ノリの東京の友人の生きる糧(福岡編)

日々のちょっとした楽しみや悲しみを徒然に語ります。

映画寸評(2016年11月分) ※お薦めは『この世界の片隅に』、『続・深夜食堂』、他6本です。

2016年12月01日 | 映画

 今回は先月に観た映画の評価と簡単な感想を書きます。

 11月に観た映画は18本と過去最高の月間鑑賞数でした。祝日が2日あったので観たい作品は全て観れたと思います(有給も1日使いました)。
 現時点で今年観た作品数は113本になったので、最終的には年間鑑賞数は120本前後で落ち着くと思います。年内に必ず観に行くつもりの作品は『マダムフローレンス』、『RANMARU 神の舌を持つ男』、『ローグ・ワン』、『海賊と呼ばれた男』、『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』、『土竜の唄 香港狂騒曲』くらいですね。

 さて、11月は良い作品が多かったです。
 ☆5つが『この世界の片隅に』と『続・深夜食堂』の2本、☆4つが『92歳のパリジェンヌ』、『ジュリエッタ』、『湯を沸かすほどの熱い愛』、『ミュージアム』、『ハンズ・オブ・ラヴ』、『疾風ロンド』」の6本です。この8本はお薦めです。特に『今年最高の1本』に挙げている人が多いアニメの『この世界の片隅に』は多くの人に観て欲しいですね。上映館数が少ないのと、マスコミの多くが謎の無視(能年さん絡みか)、と言う逆風の中、確実に観客数は増えているようなのですが、できれば『君の名は。』の半分くらいでもいいので興行的に成功して欲しいですね。


(2016年11月に観た映画の評価)

 1.ぼくのおじさん ・・・ ☆3

 2.92歳のパリジェンヌ ・・・ ☆4

 3.デスノート Light up the NEW world ・・・ ☆3

 4.ジュリエッタ ・・・ ☆4

 5.ボクの妻と結婚してください ・・・ ☆3  ※感想は11月18日の記事に書いています。

 6.溺れるナイフ ・・・ ☆3

 7.この世界の片隅に ・・・ ☆5  ※感想は11月18日の記事に書いています。

 8.湯を沸かすほどの熱い愛 ・・・ ☆4  ※感想は11月18日の記事に書いています。

 9.ガール・オン・ザ・トレイン ・・・ ☆3

 10.機動戦士ガンダム THE ORIGIN IV 運命の前夜 ・・・ ☆3  ※感想は11月22日の記事に書いています。

 11.ミュージアム ・・・ ☆4  ※感想は11月23日の記事に書いています。

 12.幸福のアリバイ ~ Picture ~ ・・・ ☆2

 13.続・深夜食堂 ・・・ ☆5

 14.ジャック・リーチャー NEVER GO BACK ・・・ ☆3

 15.ハンズ・オブ・ラヴ ・・・ ☆4

 16.聖の青春 ・・・ ☆3

 17.ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅 ・・・ ☆3

 18.疾風ロンド ・・・ ☆4


 まずは、小林薫さん主演の『続・深夜食堂』ですが、3つのエピソードのうちの2本の出来が素晴らしかったので☆5つの評価です。特に2本目のそば屋の母子の物語は今年1番笑わせてもらいました。母親役のキムラ緑子さんの演技は本当に凄いです。5割くらいの入りだった客席も笑いで一体となっていました。3本目のオレオレ詐欺に引っかかった老婆の話も泣けるエピソードでした。交番の警官を演じるオダギリジョーさんの演技も見事です。本作を観る前に観た陣内孝則監督の5つの話からなる『幸福のアリバイ ~ Picture ~』がイマイチだったのですが、その残念感は本作を観ることで完全に消えました。心地良い気持ちで映画館を後にすることができました。

 ちなみに、☆2つの評価のコメディ映画の『幸福のアリバイ ~ Picture ~』は、5つの話のうち、面白いが1本(お通夜の話)、普通が2本(息子の成人式の話、娘の出産の話)、イマイチが1本(あるカップルの話)、つまらないが1本(その後のあるカップルの話)と言った感じでトータル『1勝2敗2引き分け』でした。これでは☆3つの『普通』の評価はできないですね。一番面白くない話がラストだったので作品の印象が悪くなりました。最後のエピソードはいらなかった気がします。魅力がない主人公の話は観ていて辛いです。1本目のお通夜の話がとても良かっただけに残念です。

 尊厳死を扱ったフランス映画の『92歳のパリジェンヌ』は色々と考えさせられる映画でした。92歳の主人公の老婆が自分ができなくなった行動のリストを付けて、「気力があるうちにこの世を去りたい。」と思う気持ちは同感できます。問題は残された家族の想いですね。その部分を本作はうまく描いていたと思います。「自分だったらどうするだろう。」と観た日は色々と考えました。

 スペイン映画の『ジュリエッタ』は、突然目の前から消えた娘のことを思う母親を描いた作品で何か特別なことが起きる訳ではないのですが、なぜか魅せられてしまいました。これは若き日の母親を演じた広瀬アリスさんに似ているアドリアーナ・ウガルテの美しさのせいですかね。世界にはまだまだ知らない綺麗な女優さんがいるんですね。現在と過去を行き来する物語の展開と希望が見えるラストが良かったです。

 ジュリアン・ムーア主演の『ハンズ・オブ・ラヴ』は、メインテーマが『ボクの妻と結婚してください』と『湯を沸かすほどの熱い愛』と同じ『余命わずかの主人公が残された家族にどう接するか、何を残すのか。』と言う作品でした。同じような主題の作品が3本も同時期に公開されたのは珍しいですね。ただし、本作は実話で同性カップルの話なので少し趣が違いました(主人公は刑事です)。感情移入はしづらかったのですが、やはり観ていて泣いてしまいました。主人公を取り囲む人達の応援の様子も素晴らしかったです。

 私の好きな俳優の阿部寛さん主演の『疾風ロンド』は、ぬるい笑いが続く主人公があまり活躍しない映画でイマイチぱっとしないのですが、終盤の展開が見事だったので☆4つの評価にしました。「これで終わりだろ。」と思った後に更に違う展開が続く物語は見事です。大笑いで終わったラストは『ラスト至上主義』の私には高評価です。気楽に観れるので気分展開したい人にはお薦めの作品です。

 気楽に観れると言う点では、哲学者なのに甥から見ると少しだらしないおじさんを松田龍平さんが演じた『ぼくのおじさん』も同じです。ぬるい笑いが続くのですが、温かい気持ちで席を立てました。本作も気分展開にはいい作品ですね。それにしても松田龍平さんは変人の役が多いですね。私は結構龍平さんの映画は観ていると思うのですが、普通の人を演じていた記憶がすぐには出てこないですね。映画界には貴重な俳優さんですね。

 東出昌大さん池松壮亮さん菅田将暉さんが三つ巴の戦いを繰り広げた『デスノート Light up the NEW world』は、前作の映画を観ていないのでイマイチ入り込めませんでした(原作漫画は読んでいますが・・・)。観てから行けばもっと楽しめたかもしれませんね。ただし、ここまで話が込み入ってくると『一見さんお断り』的な感じになってしまうので、もう少し話はシンプルだった方が良かったような気がします。本作はどの年代の観客をターゲットにしたんですかね。

 映画に出まくっている小松菜奈さんと菅田将暉さん主演の『溺れるナイフ』は不思議な映画でした。物語があるのはあるのですが、話は二の次で2人を綺麗にスクリーンに映し出すのを目的としたプローモーションビデオのような映画に私は思えました。映像は本当に美しかったですね。特に遠くから映したショットが多くて印象的でした。

 エミリー・ブラント主演のミステリー映画の『ガール・オン・ザ・トレイン』は、「アルコール中毒って怖いなぁ。嫌だなぁ。」と改めて思いました。名作の『ゴーン・ガール』と比較されていますが、比較するレベルではないと私は思いました(犯人も予想できる範囲ですし・・・)。そもそも主人公のアル中がなければ発生しない特殊とも言える事件を描いていたので感情移入はできなかったですね。ただし、メインの3人の女優さん(エミリー・ブラント、レベッカ・ファーガソン、ヘイリー・ベネット)の美の競演はスクリーンに映えましたね。それだけでも本作は観る価値があると思います。

 トム・クルーズの『アウトロー』の続編の『ジャック・リーチャー NEVER GO BACK』も観ている間は楽しいのですが、観終わった後にはあまり何も残りませんでした。ちょっと主人公が強過ぎ&有能過ぎますね。これではよっぽどな敵(悪役)を持ってこないと物語のバランスが取れないですね。私は仲間達に助けられながら話が進む『ミツションインポッシブル』シリーズの方が好きです。

 松山ケンイチさんが実在した棋士を演じた『聖の青春』はなかなか見応えのある作品でした。将棋に詳しくなくても楽しめました。ただし、主人公の将棋以外の生活の描写が思ったよりも少なくて、いま一つ感情移入ができなかったです(そもそも天才棋士に一般人が感情移入なんかできるんですかね・・・)。ドキュメンタリー映画を観ている感じで最後まで行ってしまいましたね。あとは、ライバルの羽生善治棋士を演じた東出昌大さんは見事でした。「これ誰。」と予告編を観る度に思っていたのですが東出さんだったんですね。こう言う静かな役もいいですね。

 最後はハリー・ポッターシリーズの新作の『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』ですが、『ジャック・リーチャー NEVER GO BACK』同様に観ている間は楽しいのですが、観終わった後にはあまり何も残りませんでした。魔法動物がたくさん出るので映像は派手でよかったんですけどね。やはり、今回の主人公は、卓球の福原愛さんと同じように子供の頃から成長していく姿を観てきたハリー・ポッターと違って思い入れが全くないのがイマイチのめり込めなかった原因ですかね。今後の作品で主人公の詳細が明かされていくのだと思いますが、今回は主人公の深堀ができていませんでした。
 唯一の収穫は本作のヒロインの妹役を演じた女優のアリソン・スドルの存在ですね。その可愛さはジム・キャリー主演の『マスク』でキャメロン・ディアスを初めて見た時と同レベルの衝撃でした。本作がデビュー作らしいので今後の活躍が楽しみですね(もともと歌手で活躍している方のようです)。


 以上、11月に観た映画の評価と簡単な感想でした。
 今年も残すところ12月だけです。そろそろ『マイアカデミー賞2016』の選考作業の準備を始めたいと思います。

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