【医の常識非常識】スポーツ常識のウソ(1)「水を飲んではいけない」
健康のためのスポーツが花盛りであるが、スポーツに関する正しい知識がないと危険でもある。そこでスポーツ医学からみたスポーツ常識のウソについてお話ししよう。まず最初はスポーツの最中に水を飲んではいけないという“常識”であるが、これはウソである。
かつてスポーツの最中に水を飲むことはいけないといわれていた。最近のマラソンをみてもわかるように選手はレース中に水分を補給する。このことからわかるように、スポーツの最中に水分を補給するのは、いまやスポーツ医学の常識である。
スポーツをすると体温が上昇し、それを抑えるために大量の汗をかく。汗をかくと体内の水分が失われるので、血液が濃縮して血流が悪くなり、その結果、心臓に負担がかかることになる。
スポーツの最中に水を飲むと、汗をかいたことで失われた水分を補うことができ、上昇した体温を下げる効果も生じる。スポーツをするには酸素とエネルギー源のブドウ糖を全身に運ぶ必要があり、そのためには水分を補給して血流をよくしなくてはならない。
水分の補給はスポーツをしている最中だけでなく、終った後にも必要である。スポーツをした直後に水分補給が十分でないと、脱水症状を起こしたり、電解質が不足することになる。汗を流すと水分だけでなくカルシウムやナトリウムといった電解質も失われる。失われた電解質の補給には、水道水やミネラルウオーターでなく、カルシウムやナトリウムなどが入っているスポーツドリンクを飲むといい。
スポーツの最中に水分が不足すると、体温調節に異常をきたすことがある。十分な水分補給は熱中症の予防にもなる。スポーツで汗を流している時に水を飲みたくなるのは、体が欲する自然の欲求といってもいい。
2010.06.07 ZAKZAK
中原英臣・新渡戸文化短大学長
健康のためのスポーツが花盛りであるが、スポーツに関する正しい知識がないと危険でもある。そこでスポーツ医学からみたスポーツ常識のウソについてお話ししよう。まず最初はスポーツの最中に水を飲んではいけないという“常識”であるが、これはウソである。
かつてスポーツの最中に水を飲むことはいけないといわれていた。最近のマラソンをみてもわかるように選手はレース中に水分を補給する。このことからわかるように、スポーツの最中に水分を補給するのは、いまやスポーツ医学の常識である。
スポーツをすると体温が上昇し、それを抑えるために大量の汗をかく。汗をかくと体内の水分が失われるので、血液が濃縮して血流が悪くなり、その結果、心臓に負担がかかることになる。
スポーツの最中に水を飲むと、汗をかいたことで失われた水分を補うことができ、上昇した体温を下げる効果も生じる。スポーツをするには酸素とエネルギー源のブドウ糖を全身に運ぶ必要があり、そのためには水分を補給して血流をよくしなくてはならない。
水分の補給はスポーツをしている最中だけでなく、終った後にも必要である。スポーツをした直後に水分補給が十分でないと、脱水症状を起こしたり、電解質が不足することになる。汗を流すと水分だけでなくカルシウムやナトリウムといった電解質も失われる。失われた電解質の補給には、水道水やミネラルウオーターでなく、カルシウムやナトリウムなどが入っているスポーツドリンクを飲むといい。
スポーツの最中に水分が不足すると、体温調節に異常をきたすことがある。十分な水分補給は熱中症の予防にもなる。スポーツで汗を流している時に水を飲みたくなるのは、体が欲する自然の欲求といってもいい。
2010.06.07 ZAKZAK
中原英臣・新渡戸文化短大学長