【時事(爺)放論】岳道茶房

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民主代表選 菅氏支持が拡大

2010年06月03日 | ニュース政治
民主代表選、菅氏支持が拡大 樽床氏も出馬表明

 民主党代表選をめぐる情勢は3日、立候補を表明した菅直人副総理兼財務相(63)を支持する動きが拡大した。岡田克也外相と前原誠司国土交通相らが相次いで菅氏支持を明らかにしたためだ。これに対し、樽床伸二衆院環境委員長(50)は同日、出馬の意向を表明した。一方、参院議院運営委員会理事会は首相指名選挙を4日午後の本会議で行うことを決めた。新首相が同日中に誕生、組閣作業を経て新たな内閣も発足する。

 岡田氏は3日の菅氏との会談で、支持の条件として小沢一郎幹事長を念頭に「権力の二重構造の防止」などを挙げた。野田佳彦財務副大臣も記者団に、菅氏を支持する考えを示した。

 樽床氏は党所属国会議員との会合で「一丸となって日本のあすを切り開く先頭に立たせていただきたい」と言明した。菅氏側に比べ、劣勢だが、党内の最大勢力を抱える小沢氏の判断が代表選情勢に影響を与えそうだ。

 菅氏は、午後に記者会見し、主要政策や政権運営の考え方を表明する予定だ。代表選に立候補するには、党所属国会議員の20人以上の推薦が条件。グループの勢力が約40人の菅氏は既に必要な推薦人を確保したとみられる。

2010/06/03 共同通信

狙いは“傀儡幹事長”か 樽床氏の出馬

2010年06月03日 | ニュース政治
狙いは“傀儡幹事長”か 樽床氏の出馬にちらつく小沢の影

 民主党の樽床伸二衆院環境委員長(50)=大阪12区=は3日午後、支援グループの会合で「決断した」と述べ、代表選に立候補する意向を示した。樽床氏は小沢一郎幹事長(68)に近いだけに、影響力を保持したい小沢氏の影がささやかれている。

 樽床氏は3日午前、国会内で三井弁雄国会対策委員長代理(67)や松本剛明議運委員長(51)と会談し、出馬に向けて調整。午後には約30人の議員を前に出馬を表明した。出馬に必要な推薦人20人は確保した。

 樽床氏は島根県出身。大阪大卒で、野田佳彦財務副大臣(53)や前原誠司国交相(48)と松下政経塾の同窓だ。1993年、日本新党から出馬して初当選し、当選5回。2005年の郵政選挙では落選したが、昨年の総選挙で国政に復帰した。

 「地味で知名度は低いが、人当たりがよく、党内で人脈が広い。2回の落選経験があり、芯が強い」(民主党関係者)と評判も悪くない。

 ただ、閣僚や党執行部の経験がなく、当選回数も本命の菅直人副総理兼財務相(63)に劣るだけに、広がりは未知数だ。

 それだけに、民主党若手議員は「代表選で一定の票を取り、2位になれば“挙党一致”の名目で幹事長に抜擢される可能性が高い。それが樽床氏の狙いでは」と話す。

 実際、樽床氏は渡部恒三元衆院副議長(78)が指名した「七奉行」にも名を連ねていたが、今年に入ってからは参加を見合わせている。

 そのためか、渡部氏は3日昼のテレビ番組で、樽床氏について「小沢君にすり寄って、私んとこにこなくなっちゃった」とこぼして、「小沢君が若いの立てていやがらせしている」と述べた。

 非小沢系中堅議員は、こう解説する。

 「小沢氏の目標は、息のかかった傀儡幹事長を立てること。樽床氏は小沢氏に近い。支える三井氏は小沢氏が国会運営で重用し、松本氏も、野田グループながら小沢氏に急接近した人物。挙党一致と称して、傀儡幹事長が論理的に誕生してしまう恐れがある」

 ただ、小沢氏を支える議員グループ「一新会」関係者は「樽床氏には乗れない」と話しており、この懸念がどこまで当たっているかは不明だ。

 自民党田中派の「政治は数」という掟を引き継ぐ小沢グループ。代表選は、党所属423人の衆参国会議員の投票で決まるが、小沢氏は2007年の参院選や昨年の総選挙で初当選した「小沢チルドレン」を含め、150人規模の勢力を誇る。代表選の流れを決定付ける力も持っており、動向は注目されている。

 2日午後には、2-4回生でつくる「一新会」のメンバー約40人が都内のホテルに集結。夕方には、一新会幹部が国会内に75人の1回生を集め、夜には都内2カ所の中華料理店で会合を開き、それぞれ40人と80人近くの議員を集め、力を誇示した。

 前原氏や岡田克也外相(56)が、小沢氏の影響力排除を菅氏支持の条件にしたことについても、小沢系若手議員は「本当に排除すると、小沢さんは党を割って政界再編を目指すんじゃないか」と牽制する。

 菅氏大本命で推移するなか、暗闘が続いている。

2010.06.03 ZAKZAK

“親指"が倒閣勢力の怒りに火

2010年06月03日 | 情報一般
“親指"が倒閣勢力の怒りに火…首相退陣ウラ事情

 歴史的な政権交代を果たし華々しく登場したものの、わずか8カ月半の短命となった鳩山政権。政権の命脈を断ったのは、1日の小沢一郎幹事長、輿石東参院議員会長との3者会談後、親指を立てるOKサインで「辞任拒否」をにじませた首相自らの不用意なしぐさだった。これが党所属議員の逆鱗に触れ、一転して首相は自滅することになったのだ。

 「今まで迷惑をかけたけど、粛々と身を引く決心をしました」

 1日深夜、首相は公邸から側近の1人に電話をかけ、辞任の決意を伝えた。心配して公邸に駆けつけた中山義活首相補佐官にも「迷惑かけたね」と漏らした。松井孝治官房副長官には、2日の民主党両院議員総会で辞意表明の原案を用意するよう指示もした。

 しかし、退陣を決意するまで虚々実々の駆け引きがあった。

 1日夕の2度目の3者会談で、首相は「私も身を引きますが、小沢さんも幹事長職を引いて頂きたい」とねじ込んだ。

 選挙に精通する小沢氏抜きで参院選は戦えないだけに、首相は「これで参院の反乱は鎮圧できる」と踏んだわけだ。それまで押し黙っていた小沢は「分かった」と応じたが、横にいた輿石氏は怒り心頭。「大変なことになるぞ」と捨てぜりふを吐いた。

 会談を終えた首相は、国会内で待ち受ける報道陣から「首相続投か」と聞かれると、薄笑いを浮かべながら左手の親指を立てる「OKサイン」をで応えた。

 これについて首相は2日夕のぶら下がりで、「自分の心を外には出さないように努めた」とし、辞意を隠し元気さを装うための演技だった説明した。

 だが、首相秘書官の1人が「辞める気がないということだ。ちゃめっ気だ」と解説したように、実は首相はこれで続投に道筋がついたと浮かれていたとの見方が強い。

 しかし、この不用意なしぐさはその日の夜、テレビで相次いで流され、倒閣勢力の怒りの火に油を注いだのだ。

 参院幹部は「続投したいんなら神妙な顔をせなあかん! これ(親指)は首相がやることじゃない」と怒り心頭に言い放ったが、これまで鳩山降ろしに慎重だった議員らも、「あそこまでバカとは。もはやこれまでだ」(中堅)と次々と見切りを付け始めたのだ。

 こうした党内の空気を察知した小沢氏は同日夜、ダメ押しの電話を入れた。「参院がとまれば、法案が通らなくなる」。小沢氏は米軍普天間問題の迷走で社民党が連立政権から離脱した現状を踏まえ、政権運営が行き詰まっていることを伝えた。最後通牒だった。

 実際、小沢氏は社民党の政権離脱を契機に、倒閣に動いていた。党関係者によると、先月30日には側近議員らに「鳩山降ろしに動いていい」と指示を出し、相前後して日曜日に閣僚の認証式を行った例があるか確認も。「政治空白は許されない」と考える小沢氏は、6日の後継内閣発足を念頭に置いていたのだ。

 さらに、両院議員総会で代表解任動議を出す案も浮上していた。党規約によると、両院議員総会は全議員の半数の出席で成立し、その過半数の賛成で党の意思決定がされる。首相が辞任を決意しなければ、強引に首相の座から引きずり降ろす覚悟だったのだ。

 すでに、31日夜には、輿石氏や高嶋良充参院幹事長、平田健二参院国対委員長らが開いた会合で、菅グループ幹部に対し、「首相が辞めた後は菅さんで決まりだ。輿石さんが幹事長で、選挙(の責任者)は小沢さんにやってもらう」との密約すら囁かれていた。

 まさに首相は裸の王様だったのだ。

2010.06.03 ZAKZAK

DSシリーズ値下げ…販売伸び鈍く

2010年06月03日 | ニュース一般
ニンテンドーDS値下げ…販売伸び鈍化で

 任天堂は19日から携帯型ゲーム機「ニンテンドーDS」シリーズの国内販売価格を1~2割値下げする。

 主力の「DSi」は1万8900円から1万5000円に、大型画面の「DSi LL」は2万円から1万8000円になる。小型の「DS Lite(ライト)」(1万6800円)はオープン価格にする。DSシリーズは国内累計販売台数が3000万台を超えたが、販売の伸びが鈍化している。

2010年6月2日 読売新聞

鳩山内閣 4日総辞職 平野官房長官

2010年06月03日 | ニュース政治
鳩山内閣、4日総辞職=平野官房長官

 平野博文官房長官は3日午前の記者会見で、鳩山由紀夫首相の退陣表明に伴い、現内閣が4日午前の定例閣議で総辞職するとの見通しを示した。これにより鳩山首相の在職日数は262日となる。

 民主党は新首相の任命式や新閣僚の認証式を4日に実施する方針。これを受け、同党が首相官邸を通じて、天皇・皇后両陛下の静養日程を変更するよう要請したとの一部報道について、平野長官は「(要請は)ないと思う」と否定した。 

2010年6月3日 時事通信社

日本にも真のリーダーを

2010年06月03日 | 情報一般
財部誠一の「ビジネス立体思考」
日本にも真のリーダーを

■4年で4人の総理

 「お隣の中国、韓国には世界的にみても素晴らしいリーダーシップを発揮している政権があるというのに、日本の体たらくはどうなっているんだ」

 鳩山由紀夫首相が民主党両院議員総会で辞意を表明した前日、ある財界人は深いため息をついた。

 「中国の胡錦濤―温家宝コンビは、賢人政治の象徴です。国民から信任を得て誕生した政権ではないけれど、彼らは13億人の民をまとめていくことの難しさをすべて了解したうえで舵取りをしています。韓国の李明博大統領はもともと優れた経営者であり、強いリーダーシップで国をマネージしている。鳩山さんは辞めないようですね」

 ところが周囲の予想を裏切り、6月2日午前、鳩山首相は小沢一郎幹事長とともに辞任する意向を明らかにした。ポスト小泉の自民党政権時代、総理大臣は毎年交代した。3年で3人の総理の誕生だ。政権内での総理のたらい回しを強烈に批判してきた民主党政権が誕生したというのに、1年1総理の連続記録はこれで「3」から「4」へと塗り替えられた。まことにお粗末きわまる、不名誉な記録である。

 政治の本質は権力闘争であり、政治家の関心事は政局しかない。鳩山首相に辞意を促したのは、選挙を目前に控えた民主党の参院議員たちだった。先の衆院選で大惨敗を喫した自民党でも強烈な麻生降ろしの嵐が吹き荒れたが、なんてことはないその理由は「麻生じゃ、選挙は戦えない」だった。今回もまったく同じ構図だ。

 「鳩山じゃ、参院選は戦えない」。

 これでいいのか。

 国民もマスコミも鳩山首相とその政権の無能ぶりを糾弾する一方となり、「世論調査」なる“国民の声”が求めてきた通り、鳩山―小沢ダブル辞任が実現した。民主党参院議員はほくそ笑み、自民党や新党は深くため息をついて落胆していることだろう。

 しかし、1年交代で国権の最高責任者がコロコロと替わる国をいったい誰が信用してくれるだろうか。

■国民もマスコミも糾弾するばかり

 鳩山政権の惨状はいまさら言及するに及ばない。だが日本政治の大混乱は「政権交代と民主主義」について我々が必死に考えるまたとない好機であったはずだ。普天間問題をめぐっては強く米国を批判する向きもあるが、日本人は安全保障ばかりか、民主主義まで米国から与えられたことを忘れたかのようだ。

 日本の民主主義とはいかなるものなのか。国民は現実の政権交代のなかでそれを辛抱強く考えることなく、政局好きの政治家とマスコミに煽られ、また日本経済の先行きに対する短期的な危機感に動揺し続けた。その結果、鳩山降ろしは今日、実現した。

 これでいったい何か変わるのだろうか。

 私は来週、インドネシアを訪ねる。人口2億3000万人。世界最大のイスラム教国はいまASEANのなかで、もっとも将来を嘱望される国になってきた。

 新興国の成長ぶりを象徴する自動車の販売台数に着目すると、インドネシア経済の快進撃がストレートに伝わってくる。ASEAN域内ではタイ、マレーシア、インドネシアが域内自動車販売の9割を占めてきた。なかでもトップ2はタイとマレーシア。昨年までの8年間、両国が1、2の座を独占してきた、ところが今年の1-3月期、状況が一変した。

 インドネシアが前年同期比74%増の17万4000台で、なんとトップに躍り出た。

 インドネシア経済は今年5%台、来年以降は7%台の成長を期待されているのだが、その背景には、ユドヨノ政権に対する内外からの圧倒的な信頼があることに触れぬわけにはいかない。

■誰が総理になれば満足するのだろうか

 インドネシアに進出している日本企業の経営者たちが異口同音に語るのは、政治の変化だ。98年にスハルト長期独裁政権が崩壊したあと、現在のユドヨノ政権は4代目となるが、ユドヨノ以前の政権は例外なしに「汚職」まみれだった。その腐敗ぶりに外国企業は辟易してきた。だが誠実でクリーンな元軍人のユドヨノ大統領の誕生以後、政権基盤が安定。

 投資先としてのインドネシアの魅力が急速に高まってきた。

 インドネシアに投資をしてすでに30年を数える大企業の経営者が語る。

 「かつてはインドネシアに行くたびに、この国はだめだなあと諦めの感情が先立ちましたが、ユドヨノ政権の今、少なくとも中央省庁の汚職まみれはなくなりました。地方はまだだめですが、ユドヨノ政権が続く限り、この国は発展を続けますよ」

 翻って日本の現状を思うと、暗澹としてくる。

 いったいこの国は誰が総理になれば満足するのだろうか。

 もっとも「人を育てるのは時代」だという言葉もある。この激動の時代のなかから、本当のリーダーが育ってくることを祈るばかりだ。

2010年6月2日 日経BP

6/3編集手帳

2010年06月03日 | コラム
6/3編集手帳

 評論家で小児科医の松田道雄さんが『病気とまじない』という随筆に書いている。〈医学とまじないが違うのは医学には誇りがあることだ。人間の苦しみは人間の力で治すしかほかはない〉と。

 名医を古い言葉で「国手(こくしゅ)」という。もとは「国を医する名手の意」(広辞苑)ならば、政治家も誇り高き医者だろう。鳩山首相が思いやりの深い人柄であるのは認める。今更ながら、医者よりも祈祷師(きとうし)に近い資質が玉に瑕(きず)として惜しまれてならない。

 普天間飛行場を最低でも県外に移して沖縄の負担を和らげ、移設先の地元も快く受け入れ、米国も満足して日米の絆(きずな)は揺るぎもない…。

 その願いは申し分ないとして、かなえるために首相は何をしただろう。目を凝らした精密検査もせず、投薬の処方も知らず、事態を切り開くメスをみずから執らず、「そうなればいいな」と祈っていただけのように映る。本物の医者を呼べ――の声が世に充満し、退陣という形で病室を追われたのは致し方ない。

 難問の普天間移設は鳩山氏のもとで「超」難問に姿を変え、宿題として次の首相に引き継がれる。まじない政治の罪の重さよ。

野村HD役員の平均報酬ナント1億4500万円

2010年06月03日 | ニュース一般
野村HD役員の平均報酬ナント1億4500万円

 野村ホールディングス(HD)が、2010年3月期に役員(執行役)に支払った報酬額の平均が1人当たり約1億4500万円だったことが分かった。同社が1日に送付した定時株主総会の招集通知で明らかになった。

 09年3月期は過去最大の赤字を計上して約4100万円だったが、旧リーマン・ブラザーズの部門買収で前期は黒字転換できたため、報酬が3倍強に膨らんだ。

 株主総会は今月25日に開催。渡部賢一社長ら常勤の執行役10人の報酬総額は14億5100万円だった。

 報酬には、自社株を一定価格で購入する権利であるストックオプションによる支払いも含まれている。報酬の一部は支払いを平準化するため翌期以降に繰り延べられる。また、11年3月期以降に大幅赤字が出た場合などには返還を求める条項も付けられている。

2010.06.02 ZAKZAK

「時代を映す鏡」として広告を見ると

2010年06月03日 | 新聞案内人
「時代を映す鏡」として広告を見ると

 米アップル社の新しい情報端末iPad=アイパッドが、5月28日に日本でも売り出され、東京・銀座の大通りに行列が出来たと、新聞やテレビが一斉にはやし立てた。

 目まぐるしく進化し続ける情報関連機器。このニュースに触れて、突然に1969年5月の記憶が甦った。場面は東大の五月祭。そこここに「コピー代を大学で負担せよ」といった文面のビラが目についた。いまどきの東大生は、授業に要する資料を、手書きで写すのではなくコピーしてしまうのか…という驚きがあった。そして40年後のこのニュース。

○広告が時代を先取り

 翌70年に飛び出したのが、富士ゼロックスのCM『モーレツからビューティフルへ』である。「BEAUTIFUL」と書きなぐった白紙を広げて銀座通りを歩く男。最後にXEROXの文字。美しいコピーを訴求するCMの鮮やかさに感嘆し、当時の担当課長に取材した。新聞社の編集局でも「この資料をゼロックスしてきて」との言葉が日常的に交わされた。

 ときは戦後の高度経済成長政策から10年。水俣病をはじめ空気・河川の汚染など公害が際だつようになり、71年7月1日、環境庁が発足する。時代を鋭く先取りした広告だった。

 場面は変わって、さる3月27日、歌手のしばたはつみさんが亡くなった。思い出すのは、いまはコスモ石油と社名が変わった丸善石油のハイオクタン・ガソリンのCMだ。69年のテレビに登場し、小川ローザが発する『Oh!モーレツ』もまた流行語になる。XEROXのCMが、『Oh!モーレツ』を受けて誕生したことは、書くまでもない。

 それより前に、テレビを席捲したのが、レナウンのCM。小林亜星が作詞・作曲した歌曲に合わせ♪イェイ イェイ…とエネルギッシュに、『お洒落でシックなレナウン娘』たちが闊歩する。レナウンが打ち出すCMが、時代の元気を映していた。

 アーノルド・パーマー・マークのワンポイント・シャツで流行を先取りし、アラン・ドロンを起用した男物のダーバンも話題になるなど、1902年、大阪生まれのファッション企業は、強力な企業経営とコマーシャルで時流に乗った。そのレナウンが、中国の繊維大手の傘下に入るとのニュースが駆け巡ったのも、5月末のこと。時代の目まぐるしいばかりの移ろいを、実感せずにはいられない。

 5月17日に電通が発表した2010年3月期の連結決算によると、売上高は前期比11%減の1兆6786億円。「2ケタ減収は半期決算から年度決算に切り替わった1953年3月期以来初めて」と日経。朝日は「メディア別の売上高をみると、新聞が前期比で16.7%減の1222億円、雑誌が27.7%減の433億円と減少幅が大きい。インターネット関連が3割以上伸びているのとは対照的だ」と書く。

○広告不況

 朝日新聞社が24日に発表した同じ3月期連結決算は、「広告収入の減少などの影響で、営業損益は40億9800万円の赤字だった。営業損失は2000年3月期に連結決算を公表してから初めて」(朝日)と、広告不況を自ら裏付けた。

 世界の新聞業界の中で比べれば、日本は広告と販売収入のバランスが取れている方だが、広告収入の落ち込みは、日々の新聞を開いても歴然だし、民放テレビ各社も例外ではなく、製作費の切り詰めなどでしのいでいる。

 そうした背景があるから、iPadの登場が、時代の寵児としていっそう強調される。人気作家の新作小説や雑誌、コミックが読める。ゲームも楽しめる。「テレビや音楽、雑誌などのほか、株価や為替相場、金融商品の広告も閲覧できるようにする」と、企業の<iPad戦略>をまとめた読売。そうなれば、旧来メディアへの影響は免れない。

かつては新聞とテレビが競い合い、広告を通して暮らしの傾向やファッションから流行語までリードしてきた。いわゆるマスメディアとして広告に君臨してきたその未来は、全く暗いのか。

 5月25日の読売朝刊PRのページは、そうした危惧を少しばかり払拭する。見開きカラーで、読売広告大賞『読者が選ぶ広告の部』受賞作品を紹介したもので、6人の審査講評が並んでいる。

○IT時代の新聞広告

 「新聞の特徴は、一覧性にあると思う。全体にパッと目に入ってくる所がインターネットとは違う」「インターネット企業が新聞を活用しようという意気込みとともに、違う媒体が一緒に成長していく一つの方向性を示している」「新聞とインターネットが広告の世界で共存していく可能性」「IT企業も、広告メディアとしての新聞を必要としているということを認識させられた」…。審査員の名前や、受賞作品の詳細については、縮刷版で読んでもらうとして、IT時代の新聞広告の可能性という点で共通している。

 長い歴史を歩んで来た新聞広告を、関心を持って見ていると、興味は尽きない。明治の早くから海水浴場開きのお知らせ。リグレーチューインガムの広告が、大正の昔から掲載されていた。終戦直後の案内広告には「求む通訳」や「ラジオ買います」といったものが目につく。洗濯機やテレビ受像機の発売広告を見れば、当時の形や性能、価格がわかる。映画広告なら『風と共に去りぬ』が封切られた日や劇場、入場料が明記されている。書籍広告も同じだ。70年から80年代の夕刊をにぎわせたデパート広告の勢いも忘れられない。

 だからこそ、4月7日に掲載された朝日広告賞の「昨年まで賞に輝いた老舗百貨店や、ラグジュアリーブランドが鳴りをひそめ」といった、時代を映す講評にもなる。

 正月に配られる分厚い新聞の広告を、読み捨てるのはもったいない。勢いのある企業の広告に力があり、公共広告のようなキャンペーンで年の初めを飾る企業もある。

 新年度を控え、3月31日の日経第2部は、12ページすべてが≪挑む≫を共通テーマの全面広告。前日の読売に掲載された三菱電機の全面広告は『家庭から宇宙まで、エコチェンジ』と、巧みに自社の姿勢をつづった。見開きの左面『2010年3月、東芝は一般白熱電球の製造を中止いたしました』のコピーは、右面の『今後はLED電球で皆さまを照らしていきます。』の伏線になっている。朝日に見開きで飾った<春の“酒”前線 47都道府県別 ふるさと酒自慢>の楽しさは、他のメディアでは真似が出来まい。

 昨年12月に『その大いちょうは、学習院名物のおじいちゃん先生です。』で始まった学習院の連続広告は、受験生を対象に、キャンパスの魅力を物語にして発信していた。

 こうしたきめの細かい伝え方、記録と保存性、デザイン力、物語まで仕組む新聞広告は、テレビやインターネットを凌駕した領分である。まだ委縮したり諦めたりは早過ぎる。

2010年06月03日 新聞案内人
西島 雄造 ジャーナリスト、元読売新聞芸能部長

国民が置き去りだ 鳩山首相の退陣表明

2010年06月03日 | 社説
国民が置き去りだ 鳩山首相の退陣表明

 鳩山由紀夫首相が退陣表明した。「普天間」や「政治とカネ」で信頼を失った首相には当然の帰結だが、自ら批判してきた「政権たらい回し」にほかならぬ。

 歴史的な政権交代の「顔」として国民の期待を背負ってきた鳩山首相。自ら退陣表明の場に選んだ緊急の民主党両院議員総会で「私自身、この職を引かせていただくことになります」と語った。

 任期途中、それも参院選を目前にした国会終盤に政権を投げ出さざるを得なかったのは、「鳩山首相では参院選を乗り切れない」とする、党内改選議員の声に抗しきれなかったためだ。

■信を問うのが筋だ

 そこに働いているのは、党の顔でもある首相を代えれば、劣勢とされる参院選の状況を多少なりとも好転できるという「党利党略」であることは容易に想像がつく。

 資質を欠き、国民の信頼を失った鳩山首相の退陣はやむを得ないにしても、一年ごとに首相が交代するのは内政上も外交上も好ましくない。自民党政権末期のそうした状況を「政権のたらい回し」と批判したのは民主党自身だ。

 昨年の衆院選で、国民が選挙を通じて新首相を選んだのは、政党内の力学や密室で首相が決まる旧態依然の政治との決別を民主党に託したからではないか。

 政権の中間評価を問う参院選の結果、有権者が現政権に「ノー」を突き付けたことが明らかになれば、首相退陣という判断もあろう。民主党が自民党と同様、選挙目当てで首相の首をすげ替えるのは理解しがたい。

 首相交代後、速やかに衆院を解散し、総選挙で新政権に対する国民の信を問うのが筋である。

 それができないのなら、新首相は、鳩山内閣が進めてきた政策の何を引き継ぎ、何を引き継がないのかを明示し、参院選で国民に賛否を仰ぐことが欠かせない。

■政策競う代表選に

 特に、首相退陣のきっかけとなった米軍普天間飛行場の「県内移設」方針や「政治とカネ」の問題は参院選の最大争点になる。

 後継代表を選ぶ民主党代表選は本来、党員・サポーターも交えて時間をかけて行うべきだが、急きょ四日に設定された代表選では、せめて複数候補がこれらの問題を論じ合い、国民に政策や政治姿勢を明らかにする必要がある。

 振り返れば、多くの国民は、政治主導の政策決定、予算の「コンクリートから人」への配分、行政の無駄排除、緊密で対等な日米関係など、民主党の政策実現に大きな期待を抱いたに違いない。

 その「政権交代の果実」はどれだけ得られたのであろう。新政権発足後八カ月余りで判断するのは性急かもしれないが、甘めに評価しても、成果は期待していたほどではなかったのではないか。

 すべてが鳩山首相の責任とは言えないが、その多くは指導者の資質に起因しているのだろう。

 発言に責任を負わない言葉の軽さ、内閣を率いる指導力や政策を実現させる実行力の欠如は否定のしようがない。最初から期待しなかったのなら諦(あきら)めもつくが、期待が大きかった分、落胆も大きい。

 首相は両院議員総会で、退陣理由に普天間問題で「社民党を連立離脱に追い込んでしまった」こと、自身の「政治とカネ」の問題で「議員の皆さんに大変な迷惑をかけた」ことを挙げた。

 社民党を連立離脱に追い込んだのは、普天間問題での首相の「最低でも県外移設」という食言だ。「職を賭す」覚悟があるのならなぜオバマ米大統領に国外・県外移設を直談判しなかったのか。

 社民党の福島瑞穂党首を「県内移設反対」を理由に閣僚罷免するのは筋違いであり、それを契機に鳩山退陣論が沸き上がったのは無理もない。

 首相は「政治とカネ」で、小沢一郎幹事長にも辞任を求めたことを明らかにした。小沢氏が幹事長を辞任すれば「クリーンな民主党」に生まれ変わると言いたいようだが、そう考えるのは早計だ。

 小沢氏は資金管理団体をめぐる不透明な土地取引について引き続き説明責任を負う。幹事長辞任で免責されるわけではない。

 加えて、小沢氏が辞任後も引き続き党内に隠然たる影響力を持ち、権力の二重構造が続くようなら、民主党再生への道は遠い。

■新しい政治育もう

 昨年の衆院選で有権者が日本近代政治史上初めて、選挙で首相を交代させた歴史的意義は大きい。

 政権交代という「壮大な実験」が成功に終わるのか失敗に終わるのかは、鳩山首相の辞任だけで判断するのは早いように思われる。

 政権交代が当然に起きる時代には、新しい政治の流れを粘り強く育(はぐく)む余裕も、有権者には求められているに違いない。

 落胆せず、決して楽観もせず。「鳩山後」にも目を凝らしたい。

2010年6月3日 中日新聞

6/3産経抄

2010年06月03日 | コラム
6/3産経抄

 「保身」という言葉には、要領よく立ち回り、自分の身や名誉を守るというマイナスイメージがある。もとは「明哲保身」の四字漢語だった。聡明(そうめい)で道理に通じ、身の置き所を間違えない生き方を指す。

 中国最古の詩編『詩経(しきょう)』のなかにある、西周時代の名宰相、仲山甫(ちゅうざんぽ)をたたえた詩が出所だ。思えば鳩山由紀夫首相ほど、「明哲」や「名宰相」といった言葉からほど遠い人物はいなかった。しかし、きのうの辞意表明を聞いて、あらためて「保身」の術には長(た)けた人だなと思う。

 もちろん、マイナスイメージの方である。確かに首相は、辞任の理由に、米軍普天間飛行場の移設と「政治とカネ」の問題を挙げた。ところが、国益を損なったことへの反省はなく、自身の資金管理団体の虚偽記載問題では、相変わらず秘書に責任を押しつけ、自分は被害者のような言いぐさだった。

 揚げ句「5年、10年たてば必ず…分かっていただける日が来る」と自賛する始末だ。小沢一郎幹事長を道連れにしたことを評価する向きもあるが、小欄はそうは思わない。2人そろっての辞任が参院選にプラスに働き、自ら擁立した候補が続々と当選を果たせば、党内最大グループを率いる小沢氏の力はますます強まる。

 つまり首相は自分の名誉を守ると同時に、小沢氏の権力維持に手を貸したことになる。仲山甫には、「小心翼翼」(注意深く慎み深い)との賛辞もあった。「保身」と同じようにこの言葉も現代の日本では、びくびくしすぎると、悪い意味で使う。

 参院選に臨む民主党の改選議員の多くは、鳩山首相のもとでは、とても戦えないと不平たらたらだった。今回の辞任劇は、そんな「小心翼々」の議員たちの「保身」につながるのだろうか。

細川内閣に1日及ばず 鳩山内閣

2010年06月03日 | ニュース政治
細川内閣に1日及ばず=鳩山内閣

 鳩山内閣は4日に総辞職する見通しとなった。その場合、鳩山由紀夫首相の在職日数は262日で、自らが官房副長官として仕えた細川護煕元首相に1日及ばない。現行憲法下の歴代首相29人中、5番目の短命政権となる。

 時事通信の世論調査で、鳩山内閣の発足当初の支持率は60.6%と、小泉、細川両内閣に次ぐ歴代3位の高水準でスタート。だが、5月の調査では19.1%に下落。最後まで高支持率を維持した両内閣とは対照的な幕切れとなった。

2010/06/02 時事通信

鳩山・小沢退陣 脱「二重権力」で政策転換図れ

2010年06月03日 | 社説
鳩山・小沢退陣 脱「二重権力」で政策転換図れ

 万事休したということだろう。鳩山首相が退陣を表明した。

 昨年9月、民主、社民、国民新3党による鳩山連立内閣が発足した時、これほどの短命を予測した人は、まずいまい。

 だが、わずか8か月半の間、鳩山首相は、米軍普天間飛行場移設問題で、わが国の外交・安全保障の基軸である日米同盟を傷つけ、日本政治を大混乱させた。

 母親からの巨額資金提供など、「政治とカネ」にまつわる疑惑も払拭(ふっしょく)できなかった。

 ◆2トップ辞任は当然◆

 首相とともに小沢民主党幹事長も辞任することになった。2人は政権運営の行き詰まりに「連帯責任」を負わねばならず、辞任は当然のことだ。

 民主党は、首相と党執行部の退陣を受け、4日の両院議員総会で「ポスト鳩山」の新代表を選出する運びだ。

 後継には、菅副総理・財務相らの名があがっている。

 新政権は、日米同盟関係の再構築と、経済政策の一新による景気の回復に、全力を挙げる体制をつくらなければならない。

 鳩山首相は両院議員総会で、「国民が徐々に聞く耳をもたなくなってきてしまった」と辞任の理由を述べた。国民がほとんど耳を貸さなくなったのは、首相自らが招いた結果だ。

 普天間飛行場の移設問題で、首相は「最低でも県外」と言い、米国、連立与党、沖縄の合意を得るという「5月末決着」を何度も繰り返しながら、いずれも、あっさり反故(ほご)にした。

 これだけ言行不一致を重ねれば、国民が首相の言葉を信じなくなるのは当たり前だろう。

 小沢氏は、自らの資金管理団体をめぐる土地取引疑惑など「政治とカネ」の問題について、国会で一切説明してこなかった。

 これが国民の政治不信を招き、鳩山政権の足を引っ張ってきたのは明らかだ。

 本紙の世論調査でも、小沢氏の幹事長辞任を求める声は圧倒的だった。小沢氏が何らけじめをつけなければ、批判は一層強まったに違いない。

 小沢氏が辞任に至ったのは、こうした事情が背景にあったためとみられる。ただ、首相が強調したように、「クリーンな民主党」を目指すというなら、小沢氏には、一連の疑惑について、詳しい説明が求められよう。

 ◆衆院解散が筋だが◆

 衆院選で国民の審判を受けていない政権は正統性に欠ける。これまで民主党は、こう主張し、毎年のように首相の交代を繰り返す自民党内閣を批判してきた。

 本来なら衆院解散によって新首相を選ぶのが筋だ。ただ、参院選が迫っているうえ、目下、朝鮮半島情勢は緊迫し、日本経済も岐路に立たされている。

 民主党が政治空白を最小限にするとして、新政権づくりに着手したのはやむを得まい。

 民主党の新政権は、これまでの「小・鳩」体制と同じ過ちを繰り返してはならないだろう。

 小沢氏が、首相を背後からコントロールするような「二重権力」構造は一掃すべきである。

 「政策決定の内閣一元化」の名の下に内閣と与党との関係がギクシャクし、党内の議論が封印される愚も避けることが大切だ。

 ◆政権公約を見直せ◆

 民主党が政権の「顔」を替えれば、有権者の支持を回復できると考えているなら甘すぎる。

 鳩山政権の挫折の原因は、政治倫理の問題や外交・安全保障政策の失敗だけではないからだ。

 衆院選での政権公約(マニフェスト)への過度のこだわりや、官僚組織を排除する「政治主導」の弊害は大きい。

 選挙のための、目に余るポピュリズム(大衆迎合)政治に、終止符を打ってはどうか。

 大事なのは、子ども手当や、農家への戸別所得補償制度、高速道路無料化といった「財源なきバラマキ施策」を、できるだけ早く見直すことだ。

 財政再建と社会保障制度を安定的に運営するための財源確保に、消費税率の引き上げが避けられない。この点については、国民の理解も進んでいる。

 新代表は、税制の抜本改革に正面から向き合うなど、党の政策を転換させる胆力が欠かせない。

 日本経済の確かな将来像を描く成長戦略の策定も急務だ。

 一方、日米同盟をしっかり機能させていくことも重要だ。

 米国が対日不信を強める中、北朝鮮の魚雷攻撃による韓国哨戒艦沈没事件が発生した。中国海軍は、遠洋での艦隊訓練を常態化させようとしている。日米関係の悪化は、アジア太平洋の関係諸国にも不安を与えている。

 新政権は普天間問題の日米合意を堅持し、両国の信頼関係を確かなものにしなければならない。

2010年6月3日 読売新聞 社説

6/3中日春秋

2010年06月03日 | コラム
6/3中日春秋

 指の中でも親指は特別な存在だ。かのニュートンなど「他に何の証拠もなくても、人間に神の存在を確信させるには親指だけで足りるだろう」と言っているほど(W・ソーレル『人間の手の物語』)。

 確かに、唯一、掌(てのひら)から横に突き出し、四本から独立しているのに、どの指とも自在に連携できることで、手全体をリードし、機能をまとめあげている。親指を立てる仕草が、わが国で組織のトップなど「ボス」を示すのは、ある面、的確だ。

 昨日、退陣表明した鳩山首相が前日夕、進退を協議した小沢民主党幹事長らとの会談から出てきた時、見せたのも、その仕草だった。これには「大丈夫」や「うまくいった」などの意味もあるから当然、政権は「大丈夫」の意と受け止められた。

 だが、実際は既に退陣を決めていたそうで、ご本人は後で「心中を隠した」と。しかし、自分が小沢幹事長に辞任をのませたと“手柄”のように強調するところから察するに、その話が「うまくいった」ことを、何とかにじませたいとの欲求を抑えられなかっただけ、という気もする。

 小沢さんが事実上のボスと見られていたのは確か。あるいは、政権という一つの手に二本の親指があったことへの、鳩山さんなりの鬱憤(うっぷん)の表明だったのかもしれない。

 何にせよ、この国にはいいかげん、しっかりとした親指が必要だ。一本で事足りる親指が。

民主党 菅氏が出馬表明

2010年06月03日 | ニュース政治
民主党、菅氏が出馬表明、先行 新内閣4日にも発足
 
 民主党の菅直人副総理兼財務相(63)は2日午後、鳩山由紀夫首相(党代表)の退陣表明を受け、代表選への出馬を決めた。党内では対立候補擁立を模索する動きもあるが、支持基盤を固めた菅氏が先行している。最終的には、最大勢力を抱える小沢一郎幹事長の動向が焦点になる。次期首相となる代表は4日の党両院議員総会で選出される。党執行部は同日中にも首相指名選挙を行い、新内閣を発足させたい考え。

 菅氏は首相と官邸で会い「立候補したい。民主党政権に期待されたことを引き継いでやっていきたい」と表明。首相は「ぜひ頑張ってください」と応じた。菅氏を支援するグループ(所属約40人)は2日の会合で、菅氏擁立方針を確認し情報収集にあたった。枝野幸男行政刷新担当相は菅氏を支持する考えを示した。

 一方、代表経験者の前原誠司国土交通相は2日、自らの出馬について記者団に「結論は出ていない」と述べた。岡田克也外相も「どんな状況か確認しないと何も言うことはない」と、態度を明確にしなかった。

 小沢氏を支えるグループ(同約150人)のうち、中堅・若手による「一新会」の会合には約40人が参加。松木謙公衆院議員は記者団に「出る人が決まったら、なるべく団結して動きたい」と強調した。

2010/06/03 共同通信