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1枚の『鳥』のイラスト以外の事前情報の公開が全くなかった宮崎駿監督のアニメ映画『君たちはどう生きるか』を7月19日(水)に馴染みの映画館で観てきました。
平日の9時20分開始の朝一番の回でしたが、客席は4割くらい埋まっていました。観客のほとんどが大人で子供の姿は見かけませんでした。客層は女性の方が多かった感じです。
事前情報なし(宣伝なし)だった本作ですが、私にとって宮崎監督は、その名前を聞いただけで新作が公開されたら無条件で映画館に足を運ぶ数少ない監督の1人なので、観に行くのは当然のムーブメントでした。
本作は宮崎監督の最後の作品だと言う話も聞いていたので、映画好きの人間ならば絶対に観に行かないといけない作品でもありました。
ちなみに、事前情報のシャットアウトに関しては、サイトのネタバレ情報を私に伝えようとする同僚が出現したので焦りましたが、
・主題歌が某有名歌手の〇〇〇〇
・声優で某国民的俳優の〇〇〇〇が出演
・映画の評価は賛否両論に分かれる
と言う程度で収まりました。「本作はナウシカ2である。」と言う謎の情報もネットで流れていましたが、それはガセネタだろうと思って気にしていませんでした。事前情報のシャットダウンには成功したんじゃないですかね。
さて、本作を観た私の感想は「宮崎監督の作品の中で一番ワクワクしなかった。」です。
もっと正直に言うと「早く終わらないかなぁ。」と終盤には思ってしまいました。前作の『風立ちぬ』と同じようにブルーレイを買うことはないと思います。既に劇場で何度も観ている人がいるようですが、私は1回で十分です。テレビの地上波で放送されても観ることはないと思います。観て判らなかった部分の考察もする気になりません。
本作は絵と音楽は素晴らしいので「さすが宮崎駿作品。」と思いましたが、私は物語にのめり込むことができませんでした。最初の10分くらいの描写はスピード感があって期待できたのですが、その後はどこかで観たり読んだりしたことのある物語が続くので新鮮味を感じませんでした。これは私が年を取ったせいかもしれませんけどね。
物語にのめり込めなかった原因のもう1つは、説明不足の部分が多いと言う点です。
数多くの説明不足は小説や漫画や映画を趣味にしている人間には容易に想像して補完できるのですが、「もう少し判りやすく作ればいいのに。話が盛り上がらないなぁ。」とずっと思いながら最後まで観ていました。
説明不足の部分は編集でカットされたせいなのか、最初からシナリオがそうなっていたからなのか判りませんが、判断を観客に投げっぱなしにしている感じがしたので、本作は娯楽作品(エンターテインメント)と言うよりは芸術作品(アート)として観た方がいいのかもしれませんね。宮崎監督の最後の作品なので監督のやりたいように好きに作ったんですかね。本作が賛否両論の評価に分かれているのは理解できます。
と言う感じだったので、『君たちはどう生きるか』の私の評価は☆3つです(☆5つが最高)。シナリオがイマイチで新鮮味が感じられなかったので高評価は付けることができません。
酷評されている声の出演者に関しては私は気になりませんでしたが、エンドロールで明かされる声を演じた有名人達の名前をみてビックリしました。父親役を演じた某国民的俳優の〇〇〇〇さん以外は役と声が全く結び付きませんでした。みなさん上手ですね。
以上、ある意味で私の予想していた通りの出来だった宮崎駿監督の『君たちはどう生きるか』の感想でした。大監督の晩年の作品を観て少し哀しくなった経験が何度もあるので仕方がないですね。
こうなると今年の冬に公開される北野武監督の『首』がどんな感じに仕上がっているのか気になりますね。今回に続いて哀しい気持ちになると1つの時代が終わったのを実感することになりますね。
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