【時事(爺)放論】岳道茶房

話題いろいろだがね~
気楽に立寄ってちょ~

「気温の変化」侮るな! 気象病

2010年06月01日 | 健康
「気温の変化」侮るな!持病悪化、情緒不安定呼ぶ「気象病」

 今年は最高気温が真夏日になったかと思ったら、一転、肌寒くなったりと日によっても1日の中でも気温の変化が激しいが、こんな時に注意したいのが「気象病」だ。急激な寒暖差に身体がついていけず、さまざまな不調が現れ持病も悪化する。それに伴いイライラしたり落ち込んだりと気分も不安定になりがちだから対人関係にもご用心。

 「前日と5度以内の温度差であれば身体は適応できますが、10度も差があると自律神経やホルモンなどが乱れてしまいます」というのは、「気象病」に詳しい気象業務支援センター情報開発業務担当・気象予報士の村山貢司氏。眠れない、だるい、疲れが抜けないなど時差ぼけのような状態に加え、人によってはめまい、立ちくらみ、血圧の急激な変動、頭痛なども起こる。村山氏は「こうした状態が続くと、喘息や生活習慣病などの持病も悪化しやすい」という。

 「気象病」は、自分の身体の弱い所にでる。例えば、アレルギーなら喘息やアトピー、さらに胃腸病など内臓系に、腰痛など。生活習慣病が気になる人は、普段より血圧や血糖値が上がることもある。実際の対処としては症状がひどくなったら病院で薬をもらうなどして治療するしかないが、村山氏は「本当はそうなる前に身体をケアしておくことが重要なんです」と話す。

 急に暑くなった日は、暑さに慣れていない身体は汗腺をうまく開くことができず、熱が体内にたまってだるくなる。

 そこで村山氏は「ウエットティッシュ」「濡れたハンドタオル」「扇子」の3点セットを活用した体温調節をすすめる。さらに、こまめに水分補給し、スポーツやサウナ、辛い料理を食べることで汗をかき、身体を暑さに慣らしていく。

 一方、急に気温が下がったときの寒さ対策は足下から。「冷たい空気は下に沈みやすいため、冷えは足元からやってきます。それを防ぐには、厚手のソックスを1枚余計に履くとよい」(村山氏)

 加えて、上半身の温かい血液が足元に流れやすいように、ベルトを緩めるなど、腰周りを締め付けないこともポイント。また、冬ではなくても保温性の高い機能性下着を着るのも効果的で冷房の効いた職場でも寒くなったらワイシャツの下に着れば身体周りの温度を5度程度上昇させるという。

 季節の割に気温が低く、日差しも少ない日が続くと、気分が落ち込みうつ状態にもなりやすく、これから梅雨を迎え湿気が高くなるとイライラしやすくなるという。

 こんな時期の体調不良は気象のせいにして静かに過ごした方がよさそうだ。

☆気象病から身を守るコツ☆
◎急に暑くなった日は、ウェットティッシュやぬれたハンドタオルで、腕や首、脇の下などを拭いて冷やす。扇子でこまめに扇いで身体周囲の熱気を分散。
◎急に寒くなった日は、保温性の高い下着を着用。厚手の靴下、タイツなどで足元を温める。
◎スポーツ、サウナ、辛い料理で強制的に汗をかいて、汗腺の動きを活発化させる。
◎エアコン内のほこりやカビが、呼吸器疾患の原因になるため夏場に使用する前に掃除する。
◎曇りや雨の日が続いたら、部屋の照明をいつもより明るくして気分の落ち込みを防ぐ。カーテンも、新緑をイメージした薄緑色など明るい色に変える。
◎体調が悪いと感じたときには無理をしない。

2010.06.01 ZAKZAK

米有識者56%「中国が重要」 外務省調査

2010年06月01日 | ニュース一般
米有識者56%「中国が重要」=「日本」は36%、四半世紀ぶりに逆転-外務省調査

 外務省は1日、米国で実施した対日世論調査の結果を発表した。政財官界などの有識者に「アジアにおける最も重要なパートナー」を聞いたところ、中国との回答が前年比14ポイント増の56%でトップ。2番目が日本の36%で、前年より8ポイント減少した。この調査で、中国が日本を上回るのは1985年以来。外務省は「強まる米中の経済的な関係を反映した結果」と受け止めている。

 調査は、2月から3月にかけ、外務省が米ギャラップ社に委託し、18歳以上の一般国民1201人、各界202人の有識者を対象に電話で行われた。調査は60年以来、ほぼ毎年実施している。 

 「最も重要なパートナー」に関する一般国民の回答は、日本と中国が共に44%で並んだ。前年比では日本が2ポイント減、中国は5ポイント増で、一般国民の間でも中国重視の傾向が表れた。

 一方、「日本は信頼できる」と回答した人は有識者は90%、一般国民が79%とそれぞれ前年に比べ1ポイント減らしたものの、高い水準を維持した。

2010/06/01 時事通信

夫は外で働き、妻は専業主婦

2010年06月01日 | ニュース一般
夫は外で働き、妻は専業主婦「伝統的価値観否定」に変化の兆し

 「夫は外で働き、妻は主婦業に専念すべきだ」と考える既婚女性の割合がこれまでの低下傾向から一転し、増加したことが5月31日、厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所の「第4回全国家庭動向調査」(2008年7月に実施)で分かった。

 前回調査(03年)より3・9ポイント上昇の45%で、特に29歳以下(47・9%)が12・2ポイントの大幅アップした。「母親は育児に専念した方がよい」とする割合も増加しており、調査担当者は「伝統的価値観を否定する回答が増えていたこれまでの傾向に変化の兆しがみられる」と分析。

 結婚や少子化問題に詳しい専門家からは「非正規労働が増え、正社員でも長時間労働で疲弊する状況があり、女性の間で仕事への意欲が低下している。主婦になって子育てに専念した方が楽と考えるのは当然」と指摘する声が出ている。

 調査は5年ごとで、今回は全国の約1万3000世帯を対象に実施。「家族に対する意識」について回答が得られた69歳までの結婚している女性6069人を分析した。

 調査結果によると、「結婚後は夫は外で働き、妻は主婦業に専念すべきだ」に賛成は全体で45%で、1993年の第1回調査時(53・6%)から前回の03年調査(41・1%)まで続いていた減少が初めて増加に転じた。

 年齢別では、29歳以下が47・9%で前回調査より12・2ポイントの大幅上昇。30代が7・6ポイント上昇の41・7%、40代も6・6ポイント上昇の39・8%。一方、50代は2・5ポイント低下の42・3%、60代は4ポイント低下の57・2%と低下傾向が続いたままだった。

2010.06.01 ZAKZAK

7月も全社が値上げ 電力10社と都市ガス大手

2010年06月01日 | ニュース一般
7月も全社が値上げ=電力10社と都市ガス大手

 東京電力など電力10社は31日、7月の電気料金をそれぞれ前月より引き上げると発表した。燃料価格の上昇を反映したためで、全社の値上げは3カ月連続。標準的な家庭の値上げ幅は、最小の北陸電力が月額18円、最大の沖縄電力が同48円。
 東京、大阪、東邦、西部の都市ガス大手4社も同日、3カ月連続となる7月のガス料金引き上げを発表した。値上げ幅は月額で24~37円。 

5月31日 時事通信

日中首脳会談 形だけの「懸念」にするな

2010年06月01日 | 社説
日中首脳会談 形だけの「懸念」にするな

 中国海軍による海上自衛隊への挑発行為をめぐって、鳩山由紀夫首相がようやく温家宝首相に抗議した。

 日本の主権と海洋権益を守るうえで当然の要求だが、遅きに失したといえる。最初の艦載ヘリの異常接近の直後、首相は胡錦濤国家主席との会談でこの問題を提起する機会があったのに、言及を避けたからだ。

 中国側は4月の2回にわたる艦載ヘリの異常接近に加え、国家海洋局の調査船で海上保安庁の測量船の調査活動を妨害した。首相が抗議しなかったことで、中国側は挑発行為をエスカレートさせてきたのである。

 首脳会談で、鳩山首相は艦載ヘリの異常接近について「懸念を惹起(じゃっき)させるものだ。二度とこういうことが起きないよう求める」と語った。これに対し、温首相は鳩山首相の主張には反論せず、「重要問題について電話で話し合うホットラインを構築したい」と述べ、双方が一致した。

 不測の事態に備えて連絡態勢を円滑にする必要はあるが、中国側が挑発行為をやめるよう確約を求めることが先決である。

 問題は首相の主権意識だ。首相はさきの全国知事会で、日本固有の領土である尖閣諸島について、領有権の結論を日中間の当事者が話し合いで出すとの趣旨を述べた。これを受け、岡田克也外相は翌日に「尖閣に日本の領土問題はない。議論の余地はない」と、首相発言を直ちに修正した。

 温首相との会談で尖閣諸島は取り上げられなかったとされるが、首相発言は尖閣が日本の領土であることを否定したものであり、これをそのまま放置することは許されない。訂正すべきだ。

 一方、両首脳は東シナ海のガス田開発について、2008年6月の合意に基づき、共同開発の条約締結交渉に早急に入ることで一致した。4月の胡主席との会談で、鳩山首相が「胡主席自ら関係部局に指示してほしい」と、早期交渉を求めたのに応じた形だ。

 だが、中国側は「中国側海域での作業は固有の権利」と主張し、一部で採掘・生産を開始するなどしてきた。

 まず中国側が共同開発の趣旨に反する行為をやめることが前提である。政府内でも、すでにある海洋基本法などのほかに、海洋権益が侵害されたときの対処規定を定める法整備を急ぐ必要がある。

2010.6.1 産経新聞 主張

6/1中日春秋

2010年06月01日 | コラム
6/1中日春秋

 「自由とは、何ら障害物に遭遇しないことか?」。高校生にえらいことを答えさせるものだ。これは、フランスの大学入学資格を得るための全国統一試験「バカロレア」で過去に出された問題らしい。無論、論述で答えなければならない。

 対照的なのは、わが国の大学入試センター試験が採用するマークシート方式のような選択式の問題だ。これを「覚えるが考えない学生を育てる“教育汚染”だ」と長年、批判してきたのがノーベル賞科学者の益川敏英さん。

 昨日、第六十三回の中日文化賞贈呈式で、過去の受賞者であるご本人と話をする機会があったが、持論は不変。採点側の効率重視が受験者側に及んで「未経験の難問に出合ったらスキップ(飛ばす)する方が得」という受験テクニックにつながっているとしきりに憂えておられた。

 賞が五十回を迎えた時、小紙は歴代の受賞者に「今の日本に言いたいこと」をたずねた。一昨日、亡くなった第四十回受賞者で、日本陸連名誉会長の青木半治さんはそれに、<難有(なんあ)り有難(ありがた)や>の姿勢が新世界を開く、と答えている。

 未経験の難問や困難に出合っても「飛ばす」どころかむしろ面白がり、ありがたがって挑む。今回の受賞者も、そんなふうに各個の道を歩んできた方たちかと思う。

 教育は若い心にそうした精神を育(はぐく)むものであれ。傾聴すべき、先達のメッセージだろう。

福祉に生きた会津の烈女

2010年06月01日 | 新聞案内人
福祉に生きた会津の烈女

 「観音の化身なり」

と、明治の女流歌人・下田歌子が、わが身を震わせて絶賛した、一人の女性がいた。

 いまだ「福祉」という言葉が日本に定着せず、大半の日本人が慈善事業を顧なかった時代に、己れの生涯を捧げた、“烈女”瓜生岩子(うりういわこ)(あるいは岩)である。この女性のことを思うと、筆者はいつもわが身のいたらなさを、猛省せずにはいられない。

○幕末の会津で

 瓜生岩子は幕末の文政12年(1829)2月15日、現在の福島県喜多方市北町の油商・若狭屋利左衛門の長女として生まれている。

 母は熱塩温泉・山形屋の娘りえ――会津藩の、郷士格の娘でもあった。岩子はなぜか、この母方の姓である「瓜生」を名乗っている。

 彼女が9歳のおり、父がこの世を去り、14歳になった岩子は、叔父の医師・山内春瓏(しゅんろう)の許へ、行儀見習いに預けられた。この頃、学校教育は整備されておらず、何処の商家、武家であっても、女子は行儀見習いに出された。

 とりわけ女性は、10代半ばから嫁にいくのが一般で、家事や裁縫などを適齢期までに、修得せねばならなかったのである。

 この時代、結婚は身分と格式によって、相応の相手を親同士が定めた。

 岩子の場合は、若松城下の呉服商・大黒屋七郎右衛門の番頭・佐瀬茂助が、夫に決まった。17歳のときである。働き者の夫は、「松葉屋」という屋号の店を開き、岩子も子宝にめぐまれ、一男三女を産み育てている。

 この平凡な彼女に、のちの行動的な生き方を重ねて考えたとき、直接、結びつく最初の事件はといえば、ほどなく病床につき、7年間、寝たっきりの生活の末、今日でいう結核が原因でこの世を去った、夫の存在であったかもしれない。

 夫の療養生活に、家産のすべてを使い果たした岩子は、幼子を4人も抱え、自ら行商に出て、一家の生活を支えることになったが、夫が亡くなってからも、彼女の苦しい生活は一向に改善されることはなかった。

 文久3年(1863)に入って、ようやく岩子は一息つくことができた。

 長女のつね子が、会津藩主の姉・照姫の女中にあがり、長男祐三が家老・西郷勇左衛門の小姓にあがったからだ。良いことはつづくものか、これらをきっかけに、二女とよ子が養女にもらわれ、三女の乙女も、実家の山形屋にあずけても大丈夫な年齢となった。

 ところが、今度はそこへ戊辰の役、会津戦争の戦禍が襲いかかってくる。

 岩子はこのとき、すでに40歳になっていたが、臆することなく、戦火の中を負傷者の手当てや炊き出しに奔走した。

 戦後、疲れ切って喜多方に戻った彼女は、焦土と化した若松から、この地へ逃れてきた、多くの婦女子・難民と出会う。皆が飢えと寒さにふるえていた。

 彼女はわが家は無論のこと、近隣近在に働きかけて、被災者の衣食住の便宜を懸命に図った。病気のものへの手当ても、老人へのなぐさめの言葉をかけることも、わが身の寝食を忘れて奉仕している。

○子供たちに胸痛め

 そうした中で、とくに岩子が胸を痛めたのが、戦争で父兄を失った子供たちであった。定めし名のある会津武士の子であろうに、武士らしい躾(しつけ)も教育もうけず、戦災児として、難民生活の中で無為に日々を過ごしていた。

 「このままでは、この子たちの将来が案じられる」

 岩子は喜多方に設置された「北方民政局」に、幼学校の新設を嘆願した。

 だが、政府側は、「賊軍の子弟に教育はいらぬ」と突っぱねるありさま。

 それでも彼女は持ち前の忍耐強さを発揮し、連日の陳情を繰り返し、どうにか明治2年(1869年)6月に幼学校の許可はおりた。子供たちはほどなく、目に輝きを取り戻したが、この幼学校は、明治5年に全国的な学制が創設されることになって閉鎖となる。

 岩子は44歳。彼女はなおも、単身、東京に出て、救貧施設の「救養会所」を訪ね、捨児・孤児・老病者などの面倒をみながら、実地に社会福祉の仕事内容を学んだ。

 翌年の3月、郷里に戻った岩子は、会津地方で昔からおこなわれていた、堕胎を阻止すべく活動をも開始する。また、幼学校跡に「裁縫教授所」を開き、裁縫の教授料をとる一方で、貧しい家の娘たちを引きとり、ついで孤児や身体に障害のある者をも受け入れた。

 岩子はさらに、「福島救育所」の創設を提唱、役人や実業家の間を説いてまわった(明治22年、県より設立許可がおりる)。だが、明治24年に、彼女が窮民や不幸な児童を収容するための、国の「救養所」の設立を政府に請願したおりは、第1回帝国議会に提出されたものの、実現にはいたらなかった。

 しかし、そうした岩子の活動をみていた、東京市(当時)養育院幹事事務取扱の安達憲忠(けんちゅう)は、
「この人ならば――」
と同院の幼童世話係長に岩子を招聘した。

 安達は養育院に赴任して、児童百人のことごとくが、無表情で笑わないことに唖然とした。これは保母のしつけが、厳しいからだ、と察した彼は、この窮状を改善してくれる人物として、岩子に白羽の矢を立てたのであった。ときに彼女は、63歳。年齢のことを心配する周囲を無視して、彼女は養育院へやってきた。すると、わずか1ヵ月で子供たちは笑うようになったという。

 彼女はどの子も分け隔てすることなく、孤児たちを心からいつくしみ、深い慈悲の心でつつみ、紙袋張りや紙函の造り方などを子供たちに教えた。

 と同時に、しきりと面白そうな話を子供たちに聞かせたというが、彼女の癖のある会津方言は、東京の子供たちにも保母にも、半分も理解できなかったようだ。それを知ってか知らずか、岩子は内職をしながら語り続けた。

 人は朝から晩まで、せっせと働かなければいけない。怒るのはつまらぬ事だ。毎日、楽しく生きるのが徳というものだ。そんな話を彼女は、蜿々(えんえん)したようだ。

 この年の6月、岩子は皇后陛下(のちの昭憲皇太后)の拝謁を賜ったが、このときも彼女は木綿着のままで参内している。

○歩みを止めず

 その後、地元へ戻った岩子は、念願の「若松育児会」(のち「福島育児院」、さらに「福島愛育園」)の設立を実現した。もっとも、彼女はそれで社会事業家としての歩みを止めるつもりはなかった。だが、人間には寿命というものがある。明治30年4月19日、風邪に心臓病を併発した岩子はこの日、不帰の客となってしまう。享年69。

 40を過ぎてから、福祉に生命(いのち)を懸けた彼女の遺志は、その没後、「瓜生会」となり、「四思瓜生会」となって受け継がれていった。

 こういう生き方、福祉との向き合い方も、あったのである。

2010年06月01日 新聞案内人
加来 耕三 歴史家・作家

親方処分 ファンの心を忘れるな

2010年06月01日 | 社説
親方処分 ファンの心を忘れるな

 不祥事の連鎖が止まらない。相撲界の劣化の状況は底知れぬほど深く、広いようだ。「こんな大相撲なら、もういらない」と辛抱強いファンさえ見放す時が、もうすぐそこまで来ている。

 大相撲の暗部はいったいどこまで広がっているのか。力士暴行死事件、大麻汚染、度重なる問題行動による横綱朝青龍の引退と、どれも相撲界の屋台骨を揺るがしかねない深刻な不祥事が相次いでいるというのに、今度は親方二人が関係する暴力団観戦問題である。その反省なき体質にはあぜんとするほかない。また、大関琴光喜が週刊誌に野球賭博疑惑を指摘され、警視庁の事情聴取を受けたのも気になるところだ。

 暴力団観戦問題で日本相撲協会は、入場整理券を手配していた木瀬親方を二階級降格し、木瀬部屋を閉鎖するという処分を下した。師匠権をはく奪して部屋を閉鎖するという前代未聞の厳罰に加え、寄付行為を改正して反社会的勢力との関係を一切絶つと宣言したのは、協会もさすがに強い危機感を抱いたからだろう。

 ただ、それでも協会の対応が後手に回っている印象は否めない。暴力団とのかかわりは、それこそ古くから引きずってきているものだ。この面に限ったことではない。結局、さまざまな不祥事を引き起こしてきた体質そのものは、ほとんど手つかずのままになっているように思える。

 もはや自浄能力には多くを期待できない。問題山積でイメージが下落し、周囲の目も厳しいというのに、まだ不祥事がやまないのである。こうなれば外部の力をさらに幅広く取り入れるしかない。相撲界はまず「相撲のことは力士経験者でなければわからない」というような意識やプライドを捨てるべきだ。しがらみや因習にとらわれない外部の力に多くをゆだねるほどの思い切りがなければ、手つかずの陰の部分はいつまでも変わらないのではないか。

 こうした状況になっても、温かい目で見守ってくれるファンは少なくない。そうした思いを踏みにじるようなことが、まだこれからも続くようなら、土俵を愛する心も急速に冷えていく。このままでは「こんな相撲界ならもう見たくない」となるのも時間の問題だ。

 この体たらくを見てファンはどう思うか。どうすれば支持してくれるのか。やまぬ不祥事で失った人気と信頼を取り戻すための答えは、すべてそこにある。

2010年6月1日 中日新聞 社説

6/1産経抄

2010年06月01日 | コラム
6/1産経抄

 NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』の今週の話題は、ヒロイン、村井布美枝の妊娠だ。医師に告げられた喜びもつかの間、病院の待合室で耳にした会話に気がもめる。「お産の費用って、意外にかかるのよね。子供は金食い虫だし」。

 貸本マンガ業界は厳しさを増し、夫、茂の受け取る原稿料は下がる一方だ。「貸本マンガ描いてたら、子供は養えないな」。茂の言葉に妊娠をなかなか打ち明けられない。布美枝に、「子ども手当」の支給がきょうから始まることを教えたら、「うらやましい」と声を上げるかもしれない。

 そんな民主党の目玉政策に対して、世の中歓迎ムード一色とはいかないようだ。なかでも、短い準備期間で面倒な実務作業を押しつけられた自治体の多くは、戦々恐々としている。兵庫県尼崎市で、韓国人男性が行った「養子」554人分(年額8600万円)の申請が話題になった。同じようなケースが、各地で起こる可能性もある。

 親の収入に関係なく支給される手当は、たとえば低収入世帯が生活費に充て、高収入家庭が塾の費用に回すことで、教育格差を助長するとの見方がある。保育料や給食費を滞納する親たちが受け取っていいのか、という議論ももっともだ。

 何より、財源のないバラマキの付けを負わされるのは、結局子供たちではないか、との疑念が広がっている。支持率がついに10%台に突入した鳩山内閣が、子ども手当に期待をかける気持ちはわかる。が、回復のきっかけにはならないだろう。

 ドラマの原作者、武良布枝(むら・ぬのえ)さんは、夫の水木しげるさんとの信頼関係で苦しい時代を乗り切った、と語っている。世論調査が示しているのは、すでに崩壊した国民と民主党政権との信頼関係だ。

iPad200万台突破 発売後2カ月で

2010年06月01日 | ニュース一般
iPad200万台突破 発売後2カ月で

 【ニューヨーク共同】米電子機器大手アップルは31日、新型マルチメディア端末「iPad(アイパッド)」の販売台数が、米国で発売した4月3日から2カ月足らずで200万台を突破したと発表した。

 デザイン性や電子書籍やゲームを手軽に楽しめることが受けた。アップルは、5月28日からは日本などでも発売、今後販売地域を広げる計画だ。

 スティーブ・ジョブズ最高経営責任者(CEO)は「世界中のお客様が夢中になっているようだ。(品薄になっているが)今後もすべてに行き渡るよう努力していく」とのコメントを発表した。

2010/06/01 共同通信

日中首脳会談 「互恵」は約束の実行から

2010年06月01日 | 社説
日中首脳会談 「互恵」は約束の実行から

 東シナ海のガス田開発と、ギョーザ中毒事件に象徴される中国製食品の安全の問題は日中間の大きな障害となってきた。鳩山由紀夫首相と温家宝中国首相の会談で、この二つのトゲが抜かれることになったことを歓迎したい。

 ガス田問題は日中両政府が08年6月に共同開発などで合意した。東シナ海の日中中間線付近のガス田のうち「白樺(しらかば)」(中国名・春暁)の開発に日本企業が出資し、その北にある「翌檜(あすなろ)」(同・龍井)の南側海域で共同の資源探査を行うという内容だ。具体的な海域や利益配分などは事務レベルで詰めて協定を締結することになっている。

 日本側は外相会談などで再三、協議の開始を促してきたが中国側は「環境が整っていない」と消極的だった。しかし、31日の会談で温首相は「東シナ海を平和協力、友好の海にするための08年合意を実施に移したい」と明言し、双方が条約締結交渉の早期開始で合意した。

 中国側の大きな変化である。だが、基本的には2年前の状況に戻ったにすぎない。東シナ海での主権がからむため中国側には国内の反発など難しい問題があるようだ。しかし、首相が約束したからには必ず実行に移してもらわなければならない。

 もう一つのトゲだった「食の安全」問題は双方が「日中食品安全推進イニシアチブ」に正式合意したことで一応解決した。食品事故があった場合、相手国の同意のもとで製造現場の立ち入り調査を認めることなどが柱だ。新しい仕組みが有効に機能するよう両政府は真剣に取り組む必要がある。

 鳩山首相は中国海軍が日本近海で活動を活発化させていることに懸念を表明した。最近、東シナ海で中国海軍の艦載ヘリコプターが海上自衛隊の護衛艦に異常接近したり、中国の海洋調査船が日本の排他的経済水域(EEZ)内で海上保安庁の測量船に接近して調査中止を迫ったことなどを念頭に置いたものだ。

 この問題について温首相からは直接的な言及はなかったとされるが、双方は再発防止に向けた海上危機管理メカニズムの早期構築で一致し、首脳間の電話ホットライン設置でも合意した。ホットライン設置は温首相からの提案という。安定した日中関係を壊したくないという中国側の姿勢を前向きに受け止めたい。

 08年5月の日中首脳会談で「戦略的互恵関係の包括的推進」を確認して以降、首脳会談や首脳相互訪問は頻繁に行われるようになった。今回の温首相訪日もその一環だ。互恵関係は、まずは約束事の着実な実行から始まることを両首脳には深く認識してもらいたい。

2010年6月1日 毎日新聞 社説

6/1編集手帳

2010年06月01日 | コラム
6/1編集手帳

 まだお目にかかったことはないが、広い世間には月日の姓がある。四月一日(わたぬき)さん、八月一日(ほずみ)さん、八月十五日(なかあき)さん…。

 六月一日は、「うりはり」さんと読むらしい。阿部達二氏の随筆集『歳時記くずし』(文芸春秋)によれば、〈瓜(うり)の実が張ってくるからというが、むしろ瓜割りで成熟して実が割れてくる、あるいは割ると食べごろという説のほうが納得がいく〉。初夏の風が匂(にお)うような姓である。

 5月末、5月末、5月末…政権を浮揚させる呪文(じゅもん)のように繰り返し語ってきた鳩山首相に、迎えた「うりはり」は誤算だらけだろう。

 本紙の世論調査では、「普天間」の迷走で内閣支持率は19%に下落し、首相の退陣を求める人は59%にのぼる。社民党の連立離脱で瓜は割れ、割れて食べごろの政権に野党はよだれを催している。民主党内からも首相の続投に異論が聞こえはじめた。

 珍しい姓には「十二月晦日」(ひづめ)さんというのもある。師走の晦日(みそか)で日が押し詰まった意味だとか。残り少ない時を刻む、秒読みのせわしなさが漂う。誰かさんになぞらえているわけではない。

日中首脳会談「ヘリ接近」「哨戒艦」成果なく

2010年06月01日 | ニュース政治
日中首脳会談「ヘリ接近」「哨戒艦」成果なく

 鳩山首相は31日、中国の温家宝首相との会談で、東シナ海のガス田共同開発をめぐり、早期の条約交渉入りにこぎ着けた。

 だが、今後の見通しはなお立たないままだ。中国軍ヘリの海上自衛隊護衛艦への異常接近問題や、北朝鮮の魚雷攻撃による韓国哨戒艦沈没事件など他の議題では目立った成果を引き出すことはできなかった。

 鳩山首相は31日夜、東京・元赤坂の迎賓館で開いた温首相の歓迎夕食会で、ガス田開発の条約交渉入りについて「中国と日本の間にあるすばらしい海が『友愛の海』となることが確実で、皆さんとともに喜び合いたい」と自賛した。

 今回の合意で、交渉は一歩前進にはなった。5月に北京で行われた日中両政府の非公式な局長級協議では進展が見られなかったのに、温首相が首脳会談で切り出したため、外務省幹部は31日、「中国側から言い出すとは思わなかった」と漏らした。

 中国側にも、交渉が遅延してガス田を採掘できない状態が続くと、設置した採掘用施設の老朽化などへの懸念があったようだ。

 だが、中国の国内世論には、日本との共同開発への反発が根強く、中国政府は交渉のレベルや開始時期などを慎重に探るとみられ、先行きはなお不透明だ。

 一方、4月に相次いだ中国軍ヘリの異常接近や、5月に日本の排他的経済水域(EEZ)で起きた中国政府船舶による海上保安庁測量船の調査活動妨害について、日本側は再発防止の確約を得られなかった。

 鳩山首相が「先頭を切る」と意気込んだ哨戒艦沈没事件も、国連安全保障理事会への対北朝鮮制裁決議案提起に向けた中国の協力取り付けには至らなかった。

2010年6月1日 読売新聞

検察審への接触 民主党は政治介入を厳に慎め

2010年06月01日 | 社説
検察審への接触 民主党は政治介入を厳に慎め

 民主党の小沢幹事長に対する不起訴処分の是非を審査している検察審査会の事務局に、民主党幹部が接触した。

 政治的中立が要求される検察審に、国会議員が接触を図ることは、「政治的な介入」と受け取られても仕方あるまい。不穏当な行為であり、厳に慎むべきだ。

 接触したのは辻恵民主党副幹事長だ。5月26日に、東京地裁の中に設けられている東京第1検察審査会の事務局に電話を入れた。

 審査手続きなどについて尋ね、衆院議員会館の自室に説明に来るよう求めたが、審査会側はこの要請に応じなかった。審査会側が拒否したのは当然だ。

 辻氏本人は否定しているが、その際、第1と第5検察審の事務局長を呼ぼうとしたという。この二つの検察審は、現在、小沢氏の資金管理団体を巡る政治資金規正法違反事件の審査を行っている最中である。

 特に第5検察審は、4月に「起訴相当」議決を行い、その後、東京地検の再度の不起訴を受け、第2段階の審査に入るところだ。再び「起訴すべき」との議決が出れば、小沢氏は強制起訴される。極めて重大な局面だ。

 辻氏は起訴相当議決の直後、検察審査会制度の見直しを訴えた。自身のホームページでは、「(小沢氏を)魔女狩り的手法で葬り去ろうとするもの」と起訴相当議決を批判している。

 一方、かつて、日本歯科医師連盟を巡る事件では、自民党の橋本元首相らの不起訴を不服として、検察審に審査を申し立て、「不起訴不当」の議決が出た時は、非常に重い決定だと評価している。

 制度の是非を論じること自体に問題はないが、自らの政党に不利な議決が出た時だけ批判するのは政治的なご都合主義である。

 辻氏は今回、一般論として制度の説明を求めたというが、にわかには信じがたい。

 弁護士出身の辻氏は自らの行為が検察審の独立性を犯しかねないことを、法律家として認識できたはずだ。

 今年1月、小沢氏の資金管理団体に絡む事件の捜査が進展した際、民主党は「捜査情報漏えい問題対策チーム」を作り、検察への牽制(けんせい)とも取れる行動をとった。

 それが、小沢氏が不起訴になると、一転して検察への批判の矛を収めた。

 都合が悪くなるたびに、政治が司法に干渉すれば、三権分立の基本が崩れてしまう。

2010年6月1日 読売新聞 社説

6/1余録

2010年06月01日 | コラム
6/1余録「連立政権の力学」

 連立政権には各政党がその利益を最大にしようとするゲームの力学が働くと政治学者はいう。基本は政党が連立を組む時の「最小勝利連合」という考え方で、議会の過半数を確保するのに必要最小限の連合を組むのが政権の安定をもたらすという。

 もしも過半数確保にとって余分な党を連合に加えると、ポストなどをめぐる争いが起こりやすくなってしまう。連立を組む政党はその数が少なければ少ないほど政権形成が容易で、政権の安定度が高まるのも分かりやすい。

 むろん現実には政策が連立の運命を左右する。政策の近い政党同士の連立は、隣接政党をまたぐブリッジ型連合より安定する。またイデオロギー志向の強い政党を含む連合は政権運営が難しい。理念重視の党では連合に伴う妥協に「変節」だと党内の批判が起こるからだ(猪口孝ほか編「政治学事典」弘文堂)

 普天間飛行場の辺野古移設を決めた政府方針に反対した福島瑞穂社民党党首の閣僚罷免で、社民党が連立政権を離脱した。こちらは「基地」や「平和」といった社民党の理念的バックボーンでの変節は許されないという福島党首が通した「筋」による連立崩壊だった。

 今は社民党抜きでも参議院の過半数を確保している与党である。ただし政治学の理論通りとなったのは偶然で、鳩山政権にとっては何とも痛い社民党離脱となった。安全保障政策のすり合わせという連立の基本中の基本をないがしろにしたツケはやっぱり回ってきた。

 連立崩壊が必至となった週末の世論調査では鳩山政権の支持率が何と20%にまで下落した。基本政策を度外視した連立ゲームの惨たんたる結末だ。