久しぶりに聞いた「手紙書くから・・・。」と言うセリフ ～ ガラケーからスマホに乗り換えた友人の苦悩 ～

　私にはネットショッピングを極度に嫌がっている友人が１人います。千葉県在住です。

　その友人は大企業の経理部門で働く人間なので、電子商取引は毎日（それこそ何十年も）行なっているはずなのですが、自分の買い物に関しては電子商取引は敬遠しています。
　敬遠している理由が、自分の個人情報の流出を極度に警戒しているせいなのか、買い物をしたことを奥さんに知られるのが怖いから、なのかはわかりません。

　そんな感じの友人なので、「悪いけどこれネットで買ってくれない。後でお金を払うからさぁ。」とメールが来ることが時々あります。たまの飲み会で会った時にネットショップの画面をハードコピーした紙を渡されることもありますね。購入依頼があるのは時計、子供向けのオモチャ、アクセサリー、等の小物でそんなに高価ではないものがほとんどなので、私も気軽に代理購入業務を請け負っています。
　余談ですが、その友人が雪道で使う車のチェーンを購入したかった時は、さすがに埼玉の私に頼むのは気が引けたらしく、会社の同僚に頼んだところ少しひんしゅくを買ったようです。東京都心にある会社に届いた重いチェーンを千葉の自宅まで帰宅時に電車で運んだ時は大変だった、と飲み会の時に苦笑いをしながら話していましたね。


　さて、先日、家で夕食を食べていた19時くらいにその友人から電話が入りました。

　いつもはメールでやり取りをしているので、こんな時間に電話がかかってくるのは初めてのことです。思わず、「誰か亡くなったのかなぁ。事故にでもあったのかなぁ。」と少し心配しながら電話に出ました。しかし、友人の口から出た言葉はいつもの、「ちょっとネットで買ってもらいたい物があるんだけど、お願い。」でした。悪い話ではなくてよかったです。

　すかさず私が、「なんで電話。メールでいいのに・・・。」と言うと、「ガラケーからスマホに乗り換えたらメールの使い方がわからなくなった。だから電話した。」と言う返答でした。そして、「今回はいくつか頼みたいから・・・。」と言う言葉の後に言われたのが、

　「手紙書くから。読んで。」

と言う、実生活でもドラマや映画でも久しぶりに聞く言葉でした。思わず私は、

　「アナログかぁぁぁ～。」

と笑いながら答えました。その日は寒い１日だったのですが、この友人とのやり取りでほっこりして、なんだか温かい気持ちになりましたね。そんな温かい気持ちにしてくれる友人の頼みは断れないですね。

　尚、使い方がわからなくて止まっていた友人のメールは娘さんに習ったらしく、翌日には復活しました。知らないメールアドレスから『テスト』とだけ送られてきたので、「誰ですか。」と返したらその友人でした。キャリアを替えたのでメールアドレスが変わったのに気が付かなかったみたいですね。


　そして数日後、友人の会社の大きな封筒に入った手紙が届きました。

　「仕事中にサボって手紙書いたな。」と笑いながら封を切ると、10枚以上のネットショップの画面をハードコピーした紙と１万円が入っていました（普通郵便にお金を入れるのは違反です）。数えると10アイテム12品でした（全てスマホのアクセサリーです）。いつもは１品の依頼なのですが、今回の代理購入業務は結構ハードですね。すぐにネットショップで注文の入力を行ないましたが、全部の手配が終わるのに１時間くらいかかりました。自分では買わない商品ばかりで、色違いとか模様違いとか注文するのを間違わないように結構気を使いました。まぁ、自分の知らない世界を知れたので少し楽しかったです。

　その後、手配が終わった旨と手配数が多すぎるクレームをメールしたところ、「申し訳ない。」と言う返信が来ました。「メールと違って手紙だから多めに頼んでもいいか・・・。」と言う謎の依頼理由には笑ってしまいましたね。少し天然が入っているこの友人の頼みは断れないですね（この友人は私が失業して福岡に帰っていた時に２回会いに来てくれた人です）。



　以上、久しぶりに聞いた、「手紙書くから・・・。」の話でした。
　手配した商品の数点は海外のショップから送られてくるみたいで、回答が来た納期が12月中旬、とかになっているので、全10アイテム12品が我が家に届いた上で、更に友人に渡すのは年末になりそうです。ちょうどその頃に共通の友人を１人加えて忘年会を行なう予定だったので、ちょうどよかったかもしれませんね。まぁ、それまで友人が待てればの話ですけどね・・・。