とうとう「SHERLOCK」第2シーズンの本国での放送開始が1月1日と解禁されましたね!
来年放送なんだー、とちょっと寂しい気分になってましたが、
年明け早々、それも1日からとなれば喜ばずにはいられないですよね。
英国の視聴者が羨ましい…英国人は自分が英国人であることをもっと誇りに思うべきw
現地時間で12月7日には"A Scandal in Belgravia"のスクリーニングが催され、
参加したファンの感想を見ると
「アイリーン最高!」「第1シーズン以上に面白い!」「("The Great Game"の)プールシーンの解決法は完璧だ!」
なんて言葉が踊っていて、ますます期待に胸が膨らみます。
DVDも3月発売の予定が1月23日に前倒しされるようですので、
日本でも色々裏の手使わなくても1月中には見ることが出来そう。
コメンタリーも既に録り終えてるとか。
(以上のソースはMoffat氏の奥さんで製作者のSue Vertueさんのツイートから。)
私も、第1シーズンは情報をシャットアウトして我慢出来ましたが、
見てしまった今、日本での放映を待つ心の余裕は正直ありません;
そんな私の滞りがちなブログの投稿、再開~。
ジョンとシャーロックが出会うまで、というテーマですが。
「A Study of Pink」で、ジョンとシャーロックが過ごした時間は、実は2日間なんですよね。
入って来る情報が盛りだくさんなのですごく長い時間が経っているような気がしていましたが、
ジョンはシャーロックに出会ってすぐ、嵐に巻き込まれるように事件と関わるようになってしまったんですねー。
その一日目は「1月29日」。
この日、公園を杖を使いながら歩くジョンは旧友に出会います。
Stamford
John! John Watson!
ジョン! ジョン・ワトソン!
Stamford, Mike Stamford. We were at Barts together.
マイクだ。同じ病院で研修をした…
John
Yes. Sorry, yes, Mike, hello.
ああ、ごめん、覚えてるよ、マイク。
Stamford
Yes, I know, I got fat.
太っちゃったからなぁ。
John
No, no.
いやあ。
Stamford
I heard you were abroad somewhere getting shot at. What happened?
戦場で撃たれたって聞いたけどどうした?
John
Got shot.
…撃たれた。
John
Are you still at Bart's then?
今でも病院で?
Stamford
Teaching now, yeah. Bright young things like we used to be. God I hate them.
教えてる。昔の僕らみたいな連中をね。生意気だぞ。
What about you, just staying in town while you get yourself sorted?
君は? ロンドンに住む気はないのかい?
John
I can't afford London on an army pension.
年金だけじゃ物価が高くて。
Stamford
Ah, you couldn't bear to be anywhere else. That's not the John Watson I know.
でも他の土地に住めるか? 君には無理だろ。
John
Yeah I'm not that John Watson.
仕方ないだろ…。
Stamford
Couldn't Harry help?
…ハリーに頼めば?
John
Yeah, like that's gonna happen.
それだけはない。
Stamford
I don't know. You could get a flat share or something.
じゃあどうだ、ルームシェアするとか。
John
C'mon. Who'd want me for a flatmate.
誰が僕なんかと。
Stamford
(Stamford looks at him oddly. )
(おかしそうにジョンを見る。)
John
What?
何?
Stamford
Well you're the second person to say that to me today.
今日そう言ったのは君で二人目だ。
John
Who's the first?
…一人目は?
「緋色の研究」のワトソンは、ルームメイトの話を振られ、「しめた!」と言ってノリノリでしたが、
このジョンは何しろ後ろ向きになってしまっているので、「誰が僕なんかと」なんて言ってます。
しかもロンドン以外に住むジョンなんて僕の知ってるジョン・ワトソンじゃないよ、という言葉に
僕はその(君の知ってる)ジョン・ワトソンじゃないんだ、とまで言っています。
そして痺れる左手を気にするような仕草をするのです…(´・ω・`)
自分自身でも昔とは違ってしまったという自覚…もしかしたら暗示なのかもしれませんが、
今までのようにはいかないと思っているんでしょうか。
ここで注目すべきは、ジョンとスタンフォードの持ってるコーヒーです。
「緋色」では2人が再会したのは公園ではなく、クライテリオン・バーです。
設定が変わってしまったんだねーと思いながら、ジョンの持つコーヒーのラベルをよく見ると、
"-riterio-"と書いてあります!
つまり、出会った場所ではないものの、確かに2人はクライテリオンと名の付く店に寄ったことが分かるのです!
なんというこだわり! こんな細部へのこだわりが他にもたくさんあるのかも…
一見しただけではとても発見出来そうにないですねー。
一方、スタンフォードの言う、一人目の方はというと。
Sherlock
How fresh?
…鮮度は?
Molly
Just in. 67, natural causes. Used to work here. I knew him, he was nice.
今来たの。67歳で自然死。ここの元職員。知り合い。いい人よ。
Sherlock
Fine. We’ll start with the riding crop.
よし。乗馬鞭から始めよう。
Molly
So, bad day was it?
何か、嫌なことでも?
Sherlock
I need to know what bruises form in the next 20 minutes.
20分後にどんな痣が出たか教えて。
A man’s alibi depends on it. Text me.
ある男のアリバイが掛かってる。
Molly
Listen, I was wondering. Maybe later, when you’re finished…
…もしよかったら、お仕事が終わった後にでも…
Sherlock
You’re wearing lipstick. You weren’t wearing lipstick before.
口紅をつけてるの初めてだな?
Molly
I refreshed it a bit.
ちょっと…気分転換に…。
Sherlock
Sorry, you were saying?
ごめん、それで?
Molly
I was wondering if you’d like to have coffee?
仕事が終わったらコーヒーでもどう?
Sherlock
Black, two sugars, please. I’ll be upstairs.
ミルクなし、砂糖は2コで。
Molly
OK.
オーケー…。
現代版シャーロック・ホームズの記念すべき登場シーン!
「緋色」での死体を叩いて打撲傷を確認する、という描写は、
スタンフォードがワトソンにシャーロックの人となりを説明する際に出てきますが、
シャーロックはまさに実験の真っ最中。
登場でいきなり死体に鞭をふるう姿が見られるとは。しびれますw
そして、オリジナルのキャラクターである検死医のモリーもここで登場。
モリーはハドソンさんと並んで、パイロット版から4話続けて出演している、何げに重要人物です。
ご存知の通り、シャーロックに好意を持っているために、彼にうまく利用されることでおなじみw
「このコーヒーは君が飲むかを確認したかったわけじゃないんだ!」と、
誰かシャーロックに説明してやってくださいっ!
ちなみに、モリーを演じるLouise Brealeyさんは、ケンブリッジ大で歴史を学び、
ジャーナリストとしての顔も持つ才女であります。
先日そのことを日本語でツイートしたら、ご本人から「thanks x」とメンションを頂きました!
ご本人に宛てたわけではなく、しかも日本語だったのに、ビックリ!
ファンからのメッセージにもこまめに返しているみたいです。
さらに「尊敬します!(look up to you)」と返したら、
「私は結構小さいの。5フィート3インチよ」とシャレた返信が。
モリー…余計に応援したくなっちゃうよ!
さて、話は戻りまして、ジョンはスタンフォードと一緒に聖バーソロミュー病院に向かいます。
John
Bit different from my day.
へぇ…昔とは変わった。
Stamford
You’ve no idea.
ああ、ずいぶんね。
Sherlock
Mike, can I borrow your phone?
マイク、携帯貸せ。
There's no signal on mine.
僕のは通じない。
Stamford
And What's wrong with a landline?
固定電話を使え。
Sherlock
I prefer to text.
メールの方がいい。
Stamford
Sorry it's in my coat.
悪い、コートの中だ。
John
Er, here. Use mine.
ああ、なら、使います?
Sherlock
Oh. Thank you.
ああ。ありがとう。
Stamford
An old friend of mine, John Watson.
旧友のジョン・ワトソン。
Sherlock
Afghanistan or Iraq?
アフガニスタン? イラク?
John
Sorry?
…何?
Sherlock
Which was it, Afghanistan or Iraq?
アフガニスタンかイラクか、どっちだ?
John
Afghanistan. Sorry. How did you…
アフガニスタンだ…でもなんで…
Sherlock
Ah, Molly! Coffee. Thank you.
ああ!モリー、コーヒーありがとう。
What happened to the lipstick?
…口紅落としたのか?
Molly
It wasn't working for me.
似合わないから…
Sherlock
Really? I thought it was a big improvement. Your mouth's too small now.
塗ってた方がよかったよ。君は顔立ちが、地味だから。
Molly
Okay.
オッケー…
Sherlock
How do you feel about the violin?
ヴァイオリンは嫌いか?
John
I'm sorry, what?
何だって?
Sherlock
I play the violin when I'm thinking. Sometimes I don't talk for days on end. Would that bother you?
考え事があるとヴァイオリンを弾くし、何日も口を利かないことがある。
Potential flatmates should know the worst about each other.
一緒に暮らすなら言っておかないと。
John
You told him about me?
僕のこと話したの?
Stamford
Not a word.
何も。
John
And who said anything about flatmates?
じゃあ誰が喋ったんだ?
Sherlock
I did.
僕だよ。
Told Mike this morning that I must be a difficult man to find a flatmate for.
今朝マイクにルームメイトを探してるって話したら、ランチの後昔の友達を連れて来た。
Now here he is just after lunch with an old friend clearly just home from military service In Afghanistan.
しかもアフガニスタンから帰国したての。
Wasn't a difficult leap?
簡単な推理だ。
John
How did you know about afghanistan?
何故アフガニスタンだって?
Sherlock
Got my eye on a nice little place in central London.
ロンドンの中心部にいい部屋を見つけた。
Together we ought to be able to afford it.
二人なら借りられる。
We’ll meet there tomorrow evening, seven o’clock.
明日夜7時にそこで会おう。
Sorry, I got to dash. I think I left my riding crop in the mortuary.
じゃあ失礼。霊安室に乗馬鞭を忘れてた。
John
Is that it?
それだけ?
Sherlock
Is that what?
それだけって?
John
We’ve only just met and we’re going to go and look at a flat?
会ったばかりなのにルームシェア?
Sherlock
Problem?
悪いか?
John
We don’t know a thing about each other.
僕はその部屋がどこかしらないし、
I don’t know where we’re meeting, I don’t even know your name.
君の名前も知らない。
Sherlock
I know you’re an army doctor and you’ve been invalided home from Afghanistan.
君は陸軍の軍医で負傷してアフガニスタンから送還された。
And you’ve got a brother worried about you but you won’t go to him for help because you don’t approve of him,
君には兄がいる、だが頼らないのは嫌いだからだ。
possibly because he’s an alcoholic, more likely because he recently walked out on his wife.
大酒飲みか、あるいは妻を捨てたからだ。
And I know that your therapist thinks your limp’s psychosomatic,
君のセラピストは君が足を引きずるのは心の傷が原因だと考えている。
quite correctly, I’m afraid.
残念だがこれは当たりのようだ。
It’s enough to be going on with, don’t you think?
これだけ知っていれば十分じゃないか?
The name’s Sherlock Holmes and the address is 221B Baker Street.
僕はシャーロック・ホームズ。住所はベーカー街221のB。
Sherlock
Afternoon.
じゃあまた!
Stamford
Yeah, he’s always like that.
そう、ああいうヤツだ。
シャーロックとジョンの運命的な出会い!
機関銃のような推理攻撃に、シャーロックが去った後のジョンはポカーンといった感じです。
あまりにも有名なホームズの挨拶、
“You have been in Afghanistan, I perceive.”
これは現代でも有効で、アフガニスタンかイラクという台詞になっています。
(企画者で脚本家であり出演者でもあるMark Gatiss氏は
「勝つことのない戦争という意味でも同じ」と語っています。)
そして、ジョンが何をしにきたかをスタンフォードが説明することはなく、
シャーロックには全て分かっている、ということになっています。
聖典のホームズは、ヘモグロビンだけ沈殿する試薬を発見してテンション上がっている状態だったのに比べると、
ジョンが質問する余裕もなく言いたいことだけ言って帰ろうとするシャーロックはずいぶんクールですね。
でも最後にウインク☆ クールだけどお茶目な。
ジョンに兄弟がいることは、「四つの署名」で触れられていますが、
内容については上述のシャーロックの推理に関係してくるので後ほど。
会話のきっかけが携帯電話というのも現代版ならではですね。
ところでこの携帯電話からシャーロックが送ったメールの内容、
「もし弟が緑のはしごを持っていたら、逮捕しろ SH」
これはシャーロックの「推理の科学」にアップされている、“緑のはしご事件”の事のようです。
後ほど触れられたらと思いますが、夫殺しの犯人が弟ではないかと疑っている妻からの依頼で、
その夫殺しの証拠となるのが緑のはしご、のようです。
もちろん、シャーロックが何者かを知らないジョンは、
このメールを確認したところで「?」状態で、
少しでも彼の正体を知ろうと、シャーロックの名前をネットで検索します。
そして、その後、おそらく初めて意欲的にブログを書く気になったようで、
今までになく長文の記事をアップしています。
これが、彼の初めての”ボズウェル”としての記事になるわけですね。
(以下、意訳。)
■
1月29日
奇妙な出会い
このブログを、どうやって書いたらいいか分からない。僕は作家ではないし。
エラはブログを続けることが僕の気持ちの整理の助けになると考えていたけれど、
そんなことはない。僕には何も起こらなかったからだ。
しかし今日、何かがあった。あることが起こったんだ。
僕は公園を歩いていて、マイク・スタンフォードと出くわした。
僕らは学生時代の友達で、2人でコーヒーを飲み、僕が引っ越したいと思っていることについて話した。
彼が言うには、同じような状況の人を知っているそうだ。
それで、聖バーソロミュー病院に行って、マイクは僕らを紹介した。
いや、彼は僕らを紹介はしなかった。その男性は僕が誰なのかを知っていたんだ。
どういうわけか、彼は僕のすべてを知っていた。
僕がアフガニスタンに従軍していたことも、負傷して送還されたことも。
その男性は僕の傷は精神的なものであると言っていたので、全てが正解なわけではないけれど、
僕が何故そこにいたのかさえ知っていた。マイクが何も話していないにも関わらず、だ。
僕はフラットに戻って彼の名をググってみた。そして「推理の科学」という彼のサイトを見つけた。
狂ってる。彼は変人なのかも。傲慢でかなり失礼だし、12歳のパブリック・スクールの子って感じ。
そう、間違いなくおかしな人だけど、妙に好感が持てた。彼は魅力的だ。ホントに奇妙なことだ。
そして明日、僕らはフラットを見に行く。僕とマッドマン…シャーロック・ホームズとで。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
マジ…?
ハリー・ワトソン 1月29日 19:37
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ゲイになったのか?
ビル・マーレー 1月29日 20:31
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ハハハ! 弟に限って! ジョンはクララに気があったんだから。
ハリー・ワトソン 1月29日 20:34
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
彼女はなんか言ってた?
ビル・マーレー 1月29日 20:41
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
嫌ではないみたい。とにかく弟の話をしましょ。
ハリー・ワトソン 1月29日 20:43
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
メールか何かでやりとりしてくれない? これは僕の考えを記録するためのブログなんだから。
ジョン・ワトソン 1月29日 21:02
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
否定しないの?
ビル・マーレー 1月29日 21:32
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
僕はゲイじゃない。彼はそうかも。知らないけど。関係ないよ。
ジョン・ワトソン 1月29日 21:42
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
www
ハリー・ワトソン 1月29日 22:00
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
www? ハリー、君36なんだよ? 36だっていうのに…。
ジョン・ワトソン 1月29日 22:03
来年放送なんだー、とちょっと寂しい気分になってましたが、
年明け早々、それも1日からとなれば喜ばずにはいられないですよね。
英国の視聴者が羨ましい…英国人は自分が英国人であることをもっと誇りに思うべきw
現地時間で12月7日には"A Scandal in Belgravia"のスクリーニングが催され、
参加したファンの感想を見ると
「アイリーン最高!」「第1シーズン以上に面白い!」「("The Great Game"の)プールシーンの解決法は完璧だ!」
なんて言葉が踊っていて、ますます期待に胸が膨らみます。
DVDも3月発売の予定が1月23日に前倒しされるようですので、
日本でも色々裏の手使わなくても1月中には見ることが出来そう。
コメンタリーも既に録り終えてるとか。
(以上のソースはMoffat氏の奥さんで製作者のSue Vertueさんのツイートから。)
私も、第1シーズンは情報をシャットアウトして我慢出来ましたが、
見てしまった今、日本での放映を待つ心の余裕は正直ありません;
そんな私の滞りがちなブログの投稿、再開~。
ジョンとシャーロックが出会うまで、というテーマですが。
「A Study of Pink」で、ジョンとシャーロックが過ごした時間は、実は2日間なんですよね。
入って来る情報が盛りだくさんなのですごく長い時間が経っているような気がしていましたが、
ジョンはシャーロックに出会ってすぐ、嵐に巻き込まれるように事件と関わるようになってしまったんですねー。
その一日目は「1月29日」。
この日、公園を杖を使いながら歩くジョンは旧友に出会います。
Stamford
John! John Watson!
ジョン! ジョン・ワトソン!
Stamford, Mike Stamford. We were at Barts together.
マイクだ。同じ病院で研修をした…
John
Yes. Sorry, yes, Mike, hello.
ああ、ごめん、覚えてるよ、マイク。
Stamford
Yes, I know, I got fat.
太っちゃったからなぁ。
John
No, no.
いやあ。
Stamford
I heard you were abroad somewhere getting shot at. What happened?
戦場で撃たれたって聞いたけどどうした?
John
Got shot.
…撃たれた。
John
Are you still at Bart's then?
今でも病院で?
Stamford
Teaching now, yeah. Bright young things like we used to be. God I hate them.
教えてる。昔の僕らみたいな連中をね。生意気だぞ。
What about you, just staying in town while you get yourself sorted?
君は? ロンドンに住む気はないのかい?
John
I can't afford London on an army pension.
年金だけじゃ物価が高くて。
Stamford
Ah, you couldn't bear to be anywhere else. That's not the John Watson I know.
でも他の土地に住めるか? 君には無理だろ。
John
Yeah I'm not that John Watson.
仕方ないだろ…。
Stamford
Couldn't Harry help?
…ハリーに頼めば?
John
Yeah, like that's gonna happen.
それだけはない。
Stamford
I don't know. You could get a flat share or something.
じゃあどうだ、ルームシェアするとか。
John
C'mon. Who'd want me for a flatmate.
誰が僕なんかと。
Stamford
(Stamford looks at him oddly. )
(おかしそうにジョンを見る。)
John
What?
何?
Stamford
Well you're the second person to say that to me today.
今日そう言ったのは君で二人目だ。
John
Who's the first?
…一人目は?
「緋色の研究」のワトソンは、ルームメイトの話を振られ、「しめた!」と言ってノリノリでしたが、
このジョンは何しろ後ろ向きになってしまっているので、「誰が僕なんかと」なんて言ってます。
しかもロンドン以外に住むジョンなんて僕の知ってるジョン・ワトソンじゃないよ、という言葉に
僕はその(君の知ってる)ジョン・ワトソンじゃないんだ、とまで言っています。
そして痺れる左手を気にするような仕草をするのです…(´・ω・`)
自分自身でも昔とは違ってしまったという自覚…もしかしたら暗示なのかもしれませんが、
今までのようにはいかないと思っているんでしょうか。
ここで注目すべきは、ジョンとスタンフォードの持ってるコーヒーです。
「緋色」では2人が再会したのは公園ではなく、クライテリオン・バーです。
設定が変わってしまったんだねーと思いながら、ジョンの持つコーヒーのラベルをよく見ると、
"-riterio-"と書いてあります!
つまり、出会った場所ではないものの、確かに2人はクライテリオンと名の付く店に寄ったことが分かるのです!
なんというこだわり! こんな細部へのこだわりが他にもたくさんあるのかも…
一見しただけではとても発見出来そうにないですねー。
一方、スタンフォードの言う、一人目の方はというと。
Sherlock
How fresh?
…鮮度は?
Molly
Just in. 67, natural causes. Used to work here. I knew him, he was nice.
今来たの。67歳で自然死。ここの元職員。知り合い。いい人よ。
Sherlock
Fine. We’ll start with the riding crop.
よし。乗馬鞭から始めよう。
Molly
So, bad day was it?
何か、嫌なことでも?
Sherlock
I need to know what bruises form in the next 20 minutes.
20分後にどんな痣が出たか教えて。
A man’s alibi depends on it. Text me.
ある男のアリバイが掛かってる。
Molly
Listen, I was wondering. Maybe later, when you’re finished…
…もしよかったら、お仕事が終わった後にでも…
Sherlock
You’re wearing lipstick. You weren’t wearing lipstick before.
口紅をつけてるの初めてだな?
Molly
I refreshed it a bit.
ちょっと…気分転換に…。
Sherlock
Sorry, you were saying?
ごめん、それで?
Molly
I was wondering if you’d like to have coffee?
仕事が終わったらコーヒーでもどう?
Sherlock
Black, two sugars, please. I’ll be upstairs.
ミルクなし、砂糖は2コで。
Molly
OK.
オーケー…。
現代版シャーロック・ホームズの記念すべき登場シーン!
「緋色」での死体を叩いて打撲傷を確認する、という描写は、
スタンフォードがワトソンにシャーロックの人となりを説明する際に出てきますが、
シャーロックはまさに実験の真っ最中。
登場でいきなり死体に鞭をふるう姿が見られるとは。しびれますw
そして、オリジナルのキャラクターである検死医のモリーもここで登場。
モリーはハドソンさんと並んで、パイロット版から4話続けて出演している、何げに重要人物です。
ご存知の通り、シャーロックに好意を持っているために、彼にうまく利用されることでおなじみw
「このコーヒーは君が飲むかを確認したかったわけじゃないんだ!」と、
誰かシャーロックに説明してやってくださいっ!
ちなみに、モリーを演じるLouise Brealeyさんは、ケンブリッジ大で歴史を学び、
ジャーナリストとしての顔も持つ才女であります。
先日そのことを日本語でツイートしたら、ご本人から「thanks x」とメンションを頂きました!
ご本人に宛てたわけではなく、しかも日本語だったのに、ビックリ!
ファンからのメッセージにもこまめに返しているみたいです。
さらに「尊敬します!(look up to you)」と返したら、
「私は結構小さいの。5フィート3インチよ」とシャレた返信が。
モリー…余計に応援したくなっちゃうよ!
さて、話は戻りまして、ジョンはスタンフォードと一緒に聖バーソロミュー病院に向かいます。
John
Bit different from my day.
へぇ…昔とは変わった。
Stamford
You’ve no idea.
ああ、ずいぶんね。
Sherlock
Mike, can I borrow your phone?
マイク、携帯貸せ。
There's no signal on mine.
僕のは通じない。
Stamford
And What's wrong with a landline?
固定電話を使え。
Sherlock
I prefer to text.
メールの方がいい。
Stamford
Sorry it's in my coat.
悪い、コートの中だ。
John
Er, here. Use mine.
ああ、なら、使います?
Sherlock
Oh. Thank you.
ああ。ありがとう。
Stamford
An old friend of mine, John Watson.
旧友のジョン・ワトソン。
Sherlock
Afghanistan or Iraq?
アフガニスタン? イラク?
John
Sorry?
…何?
Sherlock
Which was it, Afghanistan or Iraq?
アフガニスタンかイラクか、どっちだ?
John
Afghanistan. Sorry. How did you…
アフガニスタンだ…でもなんで…
Sherlock
Ah, Molly! Coffee. Thank you.
ああ!モリー、コーヒーありがとう。
What happened to the lipstick?
…口紅落としたのか?
Molly
It wasn't working for me.
似合わないから…
Sherlock
Really? I thought it was a big improvement. Your mouth's too small now.
塗ってた方がよかったよ。君は顔立ちが、地味だから。
Molly
Okay.
オッケー…
Sherlock
How do you feel about the violin?
ヴァイオリンは嫌いか?
John
I'm sorry, what?
何だって?
Sherlock
I play the violin when I'm thinking. Sometimes I don't talk for days on end. Would that bother you?
考え事があるとヴァイオリンを弾くし、何日も口を利かないことがある。
Potential flatmates should know the worst about each other.
一緒に暮らすなら言っておかないと。
John
You told him about me?
僕のこと話したの?
Stamford
Not a word.
何も。
John
And who said anything about flatmates?
じゃあ誰が喋ったんだ?
Sherlock
I did.
僕だよ。
Told Mike this morning that I must be a difficult man to find a flatmate for.
今朝マイクにルームメイトを探してるって話したら、ランチの後昔の友達を連れて来た。
Now here he is just after lunch with an old friend clearly just home from military service In Afghanistan.
しかもアフガニスタンから帰国したての。
Wasn't a difficult leap?
簡単な推理だ。
John
How did you know about afghanistan?
何故アフガニスタンだって?
Sherlock
Got my eye on a nice little place in central London.
ロンドンの中心部にいい部屋を見つけた。
Together we ought to be able to afford it.
二人なら借りられる。
We’ll meet there tomorrow evening, seven o’clock.
明日夜7時にそこで会おう。
Sorry, I got to dash. I think I left my riding crop in the mortuary.
じゃあ失礼。霊安室に乗馬鞭を忘れてた。
John
Is that it?
それだけ?
Sherlock
Is that what?
それだけって?
John
We’ve only just met and we’re going to go and look at a flat?
会ったばかりなのにルームシェア?
Sherlock
Problem?
悪いか?
John
We don’t know a thing about each other.
僕はその部屋がどこかしらないし、
I don’t know where we’re meeting, I don’t even know your name.
君の名前も知らない。
Sherlock
I know you’re an army doctor and you’ve been invalided home from Afghanistan.
君は陸軍の軍医で負傷してアフガニスタンから送還された。
And you’ve got a brother worried about you but you won’t go to him for help because you don’t approve of him,
君には兄がいる、だが頼らないのは嫌いだからだ。
possibly because he’s an alcoholic, more likely because he recently walked out on his wife.
大酒飲みか、あるいは妻を捨てたからだ。
And I know that your therapist thinks your limp’s psychosomatic,
君のセラピストは君が足を引きずるのは心の傷が原因だと考えている。
quite correctly, I’m afraid.
残念だがこれは当たりのようだ。
It’s enough to be going on with, don’t you think?
これだけ知っていれば十分じゃないか?
The name’s Sherlock Holmes and the address is 221B Baker Street.
僕はシャーロック・ホームズ。住所はベーカー街221のB。
Sherlock
Afternoon.
じゃあまた!
Stamford
Yeah, he’s always like that.
そう、ああいうヤツだ。
シャーロックとジョンの運命的な出会い!
機関銃のような推理攻撃に、シャーロックが去った後のジョンはポカーンといった感じです。
あまりにも有名なホームズの挨拶、
“You have been in Afghanistan, I perceive.”
これは現代でも有効で、アフガニスタンかイラクという台詞になっています。
(企画者で脚本家であり出演者でもあるMark Gatiss氏は
「勝つことのない戦争という意味でも同じ」と語っています。)
そして、ジョンが何をしにきたかをスタンフォードが説明することはなく、
シャーロックには全て分かっている、ということになっています。
聖典のホームズは、ヘモグロビンだけ沈殿する試薬を発見してテンション上がっている状態だったのに比べると、
ジョンが質問する余裕もなく言いたいことだけ言って帰ろうとするシャーロックはずいぶんクールですね。
でも最後にウインク☆ クールだけどお茶目な。
ジョンに兄弟がいることは、「四つの署名」で触れられていますが、
内容については上述のシャーロックの推理に関係してくるので後ほど。
会話のきっかけが携帯電話というのも現代版ならではですね。
ところでこの携帯電話からシャーロックが送ったメールの内容、
「もし弟が緑のはしごを持っていたら、逮捕しろ SH」
これはシャーロックの「推理の科学」にアップされている、“緑のはしご事件”の事のようです。
後ほど触れられたらと思いますが、夫殺しの犯人が弟ではないかと疑っている妻からの依頼で、
その夫殺しの証拠となるのが緑のはしご、のようです。
もちろん、シャーロックが何者かを知らないジョンは、
このメールを確認したところで「?」状態で、
少しでも彼の正体を知ろうと、シャーロックの名前をネットで検索します。
そして、その後、おそらく初めて意欲的にブログを書く気になったようで、
今までになく長文の記事をアップしています。
これが、彼の初めての”ボズウェル”としての記事になるわけですね。
(以下、意訳。)
■
1月29日
奇妙な出会い
このブログを、どうやって書いたらいいか分からない。僕は作家ではないし。
エラはブログを続けることが僕の気持ちの整理の助けになると考えていたけれど、
そんなことはない。僕には何も起こらなかったからだ。
しかし今日、何かがあった。あることが起こったんだ。
僕は公園を歩いていて、マイク・スタンフォードと出くわした。
僕らは学生時代の友達で、2人でコーヒーを飲み、僕が引っ越したいと思っていることについて話した。
彼が言うには、同じような状況の人を知っているそうだ。
それで、聖バーソロミュー病院に行って、マイクは僕らを紹介した。
いや、彼は僕らを紹介はしなかった。その男性は僕が誰なのかを知っていたんだ。
どういうわけか、彼は僕のすべてを知っていた。
僕がアフガニスタンに従軍していたことも、負傷して送還されたことも。
その男性は僕の傷は精神的なものであると言っていたので、全てが正解なわけではないけれど、
僕が何故そこにいたのかさえ知っていた。マイクが何も話していないにも関わらず、だ。
僕はフラットに戻って彼の名をググってみた。そして「推理の科学」という彼のサイトを見つけた。
狂ってる。彼は変人なのかも。傲慢でかなり失礼だし、12歳のパブリック・スクールの子って感じ。
そう、間違いなくおかしな人だけど、妙に好感が持てた。彼は魅力的だ。ホントに奇妙なことだ。
そして明日、僕らはフラットを見に行く。僕とマッドマン…シャーロック・ホームズとで。
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マジ…?
ハリー・ワトソン 1月29日 19:37
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ゲイになったのか?
ビル・マーレー 1月29日 20:31
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ハハハ! 弟に限って! ジョンはクララに気があったんだから。
ハリー・ワトソン 1月29日 20:34
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彼女はなんか言ってた?
ビル・マーレー 1月29日 20:41
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嫌ではないみたい。とにかく弟の話をしましょ。
ハリー・ワトソン 1月29日 20:43
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メールか何かでやりとりしてくれない? これは僕の考えを記録するためのブログなんだから。
ジョン・ワトソン 1月29日 21:02
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否定しないの?
ビル・マーレー 1月29日 21:32
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僕はゲイじゃない。彼はそうかも。知らないけど。関係ないよ。
ジョン・ワトソン 1月29日 21:42
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www
ハリー・ワトソン 1月29日 22:00
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www? ハリー、君36なんだよ? 36だっていうのに…。
ジョン・ワトソン 1月29日 22:03
わざわざブログまで足を?運んで読んでいただいて嬉しいです。
そうですね~、知識はそれほどないし、愛情くらいしか戦う要素がないので、
そのパワーだけで書いているって感じですw
こちらはマイペースでやっているので、またお時間あったら覗いてやってくださいね。
法水さんのブログも後でお邪魔させていただきます。
Twitterではお世話になってます。法水です。
初めてお邪魔させていただきましたが、すごい~。喉から手が出るほど欲しかった、Sherlockのセリフと日本語訳が!(キャーv)
すみません、あまりに嬉しくてはしゃいでしまいました。
なにより、notfspurejamさんのSherlock(ドラマも聖典も)に対する愛情がヒシヒシと感じられて、読んでいるこちらもあったかい気分になりました。ありがとうございます。
(私も似たようなことをblogで始めちゃったので、己の出来の悪さにチョット恥ずかしくなりました。あちゃー)
のちほど、じっくり拝読させていただきますね。
これからも更新楽しみにしています。
のんびり待っております~
そうか、36歳より下なのか…ええっ?w
まあでもマーティンは年より若く見えるから、セーフ!
そうするとシャーロックは30前半なんでしょうかね。
前にファンの「2人は何歳の設定なんですか?」という質問に
Gatiss氏が「10才と8才。」って答えてましたがw
ブログはあまり自信がないので、参考程度に読んでくださいね(^^;
私も第一話の台詞は大好きなんですが、全体的に大好きなだけに、
かいつまんでまとめることが難しそうです。
来年にまたいでのんびり上げてくと思いますので、時間あるときにでも読んでやってください(^^)
お疲れ様です
とても楽しかったです
ジョンのブログの自分の解釈が、あまり間違ってなかったのがわかってホッ^^;
でもジョンの年って36より下なんですね^^;
マーティンの実年齢どおりで考えていたので少しギャップが^^;
それにしてもLouise Brealeyさんからお返事をもらったなんてーーー
うらやましすぎです!!
なんて素敵な方なんでしょう!
シャーロックでのモリーのキャラも好きですし^m^
これからも期待してます
あ、でもお体にも気をつけて^^
ブログまで載せていただき
ほんとうに、奥の奥まで楽しめます(笑)
第一話はウィットに富んでいて好きですので、
日本語では分からない、
いろいろな発見を読ませて
頂けると思っております
大変だと思いますが、
マイペースでいいので、
よろしくお願いいたします
わくわく(^O^)ドキドキ