孔症候群→マイクロフトが妙に優しいのは死を予感してるのでは?などという考察があります。
 そんなの許さないぞ! そして、右の4×4の数字はバイナリコードだとか。)



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そんなわけで、ざっくりと振り返ってみましたが、
ここにあえて載せていない最後のシーン、
ヴィクトリアン・ホームズが"I've always known I was a man out of his time."と言って、
窓の外を見ると、外は現代の風景で…というエンディングがとても好きです。

果たして現代版が現実なのか?ヴィクトリアンが現実なのか?
もしかしたら、現代版は、ヴィクトリアン・ホームズが想像した未来の自分の姿なのかも。
もしくは、聖典のヴィクトリアン・ホームズは、現代のシャーロックが自分をその時代に移し替えて想像した姿なのかも。
どちらとも取れるので、実はこれは、現代版の存在自体を正当化させてしまう画期的なエピソードではありませんか!?

初見の時、マイクロフトの巨漢姿は問題なく受け入れられた(むしろ好きな)私でも、
何故大食いして命を危険に晒すような馬鹿な賭けをしているのかと理解に苦しみました。
最後まで見て行くと、あの姿はシャーロックが望んだマイクロフトの姿なんですよね。
そう思うと納得いくところがあります(笑)。

今回のエピソードは、リコレッティ夫人=モリアーティの死の謎についてのように見えて、
実は、ものすごくシャーロックの内面的な話でしたね。
つまり、いつまでも付いてくるモリアーティの影との向き合い方を決める話とも言えます。
一度は東欧で死ぬ覚悟をしていたシャーロックが、
再びジョンの元へ戻ったことで、ウイルスの存在と戦えると気付けたのかも。

元々、ホームズを薬物常用者として描くつもりはないと語っていた製作のスティーヴンとマークが、
ここにきて大胆にその設定を使っていることに対しては、
上記の設定で功を奏しているので、私は歓迎したいです。
でもマイクロフトが願うのと同じように、今後は避けてほしいものですね。

また「赤ひげ」の秘密も、今後どの程度明らかになるのか、気になる所です。

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海外でリリースされた特典映像については引き続きこちらをどうぞ。


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