【時事(爺)放論】岳道茶房

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増税論議 「目指す社会」を語れ

2010年06月28日 | 社説
増税論議 「目指す社会」を語れ

 消費税を含む増税論議が参院選の焦点になってきた。税制は、どのような国、社会を築くかの思想や理念で裏付けられなければならない。参院選を通じ、各党は目指すべき社会を語るべきだ。

 「このままでは二年か三年でギリシャみたいになる」。菅直人首相は参院選の遊説でこう演説し、消費税率引き上げなど増税の必要性に言及した。財政悪化で国債が急落したギリシャ危機のような事態を避けるため、増税によって財政を健全化する。将来に備えた論議の提案だ。

 これに先立ち、政府税制調査会の専門家委員会(委員長・神野直彦東大名誉教授)は、消費税率を引き上げて広く国民に負担の分かち合いを求める一方で、これまで弱めてきた所得税の累進構造を回復し、富裕層により多くの負担を引き受けてもらう-とする報告書をまとめた。

 基礎年金と老人医療、介護の福祉三分野の予算は膨らみ、社会保障全体では毎年一兆円の増加が避けられない。二つの税を車の両輪に、税収を回復させて社会保障の安定財源を確保し「支え合う社会を」が報告書の理念だ。

 消費税が1%で二・五兆円の税収を見込むのに対し、所得税は最高税率を現行の40%から45%に引き上げても税収増は四百億円。

 数字的にはわずかだが、そこには再分配機能を強化して、高額所得者も低所得者もみんなが支え合って社会をつくるという理念が込められている。この専門家委の提言を国民が受け入れるかどうか、税の在り方論議が徹底して深められなければならない。

 今回の参院選での違和感は、民主も自民も、二大政党が消費税率引き上げで足並みをそろえていることだ。先の衆院選で民主党が獲得した三百を超える議席は、行政の徹底したムダ削減など、新しい政治に対する期待だったはずだ。各党が競うべきは、まず行政のムダ排除の知恵だ。

 税制や財政健全化論議で大切なのは目指すべき社会の姿が示されることだろう。少子高齢化や経済のグローバル化による雇用の不安定は歴史的に未知の難問だが、国民に選択すべき社会が各党から示されることが出発点でもある。

 政治と納税者との相互信頼が欠かせないことも当然だ。

2010年6月28日 中日新聞 社説

6/28中日春秋

2010年06月28日 | コラム
6/28中日春秋

 大鵬時代からの大相撲ファンで、テレビ中継はずっと見てきた。忘れがたい勝負がいくつかある。全盛期の横綱北の湖に勝てなかった大関三重ノ海が仕掛けた奇襲はその一つだ。

 立ち合った瞬間、三重ノ海は横綱の目の前で両手をパチンとたたいた。相手をひるませ、有利な体勢に持ち込もうという作戦は、その名も「猫だまし」。しかし、北の湖にはまったく通じなかった。

 大関を陥落しながら、横綱になった三重ノ海は前さばきがうまく、速攻が魅力だった。親方としても多くの弟子を育て、不祥事で辞任した北の湖前理事長の後を引き継いだが、野球賭博をめぐる対応はあまりにもお粗末すぎた。

 日本相撲協会の特別調査委員会はきのう、名古屋場所開催の「条件」を発表。賭博に関与した疑いがある大関琴光喜ら力士十五人の出場の辞退、さらに武蔵川理事長ら親方十二人にも謹慎を求めるという前代未聞の勧告だ。

 対象になる幕内力士は八人。取組は四番減る。執行部が不在のまま理事長代行を置いても、場所の運営に深刻な影響は避けられない。勧告を受け入れたとしても、名古屋は試練の場所になろう。

 親方衆自身が賭博にまひしていたのではないか。協会は自主申告した力士を「厳重注意」してお茶を濁そうとしていた。「猫だまし」が通用するほど甘くはない。必要なのは、公益法人の解体的出直しである。

国のかたち 民主は大事な争点隠すな

2010年06月28日 | コラム
国のかたち 民主は大事な争点隠すな

 参院選の争点として、憲法改正問題をはじめとする「国のかたち」をめぐる各党の主張の違いにも注目したい。

 野党・自民党は政権公約(マニフェスト)の冒頭で「自主憲法制定」をうたい、「自衛軍の保持」などを明記した新憲法草案の概要を示した。さらに、「わが国のかたちを守ります」として、選択的夫婦別姓制の導入と永住外国人への地方参政権付与に反対する姿勢を明確に打ち出した。

 たちあがれ日本、日本創新党、連立与党の国民新党も、ほぼ同じ主張である。

 これに対し、与党・民主党の政権公約は、これらの問題に全く触れていない。枝野幸男幹事長は参院選後に党憲法調査会を復活させる意向を示しつつ、「憲法改正は喫緊の課題ではない」とも述べた。党内に護憲勢力を抱えていることもあり、改憲に消極的な姿勢はほとんど変わっていない。

 その一方で、民主党は「国のかたちを変える」と唱え、大胆な地域主権改革などを実行するとしている。閣議決定された地域主権戦略大綱によれば、明治以来の中央集権体質から脱却し、この国のあり方を大きく転換する改革で、憲法の地方自治の本旨にも沿ったものだとしている。

 主権は、政治のあり方を決める権利という意味で「国民主権」という使われ方もするが、第一義的には、国民の安全確保や領土の保全(防衛)など、国家統治の最高・絶対の権力を意味する言葉である。菅直人内閣は「地域主権」をどんな意味で使っているのか。自民党などの政権公約にある「地方分権」と、どこがどう違うのか。首相は、これらの点を有権者に分かりやすく説明すべきだ。

 菅首相は所信表明演説で、政治学者の松下圭一氏から学んだという「市民自治の思想」や「官僚内閣制(官僚主導)から国会内閣制(政治主導)への転換」を強調した。松下氏は昭和40、50年代の革新自治体に影響を与えた“進歩的文化人”として知られる。

 菅政権は憲法を変えず、一方的解釈により国のかたちを変えようとしているようにも思われる。

 外国人参政権や夫婦別姓制の導入は民主党の基本政策だが、これら左派色の強い主張は、昨夏の衆院選の政権公約でも封印された。有権者は、民主党政権があえて触れようとしないこれらの争点にも注意を払ってほしい。

2010.6.28 主張

6/28産経抄

2010年06月28日 | コラム
6/28産経抄

 浅草を愛した永井荷風が、いつものように劇場で踊り子たちと歓談して帰る途中、顔見知りの街娼(がいしょう)に会った。昭和24年6月18日のことだ。隅田川のほとりに連れ出してしばらく話を聞き、謝礼のつもりで、百円札3枚を渡そうとした。

 「そんなに貰(もら)つちやわるいわよ」。若い娘は遠慮して受け取ろうとしない。荷風は、その日の日記『断腸亭日乗』に感激してつづる。「年は廿一二(ににじゅういちに)なるべし。その悪ずれせざる様子の可憐(かれん)なることそゞろに惻隠(そくいん)の情を催さしむ」。善良な娘の身の上話を小説の種にして、原稿料をむさぼるのは、売春行為より浅ましい、とも。

 先週、各地で開かれた株主総会や公開された有価証券報告書によって、1億円以上の役員報酬を得ている企業トップの名前が次々に明らかになった。「そんなにもらっちゃ悪い」と突き返す人はいなかったのか。もちろん、高額報酬と縁がない小欄からの、単なる言いがかりである。

 ところで、暮らしぶりこそ質素だったものの、荷風は大変なお金持ちだった。印税収入のほか、投資家としてもすご腕だったらしい。いつも持ち歩くボストンバッグに入っている預金通帳には、約2000万円の記入があった。

 今の物価で換算すると、1億円を超える額だ。荷風がそのバッグを電車の網棚に置いて盗まれ、ニュースになって世間に知られてしまった。幸い米兵が駅で拾い、中身もそのまま返ってきたものの、それからが大変だった。

 金を無心する手紙が、全国から自宅に殺到したのだ。「私のところは銀行じゃありません」。荷風がうんざり顔で語る、古い新聞記事も残っている。高額報酬を公表された方々にも、苦労があるのかもしれない。なんだか気の毒になってきた。

琴光喜関、大嶽親方ら懲戒

2010年06月28日 | ニュース一般
琴光喜関、大嶽親方ら懲戒 親方12人や力士の謹慎勧告 

 大相撲賭博問題の特別調査委員会(座長・伊藤滋早稲田大特命教授)は27日の会議で、野球賭博関与が判明した大関琴光喜関(34)=佐渡ケ嶽部屋、大嶽親方(42)=元関脇貴闘力、時津風親方(36)=元幕内時津海=の3人の懲戒処分を、28日の日本相撲協会臨時理事会に勧告することを決めた。琴光喜関を含む関与力士15人と仲介役の床山(29)1人、武蔵川理事長(62)=元横綱三重ノ海=ら理事4人を含む親方12人の謹慎処分も勧告する。理事会では承認される見通し。

 大嶽親方については金額や頻度が突出していると断定し「解雇以上」が妥当とした。名古屋場所(7月11日初日・愛知県体育館)の開催は、処分の実行を条件に可能と提言することも決定。謹慎処分は同場所終了までで、開催しても親方、力士が大量に欠ける異例の状況となる。

 名古屋場所開催の場合は理事長代行を置くことを求めるという。力士15人の内訳は琴光喜関を含む幕内8人、十両5人、幕下2人。特別調査委は力士の名前は明らかにしなかったが、関係者によると豊ノ島関、豪栄道関、隠岐の海関ら日本人ホープが含まれている。

2010/06/27 共同通信

地域主権大綱 菅政権の実行力が問われる

2010年06月28日 | 社説
地域主権大綱 菅政権の実行力が問われる

 地方分権のメニューはほぼ網羅された。今後、問われるのは、菅政権の実行力である。

 政府が地域主権戦略大綱を決定した。

 国のひも付き補助金を一括交付金に改める。国の出先機関を抜本的に改革する。国の法令で自治体の仕事を細かく縛る「義務付け・枠付け」を見直す。都道府県の権限を市町村に移す。

 いずれも、国の権限や関与を小さくし、地方の自由裁量を拡大することで、地域活性化を図るための重要なステップだ。着実に実施する必要がある。

 使途が限定される補助金を、地方が自由に使える一括交付金にすることは、民主党が昨年の衆院選の政権公約で掲げたものだ。

 教育、社会保障など義務的な補助金は対象外とする一方、公共事業などの補助金は2011年度から順次、一括交付金化する。

 問題は、どこまで本気で取り組むかだ。大綱では、原案にあった「地域が自己決定できる財源」といった表現が削除されるなど、国が関与する余地も残している。

 今後、各府省任せにしては、一括交付金化が進まない恐れがある。予算編成に入る前に、より具体的な指針を作るべきだろう。

 国の出先機関の見直しでは、民主党の政権公約通り、「原則廃止」と大綱に明記したが、具体的には何も進んでいない。民主党の参院選公約でも言及はない。結局、自民党政権と同様、出先機関の統廃合にとどまるのではないか。

 まず、各府省が8月末までに、所管する出先機関の事務や権限について、「地方へ移譲」「国に残す」「廃止・民営化」など4項目に「自己仕分け」をする。その後、地域主権戦略会議が年内に行動計画を策定するという。

 だが、各府省が自らの権限や職員、財源を減らすのに抵抗はしても、協力するとは考えにくい。

 やはり菅首相や仙谷官房長官が前面に出て、政治主導で取り組むことが重要だ。民主党が自画自賛する「事業仕分け」を活用するのも一案だろう。

 大綱は、出先機関の事務や権限の地方移譲について、自治体の発意に基づく選択的な移譲や、都道府県単位でなく、複数の都道府県の広域連合への移譲も可能とする仕組みを検討するとした。

 こうした柔軟な仕組みを導入することは、地方の選択の幅を広げるもので、悪くない。

 その際、国の事務や権限を積極的に引き受ける覚悟があるのか、各自治体の姿勢も試されよう。

2010年6月28日 読売新聞 社説

6/28余録

2010年06月28日 | コラム
6/28余録「旗」

 下馬評では悲観論一色だった日本チームが、ついに決勝トーナメントに進出した。サッカー・ワールドカップ(W杯)南アフリカ大会は夢のような展開になった。

 最初の対カメルーン戦がよかった。1点を守り抜いた。終わってからじわじわと自信がわいてくる。さて、この試合をお隣の中国中央テレビ(CCTV)も中継していたが、日本人には気がつかない異変が起きていた。

 前半34分47秒。本田圭佑選手が初のゴールを決める少し前だった。画面は松井大輔選手とエヨング・エノー選手のつばぜりあいを追っていた。ややアップの選手の背後にスタンドの観衆も映っていた。突然、CCTVの画面は、直前のプレーのビデオ映像に切り替わった。

 実は、松井選手の背後に映っていた女性が、青い旗を取り出してカメラに向けて振り出した。青地に白い太陽を染め抜いた台湾の旗。このところ中国と台湾は経済交流が飛躍的に進んでいるが、政治的なたてまえは厳しい。中国のテレビ画面に台湾の旗が映ってはいけない。

 放送局には画面を常に監視して、不都合があれば瞬時に画面を切り替えるプロがいる。その日もボールに注意を奪われず、観客席を凝視しつづけた。だれかが胸の前に掲げた青い布。それが日本チームの応援旗ではなく、台湾の旗の一部だと即座に見抜いた。

 カメラの向きが変わると、なにごともなかったように中継が続いた。だが、一瞬の異変に気付いた視聴者がいた。インターネットで話題になり、台湾人観客のやったこととわかった。あのサッカー中継の裏側で、中国では検閲のプロと、見破りの達人が火花を散らしていたのだ。

霊柩車の変化にみる日本人の死生観

2010年06月28日 | 情報一般
日本唯一の"霊柩車研究家"が語る、 霊柩車の変化にみる日本人の死生観

 誰もが一度は乗るであろう、けれども、ほとんど気にかけることのない存在「霊柩車」。子どもの頃は、霊柩車が通ったら親指を隠せ! なんていう迷信をにわかに信じていたりしたが、最近では見かけることすらもほとんどなくなってしまったような気がする。そんな霊柩車を研究し続け、過去には数少ない霊柩車の専門書『The 霊柩車』(祥伝社)なる本まで上梓した経験もある庶民文化研究所所長の町田忍さんにお話をうかがった。

――そもそも町田さんが霊柩車に興味を持ったきっかけは何だったのでしょうか?

 「庶民文化研究所としてさまざまな文化を調べているんですが、まず銭湯について研究していたのが先でした。20年以上前になるんですが、たまたま銭湯を撮影していたらその横を霊柩車が通ったんです。銭湯の入り口のデザインと霊柩車のデザインが同じ『唐破風(からはふ)』という様式だったんです。その共通点を発見したのがきっかけで、霊柩車についても調べ始めました」

――霊柩車の歴史について教えてください。

 「大正時代の始めに、大阪でアメリカから輸入した霊柩車を使用したことから始まります。そこに日本伝統の『輿(こし)』を合体し、車に乗せたのが始まりです。和洋折衷文化ですよね」

――一口に霊柩車と言っても、地域によっていろいろな形があるのが驚きです。全国各地の霊柩車を取材されたのでしょうか?

 「大きく分けて、北陸、中部、関東、関西の四つに特徴的な霊柩車があります。その地域の霊柩車は見て回りましたね」

――さまざまな霊柩車を見た中でも、町田さんの印象に残っている霊柩車はどの地域のものですか?

 「北陸にある朱色の霊柩車ですね。もともとは黒い霊柩車だったんですが、昭和57年に葬儀屋さんが考え出したんです。あとは、金沢で見たすごく豪華なクライスラーの霊柩車ですね。豪華さでいうと北陸が最も進んでいます」

――東京の霊柩車はどうでしょうか?

 「東京の霊柩車は地味ですね。東京もかつては豪華絢爛な霊柩車があったんですけど派手すぎて人気が出ないんです。どうしても白木造りのタイプの方が人気になります」

 かつては霊柩車の代名詞だった「宮型」と呼ばれる日本伝統の霊柩車。しかし、近年では都市部を中心に「洋型霊柩車」と呼ばれるシックなデザインの霊柩車が主流になりつつある。その主役交代の逆転劇には、日本人が持つ死生観の変化が大きく影響しているという。

――どうして宮型は衰退してしまっているんでしょうか?

 「火葬場の近くに人家が立ち始めたのが原因でしょうね。田んぼの真ん中に火葬場を建てていたのに、その周りに人家が建ち始める。そうすると住民から苦情が来るんですよ。霊柩車を毎日見るのは嫌だって。それで、一見して霊柩車と分かる宮型よりも、分かりにくい洋型霊柩車の方が主流になっていったんです」

――確かに芸能人の出棺風景などでも最近は洋型霊柩車が多いですね。

 「昭和天皇が洋型を使ったのも影響があるでしょうね。それまでは洋型はキリスト教の人しかほとんど使用しなかったんです。美空ひばりや松田優作は宮型でした。X JAPANのhideの時は洋型を使用していましたね」

――今後、宮型が復活していくということはないんでしょうか?

 「ますます洋型が主流になっていくと思います。宮型はメンテナンスが非常に大変だし、職人さんの技術も必要になるんです。今では宮型でも白木ではなくフィギュアなどに使用するFRPを素材にして装飾を施した霊柩車もあります」

――宮型の派手な装飾を見ていると、単純に悲しいという感情だけではない日本人の死生観を見ることができるような気がします。

 「例えば北陸地方で根強い浄土真宗は、死ぬ=生まれ変わるという極楽浄土の死生観です。塩をまくこともないし、間引きもしない文化だったんです。だから『富山の薬売り』をしたりして口減らしのために仕事を外に求めていたんですね。東京の銭湯も北陸の人がやっていることが多いんです。生まれ変わることはおめでたいという感覚が強いので、朱色の霊柩車が受け入れられる土壌があるんでしょうね」

――そういった仏教特有の死生観が失われつつあるんでしょうか?

 「死を見ないようにするという傾向も一因でしょうね。昔は土葬をしたり、死体を洗ったりして、死者を身近に見ていました。けれども今はなるべくそういう部分を見せないようにしていますよね」

――そう考えると、洋型の普及はちょっと寂しい部分もあります

 「宮型は残してほしいですね。宮型霊柩車はただの葬式の道具ではないんです。源流をたどれば日本人の美意識、宗教観、死生観のシンボルでもあり、大衆文化の象徴なんです。霊柩車の、車に輿を合体させるという和洋折衷の方法は、大陸文化を受け入れてきた日本の歴史と通じるところもあります」

――最後に、芸人の鳥肌実さんも霊柩車を所有していますが、霊柩車研究家として町田さんも霊柩車を持ちたいとは思われますか?

 「余裕があれば新車を買ってみたいですね。中古は......ちょっと怖いよね」
取材・文=萩原雄太[かもめマシーン]

2010年06月27日 日刊サイゾー
まちだ・しのぶ
1950年東京生まれ。学生時代はヒッピーとしてヨーロッパ各地を放浪。卒業後、警視庁警察官勤務を経て、庶民文化における見落とされがちな風俗意匠を研究。その研究対象は多岐にわたり、銭湯、正露丸、チョコレート、ペコちゃん、コアラのマーチ、蚊取り線香、ハエ取り紙など150以上にのぼる。す。主な著書に『銭湯遺産』(戎光祥出版)、『昭和なつかし図鑑』(講談社)、『東京ディープ散歩』(アスペクト)などがある。現在、文化放送「団塊世代倶楽部」(毎週土曜・午前11:00~)とライブストリーミングサイと「DOMMUNE」に不定期出演中。

子ども手当 半額支給維持も容易ではない

2010年06月28日 | 社説
子ども手当 半額支給維持も容易ではない

 子育て支援は政策のバランスと、何より財源の裏付けが必要だ。

 民主党は参院選公約で子ども手当について、来年度から月2万6000円を支給するという「満額実施」の看板を取り下げた。

 半額でスタートした現行の月1万3000円に「財源を確保しつつ、上積みする」との表現にとどめている。上積み分も「保育所の拡充や給食の無料化など、現物サービスの充実策にも代えられるようにする」とした。

 財源がなければ上積みはせず、現金支給至上主義も見直す、ということだろう。

 国債発行額が税収を上回る非常事態の財政下で、年5・4兆円を要する子ども手当の満額支給は論外だ。路線変更は当然である。

 社会保障関連予算は、高齢化の進行により、毎年約1兆円ずつ膨らむ。来年度からは基礎年金の国庫負担引き上げに2・5兆円が必要になる。子ども手当は上積みどころか、半額支給の維持も容易でないのが財政の現状だ。

 政府は「子ども・子育てビジョン」で、保育所定員を年に5万人ペースで増やす、といった今後5年間の数値目標を掲げている。

 今後は、ビジョンの実現に軸足を移すということだろう。しかしこれにも、1・6兆円の財源が必要だ。予算の組み替えや無駄の削減で捻出(ねんしゅつ)できる金額ではない。

 消費税率を引き上げない限り、子育て支援を充実させることは難しい。民主党はその点をまず明確に認め、消費税の議論とセットで子ども手当の金額や支給方法、そして子育て施策全体の設計をやり直すべきだ。

 この姿勢は、野党にも求められよう。自民党は昨年の総選挙に引き続き、「幼児の保育料と幼稚園費の無料化」を公約に掲げるが、少なくとも8000億円は必要な施策である。

 自民党は「消費税率10%」を公約に明記し、必要財源を担保してはいる。だが、社会保障の思い切った充実策を実行するには、まず消費税率の引き上げ実現が大前提であることをもっと強く、国民に訴えるべきだろう。

 英キャメロン政権は財政再建のために、付加価値税率を20%に引き上げ、子ども手当を3年間凍結する方針を打ち出した。

 日本の財政状況は英国以上に厳しい。負担増なしに社会保障制度を維持することは不可能だ。

 それを真正面から有権者に語る政党はどこか、有権者は参院選で見極める必要があろう。

2010年6月28日 読売新聞 社説

6/27有明妙

2010年06月28日 | コラム
6/27有明妙

 ワーキングプア。働かず怠けて貧しいのは当たり前だが働いているのになお貧しい。働く貧困者。格差社会が生んだ〝時代の言葉〟という感があるが、実はそんな新しい言葉ではないようだ。

 1世紀以上も前、普通に雇用され、毎日働いている人たちの中にも貧困があったという。英国の慈善家で社会学者チャールズ・ブース(1840~1916年)の「ロンドン市民の生活と労働調査」。この調査で働いているのに貧しい人たちが〝発見〟されたのである。

 1886年から99年にかけて行われた調査。チャールズ・ブースは、ロンドン市民420万人の30・7%が貧困者である-という調査結果を公表、社会を驚かせた。しかも、この30・7%の大部分が働いていないのではなく雇用されている労働者で、雇用が不安定であるか、常雇いであっても低賃金ゆえの貧困という結果報告に世間はなお驚いた(『現代の貧困』ちくま新書)。

 働いても貧しい人たち。貧困は普通に働いている市民とは無関係のところにある-というのが世間の常識だった。貧困は怠け者の証明、個人の資質と責任によるものと思われていただけに、ブースの〝ロンドン調査〟は衝撃的だった。100年以上前の、まさしく「ワーキングプア」である。

 広島市のマツダ工場で起きた殺傷事件。2年前、東京・秋葉原の歩行者天国での痛ましい無差別殺傷事件を思い起こさせる。逮捕された男は「マツダをクビになり、会社に恨みがあった」と。身勝手で卑劣な犯行は許せるものではないが、この突然の凶行が何かを社会に問いかけてはいないか。

 貧困は時として家族との関係、地域とのつながりを断ち切ってしまう。人格をもいともやすやすと打ち砕くのである。

民主党が一転して「消費税」争点隠しへ

2010年06月28日 | ニュース政治
民主党が一転して「消費税」争点隠しへ みんなの党に秋波?

 参院選の最大の争点に浮上した消費税増税について、菅直人首相が発言をトーンダウンするなど民主党が「争点隠し」に躍起となっている。「消費税率10%」に言及した首相の発言後、世論調査で内閣支持率が下落し参院選への影響が出始めているためだ。

 「私は(各党に消費税の議論を)呼びかけると申し上げたが、皆さんが書いている見出しだけ読むと書いていない。もうちょっと正確に言ってほしい」

 菅首相はカナダ・トロントでの同行記者団との懇談で報道に八つ当たりした。

 消費税増税論議を参院選で掲げようとしたのは首相自身だが、フジテレビ「新報道2001」の24日調査でも支持率は46・8%と5割を割り込み、1週間前と比べ6・4ポイント下がるなど影響は如実に出ている。民主党の菅首相グループに所属する東京選挙区候補の27日の街頭演説では、こんな発言も飛び出した。

 「参院選は消費税が争点ではない。争点になるなら次の衆院選だ。参院選は政治行政の改革を民主党にやれということを表していただく選挙だ」

 この候補の応援に駆けつけた枝野幸男幹事長も消費税に触れることはなかった。最近、枝野氏が街頭演説などで直接「消費税」の文言に言及することはほとんどない。

 仙谷由人官房長官と民主党の枝野幸男幹事長、玄葉光一郎政調会長、安住淳選対委員長は27日夜、都内のホテルで参院選の情勢について意見交換したが、与党で過半数維持に必要な56議席を得るのは現状では困難との見方が多数を占めた。

 「自民党に無党派層を引きつける勢いはない」との認識でも一致したが、安住氏は出席者に消費税について「あまり発言しないでほしい」と自制を求めた。

 ただ、「争点隠し」に躍起になり、発言を軌道修正することは逆効果にもなりかねない。過去にも故橋本龍太郎首相が平成10年の参院選で、恒久減税をめぐり発言が二転三転し、自民党は敗北、橋本氏は退陣に追い込まれた例がある。

 一方、枝野氏はみんなの党などに秋波を送りはじめている。

 「安定的な数を得てもテーマごとに考え方が近い皆さんの意見を取り入れ、幅広い合意で進めたい。行政刷新ならみんなの党と大変近い。財政健全化では園田博之・たちあがれ日本幹事長と新党さきがけの時(一緒に)やった。労働者の立場では社民党と近い。野党のよい意見があれば、取り入れるのは与党の器量だ」

 枝野氏は27日午前のBS11の番組収録でこう語り、参院選後の部分(パーシャル)連合を示唆した。

 もっとも、枝野氏は同日午後、東京・池袋での街頭演説では「行政改革担当大臣を1年半もやりながら結果を残せなかった」と渡辺喜美みんなの党代表を批判した。「連携をちらつかせ有権者の新党離れをねらう作戦だ」(みんなの党候補)との見方もあるが、支持率がV字回復した内閣発足時の余裕がなくなっていることの証左ともいえそうだ。 (榊原智、小田博士)

2010.6.28 産経新聞

G8首脳宣言 北朝鮮への非難を形に

2010年06月28日 | 社説
G8首脳宣言 北朝鮮への非難を形に

 オバマ米大統領が言うように「無責任な振る舞い」には「報い」があってしかるべきだ。カナダで開かれていた主要8カ国(G8)首脳会議は、韓国哨戒艦沈没事件で北朝鮮への非難に踏み切った。何かと北朝鮮に同情的なロシアが日米に歩み寄ったのは歓迎すべきことである。今度は「報い」を検討する国連安保理の協議で、G8に属さない中国の歩み寄りを期待したい。

 首脳宣言は、韓国による合同調査結果を踏まえて沈没事件を非難し、北朝鮮に韓国への攻撃や敵対行為をやめるよう求めた。事件は北朝鮮のしわざだとG8自身が断定したわけではないが、全体としてそう読める内容だ。日米と当事国(韓国)の強い結束の反映だろう。

 また、北朝鮮の核実験やミサイル発射に強い懸念を表明し、6カ国協議の共同声明に沿って核兵器などを完全廃棄するよう求めた。北朝鮮が核拡散防止条約(NPT)に基づく「核保有国」の地位を占めることはありえないと述べ、「拉致問題を含む人道上の諸問題」に北朝鮮が迅速に対応するよう求めたのも歓迎すべきことである。

 こうした非難や懸念をどんな形で表現するか、当面は安保理がどう対応するかが焦点だが、安保理常任理事国であり6カ国協議議長国でもある中国の協力は欠かせない。沈没事件でも核問題でも中国は北朝鮮を刺激しないよう求めてきたが、北朝鮮情勢は一向に改善の気配が見えない。ただ友邦(北朝鮮)をかばうだけでは問題は解決できず、無責任な結果に終わりかねないことを中国は悟るべきだろう。

 国際社会は「ルール違反」に厳しく対処すべきである。人類の運命にかかわる「核」の違反ならなおさらだ。首脳宣言がイランの不透明な核開発に「深い懸念」を表明したのも当然である。北朝鮮からイラン、シリアへ核技術が流出している疑いもある。北朝鮮やイランとの関係が深い中露の協力がなければ、こうした核拡散を防ぐのは難しい。

 首脳宣言は、イスラエルの封鎖下にあるガザ(パレスチナ自治区)の状況を憂慮し、ガザへの援助物資を積んだ国際支援船がイスラエル部隊に襲われて死傷者が出たことに「深い遺憾」を示した。米国の同盟国たるイスラエルが批判の対象になるのも珍しい。宣言がガザへの物資搬入規制について「今のやり方は変えるべきだ」と強く求めたのは人道的な訴えであり、全面的に賛成する。

 無論、一片の宣言だけで問題が解決するはずはない。宣言はあくまで出発点だ。世界の平和と安定を図るために、問われているのは主要国の結束と実行力である。

2010年6月28日 毎日新聞 社説

6/28編集手帳

2010年06月28日 | コラム
6/28編集手帳

 平和を数値で計ることができるのか、疑問がないわけではないが、英誌エコノミストの調査研究部門EIUなどが2007年から世界各国の「平和度指数」を集計している。

 今月初めに発表された2010年版で、日本は昨年の7位から3位へとランクを上げた。1位はニュージーランド、2位はアイスランドだった。日本は防衛費の対国内総生産(GDP)比が1%未満で、犯罪率も低いことが評価されたという。

 平和な国だと言われて悪い気はしない。では同盟国アメリカは、と探せば85位で、ああ戦時国家なのだと改めて思う。

 「平和が望ましいと信じているだけでは平和を実現できない」。昨年12月のノーベル平和賞授賞式でそう力説したオバマ大統領は、テロ組織アル・カーイダの根絶を図るアフガニスタン戦争を、「必要な戦争、正しい戦争」と位置づけ、兵力を10万人に増強した。

 その戦いが思うようにいかない。戦死者は1000人を超し、ベトナム戦争を上回る最も長い戦争になった。政権批判の発言をした駐留米軍司令官を解任した。「平和は犠牲を伴う」という大統領の言葉が重く響く。

高速無料化実験がスタート

2010年06月28日 | ニュース政治
高速無料化実験がスタート=全国37路線50区間で-国交省

 全国37路線50区間の高速道路を対象にした無料化社会実験が28日午前0時に始まった。期間は来年3月末までで、自動料金収受システム(ETC)搭載の有無にかかわらず、全車種が対象。国土交通省は、渋滞の変化や他の交通機関への影響などの分析を進め、2011年度以降の無料化の扱いを決める。

 無料化されたのは、道央道(北海道)や高知道(高知県)など地方の路線。宮崎県内で整備中の東九州道2区間も開通後に対象に追加され、合計距離は最終的に1652キロメートルとなる。有料区間では、「休日上限1000円」などを含む現行の料金体系が続く。

 高速無料化は、民主党が昨年の衆院選マニフェスト(政権公約)で掲げた目玉政策。物流コストの引き下げや地域経済の活性化が狙いで、参院選投票日前の実施は選挙対策の意味合いもありそうだ。ただ、今回の無料化区間は全体の2割にとどまっており、効果は未知数だ。

 無料化区間ではこれまで通り、ETC利用者は、カードを車載器に挿入してETC対応レーンを通過し、現金利用者は料金所で一端停止し、通行券を受け取る必要がある。社会実験のデータ収集に必要なためで、高速各社は注意を呼び掛けている。

2010/06/28 時事通信

【6/28】ざくろ

2010年06月28日 | 誕生日の花

6/28誕生花「ざくろ」Punica granatum
花言葉 円熟した優美、子孫の守護

塗林安石国(ペルシア)からやってきたという意味で、安石榴とも書きます。乾燥した国でみずみずしいざくろの実は、なによりの贅沢だったのではないでしょうか。

■今日生まれのあなたは・・・
異性にもてたいという願望が強い人。つい、ぶりっこ的な行動をとってしまいがちかも。あまりわざとらしいネコかぶりは、逆に安っぽくみえるだけですので、気をつけてください。

○貿易記念日
1963(昭和38)年、自由貿易推進の為に閣議決定し、通商産業省(現在の経済産業省)が実施。
1859(安政6)年5月28日(新暦6月28日)、江戸幕府がロシア・イギリス・フランス・オランダ・アメリカの五か国に、横浜・長崎・箱館(函館)での自由貿易を許可する布告を出しました。
貿易に携わる企業だけでなく、ひろく国民全般が輸出入の重要性について認識を深める日。 
○パフェの日
1950(昭和25)年、巨人の藤本英雄投手が日本プロ野球史上初のパーフェ
クトゲーム(完全試合)を達成したことに因み、「パフェ(parfait)」がフランス語で「完全な(パーフェクト)」という意味であることから。