参院選いよいよ開戦! 東京&大阪で自民“全滅"も
第22回参院選が24日、公示された。438人が立候補し、7月11日投開票。民主党は菅直人首相(63)のもと、与党ないし単独での過半数を目指すが、改選1の1人区が民主・自民の2大政党による一騎打ちなら、改選2以上の複数区は第3極なども交えた大乱戦になっている。特に、東京(改選5)は24人、大阪(改選3)は10人が立候補するなか、自民全滅の可能性もささやかれている。
菅首相は24日午前、大阪・ミナミの繁華街で第一声。白いワイシャツをまくり上げ「必ず経済を立て直し、日本を成長軌道に乗せる」などと力説した。都市部からスタートし、選挙戦に弾みをつける狙いだが、消費税増税が響いたのか約1000人の聴衆からの拍手はまばらだった。
参院定数242のうち民主党の非改選議席は62。今回、60議席以上獲得すれば、単独過半数の122議席に達する。国民新党が非改選3、改選3の現有6議席を守るとすれば、54議席で与党過半数となる。
政治ジャーナリストの角谷浩一氏は「60なら政権は盤石になり長期政権になる。50前後なら連立組み替えだろう。民主党は、脱小沢でV字回復した支持率は、期待値込みのバブルなうえ、今後は消費税増税で下がっていく。衆参で単独過半数を与え、民主党に好き勝手をさせていいのか、という有権者の心理とも戦わねばならない」と話す。
まさに、菅政権の行方を占う一大決戦となっているが、中でも仁義なきバトルロイヤル状態となっているのが、新党日本を除く全9政党が公認候補を立てて5議席を奪い合う東京選挙区だ。
民主党は現職の蓮舫行政刷新担当相(42)と小川敏夫氏(62)、自民党は現職の中川雅治氏(63)と新人の東海由紀子氏(42)の2人ずつを擁立。
公明党は新人の竹谷とし子氏(40)、共産党は現職の小池晃氏(50)、みんなの党は新人の松田公太氏(41)、国民新党や社民党、たちあがれ日本、新党改革も候補を立てた。さらに、杉並区長を辞任した山田宏氏(52)が、日本創新党から出馬した。
ある政府関係者は情勢をこう打ち明ける。
「あるテレビ局が菅内閣発足直後に世論調査したところ、各氏のポイントは蓮舫43、中川13、松田9、小川7、小池5、竹谷4、山田1の順だったと聞く。小池氏はテレビ出演で知名度が高く、竹谷氏には固い組織があり、小川氏を逆転する可能性はある。蓮舫氏から小川氏への票の割り振りがカギだが、蓮舫陣営では浮動票で1人勝ちすることで当選ラインを下げ、組織の強い小川氏を援護する考えもあるようだ」
その蓮舫氏は24日午前、サラリーマンの集まるJR新橋駅前のSL広場で、定番の襟が立ったスーツ姿で「税金の使われ方を国民に見える形で示していきたい」と第一声。周囲に「SHIWAKE2010」と書かれた深紅ののぼりを立て、事業仕分けを前面にアピールしていた。
自民党は2番手に中川氏が食い込んでいるものの、2007年の参院選で、事前の調査で上位だった保坂三蔵氏(71)が落選し、丸川珠代氏(39)が当選するという苦い経験が影を落としている。今回は候補が乱立しているだけに、「票の割り方を間違えれば共倒れの可能性もある」(永田町有力筋)とみられているのだ。
そのため、自民党都連幹部は「前回は途中で丸川氏にシフトして失敗した。今回は中川氏は絶対に落とせない。組織もきっちりと固め、必勝態勢だ。東海氏は一切やらないように締め付けている」と話し、“トラウマ”からの脱却に躍起となっている。
一方、東京同様に大激戦となった大阪選挙区。大阪は01年から3回連続で民主、公明と自民が議席を分け合ってきた。しかし、もともと、自民の地盤が弱かったところに、民主が現職の尾立源幸氏(46)に続く2人目として、視聴率20%の人気テレビ番組「探偵!ナイトスクープ」(ABC系)への出演で知名度のあるタレントの岡部まり氏(50)を擁立したことで情勢は一変。
公明党は新人の石川博崇氏(36)、みんなの党は元阪急百貨店部長の川平泰三氏(53)を擁立し、新党改革なども参戦するなど、大激戦になっているのだ。
自民党現職の北川イッセイ氏(67)の陣営は「過去の実績はまったく通用しない。政党乱立の中で埋没しないようにしたい」と危機感アリアリだ。
大阪では西川きよし氏や横山ノック氏を当選させた80万票ともいわれる“お笑い・タレント票”が自民を苦しめてきたが、今回も岡部氏に相当の浮動票が流れるのは確実。小沢一郎前幹事長(68)肝いりの候補で、宗教団体もついている。
それだけに、民主党大阪府連関係者はこう強気の分析をする。
「自民党の調査として出回っているデータでは、石川氏が鉄板で、府連が一本化している尾立氏が続く。岡部氏がおばちゃんウケがよくないため、北川氏と最後の1議席を争うというが、最後はお笑い・タレント票の威力がものを言うはず」
岡部氏も24日午前、「深夜番組で21年間、毎週欠かさずみなさまの前に姿を見せたことを感謝しています。みなさんの暮らしのお役に立ちたい」と、菅首相とともに浮動票を意識した第一声を行った。
さらに、自民・北川陣営にとって頭が痛いのは、橋下徹知事(40)が立ち上げた地域政党「大阪維新の会」に自民党籍を持つ府議らが加わり、組織の足並みが乱れていることだ。
永田町有力筋は「橋下氏は昨年の総選挙でも民主党寄りを鮮明にしていた。今回も自民党ということはないだろう」と話しており、逆風になるのは間違いなさそうだ。
2010.06.24 ZAKZAK
第22回参院選が24日、公示された。438人が立候補し、7月11日投開票。民主党は菅直人首相(63)のもと、与党ないし単独での過半数を目指すが、改選1の1人区が民主・自民の2大政党による一騎打ちなら、改選2以上の複数区は第3極なども交えた大乱戦になっている。特に、東京(改選5)は24人、大阪(改選3)は10人が立候補するなか、自民全滅の可能性もささやかれている。
菅首相は24日午前、大阪・ミナミの繁華街で第一声。白いワイシャツをまくり上げ「必ず経済を立て直し、日本を成長軌道に乗せる」などと力説した。都市部からスタートし、選挙戦に弾みをつける狙いだが、消費税増税が響いたのか約1000人の聴衆からの拍手はまばらだった。
参院定数242のうち民主党の非改選議席は62。今回、60議席以上獲得すれば、単独過半数の122議席に達する。国民新党が非改選3、改選3の現有6議席を守るとすれば、54議席で与党過半数となる。
政治ジャーナリストの角谷浩一氏は「60なら政権は盤石になり長期政権になる。50前後なら連立組み替えだろう。民主党は、脱小沢でV字回復した支持率は、期待値込みのバブルなうえ、今後は消費税増税で下がっていく。衆参で単独過半数を与え、民主党に好き勝手をさせていいのか、という有権者の心理とも戦わねばならない」と話す。
まさに、菅政権の行方を占う一大決戦となっているが、中でも仁義なきバトルロイヤル状態となっているのが、新党日本を除く全9政党が公認候補を立てて5議席を奪い合う東京選挙区だ。
民主党は現職の蓮舫行政刷新担当相(42)と小川敏夫氏(62)、自民党は現職の中川雅治氏(63)と新人の東海由紀子氏(42)の2人ずつを擁立。
公明党は新人の竹谷とし子氏(40)、共産党は現職の小池晃氏(50)、みんなの党は新人の松田公太氏(41)、国民新党や社民党、たちあがれ日本、新党改革も候補を立てた。さらに、杉並区長を辞任した山田宏氏(52)が、日本創新党から出馬した。
ある政府関係者は情勢をこう打ち明ける。
「あるテレビ局が菅内閣発足直後に世論調査したところ、各氏のポイントは蓮舫43、中川13、松田9、小川7、小池5、竹谷4、山田1の順だったと聞く。小池氏はテレビ出演で知名度が高く、竹谷氏には固い組織があり、小川氏を逆転する可能性はある。蓮舫氏から小川氏への票の割り振りがカギだが、蓮舫陣営では浮動票で1人勝ちすることで当選ラインを下げ、組織の強い小川氏を援護する考えもあるようだ」
その蓮舫氏は24日午前、サラリーマンの集まるJR新橋駅前のSL広場で、定番の襟が立ったスーツ姿で「税金の使われ方を国民に見える形で示していきたい」と第一声。周囲に「SHIWAKE2010」と書かれた深紅ののぼりを立て、事業仕分けを前面にアピールしていた。
自民党は2番手に中川氏が食い込んでいるものの、2007年の参院選で、事前の調査で上位だった保坂三蔵氏(71)が落選し、丸川珠代氏(39)が当選するという苦い経験が影を落としている。今回は候補が乱立しているだけに、「票の割り方を間違えれば共倒れの可能性もある」(永田町有力筋)とみられているのだ。
そのため、自民党都連幹部は「前回は途中で丸川氏にシフトして失敗した。今回は中川氏は絶対に落とせない。組織もきっちりと固め、必勝態勢だ。東海氏は一切やらないように締め付けている」と話し、“トラウマ”からの脱却に躍起となっている。
一方、東京同様に大激戦となった大阪選挙区。大阪は01年から3回連続で民主、公明と自民が議席を分け合ってきた。しかし、もともと、自民の地盤が弱かったところに、民主が現職の尾立源幸氏(46)に続く2人目として、視聴率20%の人気テレビ番組「探偵!ナイトスクープ」(ABC系)への出演で知名度のあるタレントの岡部まり氏(50)を擁立したことで情勢は一変。
公明党は新人の石川博崇氏(36)、みんなの党は元阪急百貨店部長の川平泰三氏(53)を擁立し、新党改革なども参戦するなど、大激戦になっているのだ。
自民党現職の北川イッセイ氏(67)の陣営は「過去の実績はまったく通用しない。政党乱立の中で埋没しないようにしたい」と危機感アリアリだ。
大阪では西川きよし氏や横山ノック氏を当選させた80万票ともいわれる“お笑い・タレント票”が自民を苦しめてきたが、今回も岡部氏に相当の浮動票が流れるのは確実。小沢一郎前幹事長(68)肝いりの候補で、宗教団体もついている。
それだけに、民主党大阪府連関係者はこう強気の分析をする。
「自民党の調査として出回っているデータでは、石川氏が鉄板で、府連が一本化している尾立氏が続く。岡部氏がおばちゃんウケがよくないため、北川氏と最後の1議席を争うというが、最後はお笑い・タレント票の威力がものを言うはず」
岡部氏も24日午前、「深夜番組で21年間、毎週欠かさずみなさまの前に姿を見せたことを感謝しています。みなさんの暮らしのお役に立ちたい」と、菅首相とともに浮動票を意識した第一声を行った。
さらに、自民・北川陣営にとって頭が痛いのは、橋下徹知事(40)が立ち上げた地域政党「大阪維新の会」に自民党籍を持つ府議らが加わり、組織の足並みが乱れていることだ。
永田町有力筋は「橋下氏は昨年の総選挙でも民主党寄りを鮮明にしていた。今回も自民党ということはないだろう」と話しており、逆風になるのは間違いなさそうだ。
2010.06.24 ZAKZAK