【1分で判明!病気チェック】人前で強い不安感や恐怖心 社会不安障害
人目を浴びる状況や社交的場面になると強い不安感と恐怖心に襲われ、さまざまな症状が現れる心の病気。国内推定患者300万人以上といわれるが、病気だと気づかず長年我慢している人は少なくない。悩んでいたら早期受診が肝心だ。
【人の目に強い恐怖心】
米国では7-8人に1人が社会不安障害(SAD)で苦しんでいるといわれ、日本でも決して特別な病気ではない。
人目を浴びる状況に応じて不安・恐怖のあまり、赤面、動悸、息苦しさ、汗をかく、手足や声の震え、吐き気、めまい、口が渇く、胃腸の不快感、パニック発作など多様な症状が現れる。
風メンタルクリニック本郷(東京)の森大輔院長は「人目を浴びて恥ずかしい思いは誰でもするが、普通は度重ねるうちに慣れてくるもの。どんどん悪くなるようなら疑いがある」と話す。
しかし、自分では“極度の恥ずかしがり屋”と性格のせいにしてしまいがちだ。
【発症は優秀な人多い】
10代から20代前半にかけての発症が多い。だが、「気づかず10年、20年も我慢しているケースがあり、30-50代で受診する人も少なくない」(森院長)という。
発症メカニズムはまだハッキリ解明されていないが、セロトニンなどの脳内神経伝達物質のバランスが崩れ、神経が過敏な状態になり発症すると考えられている。
なりやすい人の傾向について、森院長は「臨床的には、真面目な人、何事にも敏感な人が多いように感じる。患者さんは優秀な人が多い」という。
悪化のスピードには個人差があるが、次第に人目を浴びる場面を避けるようになり、約束をドタキャンする、欠勤が増えるなど日常生活に支障をきたすようになる。
【アルコール依存にも】
さらには、放置したままだと「うつ病」や「パニック障害」などの精神疾患を引き起しやすくなるから要注意だ。
「不安に耐えられずお酒に逃げ、アルコール依存症になる人もいる。会議前に飲んでしまって信用を落とすようなケースもある」(森院長)
社会不安障害は慢性の病気で自然には治りにくい。治療では、SSRI(抗うつ薬)や抗不安薬などの「薬物療法」で症状を減らしながら、不安や恐怖を感じる状況に慣らしたり、誤った考えを修正させる「認知行動療法」を行う。
薬は年単位の服用が必要だが、「だんだん自信がついて安定してきたら薬の量を減らしていく。治療は根気強く続けることが大切」と森院長。
自分は人目が怖くないか、振り返ってみよう。
★「社会不安障害」チェックリスト
□人前に出てスピーチをするのが怖くてたまらない
□人に見られていると食事ができない、文字が書けない
□偉い人の前だと思うような言動がとれない
□人に姿を見られながら仕事ができない、電話ができない
□パーティに出席するのが苦痛
□会議で意見をいえない
□強引なセールスを断われない
※上記のような項目に該当して、強く悩んでいるようなら受診しよう。
風メンタルクリニック本郷(東京)/森大輔院長作成
2010.06.07 ZAKZAK
人目を浴びる状況や社交的場面になると強い不安感と恐怖心に襲われ、さまざまな症状が現れる心の病気。国内推定患者300万人以上といわれるが、病気だと気づかず長年我慢している人は少なくない。悩んでいたら早期受診が肝心だ。
【人の目に強い恐怖心】
米国では7-8人に1人が社会不安障害(SAD)で苦しんでいるといわれ、日本でも決して特別な病気ではない。
人目を浴びる状況に応じて不安・恐怖のあまり、赤面、動悸、息苦しさ、汗をかく、手足や声の震え、吐き気、めまい、口が渇く、胃腸の不快感、パニック発作など多様な症状が現れる。
風メンタルクリニック本郷(東京)の森大輔院長は「人目を浴びて恥ずかしい思いは誰でもするが、普通は度重ねるうちに慣れてくるもの。どんどん悪くなるようなら疑いがある」と話す。
しかし、自分では“極度の恥ずかしがり屋”と性格のせいにしてしまいがちだ。
【発症は優秀な人多い】
10代から20代前半にかけての発症が多い。だが、「気づかず10年、20年も我慢しているケースがあり、30-50代で受診する人も少なくない」(森院長)という。
発症メカニズムはまだハッキリ解明されていないが、セロトニンなどの脳内神経伝達物質のバランスが崩れ、神経が過敏な状態になり発症すると考えられている。
なりやすい人の傾向について、森院長は「臨床的には、真面目な人、何事にも敏感な人が多いように感じる。患者さんは優秀な人が多い」という。
悪化のスピードには個人差があるが、次第に人目を浴びる場面を避けるようになり、約束をドタキャンする、欠勤が増えるなど日常生活に支障をきたすようになる。
【アルコール依存にも】
さらには、放置したままだと「うつ病」や「パニック障害」などの精神疾患を引き起しやすくなるから要注意だ。
「不安に耐えられずお酒に逃げ、アルコール依存症になる人もいる。会議前に飲んでしまって信用を落とすようなケースもある」(森院長)
社会不安障害は慢性の病気で自然には治りにくい。治療では、SSRI(抗うつ薬)や抗不安薬などの「薬物療法」で症状を減らしながら、不安や恐怖を感じる状況に慣らしたり、誤った考えを修正させる「認知行動療法」を行う。
薬は年単位の服用が必要だが、「だんだん自信がついて安定してきたら薬の量を減らしていく。治療は根気強く続けることが大切」と森院長。
自分は人目が怖くないか、振り返ってみよう。
★「社会不安障害」チェックリスト
□人前に出てスピーチをするのが怖くてたまらない
□人に見られていると食事ができない、文字が書けない
□偉い人の前だと思うような言動がとれない
□人に姿を見られながら仕事ができない、電話ができない
□パーティに出席するのが苦痛
□会議で意見をいえない
□強引なセールスを断われない
※上記のような項目に該当して、強く悩んでいるようなら受診しよう。
風メンタルクリニック本郷(東京)/森大輔院長作成
2010.06.07 ZAKZAK