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日本と中国はケンカをしてはならない!(その3)

日本と中国はケンカをしてはならない!(その3)
 
 私は、1976年9月18日に、中国帰還者連絡会の塚越正男さんという方の話を聞いたことがある。それは、京都で行われた毛沢東主席の追悼式での記念講演だった。この話は、今でもほとんどを思い出すことができる、とても印象深いものだった。
 
 塚越さんの話は、日本侵略軍の部隊の伍長として、中国の罪もない人々を二百人は殺したという告白からはじまった。「私は鬼だった。本当は、こんな高い場所から皆さんに話をする資格などない人間です。」・・・
 
 1945年、日本がポツダム宣言を受諾して敗戦、ソ連に連れて行かれて抑留される。シベリアでの抑留生活は苦しいものだったという。1949年に中華人民共和国が誕生した。シベリアに抑留されていた人々の日本への帰還もはじまったが、塚越さんら重大な戦争犯罪を犯した者達1000名余りは、中国の撫順戦犯収容所に送られた。彼らは、中国に送られるとき、確実に処刑されるだろうと覚悟を決めたという。処刑されて当然のことをしたことは、本人自身が一番よく知っていたからだ。
 
 ところが、戦犯収容所につくと当時中国の人々は食べるものがなくアワやヒエを食べていたのに、自分達には白米を食べさせてくれた。最初その意味がわからず、自分達はどうせ処刑されるんだと思っていたので、投げやりになり、その白米を練って固めてマージャンのパイを作って、こっそりマージャンを楽しんだと言う。
 
 あるとき、戦犯の中から病人が出た。世話をしてくれていた青年は必死に看病してくれた。そのとき、病気の彼は「何であなたは私どものような、あなたちの親兄弟を殺した人間を、ここまでして世話してくれるのか」ときいたところ、青年は「あなたも貧しい農家の生まれです。あなたには農民の苦しみや、労働の誇りがわかるはずです。あなたのお父さんやお母さんが田畑を作り、作物を作るのに、どれだけ苦労されたか、それを思い出してください。そうすれば、私達の国に入ってきてあなたちがしたようなことは、できるはずはないでしょう。」と答えたという。彼は、自分の父親が朝から晩まで働きながら、自分は白米など一生食べたこともないままに貧乏のどん底で死んでいったことを思い出し、白米でマージャンパイを作ったことを深く後悔したという。
 
 また、夜尿症で毎晩小便をもらしてしまう戦犯がいた。それに気づいた青年は、誰もが寝静まっているときに来て、そっとシーツや布団を変えてくれるようになった。その戦犯は最初は寝て知らんふりをしていたが、ついに感極まって慟哭し、あんたはなんでそこまでしてくれるのかと訴えたという。
 
 そんなことがいくつも度重なって、戦犯の中から反省運動が起き、自分で自分の犯した罪を告発する運動が収容所の中で巻き起こったのだという。
 
 最後に、戦犯たちの処分を決める裁判があった。その裁判では、戦犯たちが犯した罪をあばく証人達が次々と登壇した。体中の刀傷を見せる人。自分の子供を目の前で刺し殺されたと言う人。みなが、彼らの処刑を求めた。そして、その中に、自分達の世話をしてくれていたあの青年も登場してきたという。そのときはホッとして、彼は自分達の釈放を進言してくれるだろうと期待したという。しかし彼は、「私は党の命令でこの者達を世話してきました。しかし、自分の家族はみな、この部隊のこの者達に殺されました。とても許すことはできません。どうかこの者達を死刑にしてください」と訴えたという。このとき、戦犯たちはもう死刑判決が下りたような気持ちになって、もう駄目だと観念したのだという。しかし判決は、「この者達の犯した罪は、到底許されるものではない。しかし、彼らは反省しており、もし彼らが日本に帰れば、これからの中国と日本の友好のために活動してくれるだろう。中国と日本の未来のために、この者達を釈放する。」というもので、全員、日本に帰ってきたのである。
 
 塚越さんは、「もし中国に毛沢東思想がなかったら、今わたしはここに生きてはいない」と涙ながらに毛沢東主席の死を追悼されました。(ネットを利用できる方で、塚越さんの話を詳しく知りたい方は「塚越正男 中国帰還者連絡会 坦白」で検索)

 
 1972年、日本と中国の国交が実現した。それまで日本では、中国と国交を回復するには日本は中国に莫大な戦争賠償を払わなければならないだろうと心配する声がマスコミをにぎわしていた。しかし中国は国交回復のとき、「日本に対する戦争賠償は放棄する」とし「それは、もし戦争賠償を請求すれば、苦しむのは日本の人民だからだ」と説明した。
 
 中国政府の日本に対する政策は、一貫している。それは、「一握りの日本軍国主義者と、広範な日本人民は区別する」というものだ。かつて日本軍は中国で、奪いつくし、焼きつくし、殺しつくすという「三光作戦」を行い、1000万の人々を殺し、田畑を奪い、家屋を焼き、筆舌に尽くし難い犯罪の限りを行った。その憎しみは、60年やそこらで消えるものではないだろう。しかし中国政府は一貫して、中国の人々のそうした怒りを抑えながら、日本人民との友好を作ろうとしてきたのである。
 
 今も中国政府は、中国で起きている日本の民間人を対象にした「反日運動」は厳しく取り締まっている。反日の雰囲気が高まる中でも、七百人もの日本の青年達も招待し、日中友好を進めようとしている。
 
 しかし日本政府は、そうした中国政府の対応に対し、東中国海で11月か12月に対中国戦を想定した日米合同軍事演習を行うことで応えようとしている。日本のマスコミを使って反中国宣伝を激化している。
 
 アメリカの軍需産業は日本と中国の緊張が高まって大喜びしているのは間違いない。自衛隊はまたアメリカから高い武器を買わされる。その金を払うのはわしら貧乏人だ。福祉費を削り、医療費を上げ、雇用対策費をカットし、その金をアメリカへ持っていく。


日本政府は中国とのケンカをやめろ!
日本政府はアメリカの奴隷をやめろ!
                                    
            
             いんば
                   


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