【時事(爺)放論】岳道茶房

話題いろいろだがね~
気楽に立寄ってちょ~

膀胱がん

2010年05月31日 | 健康
【1分で判明!病気チェック】喫煙でリスク増大 膀胱がん

 年間約2万人が発症して約5000人が死亡している。男性の発症は女性の4倍だ。初期症状は血尿ぐらいで、相当進行しないと排尿障害などの症状は現れない。喫煙者は発症リスクが高いのでとくに要注意だ。

【パンツと便座は白色】

 典型的な症状は痛みのない肉眼で確認できる血尿だが、膀胱炎などでも血尿は出るので必ずしも膀胱がん特有の症状というわけでもない。

 ただし、肉眼で確認できる血尿で受診する人の約10人に1人の割合で膀胱がんが見つかるので、早期受診で確認することが大切だ。

 慶應大学病院・泌尿器科の菊地栄次講師は「好発年齢は平均65歳。血尿を見落とさないために一番いいのはパンツ(下着)と便器は“白色”にすること」と話す。

 女性の場合は、なかなか治らない膀胱炎症状にがんが隠れていることがあるので要注意だ。

【浸潤性は膀胱失う】

 膀胱がんは尿が溜まる伸縮性に富んだ膀胱の壁(粘膜)に発生するが、2つのタイプに分かれ治療法が大きく異なる。

 膀胱の内腔に向かってカリフラワー状に突出、粘膜下までにとどまる「表在性がん」(全体の7割)であれば、尿道から膀胱鏡を挿入して内視鏡を見ながら電気メスでがん組織を切除する方法で済む(ただし、再発が多いので膀胱内を薬剤で浸す追加治療が必要な場合あり)。

 一方、厄介なのはがんが筋肉の層にどんどん進展していく「浸潤性がん」。がんが膀胱を貫いて壁外の組織に広がりやすく、転移しやすい。全摘出手術が必要だ。

 「小腸を15センチ程度切って腹部に尿の排せつ口になるストーマを作り(回腸導管)、専用の袋を装着して生活する。また、切った小腸を1枚のシート状にして人工膀胱を作る方法もある」(菊地講師)

 いずれにしても浸潤性がんの場合には膀胱を失うことになる。浸潤性がんを放置して転移がんに進行すれば、抗がん剤の化学療法の対象になるが予後が悪い。

【喫煙でリスク増大】

 とにかく発症リスクを減らすことが大事。要因で最も悪いのはタバコ。吸わない人に比べて喫煙者の発症頻度は4-5倍高く、死亡率も約2倍高くなることが分かっているという。

 「タバコと膀胱がんの関係を意外に思う人が多いが、タバコの代謝産物が尿に溶け出して膀胱壁を刺激する。喫煙者のがんは大きくて多発する傾向がある。膀胱がんは禁煙である程度予防が可能なのです」(菊地講師)

 トイレに行くたびに尿の色の変化に注目だ。

★「膀胱がん」チェックリスト
□血尿が出たり、出なかったりする
□尿に血のかたまりが出た
□尿の色がワイン色や赤い色をして いる
□膀胱炎がなかなか治らない(女性 の場合)
□血尿以外に痛みなどの症状がない
□健康診断で血尿を指摘された
※1つでも該当するようなら精密検査を受けたほうがいい。
慶應義塾大学病院・泌尿器科/菊地栄次講師作成

2010.05.31 ZAKZAK

“瀕死”鳩山に辞任要求激化!

2010年05月31日 | ニュース政治
“瀕死”鳩山に辞任要求激化! 参院選で歴史的大敗も

. 米軍普天間飛行場移設問題で社民党が連立政権から離脱し、鳩山政権の枠組みはわずか8カ月で崩壊した。これを受け、報道各社の世論調査では、内閣支持率が“退陣水域”と言われる10%台に突入する結果が続々と発表された。さらに、民主党の極秘調査では、参院選の獲得議席が30割れもありうるとの衝撃情勢も判明。自民党など野党は鳩山由紀夫首相(63)や閣僚らに対する不信任決議案を連発する構えだが、社民党も31日、首相に対する同決議案などに賛成する事を決定した。

 「信念を持って乗り切っていくしかない。国民のためにしっかりとした政治を取り戻していく」

 鳩山首相は31日朝、引き続き政権を担う決意をこう語った。

 しかし、「最低でも県外」「5月決着」をほごにした鳩山首相に対し、30日に連立離脱を決めた社民党は水を得た魚のごとく、猛攻を仕掛け始めた。

 まず、辻元清美国土交通副大臣(50)が31日午前、辞表を提出、閣内から議員がいなくなった。

 辞表提出直後は涙ながらに「辞表を提出するのは残念な気持ちがある」と語るなど、政権への未練タラタラの様子だった辻元氏。しかし、その後は憑きものが落ちたように笑顔になり、「ソーリ、ソーリ(の辻元)に戻ります」と宣言した。

 一方、福島瑞穂党首(54)も朝からテレビをはしごして、政権批判を連発した。自民党が内閣不信任案や鳩山首相の問責決議案を提出した場合の対応について午前中は、「反対というのはなかなか難しい」と述べるにとどめていたが、午後の幹部会で党として賛成することで一致した。

 衆院では民主、国民新の与党で圧倒的な多数を誇るが、参院では過半数(122議席)ぎりぎり。与党から1人でも造反者が出れば、問責決議案が可決される可能性もある。

 今後、自民党など野党側は赤松広隆農水相(62)に加え、亀井静香郵政改革・金融相(73)らの不信任決議案提出も視野に入れ、鳩山内閣に徹底抗戦する構えだが、これらについても社民党の対応が注目される。

 また、福島氏は午後のフジテレビの番組で、民主党との選挙協力についても「部分的、局所的」と述べ、新たに長野、岩手、神奈川の各選挙区で独自候補擁立を検討する方針を明らかにした。

 野党化・先鋭化を進める社民党の姿勢に、永田町事情通は「選挙協力が崩壊したということ。社民党は比例で300万とっているので、各選挙区で5000-1万票あるとみられている。これが民主党から離れた。民主党には大打撃だ」と解説する。

 これに追い打ちをかけるのが、新聞社や通信社などが週末に行った世論調査の結果だ。

 産経FNN、朝日、読売、共同の各社が内閣支持率10%台に突入。さらに、参院選の比例投票先でも、読売、日経、共同で自民党が民主党を上回ったのだ。

 民主党中堅議員は「『政治とカネ』と違い、普天間では、鳩山首相の政策や公約に対する仕事ぶり、つまり統治能力が問題視された。これは痛い」と頭を抱える。

 支持率回復の頼みの綱だった事業仕分けも、小沢氏に対する検察審査会の「起訴相当」や普天間問題がバッティングし、成果は忘れられようとしている。

 若手議員は「党執行部は6月から子ども手当が支給されれば、支持率は上がると言ってきた。しかし、10%台になるほど嫌われると、6月に子ども手当の支給が始まっても『選挙目当て』と批判されるだけ」と不安を漏らした。

 さらに、民主党が5月中旬に行った参院選に関する極秘調査では、獲得議席が最少で29議席に止まるという衝撃的な分析結果だった事も判明した。これは社民党離脱前の調査結果で、さらに下方修正が必要となる可能性もある。

 自民党が大敗した2007年参院選でも、自民党は37議席を獲得していただけに、永田町有力筋は「まさに衝撃的な数字。政権党で30議席割れというのは、前代未聞だ。これが表に出たことで、民主党内では鳩山降ろしが一気に動き出すのではないか」と話す。

 実際、首相の女房役である平野博文官房長官(61)も普天間問題での首相の責任について31日の記者会見で「あると思う」と認めざるを得なかったが、民主党内では、参院の改選組を中心に、すでに鳩山首相に退陣を求める声が噴出している。

 ある改選議員は「鳩山首相じゃ選挙は戦えない。今週から動きが出る」と予言。別の参院議員も「打開策は鳩山さんが辞めるしかない」と述べた。

 ただ、「鳩山首相の進退問題が深刻になれば、小沢一郎幹事長(68)への辞任ドミノに発展したり、衆院解散・総選挙につながる恐れもある」(小沢氏に近い衆院議員)だけに、鳩山降ろしがどこまで広がるかは不透明だ。

 政治評論家の浅川博忠氏は「6月16日の会期末までに法案を通さねばならないし、後任も普天間で短期政権になるリスクは取りたくないだけに、参院選までは小鳩体制が続くだろう。ただ、このままでは惨敗必至で、参院選後に“鳩山降ろし”が起きるのでは」と見ている。

2010.05.31 ZAKZAK

JAL・FDA機 最後の“ツーショット”

2010年05月31日 | ニュース一般
JAL・FDA機、最後の“ツーショット”

 長野県営松本空港で29日、来月から定期便の役目を交代する日本航空(JAL)機と、フジドリームエアラインズ(FDA)機の“ツーショット”が見られた。

 午後2時25分頃、静岡発のFDAチャーター便が到着。約30分後、福岡発のJAL定期便が到着し、これが大阪便として離陸するまでの約40分間、2機が仲良く並んで駐機した。

 今月中のFDAチャーター便の飛来はこの日が最後。今後、こうした光景は見られそうにない。同空港管理事務所の職員は「まるでバトンタッチするようですね」と感慨深げだった。

2010年5月30日 読売新聞

社民、内閣不信任に賛成で一致 首相は続投決意

2010年05月31日 | ニュース政治
社民、内閣不信任に賛成で一致 首相は続投決意

 首相公邸前で記者の質問に答える鳩山首相=31日午前
 社民党は31日の幹部会合で、連立政権からの離脱を受け、衆院で内閣不信任決議案と参院で鳩山由紀夫首相に対する問責決議案が提出された場合、賛成する方針で一致した。一方、鳩山首相は、社民党の連立離脱や内閣支持率の続落などに関し「信念を持って乗り切っていくしかない。国民のためにしっかりとした政治を取り戻していくことで頑張る」と述べ、引き続き政権運営に当たる決意を強調した。公邸前で記者団に語った。

 内閣不信任案や問責決議案をめぐっては福島瑞穂党首が31日、記者団に「反対は難しい」と表明。辻元清美国土交通副大臣は31日昼、前原誠司国交相に辞表を提出、了承された。社民党は政権批判を強めており、首相は一層厳しい立場に追い込まれた。

 社民党の幹部会合には、重野安正幹事長、又市征治副党首らが出席した。内閣不信任決議案などへの対応は福島党首を交えてあらためて協議し、最終決定する見通し。

 ただ、民主、社民両党の国対委員長は同日午前の会談で、郵政改革法案や労働者派遣法改正案の今国会成立を目指す方針では一致した。

2010/05/31 共同通信

なぜ不況でも回転寿司は急増?

2010年05月31日 | 情報一般
なぜ外食不況のなかで「回転寿司」だけが急増するのか

■魚のよし悪しには敏感な日本人

 外食産業の市場規模は1997年をピークに縮小し続けている。そのなかで、例外的に売上高、出店数を伸ばしているのが回転寿司のチェーンだ。
 今年3月に発表された、小売り・サービス29業界を対象にした「顧客満足度ランキング」でも、回転寿司の大手3社が上位に名を連ねた。3位=あきんどスシロー(店名スシロー)、13位=くらコーポレーション(同くら寿司)、20位=カッパ・クリエイト(同かっぱ寿司)で、飲食業界だけに絞れば、それぞれ1位、2位、4位と上位独占の勢いである。

 回転寿司のコスト構成比を、顧客層(郊外型ファミリー)はほぼ同じだが、現在、苦境に立たされているファミリーレストランと比べてみよう。
 飲食店を運営するのに必要な主要コストは食材費、人件費、水道光熱費、家賃の四つ。なかでも食材費に注目してみよう。飲食店では、売り上げに占める食材費の割合を原価率と言う。この原価率は、ファミレスの場合は30%程度というのが業界の常識となっている。ところが、スシローの原価率は51~52%、くら寿司も50%近い。かっぱ寿司は40%弱。つまり寿司のネタにお金をかけているのだ。このご時世、原価にしっかりお金をかけているところほど伸びているというわけだ。

 和洋中と幅広い食材を扱わなければならないファミレスに比べ、回転寿司は魚に専門特化している。その分、仕入れルートの確立、一括大量仕入れなどで価格以上に質のよいものを手に入れられる余地も大きい。
 客の持つイメージは「どうせ一皿100円前後。安いネタを提供して儲けを出しているのだろう」となりがちだが、実際は「安くて美味しかった」と、お得感を抱いて店を出ることになる。しかも日本人はみな魚の新鮮さや味には敏感だ。美味しいとなれば、次第に評判も高まる。
 アメリカでも15年ほど前の不況下で「アウトバック・ステーキ」というチェーン店が成功した例がある。同チェーンも、業界の常識が30%程度だった原価率を45%と非常に高く設定して人気を得た。ステーキも魚同様、質のよし悪しがわかりやすい食品だ。不況の時代、客は店の雰囲気より食べ物そのものの充実感、お得感を求めるのだろう。

 さらに、回転寿司大手チェーンは、タッチパネル式の注文、5皿につき一回の景品抽選、新幹線の車両型のお皿に注文品が載ってきて目の前で停車する特急レーンの設置など、高いエンターテインメント性を備えている。それが子供の心をしっかり捉え、ファミレスの地位を奪う理由の一つになっている。
 また、人件費も、回転寿司は客数のわりには低めで済む。機械化で寿司を握る職人に本格的な技術は要らないし、フロアで接客する人数もファミレスに比べ少なくて済むからだ。だから、原価率が高くても利益は出る。原価率50%、人件費20%として利益率6%程度と推定していいだろう。

 ただ、原価率50%超という異常なコスト構成の業界が今後もずっと好成績を維持できるか否かはわからない。大繁盛のわりには利益も株価もけっして高くはない。リーマンショック以降、高級魚需要の世界的低下で、より品質のよいものが、より安く手に入るという状況が続いており、それが回転寿司業界の上昇スパイラルを支えてもきた。
 しかし、客は飽きやすく同レベルでは満足しないもの。今後、魚価が上がって、ひとたびスパイラルが逆回転となったとき、原価率の高さが足を引っ張る要因ともなりかねない。

5月30日 プレジデント

社民連立離脱 基本政策「抜き」のツケだ

2010年05月31日 | 社説
社民連立離脱 基本政策「抜き」のツケだ

 鳩山政権を支えてきた民主、社民、国民新3党の連立体制が、昨年9月の発足から8カ月余で瓦解することになった。

 社民党は米軍普天間飛行場の国内移設に反対した福島瑞穂党首が消費者・少子化担当相を罷免されたことを受け、連立離脱の方針を決めた。安全保障にかかわる重要政策で与党間の意見が食い違った以上、離脱は当たり前であり、むしろ鳩山由紀夫首相の方から連立解消を求めるべきだった。

 首相と民主党の小沢一郎幹事長の「政治とカネ」をめぐる政治不信や、普天間問題をめぐる迷走と失政などから、鳩山政権はすでに国民の支持を失っている。ここで連立基盤の一角が崩れることのダメージは大きい。

 政権を担当するにあたり、国の存立基盤である外交や安保など基本政策について十分議論せず、対立点を放置してきたツケが出てきたと言わざるを得ない。

 福島氏を罷免した後も、首相は連立関係の維持に期待する考えを示していた。社民党内でも政権にとどまり、「辺野古」移設を含む日米合意に反対していくべきだとの意見があった。

 だが福島氏は「私の罷免は社民党の切り捨て」として、連立離脱やむなしとの考えを表明した。同党の全国幹事長会議でも、執行部の離脱方針に賛成する地方組織が大勢を占めた。このため、辻元清美氏も国土交通副大臣を辞任することになった。

 しかし、民主、社民両党の間では、連立を解消した後も、政策ごとの連携を模索する動きがある。昨年9月の政権発足時の3党合意の実現に今後も取り組むことにより、両党間の選挙協力を継続しようという狙いだが、そうした姿勢はおかしい。

 「派遣切り」規制などを盛り込む労働者派遣法の改正は社民党が強く主張して、連立合意に入った。連立を離脱しても終盤国会で改正案の成立を図ろうとしているが、これには、厳しい派遣規制が逆に雇用不安をもたらす恐れがあるなど問題点が多い。

 民主党は参院選での選挙協力の継続を求めるため社民党に配慮するようだが、安全保障を含めた基本政策を徹底して吟味することがなければ「選挙至上主義」の批判を招くだけだ。

 国のありようをどうするかを合意して初めて、連立政権は成立することを忘れてはなるまい。

2010.5.31 産経新聞 主張

5/30有明妙

2010年05月31日 | コラム
5/30有明妙

 外から内部の構造をうかがい知れない機械装置をブラックボックスという。われわれはたくさんのブラックボックスの中で暮らしている。テレビもパソコンも電波時計も、なぜ画像が映るのか、なぜ正確に時を刻むのか、分からない。

 道具類は理屈が理解できなくても便利に使いこなせば済む。しかし政治の決断がブラックボックスで道筋が分からないのは困る。沖縄の米軍普天間飛行場移設をめぐって、日米両政府は移設先を名護市辺野古地区とする共同声明を出した。

 「最低でも県外」と言い続けてきた鳩山由紀夫首相が、どのような思考をたどって現行案に戻ったのか、さっぱり見えない。「勉強したら、海兵隊の抑止力が必要だった」という。では抑止力としてどれだけの兵力がどこに必要かの説明はない。

 首相は現行案に戻らざるを得ないと、昨年中にケリを付けるつもりだったが、社民党に離脱されたら困るので引き延ばしてきたとの見方もある。それは責任転嫁だ。挙げ句に知事会で「訓練を受け入れようという知事がいたら手を挙げてくれ」では、一国の首相としてあまりに情けない。

 首相は政府方針に署名しなかった社民党党首の福島瑞穂消費者行政担当相を罷免した。福島氏の抑止力に対する考え方は、国民を十分安心させるものではない。選挙狙いとの批判もある。それでも、発言がころころ変わった首相に比べれば、沖縄の方だけ向いて「県外」を貫き通したのはある意味立派だ。

 首相の頭の中もブラックボックスだが、民主党内の考えが見えない。小沢一郎幹事長と菅直人副総理も、だんまりを決め込まずに発言すべきだ。いずれ沖縄の負担軽減は必要だ。どの政党が、国民の安心を守りながらそれができるか。選挙で判断したい。

最新のエアコンはどこまでエコか

2010年05月31日 | 新聞案内人
最新のエアコンはどこまでエコか

 5月24日に朝日新聞の朝刊に、最新の省エネ型エアコンへの買い替えは、実は、コスト的にお得でもない可能性がある上に、環境負荷も高い可能性があるという記事が出た。

 記事では、正確な情報の提示が必要だと指摘しているが、読み方によっては、またまた「環境問題にはウソが多い」という理解をされてしまう可能性が高いので、ここで個人的な解釈を述べておきたい。

 朝日新聞の記事を要約すれば、以下の通りである。

 「日本工業規格(JIS)に決められている標準的な運転時間は、東京の家庭は冷房を1日約13時間、暖房は約17時間、年間計9カ月使用するとなっている。カタログにある年間の電気代は、この基準値をもとに計算されている。
 ところが、調査結果によると、1日の利用時間(全国)は冷暖房ともおよそ5時間、使用期間は5.5カ月であった。産総研が関東地域の調査結果とJISの基準値を比べたところ、年間の利用時間は8分の1ほどだった。
 実際の年間電気代は、カタログ値よりもぐっと安いことになり、買い替えによる節約効果は小さくなる。消費者は誤ったメッセージを受け取り続けてきた」

○エアコンの標準運転時間と実際の利用時間

 論点は、まず、運転時間である。どうもJIS規格が悪いようにも読める。JISは任意規格ではあるものの、いわば国家規格であるので、これは不思議だ、と思って、チェックしてみた。

 この規格(JIS C9612附属書3)は、2005年に改正されたものだ。導入当初、冷房用と考えられてきたエアコンだが、このところ暖房用として使われる時間が長くなってきた。以前、機器の効率は、冷房のCOP(効率係数)と暖房のCOPとの平均値で評価されてきたが、暖房時の性能の重み付けを増やすために、実際の使用時間を考えAPF(通年エネルギー消費効率)で示すことになった。

 まず、どの期間を対象にするか決める必要がある。外気温が22℃以上になる期間を冷房期間とし、同じく、14℃以下になる期間を暖房期間として定義している。

 これらの期間内で気温が24℃を超えるときには、冷房運転がされる可能性があるとしており、東京だとその総時間が1430時間である。暖房は16℃を下回る2889時間である。

 これらの時間を対象にして、外気温と設定温度の差を考慮して消費電力を計算し、1年にわたるエネルギー効率を算出したものがAFPである。

 それでは、家庭用のエアコンの標準運転期間は誰がどう決めているのか。その答えは、(社)日本冷凍空調工業会規格(JRA4046-2004)である。冷房期間は3.6カ月、暖房期間は5.5カ月。使用時間は、6:00~24:00の18時間となっている。

 標準運転時間の合計は、冷房で1944時間、暖房は2970時間となり、JIS規格よりも若干長い。東京にある通常の家庭が、エアコンをこれほど使うのか、といえば、確かにこれほどは使わない。冷房については、相当に過大な時間設定だと言える。

 ただし、運転時間が増えれば、それに正比例して消費電力は増えるのか、といえば、必ずしもそうではない。


 エアコンの消費電力は、様々な要因によって影響を受ける。まず、外気温と設定温度との差が重要である。この差が少ない方が効率が高い。最高の効率を実現できるのは、室外機がゆっくりと回っている状態である。

 4月に暖房を使っても、また、6月に冷房を使っても、使用する電力はそれほど多くはない。ON-OFF制御を繰り返すような機器だと、消費電力が増えるが、実のところ、そのような機器は、日本製からはすでに消滅した。一方、米国などでは、ほぼ100%がそのような古いタイプの機器である。

 産総研などの調査によれば、実際の運転時間は、標準時間の1/8に過ぎなかったということである。それなら肝心の消費電力の総量はとなると、当然、1/8にはならないことは確実だが、まずは1/2以下程度だったろうと推測している。

 ただし、消費電力も1/8以下になる場合もある。それは、共稼ぎの夫婦の場合のように、そもそも在宅時間が少なければ、当然、エアコンの運転時間も短い。特に、冷房が必要な日中に在宅していないから、土日以外に冷房運転はなされず、冷房用電力は非常に少ないものと考えられる。

 それぞれの家庭の家族構成などによって、エアコン、特に、冷房の使い方は全く違うので、標準運転時間を使って計算された標準的な年間消費電力が参考にもならない場合が多いことは確実である。しかし、消費者自身が、実際の暮らし方を考えれば、分かっていることだとも言える。

 エアコンの選択は、確かに、なかなか難しい。どのような使い方をするのか、よくよく考えた上で、機器のコスト、電力のコストなどを十二分に計算した上で、機種の選択をすべきである。

○低価格エアコンでも消費電力少なく

 しかも、状況の変化が激しい。しばらく前まで、消費電力量の少ない高効率エアコンは高価だった。ところが、このところ価格が低いエアコンでも、効率が高い製品が多くなった。すなわち、消費電力の差による年間の電気料金は、製品価格が変わってもほとんど変わらない。

 製品価格の違いの一つは、フィルターを自動で掃除してくれるかどうか、といった付加されている機能が違うためなので、好みの機能をもつ製品を選択すれば良いことになる。

 価格の違いで性能的な違いも無いわけではない。同じ定格冷暖房能力をもっているエアコンでも、最大能力が大きいものは高価である。外から戻ったときなど、速やかに室温を調節したいというときには、高級機種の方が最大冷暖房能力が高く、早く設定温度に到達する。すなわち快適性が高いことになる。

 最大能力を上げるためには、当然のことながら、冷媒の量も、低価格品よりも多く充填されていることになる。

○フロンが漏れるリスク

 この冷媒の量が、朝日新聞の記事の2つ目の論点であった。高級品は普及品よりも冷媒の量が多いのだから、もしも冷媒であるフロン(HFC)が漏れれば、その温暖化係数は二酸化炭素の2000倍もあって、1kgのHFCが漏れたら、2トンのCO2を出したことになる。

 すなわち、高級品は漏れる可能性のあるフロンの量が多いので、エコ・フレンドリーではない。それは、そうとも言えるだろう。なぜならば、高級機種は、「すぐに暖まる」といった快適性を追求するために存在しているのであって、省エネを狙って存在している訳ではないからである。

 エアコンの場合、余裕をもった大きめの機種を選択しがちだが、それは間違いとも言える。大型の機種を選択するよりは、一クラス下の高級機を選択する方が、快適性は変わらず、電力消費量的には有利である。なぜなら小型機の方が効率は確実に高いからである。

 大型機を無条件に選択し、かつ快適性を追求すれば、結果的に、エコとは逆方向に向かう。これは、車だろうが、家電だろうが、同 じことである。

 このように、エアコンの選択は難しい。価格、サイズ、効率などの関係は実に複雑である。選択のための情報の開示は、現状で十分だと言えるのだろうか。いやいや、まだまだ不十分だと考えている。

 さらに、消費者側にも問題がある。複数の誤解があって、これもなんとかしなければならない。

○除湿機能を誤って使うと

 一例は除湿運転である。梅雨時に、気温があまり高くないのに、ジメジメして不快なことがある。このときに、エアコンを除湿モードで使うことは有効である。

 しかし、夏になって気温が上がってきたとき、それほど温度を下げる必要はないと考えて、設定温度を高めにし、冷房ではなくて、除湿運転を行うという人がいる。消費電力が減ると思っているからのようである。しかし、これは間違いである。

 除湿は、空気の温度を下げて水分を液化して除去するので、空気の温度が必然的に下がる。そのため、エアコンの設定温度が高い場合には、巧妙な仕組みを用いて、空気を再度加熱をしている。

 これを再熱除湿方式と呼ぶが、さすがに効率が悪く、この機構が搭載されている機種の除湿運転は、通常の冷房運転の3倍の電力を消費する場合もある。ところが、困ったことには、メーカーによっては別の方式のものもあって、どのエアコンがどの方式なのか、よく分からないのが現状である。

 繰り返しになるが、エアコンの買い方は、難しいだけでなく、使い方にも誤解があって、正しく使うのは極めて困難な家電製品である。

 これを解消する仕組みが必要だが、通常の情報提供方法では、そのすべてを理解してもらうには無理がある。そこで、個人的には、「ダイレクト見える化」という方法を採用するのが良いと考えている。

 といっても簡単な話で、エアコンのリモコンなどに、現在の消費電力を表示するだけである。消費者は、それを見て、同じ快適性を実現しながら、もっとも消費電力が少ない使い方を選択すれば良い。

 そして、それをインターネットなどで公開し多くの人々と情報を共有すれば、より合理的な機種の選択や使用が可能になるだろう。

 現時点で、いくつかのメーカーがこれに取り組んでいる。消費者が、エアコンのより賢い使い方に関心をもつことによって、エアコンだけでなく、テレビや冷蔵庫などにも「ダイレクト見える化」が進むことを期待している。

2010年05月31日 新聞案内人
安井 至 (独)製品評価技術基盤機構理事長、東大名誉教授

往年のブランド“昔の名前”人気復活

2010年05月31日 | ニュース一般
往年のブランド“昔の名前”人気復活

 ■資生堂「シーブリーズ」/サントリー「角瓶」/三菱自動車「RVR」

 「シーブリーズ」「角瓶」「仁丹」…。消費者になじみ深い往年の人気商品ブランドが復活を遂げている。マンネリ化もあって一時は売れ行きが伸び悩んでいたが、“昔の名前”の威力は健在だ。大胆な販売戦略の見直しを契機に新たな客層を掘り起こしたり、かつての顧客を取り戻したりして息を吹き返している。

 ●女子高生向けに転換

 資生堂は平成19年、制汗剤「シーブリーズ デオ&ウォーター」のターゲットを海に行く若い男性から女子高生に切り替え、白いシンプルな容器をカラフルなものに刷新した。今年3月に香りを2種類増やして8種類としたほか、修学旅行の宿泊先に加え、予備校とカラオケ店でも試供品の無料配布を始めた。

 明治35(1902)年に米国で生まれ、国内では昭和44年に発売された「シーブリーズ」は“サーファー御用達”として愛用されたが、レジャーの多様化で海に出かける男性が減り、刷新前には人気に陰りが出ていた。それが路線転換の結果、21年度の売り上げは刷新前の18年度の4倍以上に増加。平成12年から国内とアジアの販売権を持つ資生堂は「女子高生文化の影響が大きい台湾や韓国でも販売を検討したい」と意気盛んで、今期も前期比20%以上の売り上げ増を狙う。

 ●若者に「ハイボール」

 19年からウイスキーの「角瓶」をソーダで割る「角ハイボール」の飲み方を提案してきたサントリーは、20年末に1万5千店だった取り扱い飲食店を1年間で6万店に増やした。中高年にはおなじみのハイボールに、20~30代の若者が食いついたためだ。価格が1杯当たり300~400円台と手ごろで、すっきりした味も人気だ。

 口中清涼剤「仁丹」を明治38年から販売する森下仁丹は、生薬独特のにおいを抑えたビジネスマン向けの新商品「JINTAN116」を3月に発売した。狙いは40歳前後の「アラフォー」だ。「購入者は70歳以上が7割を占め、近年の売り上げは横ばい」という仁丹にとって新商品は実に34年ぶりで、同社は「商品イメージを変えたい」と顧客層の拡大に期待を寄せる。

 ●元気な日本を懐古?

 一方、三菱自動車はかつての顧客を取り戻した。3~14年に販売したスポーツ用多目的車(SUV)「RVR」を2月に復活させたところ、3カ月間で目標を約3割上回る約6500台を販売した。スキーブームの中で初代RVRを購入した40~60代の男性が、若いころを懐かしんで買っていく例が多いという。

 商品動向に詳しい電通の四元正弘・電通総研消費の未来研究部長は「日本が元気だった時代の世界観を味わい、前向きになりたいのでは」と消費者の購入動機を分析する。

 往年の人気ブランドの復活は企業にとって商品を新規に開発するより資金や手間がかからない場合が多く、今後も幅広い製品分野で試みられそうだ。

2010年5月30日 産経新聞

社民政権離脱 政策不一致なら当然だ

2010年05月31日 | 社説
社民政権離脱 政策不一致なら当然だ

 社民党が全国幹事長会議で連立政権からの離脱を正式決定した。米軍普天間飛行場の移設問題をめぐり福島瑞穂党首が閣僚を罷免されたためで、国の基本政策が一致しない内閣からの離脱は当然だ。

 連立離脱のきっかけは、普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)を名護市辺野古に「県内移設」させる方針を鳩山由紀夫首相が決めたことだ。福島氏は閣議での署名を拒み、首相は福島氏を罷免した。

 「罷免は社民党切り捨て」とする党執行部は、幹事長会議で連立離脱を提案し、一部県連から慎重論が出たものの了承された。

 「最低でも県外移設」という自らの公約を破った首相が、公約実現を求めた福島氏を罷免するのは筋違いだが、安全保障という重要政策での不一致が顕在化した以上、連立離脱はやむを得まい。

 同時に、連立離脱しても、昨年の衆院選での公約実現に引き続き責任を負う立場に変わりはない。

 特に社民党は、製造業への派遣を原則禁止する労働者派遣法改正案の成立を強く主張してきた。

 重野安正幹事長は幹事長会議後の記者会見で「われわれは離脱するが、政党間の付き合いは粘り強く追求したい」と語った。

 連立離脱しても、与党と協力すべきは協力し、政策実現に努めてほしい。大事なことは政党のメンツではなく、国民生活である。

 社民党の連立離脱は、重要な問題も提起している。それは、連立する際、どこまで政策を一致させておくのかという問題である。

 社民党は二〇〇六年に採択された党宣言で、自衛隊を「明らかに違憲状態」と指摘しており、鳩山内閣は安全保障政策の齟齬(そご)を内包していたと言える。

 そのことが基地問題での閣僚罷免、連立離脱という混乱につながったことは否定できない。

 七月十一日に投開票が予定される参院選では民主党の苦戦が予想されており、参院で与党が過半数を割れば、連立組み替えの事態も予想される。

 その際、少なくとも安全保障や社会保障、税財政などの基本政策は一致させておくべきであり、できれば連立の可能性や枠組みも事前に示すのが望ましい。

 選挙戦などで「○○党とは組まない」と発言しながら、選挙後に連立するようなことがあれば、国民を欺くことになるからだ。

 連立はあくまでも政策実現が目的である。国会運営のための安易な数合わせであってはならない。

2010年5月31日 中日新聞 社説

5/31中日春秋

2010年05月31日 | コラム
5/31中日春秋

 茶色く濁った「池」がどこまでも続く。長崎県の諫早湾を分断する潮受け堤防を先日、二時間かけて歩いた。汚れた干拓地側の調整池と有明海の青さは驚くほど違っていた。

 大量発生したユスリカが口や目の中にひっきりなしに飛び込む。池にたまったヘドロが餌になっているらしい。海に流れる排水を目指して一メートル近いスズキが何十匹と群れていた。栄養分の多い淡水に集まる小魚を狙っているのか、不気味な光景だった。

 約七キロの潮受け堤防が閉め切られてから十三年。鋼板が次々と海中に落ちてゆく強烈な「ギロチン」の映像は、「止まらない大型公共事業」の象徴だったが、政権交代で流れは決定的に変わった。

 有明海沿岸漁民の声を受け、政府・与党の検討委員会は「開門調査の実施が適当」とする報告書を先月、赤松広隆農相に提出した。農相は近く、開門を正式に表明するとみられている。

 干拓地には、二〇〇八年以降に入植してきた農業法人などが、土地の規模を生かしてレタスやタマネギなどの野菜づくりをしている。開門されると、淡水の調整池に海水が入り、農業用水に使えなくなると嘆く声も聞いた。

 無駄な公共事業をやめるという政権の理念は大いに支持する。ただ、国策に翻弄(ほんろう)されてしまう人たちの声には十分耳を傾けてほしい。歴史的な決断は、選挙向けのパフォーマンスとは違うのだから。

内閣支持19%、首相「退陣を」59%…読売調査

2010年05月31日 | ニュース政治
内閣支持19%、首相「退陣を」59%…読売調査

 読売新聞社は、沖縄県の米軍普天間飛行場移設問題での日米合意と政府対処方針決定を受けて、29~30日に緊急全国世論調査(電話方式)を実施した。

 鳩山内閣の支持率は19%で、前回(5月7~9日実施)の24%から続落し、不支持率は75%(前回67%)に達した。鳩山首相が普天間問題の「5月末決着」を明言しながら、同県名護市辺野古への移設を、地元と社民党の理解を得られないまま決定したことで、首相は責任を取って退陣すべきだと思う人は59%に上り、「その必要はない」は36%だった。

 内閣支持率が20%を切ったのは、2009年7月の麻生内閣(19%)以来だ。00年以降では森内閣も20%割れを記録している。

 今年夏の参院比例選の投票先では、民主は14%(前回19%)に落ち込み、自民19%(同13%)が初めて上回った。みんなの党8%(同7%)が続いている。政党支持率は民主は20%(同22%)で、自民20%(同14%)に並ばれた。

 普天間問題に関しては、移設先を「最低でも沖縄県外」などとした首相の一連の言動を「問題だ」と思う人は81%を占めた。首相の資質に疑問を感じる人は多く、民主支持層でも「問題だ」は62%に上った。

 移設先を明記し、訓練の県外移転を拡充し、鹿児島県・徳之島の活用を検討するなどとした日米合意については「評価する」30%、「評価しない」58%だった。沖縄県の基地負担に関しては「軽減につながる」は19%にとどまり、「そうは思わない」が69%だった。

 首相が社民党党首の福島消費者相を罷免したことについては「当然だ」56%が「必要はなかった」35%を上回った。社民党の連立政権離脱には66%が「当然だ」と答えた。

2010年5月31日 読売新聞

社民党離脱 連立崩壊を招いた首相不決断

2010年05月31日 | 社説
社民党離脱 連立崩壊を招いた首相不決断

 「水と油」のように相いれない外交・安全保障政策を持つ政党同士が、連立政権を続けてきたこと自体に、致命的な問題があったと言えよう。

 社民党が、米軍普天間飛行場の移設問題をめぐる福島党首の閣僚罷免を踏まえて、鳩山政権から離脱する方針を決定した。ただ、夏の参院選で民主党との選挙協力を行う可能性はあり得るという。

 国の安全保障問題で政府方針に反対し、閣議での署名を拒否した以上、鳩山首相による福島氏罷免は納得できる。一方で、社民党の政権離脱も当然だろう。

 問題なのは、首相が、国会運営や選挙協力の観点から社民党との連立維持を優先し、普天間問題などで妥協を重ねてきたことだ。

 鳩山政権が今後、選挙目当てで社民党の協力を得るため政策面ですり寄れば、再び同じ過ちを犯しかねない。むしろ参院選後の政界再編や、政策ごとに与野党が連携する「部分連合」を視野に入れて行動すべきではないか。

 社民党は2006年の社民党宣言で、「違憲状態にある自衛隊は縮小を図る」「日米安保条約は平和友好条約に転換させる」方針を掲げた。普天間問題でも、米国が到底同意できない国外移設や決着先送りを主張し、現実的な問題解決の努力をしなかった。

 鳩山首相は昨年末、政権離脱をちらつかせた社民党に屈して、現行計画での決着を決断できず、問題を一層迷走させた。

 仮に首相が社民党の離脱を甘受し、問題を決着させておけば、米国や沖縄との関係を壊し、国益を損ねることはなかったろう。

 その後、普天間問題に膨大な政治的エネルギーを費やす必要もなく、同盟深化の作業など、他の外交・内政案件にもっと真剣に取り組む態勢がとれたはずだ。

 連立政権では政党間の妥協が付き物だが、重要な基本政策の不一致を黙認してきたツケが今回、一気に噴き出したと言える。

 読売新聞の緊急世論調査で、鳩山内閣の支持率は19%に続落し、首相は退陣すべきだとの回答が6割近くにも上った。参院比例選の投票先では、政権交代後初めて民主党が自民党を下回った。

 普天間問題を決着できず、「国民との約束」を破りながら、責任をとらない鳩山首相に対する国民の評価はかつてなく厳しい。

 民主党内では、ようやく首相批判の声が出始めた。国民の冷たい視線は、何ら自浄能力を発揮しない民主党にも向けられていることをきちんと自覚すべきだろう。

2010年5月31日 読売新聞 社説

5/31余録

2010年05月31日 | コラム
5/31余録「スポーツ受難の語り部」

 古代オリンピックで優勝者に贈られるのはオリーブの冠だけだったといわれている。「金品のためではなく、ただ卓越性を求めて戦う」。ギリシャ人の民族的誇りが後の五輪精神のもととなった。

 実際は違ったようだ。ポリス(都市国家)を代表して出場し、優勝の栄冠を勝ち取った選手はたちまち英雄扱いされ、さまざまな特典も用意されていた。名だたる詩人が競って祝勝歌を作り、優勝者の名が刻まれたゼウス神への各種奉納品も各地で出土している。

 競技での勝利が国からの報奨金や税金の免除などの形で実利に結びつくようになると、競技に専念する実質的な「プロ選手」が出現する。さらにオリンピックに出場する選手たちの互助組織として「選手組合」も生まれたという。現代のスポーツ事情とそっくりだ。

 古代オリンピックは紀元前776年に始まり、紀元393年にローマ皇帝の命令で中止に追い込まれるまで実に1200年近くにわたって4年に1度、欠かすことなく293回も続いたという。オリンピック期間中の休戦協定もほぼ守られたというからこちらも驚きだ。

 五輪の継続といえば30年前の5月を思い出す。ソ連軍によるアフガニスタン侵攻に抗議してカーター米大統領がモスクワ五輪のボイコットを提唱、追随する日本政府に押し切られる形で日本オリンピック委員会(JOC)は五輪不参加を決定した。苦渋の末の決断だった。

 決め手は国の補助金打ち切りで、スポーツ人の思いは踏みにじられた。当時、無念の涙を流した選手たちが今、各競技の指導的立場にいる。スポーツの受難を後輩に伝える語り部であってほしい。

内閣支持率続落19% 共同通信社

2010年05月31日 | ニュース政治
「首相辞任を」過半数 世論調査、内閣支持率19%

 共同通信社が29、30両日実施した全国電話世論調査で、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題の5月末決着を果たせなかった鳩山由紀夫首相の政治責任に関して「辞めるべきだ」が過半数の51・2%に上った。内閣支持率は20%台を割る19・1%まで続落。参院選比例代表投票先、政党支持率ともに自民党が民主党を政権交代後初めて上回った。普天間の県内移設を「評価しない」は66・1%、「評価する」は25・4%だった。

 首相は28日の記者会見で続投意欲を強調したが、政権運営は厳しさを増した。夏の参院選に向けて民主党内で「鳩山降ろし」が一気に広がる可能性も否めない。

 比例投票先は自民党が4月末の前回調査から1・0ポイント増の20・9%、民主党が3・5ポイント減の19・9%。政党支持率も自民党は3・2ポイント増の21・9%、民主党は3・6ポイント減の20・5%となった。内閣支持率は前回比1・6ポイント減。首相の続投支持は44・4%にとどまった。

 社民党の連立対応では「離脱すべきだ」が67・3%、残留論が21・6%。福島瑞穂党首の閣僚罷免に関し51・4%が「当然」とし「罷免すべきでなかった」は40・8%。

2010年5月30日 共同通信