【時事(爺)放論】岳道茶房

話題いろいろだがね~
気楽に立寄ってちょ~

朝からラーメンを食べる“朝ラー”ブーム

2010年06月20日 | ニュース一般
      大人気!垂涎の一杯「六厘舎」のつけ麺(580円)はコレ

朝からラーメンを食べる“朝ラー”ブームが都内に上陸!

 静岡の一部地域や福島の喜多方などにあるこの習慣が、ここ最近、都内に浸透しつつある。都心のオフィス街に“朝限定メニュー”を出すラーメン店が増加中なのだ。

■「ヒノマル食堂 つけ麺なおじ」/新橋

 2010年4月にオープンした同店は、なんと朝6時開店! ここの人気の朝メニューは、通常のあっさり味でコクのある醤油ラーメンに、親子丼(小)が付いた「朝ラーメンセット」(650円)だ。親子丼には、刺身でも味わえるほど新鮮な鹿児島の「薩摩がんこ赤鶏」を使用。食べやすいさっぱり味のラーメンと、しっかりとした味付けの親子丼は、サラリーマンにはうれしい組み合わせ。「忙しくて昼食をとる時間がない人に、“朝から手早くガッツリ食事がとれる”と喜んでもらってます」と笑顔で語るのは、店長の谷代 猛さん。新橋という立地もあり、ピークの7時ごろには、立ち食いで“朝ラー”をすするスーツ姿の人々で込み合う。

■「六厘舎 TOKYO」/東京丸の内

 東京駅のラーメンストリート内で、オープン以来毎日のように行列ができている同店は、2010年1月より、“朝のつけ麺”こと「朝つけ」(580円)を開始。通常の濃厚なつけ汁よりライトなスープに魚介風味を加えた「朝つけ」は、コクがありながらもさっぱりした味わいで、朝ならではの逸品だ。それでいて、麺の歯ごたえ、味わい深いスープは変わらない。これなら「朝から胃もたれが…」と気にする人でも安心して食べられるので、仕事を頑張りたい日にはもってこいのラーメンだ。

■「桂花 新宿ふあんてん」/新宿

 2010年3月より始めた同店の「朝ラーメン」(500円)は、通常メニューと同様、マー油が香ばしいマイルドなとんこつスープに、チャーシューとネギのみのシンプルなラーメンだ。ここのこってり味に慣れた人は、他の店のラーメンは物足りなくなってしまうほど、パンチがきいている。麺も、熊本ラーメンなので細麺で食べやすいため、朝でもスルスルっと食べられる。店内には通勤通学途中に立ち寄る人だけでなく、歌舞伎町で朝まで呑んだ後に締めで食べる、という姿も多い。朝6時からの営業を、翌月には朝4時から(!)に変更したほど盛況となっている。

 新店から人気の既存店までが続々と参入している「朝ラー」。今後、東京でもブームを作り出せるか注目したい。【詳細は、6月8日発売の東京ウォーカーに掲載】

2010年06月20日 東京ウォーカー

早急に“本当のムダ"削減と増税に着手せよ

2010年06月20日 | 情報一般
「今の民主党では落第点。早急に“本当のムダ"削減と増税に着手せよ」
――東京大学・井堀利宏教授 核心インタビュー

 6月11日の所信表明演説のなかで「強い経済、強い財政、強い社会保障」の実現を掲げた菅首相。そのなかでも重要な課題が、「財政の再建」だ。いまや財政の状況は、菅首相自身もデフォルト(債務不履行)を警告するほど深刻な状況にある。7月11日に迫った参院選でも各党の財政再建に向けたビジョンが重大な争点になるのは間違いない。では、菅首相が唱える「強い財政」を実現するにはどのような政策が望まれるのか。東京大学・井堀利宏教授に話を聞いた。(聞き手/ダイヤモンド・オンライン 林恭子)

 財政状況が厳しいのは確かだが、追い込まれれば日本は増税や歳出削減などの手を打つだろうという信頼感がマーケットにあるようだ。確かに対応が遅く、もっと早めに取り組むべきだったとは思うが、実際に菅首相も財政再建を声高に唱えている。そのため、まだデフォルトを懸念するほどの不信感はない。

 ただ、このまま財政再建の議論だけをして行動しないままでいれば、財政は維持できないだろう。鳩山政権下ではバラマキ政策を行い、「消費税を4年間は引き上げない」方針をとってきたが、菅政権では増税など早めに手を打たなければ、相当厳しい状況になるのは確かだ。

■「事業仕分け」ではムダ削減に限界も“聖域化した巨額のムダ”に切り込むべき

――これまでの民主党による政権運営をどう評価しているか。

 やはり落第点と言わざるを得ない。事業仕分け等についてはある程度評価はしているが、「無駄を削減すれば財源は出てくる」といいながら、財政再建という意味では量的に十分な財源を確保できていない。しかも、恒常的な財源対策がないままに、子ども手当てなど政策効果の小さいものを行い、歳出が増える一方で、社会保障の改革は手付かずのままだ。来月行われる参院選もバラマキ政策でいくとすれば、評価はしづらい。

――民主党は「無駄の削減によって財源を確保する」と事業仕分けを行ってきたが、当初目標の3兆円に遠く及ばず、6800億円にとどまった。では、これ以上無駄を削減することは難しいのか。

 今の事業仕分けの手法だと難しいかもしれない。財団法人や独立行政法人など細かいところを削減しても、たいした財源にはならない。ただ、無駄なものは他にもたくさんある。事業仕分けの対象ではない他の歳出金額が大きいところをターゲットに議論すべきた。例えば、地方交付税や年金の給付水準など、これらの制度・仕組み自体を見直すべきだろう。

 そのなかでも特に見直しが必要と考えられるのが、地方公務員の人件費だ。民主党が2割削減すると言っている国家公務員の人件費が5兆円なのに対して、地方公務員は20兆円を超えている。すなわち、地方公務員を2割削減すれば、4~5兆円が捻出されることになる。地方公務員の人件費も交付税によって賄われている部分が大きいため、その額を絞り、地方自治体にプレッシャーをかけなければならない。

 こうした費用は、ある意味、聖域化している部分ではあるが、そこに切り込まなければならない段階にきているといえるだろう。

■バラマキでは政策効果は得られない“選択と集中”でメリハリを

――参院選では各党の財政再建に対する考え方が問われることになるかと思うが、有権者はどういった視点で各党のマニフェストを見ていくとよいだろうか。

 各党の主張は、財政だけでなく、社会保障や成長戦略、地域など様々な問題がパッケージ化されている。だから、全体的に判断して、財政再建を行えるのかということが1つの基準になるだろう。特に将来ある若い人からすれば、社会保障・地域振興・子育てなどに関して、目先のことばかりではなく、長期的な視点で財源の裏づけや政策効果を考えている政党に信頼を置くとよいのではないか。

――では「長期的な視点」で政策を行うには、具体的にどうすべきか。

 まず、歳出はバラマキではなく、“選択と集中”が必要だ。子ども手当てもそうだが、全国民が対象では政策効果もなく、財政的に2、3年ほどで廃止に追い込まれる可能性もあり、あまり意味がない。財政状況が厳しくても長期的に持続可能な恒常的な財源によって、効果的な政策をやろうとすると、対象を社会的弱者に絞ったメリハリあるものにしなければならないだろう。

――“選択と集中”を適切に行っていくには、誰が弱者かを特定することが重要になる。前々から議論されている納税者番号制の導入が望まれると思うが……。

 確かに国民の所得が把握しやすくなる納税者番号制は、政策上不可欠になるだろう。この制度が導入されれば、減税や手当支給の際、所得制限をかけることも可能になる。

 しかし、プライバシーの問題などが課題で、たびたび反発を受けて実現していないのが現状だ。メリットを受けるのは社会的弱者と呼ばれる人々であるのだから、きちんと情報を管理することを前提に、導入を検討し続けることが大切だろう。

■所得税と消費税の見直しが急務!増税分で借金返済をすべき

――財源については、所得税と消費税の増税、法人税の減税が焦点になっている。有権者は、歳入の改革について、どういうポイントを見ていけばよいのか?

 一番重要な課題は、現在減少している全体の税収をいかに確保できるか、だ。そのとき、なるべく国民の経済活動に対する負担が小さい形で税金を確保し、より公平で効率的な税制改革を行うことが重要となる。

 そこで、法人税率の引き下げによって、企業の活性化を実現させる一方で、国民から広く薄く徴税する消費税と、所得税の2つをいかにうまく組み合わせるかが課題になるだろう。

 現在日本は、消費税が5%で世界最低水準、平均的なサラリーマンの所得税負担額についても先進国で最低水準だ。累進税を強化して高所得者から多額の所得税を得ようとしても限界がある。所得税にしても消費税にしても、みんなで税負担を分かち合わなければ、日本の財政の維持は不可能だ。

――増税した場合、一時的でも経済活動に影響があることが懸念される。

 確かに、税金を無駄に使えば経済活動に悪影響が出るが、有効に使えばそうはならない。ただ、菅首相は増税分を社会保障の充実に充てると言っていることには疑問が残る。

 というのも、社会保障、すなわち今の高齢者に使ってしまうことは、決して無駄ではないが、それでは将来の経済活動にはつながらない。もっと重要なのは、このままでは、状況がより深刻化する将来のために、現在ある借金を返済することだ。意外と多くの人が、税金を借金の返済に使うことが“有効な使い道”だとわかっていない。借金を返すことは、将来の増税要因を消すわけだから、経済にとっても悪いことではなく、むしろ良いことだ。

 つまり、現在の高齢者を助ける政策と将来の若者・勤労世代を助ける政策のどちらが世代間で公平であって、日本経済全体の長期的な視点から見て望ましいか、判断しなければならない。

 現在の100年に1度の危機さえ乗り切れば、これから景気がV字回復するというのであれば、今手当てをすればよい。ただ、現実はそうではない。もっと冷静に20年~30年後のより深刻な状況を想定すれば、借金返済や積立金のための財源を用意するほうが重要だとおわかりだろう。

■先進国日本では難しい経済成長「強い社会保障で強い経済」は望めない?

――菅首相は、増税しても有効に使えば経済成長につながるといっているが、それは財政政策上ありえるのか?

 確かに増税が経済成長につながればよいが、それはなかなか難しい。結果としてバラマキと同じで、今の人は得をするが将来は負担だけが残ってしまうということになりがちだ。

 菅首相は「強い社会保障で強い経済」を訴えているが、先ほども述べたように介護や医療関係への歳出は、介護・医療サービスへの支出として消費されてしまうお金であるため、将来につながる強い経済をつくることができるかというと、それは難しい。若者たちへの投資ならば将来につながるが、65歳以上の人に今以上に手厚く配分することは、本人の経済状況は改善しても、日本経済の活力につながるかというと疑問が残る。また、介護に対する予算を増やせば、その需要は増え、働く人も増えるだろうが、それは他の分野から人材が動いているだけだから、日本経済全体がすごく良くなるわけではない。

 では、どういったものが将来の日本経済にとってプラスになるのか。それは、なかなかすぐに成果が目に見えてくるものではないが、人的資本に対する投資やスキルを向上させることである。様々な基礎的な研究開発や基盤整備に使うという手もあるだろう。あるいは、フィリピンなどから介護労働者を受け入れることは、日本全体の労働人口を増やし、生産増につながる。すなわち、増大する社会保障の需要に対して、外国人労働者の受け入れによって、その裾野を広げ、産業を拡大するということであれば、GDPの拡大につながるのではないか。

――経済発展を遂げてしまった日本にとって、これ以上の成長はなかなか難しいのか。

 日本は経済大国になってしまった以上、日本国内だけで新しい成長を簡単に実現させることは難しい。日本に限らず、ヨーロッパ諸国でも成長率は高くない。アメリカが高いのは、移民が多いうえ、多くの無茶な規制改革を行っているからだ。格差があって混乱しているけれども、そうした条件下であれば、ある程度発展した国でも経済成長は可能だ。だが、文化的社会的に相当摩擦がある。それらを受け入れて初めて、経済大国がさらに発展する余地があるのだ。

■消費税は10~15%程度が妥当?毎年1%ずつの上昇が現実的

――経済発展が難しいということは、安定した税収を見込める間接税の重要性が高まってくるだろう。では実際、参院選でも焦点となっている消費税の増税をすることになった場合、どのように引き上げをしていけばよいのか。

 毎年1%ずつ税率を上げていくのがよいだろう。一度に上げると、駆け込み需要とその反動が起きる可能性が高い。特に耐久消費財は駆け込み需要とその反動が大きく、民間の経済活動に悪い影響を与える。

 また、一度に上げようとすると、「景気が回復していなければダメだ」などと政治的な抵抗があり、先延ばしになったり、不十分な税率のまま終わり、結果として機能しない恐れもある。景気動向と無関係に毎年上げることが大切だ。

 税率については、毎年議論するのではなく、5年なら5年と最初から決めておいたほうがいい。そうすれば、企業も家計も様々なかたちで準備ができるだろう。

――足りない財源を消費税で賄うとすれば、何%まで上げる必要があるのか。

 それは、歳出をどれくらい抑制できるか、社会保障をどれほど効率化し、コストを削減できるかにかかっている。このままならば、消費税を25%に設定しないと維持できない(他の税率を上げず、消費税に換算した場合の税率)。

 現実的な10~15%に押さえるためには、大幅なバラマキをやめたり、社会保障や地方公務員の人件費を削減するなど、様々な歳出改革を同時にやらなければならないだろう。いずれにせよ、まだ手をつけていない無駄の削減と増税を共に行う必要があるのは間違いない。

2010年6月18日 ダイヤモンドオンライン
井堀利宏
いほり・としひろ/東京大学大学院経済学研究科教授。1952年岡山県生まれ。74年東京大学経済学部卒業。81年同大学大学院経済学研究科博士課程退学。同年ジョンズ・ホプキンス大学大学院でPh.D取得。東京大学経済学部助教授、同学部教授を経て96年より現職。著書に『「小さな政府」の落とし穴』、『誰から取り、誰に与えるか』など。
photo by Toshiaki Usami――日本は先進国のなかでも最も巨額の債務を抱え、公債残高は数年後にGDP比200%を超えるとの懸念もあるほど厳しい財政状況にある。それにも関わらず、破綻せずにいられるのはなぜなのか。

パンスト生産量が10年で67%減少

2010年06月20日 | ニュース一般
パンストに世代交代の波 10年で67%減少する一方、レギンス愛用者増加

若者のストッキング離れが進んでいるという。一方で台頭してきたのがレギンスやトレンカなどだ。

 2005年にパンティストッキング(パンスト)の国内生産量が1995年以降の10年間で67%も減少していると日本靴下工業組合連合会が発表し話題になったことがあった。素足スタイルの増加、パンツスタイルの人気、製品のクオリティが向上し、丈夫になったことが理由だが、現在も若年層のストッキング離れの傾向は続いているようだ。

 都内に勤務する30代のOLは「うちの会社はレギンスもOK、素足もOK、冬はタイツなのでナチュラルストッキングははかないです」と話す。また別の20代の女性は「ストッキングは会社でははきます。うちは私服ですが、制服だったらストッキングは必須の会社が多いはず。OL服に素足は夏以外はしないかな。プライベートでは柄タイプならたまにはきますけど」と仕事とプライベートで使用を分けている。

 会社でははかざるを得ないからはくが、普段ストッキングをはく20~30代は少ないようだ。フォーマルシーンでしかはかない人も多い。

 もちろんこの状況にメーカーサイドも、ストッキング離れから脱却をはかるため、様々な企業努力を重ねてきた。代表例がタレントプロデュースのレッグ商品である。タレントの神田うのがプロデュースしたストッキング(GUNZE)の人気は男性でもご存じの方が多いだろう。下着メーカーの福助からは2006年に押切もえ、蛯原友里コラボブランドを発表。柄ストッキングやナチュラルストッキングでもラインストーンのワンポイントを設けるなどファッション性の高いストッキングを数多くリリースしてきた。

 ストッキング人気が落ち込んでいると言ってもメーカーが製造する商品はもちろんストッキングに限らない。レギンス、トレンカ、網タイツ、柄タイツ、厚手のタイツ、ソックス、フットカバー、着圧ソックスなど現在は非常に多岐に渡っている。とくに近年流行したレギンスやトレンカにいたっては、まだ肌寒い季節にショートパンツやミニスカートを穿きたい時に役立ったり、ミニスカートに抵抗を感じる年代の女性にも大変ウケており、子供から中高年層まで穿けるアイテムとして、流行というよりももはや定番化している。ストッキングからこれらのアイテムへ世代交代は着々と進んでいるようだ。

 また、靴が傷みにくくなるフットカバーも素足で靴を履くことに抵抗がある人を中心に人気が高く、ローパンプスなどに合わせるデザイン性が高いタイプもバラエティー豊富だ。

 数年前と比べるとストッキングははかずともレギンスやタイツを筆頭に何かしらはくことが多く、素足人口がやや減少しているようにも感じられる。

 レッグウェアは種類はもとより、デザインやカラーも豊富で選ぶ楽しみがあり、普段のコーディネートにアクセントのあるレッグウェアを合わせるだけで印象が様変わりする。値段も500円~数千円程度とリーズナブルなものが多いため、手軽にファッションに取り入れることができるその上デザイン性も高いとなれば、不況時代のおしゃれに一役買っているかもしれない。タビオ株式会社が展開する「靴下屋」などストッキングや靴下のみを販売する専門店も増えてきているように市場自体は盛り上がりをみせていると言っていいだろう。

2010年06月20日 MONEYzine

消費税増税で菅首相は国民を説得できるか

2010年06月20日 | 情報一般
田原総一朗の政財界「ここだけの話」
消費税増税で菅首相は国民を説得できるか

 菅内閣が早急に取り組むべき問題は、消費税税率を上げることだ。財政再建を行ううえで、この問題は待ったなしである。

■衆参ダブル選挙に反対した菅首相

 実は民主党内で衆参ダブル選挙をやろうという動きがあった。党選挙対策委員長の安住淳さんをはじめ何人かがダブル選挙を、という意見を持っていた。その理由はいくつかある。

 一つは、首相が交代したこと。自民党時代に森喜朗氏、小泉純一郎氏、安倍晋三氏、福田康夫氏、そして麻生太郎氏と首相が次々と交代した。そのとき野党だった民主党は、「自民党は選挙を行わず、政権をたらい回しにしている」と批判し、「首相が代わったのだから、国民の信を問うべきだ」と主張した。だから、ダブル選挙を、と言うのである。

 二つめは、消費税である。消費税を上げていいのかどうか民意を問う必要がある、という意見だ。

 三つめは、自民党は衆院選の準備がまったくできていないからチャンスだ、というである。

 しかし、ダブル選挙の可能性はなくなった。菅さんが反対したからである。市民運動出身の菅さんは、「自民党が準備できていないときに選挙を行うのは、権力闘争といった趣が露骨だ。それでは国民の支持は得られない」と考えたのだろう。菅さんには、非常に違和感があったのだと思う。

 鳩山由紀夫さんと菅さんの一番違う点は何か。鳩山さんは損得勘定をせず、相手の気持ちに配慮する人だ。米軍普天間基地の移設問題がその良い例だろう。

 普天間問題は、自民党がすでに辺野古への移設で米国政府と合意を取り付けていた。ところが鳩山さんは沖縄県民に配慮した。日本における米軍基地の75%がある沖縄の負担を軽減しなければ申し訳ない、そういう気持ちで「最低でも県外」と考えた。ある意味で理想主義者であり、夢を追う人である。

 もし、菅さんが首相だったら最初から辺野古で進めていただろう。だからといって、菅さんは損得勘定しか考えない人と言っているのではない。損得勘定を考えられる人なのである。

■まずはムダを徹底的になくせ

 日本の財政は危機的な状態に向かっている。国の借金は2009年度末で880兆円超になり、国内総生産(GDP)比で180%を超える。単純比較はできないが、財政危機に陥っているギリシャの130%超をはるかに上回る。是が非でも、財政再建をやらなければならない。それには消費税の引き上げしかない。

 しかし、国民は消費税引き上げをたやすく了承しはしない。その前に、国民が増税を納得できる状況をつくらなければならない。その状況とは何か。

 まず、行政のムダを徹底的になくすことである。昨年と今年に事業仕分けを行ったが、これは一種のパフォーマンスであり、削減できてもせいぜい1兆円程度だ。たいした額にはならない。ならば、どうするか。

■プライマリーバランスをゼロに近づける努力を

 具体的には三つある。まず国家公務員の人件費の削減。これで2割程度の削減をする。次に地方公務員の人件費削減。これも2割程度。さらに、国会議員の数を減らす。

 これらにより、およそ3.5兆円の削減が見込め、事業仕分け分を足すと削減額は4兆円以上になる。

 ここまでやれば、国民は「それでも借金がこんなに多く、しかもどんどん増えていく。何とかしなければ」と思い、消費税引き上げを納得してくれるだろう。菅さんは、そう考えているのではないか。

 国の借金は880兆円超もあると述べたが、これを今すぐになくす必要はない。最大の問題は毎年、借金が雪だるま式に増えていくことである。2010度予算では国債発行額が44.3兆円だったが、このままいけば3年で国の借金は1000兆を超えてしまう。

 したがって大事なことは、プライマリーバランス(基礎的財政収支)をゼロにすることである。つまり、国債などの借金を除いた歳入と、過去の借金の元利払いを除く歳出を、同じ額にすることだ。今すぐにプライマリーバランスをゼロにすることは難しいが、少しずつゼロに近づけていく努力が必要である。

 そのためには、まず今年度44.3兆円だった国債発行額を30兆円以下にしなければならない。どうやって下げるか。

 消費税を1%上げると、歳入は2.5兆円増える。もし税率を10%上げれば、つまり消費税を15%にすると25兆円増になるが、そこまではできない。ムダの削減で4兆円以上、そして消費税引き上げで10兆円(4%引き上げの場合)の歳入増とする。そうすれば国債発行額は30兆円を切ることができる。

■医療・介護等のサービス分野にお金を投じる

 消費税引き上げには国民の反対も強いだろうが、実はそれは借金を減らすためだけのものではなく、国民にお金を返すための政策をとることにもなる。それについて考えてみよう。

 経済産業省がこの6月にまとめた「産業構造ビジョン2010」がある。「今日の日本の産業の行き詰まりや深刻さ」を踏まえ、今後、「日本は、何で稼ぎ、雇用していくのか」についての最終報告書である。

 この中で今後、成長が期待される5つの戦略分野が挙げられている。

■菅首相は国民を説得できるか

 日本は今、デフレに見舞われ、景気の先行きも不透明だ。だが、数字の上では景気は良い。今年1~3月の実質GDP(6月10日発表の改定値)は平均で前期比1.23%増、年率換算で5.0%となった。

 ところが、景気が良いという実感はない。なぜなのだろうか。

 今、成長しているのはアジアを中心とした輸出関連産業だが、そこで雇用されているのは全体のたった7%に過ぎない。もし、医療・介護・健康・子育てサービス分野が伸びて内需が拡大すれば、景気の上昇を実感できるようになるだろう。

 このような理由から、菅さんは「まずムダを徹底して省き、国民の皆さんに豊かさを実感してもらうために消費税の引き上げが必要なのです」と国民に説明し、国民を説得できるか。それが勝負どころである。

 景気は良いが実感がない。その原因を解決することは、すなわち日本経済の発展にもつながる。

 たとえば、1990年に世界第1位だった国際競争力は2010年に27位まで落ちた。また、一人当たりGDPは2000年の3位から08年には23位に落ちている。このように世界における日本の地位が大きく下がっているが、それを復活させる道はあるか。

 日本は輸出立国であり、輸出はもう伸びないという意見もあるが、そんなことはない。各国の輸出依存度を見ると、韓国54.8%、ドイツ47.5%、フランス26.6%に対して、日本は17.4%に過ぎない。輸出はもっと伸ばせるのである。

■日本の「鎖国」状態を打破しなければならない

 日本が最も弱いと思われるのが「グローバル化」ではないか。外国の大学を卒業して日本で働いている人はどれだけいるか。日本は何と0.7%しかいない。世界を見る、たとえばオーストラリア29%、カナダ26%、イギリス16%、米国13%となっている。つまり、日本は外国人の才能をまったく生かしていないのだ。

 海外への留学生も日本はどんどん減っている。米国のハーバード大学へ昨秋入学した学生数は、韓国70数人、中国100余人に対して、日本からはたった1人しかいなかった。

 グローバル時代といいながら、日本は事実上の「鎖国」状態にある。この状況をこれから改められなければならない。

 国際競争力およびグローバル化が著しく低いのは、次のいくつかの例からもわかる。

 原子力発電所をつくる技術は、日本は世界第一だ。ところが昨年、アラブ首長国連邦の原発受注で韓国に負けた。原発だけを売ろうとした日本に対し、韓国は原発建設のほかに60年間の運転・維持管理をセットにして「システム」を売ったからだ。

 「システム」を売るもう一つの典型例は、水ビジネスであろう。日本のメーカーは優れた水の関連技術を持っている。しかし、水道の運用は地方公共団体、つまり行政が行っている。将来、水ビジネスは100兆円ビジネスになると期待されているが、単品売りなら日本のシェアはその1%に過ぎないだろう。アジアで水道の水が飲めるのは日本だけ、という優れた技術がありながら、水道の運用・安全管理は自治体の水道局が行っており、彼らには商売っ気がまったくない。

 この現状を変えてアジアやアフリカに売り込もうとしているのが東京都だ。石原慎太郎知事と猪瀬直樹副知事がコンビを組み、東京都の水技術を「システム」で輸出しようと動き出している。

■民主党の国際戦略に期待する

 それから環境・エネルギー分野。日本の省エネ技術は大変優れており、この分野でいかに世界の環境問題に貢献するかも重要な課題だ。インドのデリーとムンバイ間の「スマートコミュニティ」構想がある。エネルギーの有効利用を地域で統合管理し、そこに交通システムも組み合わせるというプロジェクトである。09年12月に鳩山由紀夫首相が訪印したときに合意したもので、こうした動きがもっと活発にならなくてはいけない。

 もう一つの成長分野は文化産業だ。韓国の映画やテレビドラマはアジアで広く知られ、韓国の映画スターはアジアのスターになっている。しかし、日本のスターはアジアではあまり知られていない。日本のファッションも世界へ輸出されてもいい。さらに世界は寿司ブームである。本当にうまいのは、日本の水で炊いた日本のコメで握った寿司だ。だから水とコメを組み合わせ、世界へ新たな食文化を発信することもできる。

 今、日本はこうした産業構造の転換を求められている。その点について、民主党はよく理解していると私は思っている。

 財務省や経済産業省の官僚が今最も信頼している政治家は仙谷由人官房長官だ。仙谷さんは今年5月の連休中にベトナムへトップセールスに行き、現地で前原誠司国土交通相と合流した。仙谷さんは原発施設をシステムとして売り込み、前原さんは新幹線について運営・維持管理をセットで売り込んで来た。

 民主党は「システム輸出」に取り組み始めており、これが今後どのように展開していくだろうか。私は、民主党が日本の国際戦略をうまく進めていけるのではないかと期待している。

2010年6月18日 日経BP

現役力士の兄が琴光喜関恐喝?

2010年06月20日 | ニュース一般
大相撲:野球賭博 現役力士の兄が琴光喜関恐喝?

 野球賭博に絡む恐喝事件で、大関・琴光喜関(34)=佐渡ケ嶽部屋=を脅していた疑いがあるのは、阿武松(おうのまつ)部屋の現役力士の兄である元力士(38)だったことが19日、関係者への取材で分かった。同部屋の床山(29)が琴光喜関らと賭博の胴元を仲介していたことも判明。警視庁は、阿武松部屋を中心に賭博、恐喝事件が展開されたとみて捜査するとともに、日本相撲協会に野球賭博を自己申告した力士ら29人を順次、任意で事情聴取している。

 床山は各部屋に所属する髪結い。関係者によると、この床山は野球賭博の窓口として、琴光喜関のほか大嶽親方(42)=元関脇・貴闘力=ら29人と胴元をつなぐ仲介役だった。胴元に渡す賭け金や予想が的中した際の勝ち金の授受にもかかわっていたという。同じ一門だった縁で、琴光喜関のまげをこの床山が担当していた。

 琴光喜関は09年末、野球賭博の勝ち金の支払いを別の仲介者に求めたところ、97年に引退した元力士らに「賭博を暴露する」と脅され約350万円を払ったという。さらに1億数千万円を要求されたとされる。元力士は阿武松部屋の現役力士(34)の兄で、この力士も床山を通じて賭博をしていたという。

 阿武松親方(元関脇・益荒雄(ますらお))は協会に床山の賭博への関与を認め、謝罪の文書を提出している。報道陣には19日、「協会と捜査にお任せしている。ご容赦願いたい」と話した。【酒井祥宏、渡辺暢】

参院選公約 「まとも」な論争を期待

2010年06月20日 | 社説
論調観測 参院選公約 「まとも」な論争を期待

 かねて民主党の政策を痛烈に批判していたある経済学者は、政権交代で良くなったことは何かと問われてこう答えた。「まともな野党ができたことだ」。自民党が「まとも」かどうかは議論が分かれるだろうが、年金や医療の危機を過剰にあおり、財源もないのに大盤振る舞いをする民主党に比べたら、野党の立場でありながら不人気政策と言われる消費税アップを公約に掲げる自民党の方がまともだという意味である。

 その民主党が参院選のマニフェスト(政権公約)に消費税率引き上げを明記した。財政再建や社会保障を充実させる方針を示し、超党派での協議を呼びかけた。一方の自民党はさらに踏み込み、消費税率10%という具体的な数字をマニフェストに明記した。いよいよ「まとも」な土俵で政策論議が行われるということになるのか。

 18日の各紙社説は各党の参院選公約について論評した。毎日の主張を整理するとこうなる。(1)財政再建を両党が意識した方向性は評価できるが、民主は与党としてより具体的な改革像を打ち出す責任がある(2)衆院選公約の工程表の改定を見送るなど、政策変更を国民に説明する姿勢に欠けている(3)バラマキ色の強かった衆院選公約の見直しは当然である(4)政策の優先順位と財源確保のスケジュール改定を見送ったのは理解できない(5)野党があえて税率提示に踏み切った姿勢は評価したい。

 これらについての評価は各紙ともあまり差が見られない。東京が「消費税よりも、まず行政の無駄をなくすことに、党派を超えて力を合わせるべきではないか」と提案したことが異彩を放つくらいだ。危機的な財政や高齢化に直面している現状では政策選択の幅もおのずと限られたものになる。「2大政党の政策が互いに近づいていくことは、グローバル化時代の必然でもある。対立点の多くは力点の置き方やニュアンスの違いになっていく」(朝日)という指摘は、それを論評する側の姿を映しているようでもある。

 外交・安全保障政策でも民主党は対米配慮をにじませた現実主義路線に転換した。その結果、ここでも自民党の公約に近づいた。読売は「政権政党として当然のこと」、産経は「マニフェストを見直したことは評価したい」と論評した。一方、毎日は「戦略と構想力を欠いた」鳩山由紀夫政権の教訓を無視して「自民党政策への回帰で当面を乗り切ろうとしていると受け止められても仕方ない」と指摘した。  【論説委員・野沢和弘】

2010年6月20日 毎日新聞 社説

6/20産経抄

2010年06月20日 | コラム
6/20産経抄

 女子中学生1人が死亡した浜名湖でのボート転覆事故に「真白き富士の根」という哀しい歌を思い出した人も多いだろう。くしくもちょうど100年前の明治43(1910)年、鎌倉の七里ケ浜沖でボートが沈んだ。その直後に作られた歌である。

 事故は悪天候で起き、乗っていた逗子開成中学の生徒12人らが亡くなった。悲報を聞いた近くの鎌倉女学校教師、三角錫子が歌詞を書き、すでにあった米国人作曲の唱歌の曲と合わせた。生徒たちの追悼法会の席で初めて歌われると、たちまち全国に広まったという。

 そこには「風も波も 小さき腕に 力もつきはて 呼ぶ名は父母」と、少年の力では如何(いかん)ともしがたい自然の脅威が歌われる。さらに「神よ早く 我も召せよ」と、突然わが子を奪われた両親の無念さも伝わってくる。今でも歌い継がれている所以(ゆえん)だろう。

 浜名湖の事故も、強風で波が高いという悪天のもとで起きた。中学生たちは一瞬にして湖水の中に投げ出されたらしい。その恐怖を思えば胸がいたむ。だが明治時代に比べ、気象情報は格段に正確になっているはずだ。なぜボートを出したのか、誰でもそう疑問を抱く。

 まだ原因の捜査は始まったばかりだ。厳しい責任追及でこうした訓練が過度に自粛されるのも、いかがなものかとは思う。ただ気になるのは、訓練の指導をする静岡県立の「青年の家」の担当者が、中学生のボートに乗らずに判断を下していたらしいことである。

 同乗してみれば、気象情報がどうであれ「無理」と判断できた気がするからだ。食品衛生の問題でもそうだが、危険は与えられた情報だけでなく、自らの五感でつかみたい。そうしないと人はいつか、自分では危機管理もできなくなる気がする。

◆W杯 日本決勝T懸け、デンマーク戦へ

2010年06月20日 | ニュース一般
日本決勝T懸け、デンマーク戦へ=オランダは1次リーグ突破

 【ダーバン時事】サッカーのワールドカップ(W杯)南アフリカ大会第9日は19日、各地で1次リーグの3試合が行われ、E組で4大会連続出場の日本は強豪オランダに0-1で敗れ、1勝1敗となった。勝ち点は3のまま。デンマークがカメルーンを2-1で破り、同じく1勝1敗の勝ち点3としたが、日本が得失点差で上回り同組2位。日本は24日にルステンブルクでデンマークと対戦し、勝つか引き分ければ、2002年日韓大会以来2度目の決勝トーナメント進出となる。

 オランダは2連勝の勝ち点6で、全チームを通じて一番乗りで16強による決勝トーナメント進出を決めた。カメルーンは1試合を残して1次リーグ敗退が決定。

 D組では、ガーナがオーストラリアと1-1で引き分け、1勝1分けの勝ち点4で同組首位に立った。

2010/06/20 時事通信

日米安保と2人の首相

2010年06月20日 | 社説
日米安保と2人の首相 週のはじめに考える

 五十年の時を隔てて、同じ六月に首相が辞任しました。岸信介氏と鳩山由紀夫氏。二人をつなぐのは改定から五十年を迎えた日米安全保障条約です。

 旧安保条約を改定した新条約が国会で自然承認となったのは一九六〇年六月十九日午前零時です。

 その瞬間を、岸首相はデモ隊が取り巻く首相官邸で、弟の佐藤栄作蔵相(のちの首相)とブランデーを傾けながら迎えました。

 この四日後の二十三日、批准書が交換されて新条約が発効すると、岸氏は「人心一新、政局転換のため首相を辞める決意をした」と辞任を表明します。

 対等な関係の模索
 その五十年後の六月二日、鳩山氏が首相辞任を表明します。

 自らの「政治とカネ」の問題とともに、辞任理由に挙げたのが、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)返還をめぐる混乱でした。

 安保条約に関連する理由で首相が辞任したのは、この二人しかいません。共通するのは、米軍占領を経て結ばれた安保条約体制の局面を転換しようとしたことです。

 五一年に講和条約とともに結ばれた旧安保条約は、米軍の日本防衛義務が明確でないことや、内乱が生じた場合に米軍が鎮圧できるなど、占領期の名残を引きずる数々の問題点がありました。

 岸氏は「非常に片務的な、不平等的な形」を感じ、改定に乗り出し、実現します。それは「日本が独立国として対等な立場で発言権を持つ」ためでもありました。

 歴史的な政権交代を果たした鳩山氏も「緊密で対等な日米関係」を掲げ、普天間飛行場の国外・県外移設を模索します。

 このことは安保改定や五十年の時を経ても日米関係が対等に至っていないことを物語っています。

 普天間に宿る本質
 沖縄県に在日米軍基地の約75%が集中し、その配置の変更について日本側に事実上、自己決定権がないことや、在日米軍にさまざまな特権を認める日米地位協定の存在をみれば、平等であると感じられないのは当然でしょう。

 同時に、沖縄の米軍基地の中には本土の反対運動で米軍統治下の沖縄に移転したものもあり、県民は「本土による押し付け」との差別感すら抱いています。

 その負担軽減を求めることは対等への一歩になるはずでした。

 しかし、鳩山氏は普天間については結局、前政権と同じ名護市辺野古への県内移設を選択します。

 県民の期待を煽(あお)りながら、結果的に裏切る。その稚拙な政治手腕ばかりが喧伝(けんでん)されますが、その問題提起は見逃せません。

 鳩山氏は首相辞任を表明した六月二日の民主党両院議員総会でこう述べています。

 「米国に依存し続ける安全保障をこれから五十年、百年続けていいとは思わない。だから県外にと思ってきた。その中に普天間の本質が宿っている。日米同盟の重要性は言うまでもないが、一方でそのことも模索をしてほしい」

 日本は、安保条約への評価は別にして、戦火に巻き込まれず、平和を享受してきました。

 安保体制は冷戦後も「アジア太平洋地域の平和と繁栄の維持」(九六年の日米安保共同宣言)という新たな役割を見いだし、占領期でもないのに外国軍が国内に駐留するという異例の事態も、当然のように続いています。

 しかし、そのことで日本国民は安全保障のあるべき姿についての思考を止めてしまった、鳩山氏はそう言いたかったのでしょう。

 安保改定五十年という節目に、日米両政府は同盟関係を深める「深化」のための協議を進めていますが、真に求められるのは、安保条約をかつて明治政府を悩ませた不平等条約にはせず、両国関係を創造的に「進化」させることです。

 そのためにも、自国とアジア・太平洋地域の平和と安全を守るための外交努力とは何か、自衛隊の防衛力をどこまで整備し、何を米軍に頼るのか、再び思考の大海に船出しなければなりません。

 その際、沖縄県民が抱く差別感と真剣に向き合う必要があります。さもなければ、日本国民としての一体感を喪失し、国家分断の危機を招来しかねないからです。

 沖縄の苦悩を胸に
 鳩山氏から政権を受け継いだ菅直人首相は二十三日、沖縄全戦没者追悼式に出席します。六十五年前のこの日、日本軍による組織的な戦闘が終結したとされ、米軍の沖縄支配が始まりました。

 沖縄の苦悩に寄り添おうという姿勢自体は評価できますが、実を伴わなければ意味がありません。

 菅内閣では財政健全化など内政問題に重きが置かれそうですが、菅氏には、市民運動家から首相に上り詰めた粘り強さを、対米外交でも見せてもらいたいものです。

2010年6月20日 中日新聞 社説

6/20中日春秋

2010年06月20日 | コラム
6/20中日春秋

 <専夢取締役シェフパティシエ>。信州・伊那で父親と一緒に「菓匠Shimizu」を営む清水慎一さん(35)の名刺にある肩書だ。子どもたちの描いた夢をケーキにして、無料でプレゼントする「夢ケーキの日」のイベントは今年で五年目になる。

 本格的に始めるきっかけは隣町で男の子が父親をなたで襲った事件だ。「この親子は店のケーキを食べたことがあるに違いない」。そう感じると、傍観できなくなった。

 ケーキには、人を幸せにする力がある。家族で夢を語り合う時間をつくってほしいと、夢ケーキの募集を始めた。九人、五十四人、五百人と応募は増えて、昨年はなんと八百五十人に。

 子どもが描いた絵をもとに、一個ずつ丁寧につくるので相当な手間がかかる。昨年は十数人の職人を総動員、助っ人五人にも応援にきてもらった。寝る時間もなくなるが、子どもたちが跳びはねて喜ぶ笑顔に疲れは吹き飛ぶ。

 「人を喜ばすために生きなさい。自分のために頑張ってはいけない」。母と祖母からそう言われて育った。なぜ、自分のためじゃだめなんだと釈然としなかったが、その意味が分かってきた。喜んでもらって成長できるのは、自分自身なんだと。

 数字の8を横にした∞は無限大を意味する。清水さんの夢は、八月八日を夢ケーキの日として世界に広めることだ。賛同する仲間たちの輪も広がっている。

ANAが格安航空会社を新設へ

2010年06月20日 | ニュース一般
ANAが格安航空会社を新設へ…国際線は半額

 全日本空輸が、国内に低コストで運営する格安航空会社(LCC)を新設し、関西国際空港を拠点に国際線と国内線の運航に乗り出す方向で検討に入ったことが19日、明らかになった。

 国際線は大手航空会社の半額程度、国内線は高速バス料金並みの片道1万円以下の運賃を目指す。急速に台頭するアジアのLCCに対抗する狙いがあり、早ければ来年度中にも運航を始めたい考えだ。

 新設する子会社は、ANAとは別ブランドとする案が有力で、国際線は中国などアジアを結ぶ路線が中心になると見られる。

 200人前後の中小型機を利用して短距離を中心に運航頻度を増やし、航空機の回転率を上げる一方、機内サービスは簡素化し、パイロットには外国人を雇用するなどして人件費を抑え、コスト削減を図る。

 施設利用料が安い簡素なLCC専用の旅客ターミナルビルの建設を検討するなど、LCCを積極的に誘致している関空に拠点を置く方針。

 国土交通省は5月にまとめた成長戦略で、日本へのアジアの観光客誘致にはLCCの参入促進が不可欠として、空港の着陸料引き下げや規制緩和などを進める方針を打ち出した。さらに関空の抜本再建策を検討する考えを示しており、全日空はLCCの事業化に向けた条件が整いつつあると判断した。

 ◆LCC=Low Cost Carrier(ロー・コスト・キャリアー)の略。機内食を有料にするなど運航経費を削り、既存の航空会社に比べて運賃が大幅に安いのが特徴。国際航空運送協会によると、2009年の航空会社別旅客数では、首位のサウスウエスト航空(米国・1億133万人)、5位のライアンエアー(アイルランド・6528万人)などLCCが上位に入っており、世界の航空輸送市場シェア(提供座席数)の約2割を占めている。

6月19日 読売新聞

国連安保理 「北」の責任逃れ許すな

2010年06月20日 | 社説
国連安保理 「北」の責任逃れ許すな

 これからが正念場だ。多国籍調査団が「北朝鮮の魚雷攻撃」と結論付けた韓国の哨戒艦沈没事件である。韓国政府の要請を受けて国連安全保障理事会の協議が始まった。魚雷の残骸(ざんがい)など物証があっても「でっち上げだ」と言い張っている北朝鮮が、何の責任も問われず逃げ切る展開を許してはならない。

 この事件を扱う安保理初会合では南北から個別に説明を聞いた。韓国の調査団長は豊富な物証や情報資料を駆使し、北朝鮮の魚雷攻撃と断じた根拠を詳細に説明。調査に参加した米国やスウェーデンなど5カ国の専門家も同席し質問に答えた。

 一方、北朝鮮の説明役を務めた国連大使は、この調査結果を「捏造(ねつぞう)」と非難したが、安保理構成国の多くは韓国側に軍配を上げたようだ。日本や米国はもちろん、フランスなど複数国の大使も、韓国の説明を「説得力十分」などと評価したという。

 しかし、北朝鮮の責任を厳しく問う安保理決議の採択は楽観できない。中国とロシアが、極めて慎重な姿勢を維持しているからだ。

 中国は一貫して「朝鮮半島の平和と安定の重要性」を強調してきた。有り体に言えば「北朝鮮を刺激したり追い詰めて暴発させたくない」という危険回避の発想である。

 中国は哨戒艦沈没の原因について判断を示さず、韓国からの調査団派遣要請にも応じていない。「北の犯行」を認めざるを得なくなるのを嫌っているようにも見える。

 ロシアにも国際情勢をにらんだ独自の政治的判断があるようだ。

 こうした中露の姿勢を見て、韓国は北朝鮮に対する新たな制裁決議の採択をあきらめた。北朝鮮を名指しする非難決議で満足しよう、という判断だ。ところが最近は「北朝鮮の責任を明示するなら議長声明でもよい」との方針が報じられ、それさえ難しいという観測も流れている。

 安保理協議の行方を左右するのは常任理事国だ。韓国を支援する立場の米国は、日本とともに北朝鮮の責任追及に努める必要がある。一方、中露は北朝鮮をかばう結果になることの悪影響を認識すべきである。

 魚雷攻撃という重大な武力挑発にきちんと対処できないようでは、安保理の存在意義が問われる。

 また、北朝鮮は従来、自らの犯罪行為をごく例外的にしか認めてこなかった。それが結局、自損行為になるにしても、責任逃れに成功すれば今後も暴挙を繰り返すだろう。

 中国が望む「朝鮮半島の平和と安定」のために真に必要なのは、目先の危険回避より北朝鮮の行動を改めさせることだ。北朝鮮の命綱を握っている中国にこそ、その機会をとらえてほしい。

2010年6月20日 毎日新聞 社説

6/20編集手帳

2010年06月20日 | コラム
6/20編集手帳

 新入社員ならトリス、若いうちはレッドかホワイト。中間管理職で角瓶あるいはオールドに。部長でリザーブ、役員クラスでローヤル――。かつては昇進とともに、飲むウイスキーの銘柄も“出世”した。

 サントリー宣伝部出身の作家、野村正樹さんからの受け売りだ。銘柄はサラリーマンの役職をにらんで出来た訳ではないものの、「俺もオールドを飲める身分になったか」などと向上感を味わえる品ぞろえは当たった。

 そんな銘柄と役職の関係も1990年頃には相当弱まったようだ。年功序列や終身雇用が揺らぎ始めた時期と重なる。それまでは豊かさの基準が分かりやすかった。経済成長期、一種の懐かしい逸話である。

 当節、洋酒にこだわりのあるお父さんは少ないと思っていたが、日本ファーザーズ・デイ委員会が成人の娘を持つ男性に聞いた調査で、父の日にもらうとうれしい物はウイスキー、と出た。

 「俺も娘(あるいは息子)から酒を贈られるようになったよ」と琥珀(こはく)色のグラスを傾けるのが、今の父親の大きな夢なのかもしれない。確かにそれは、銘柄にかかわらず極上のウイスキーであろう。

人民元切り上げへ 相場を再び弾力化

2010年06月20日 | ニュース一般
人民元切り上げへ 相場を再び弾力化

 【北京共同】中国人民銀行(中央銀行)は19日、人民元相場の弾力性を高めるとの談話を発表した。カナダ・トロントで26日から開かれる20カ国・地域(G20)の首脳会議(金融サミット)を控え、改革努力をアピールする狙いがある。元は2008年夏以降、2年近くドルに対し固定されてきたが、週明けの21日以降、管理された変動相場制に戻し徐々に切り上げる方針とみられる。

 人民銀行は19日の報道官談話で「人民元の相場形成メカニズム改革を一段と進め、元相場の弾力性を高めることを決めた」と表明した。元相場の1日の変動幅はこれまで通り基準値の上下0・5%以内とし、急激な相場変動は避ける。

 ガイトナー米財務長官や野田佳彦財務相は19日、切り上げ方針をそれぞれ歓迎。ただ、元につられて円もドルに対し上昇、日本の輸出産業に打撃となる恐れもある。

 中国は05年夏、ドルに事実上固定していた元相場を約2%切り上げ、徐々に元高を進めたが、08年夏以降は国内輸出企業支援のため1ドル=6・8元台を維持。巨額の対中貿易赤字を抱える米国の議会などは中国製品が不当に安く輸入されていると非難し、早期切り上げを求めていた。

2010/06/20 共同通信

首相、財政再建訴える 各党首が舌戦・参院選

2010年06月20日 | ニュース政治
首相、財政再建訴える=野党は消費税発言を一斉批判-各党首が舌戦・参院選

 国会閉幕後初めての週末となった19日、与野党の党首は参院選(24日公示、7月11日投開票)に向け、街頭などで支持を訴えた。菅直人首相(民主党代表)が財政再建の重要性を強調したのに対し、野党側は消費税の10%への引き上げに言及した首相発言を一斉に批判した。

 首相はさいたま市で街頭演説し、「これ以上借金頼りで景気対策に充てていたら、ギリシャのように財政が破綻(はたん)する」と強調。千葉市での演説では、消費税増税を念頭に「今まで赤字国債(発行)で賄っていたお金を、少し(国民が)分担するという気持ちで財政を立て直すことが、財政と同時に経済をよくし、社会保障を強くすることにもなる」と述べた。

 さらに鳩山政権が短命に終わったことに関し、「もう一度、民主党に日本を立て直すための政策を実現する機会を与えてほしい」と訴えた。

 一方、自民党の谷垣禎一総裁は福島市で街頭に立ち、首相の消費税発言について「自民党の谷垣が10%必要と言っているから、『大体そういうところだろう』と無責任なことを言った。一緒に(消費税協議を)やらせてくれと言うなら、ばらまきのマニフェスト(政権公約)を全部引っ込め、『国民と契約したが債務不履行。申し訳ない』と言ってくれないとできない」と強調した。

 公明党の山口那津男代表は都内で記者団に、昨年の衆院選で民主党が衆院議員の任期4年の間は消費税率を維持するとしていたことに言及し、「国民との契約を破棄したわけだから、国民はレッドカードを突き付けるべきだ」と述べた。

 共産党の志位和夫委員長は都内で「消費税大増税の大連立がつくられつつある。増税を食い止めるために頑張り抜く」と表明。社民党の福島瑞穂党首は千葉市で、首相発言について「零細企業、中小企業がつぶれちゃうんじゃないかと心配している」と批判した。

 連立を組む国民新党の亀井静香代表も広島市で「民の懐がさみしい時に税金をもっと取るというのは、江戸時代の悪代官でも考えなかった」と非難。新党改革の舛添要一代表はさいたま市で「菅さんは経済も財政も外交・安全保障も全く分かっていない素人。国の行方を任せるわけにはいかない」と語った。

2010/06/19 時事通信