【時事(爺)放論】岳道茶房

話題いろいろだがね~
気楽に立寄ってちょ~

NHKに「良心」はある?

2010年06月22日 | ニュース一般
NHKに「良心」はある?相撲観戦など楽しめるか!

 大相撲の賭博汚染を受けてNHKにも視聴者からの苦情が殺到、中止すべきかギリギリの判断が迫られている。

 視聴者からの電話やメールは20日までの1週間で900件あり、相撲協会や力士への批判、放送すべきではない、などの意見もあるという。同局広報部では「調査委員会の推移を見守りながら、視聴者の目線を大事にし、ご意見や事件の動向を見ながら総合的に判断をしていきます」とコメント。一方でNHK関係者のひとりは、夕刊フジにこう本音をもらす。

 「逮捕者も出ていない現段階で、こちらから放送中止は打ち出せない。局内ではサッカーのW杯で盛り上がっているところに水を差された形だ。ただ、大相撲はNHKにとってかけがえのないコンテンツ。仮に公益法人の認可が取り消され、民間になれば今のような中継はできなくなるかもしれない。それは困る」

 OBはどう見るか。元政治部記者で椙山女学園大理事の川崎泰資氏は、「中継取りやめという措置はないと思うが、この状態で中継をやったならば、納得する国民がいるのか」と、NHKの体質に疑問を投げかける。

 「NHKは数年前、放映権の料金を協会の言うままに大幅に上げた。NHKの内部には協会べったりの人もいる。協会とは持ちつ持たれつの関係。受信料で成り立っているNHKは他の報道機関と違うのだから責任を感じてもらわないと困る」と苦言を呈する。また作家の麻生千晶氏も「これだけ疑惑が広まっている以上、楽しんで相撲観戦をできるわけはなく、夏場所は開催すべきではない」と主張しつつ「開催することになればNHKは生中継するに決まっている」とあきらめモード。「相撲はNHKが独占的に中継し視聴率が稼げる有力ソフト。相撲を純粋に楽しみたいファンもいるというのがNHKの大義名分なのだろうが、良心がうずかないのかと言いたい」と話している。

2010.06.22 ZAKZAK

「第3のビール」88円でイオンが発売

2010年06月22日 | ニュース一般
業界最安値の「第3のビール」88円でイオンが発売

 流通大手のイオンは22日、1缶(350ミリリットル)当たり88円の低価格を実現したPB(プライベートブランド、自主企画)の“第3のビール”を23日に発売すると発表した。メーカー品を含め、スーパーが販売する第3のビールでは最安値水準となる。年間7200万缶(350ミリリットル換算)の販売を目指しており、価格競争が激しさを増しそうだ。

 イオンのPB「トップバリュ」から売り出すのは「バーリアル」。スーパー「ジャスコ」な全国約3000店で販売する。生産は、韓国のビール大手に委託し、国内メーカーの第3のビールに比べ4割弱の低価格を実現した。1ケース(24缶)のまとめ買いの場合、1880円となり、1本当たりは78円になる。

 大手スーパーのPBの第3のビールでは、ダイエーが韓国メーカーに製造を委託して89円の商品を販売しているほか、イトーヨーカ堂もサントリー製品を123円で発売。イオンも昨年夏にサントリーに生産委託したPBの第3のビールを販売していたが、今春に販売を終えていた。

2010.6.22 産経新聞

タレント候補者「期待せず」85%

2010年06月22日 | ニュース政治
本社・FNN合同世論調査 タレント候補者、「期待せず」85%

 産経新聞とFNNの世論調査では、各党が参院選候補として相次いで擁立したタレント、元スポーツ選手らが逆風にさらされている実態が浮き彫りになった。

 「タレント・著名人候補の活躍」に期待するかを聞いたところ、「期待する」と回答したのはわずか10・5%。逆に「期待しない」は85・7%と圧倒的な数字になった。「知名度で票を掘り起こす戦略」は各党の常套手段だが、“有名人頼み”を有権者は拒否しているといえ、得票が見込めるかは未知数だ。

 民主党は、小沢一郎前幹事長の主導でタレント候補らを次々に擁立。柔道女子の谷亮子氏を筆頭に、五輪メダリストだけでも3人いるほか、女優、落語家、歌手など「小沢芸能事務所」(党関係者)と呼ばれるほどの顔ぶれをそろえた。一方の自民党も元プロ野球選手の堀内恒夫氏や有名女優らを比例代表で擁立した。

2010年6月22日 産経新聞

北朝鮮惨敗…アジア出場枠削減も

2010年06月22日 | ニュース一般
北朝鮮惨敗、アジア勢苦戦で出場枠削減も

 北朝鮮がポルトガルに大量7点を奪われる惨敗を喫した。
今大会で4点以上を失ったのは、いずれもアジア連盟の代表(21日現在)。アジアの出場枠「4・5」を守るためにも、奮起が望まれる。

 健闘する日本を除くアジア勢3チームは今大会で大敗の苦さを味わった。北朝鮮は得点を奪おうと攻めに出たことで守備のバランスが崩れ、26本ものシュートを浴びた。キム・ジョンフン監督は「最初の失点後、バランスを失い、パニックに陥り始めた」。終盤は緊張の糸が切れてしまったようで、致命的なミスを繰り返した。国際サッカー連盟(FIFA)の世界ランクでアジア最高20位の豪州は、ダイナミックなドイツの攻めに対応できず、0―4の完敗。韓国もアルゼンチンに4度にわたってゴールを破られた。

 W杯のアジア枠は、出場国が24から32に増えた1998年フランス大会で、「2」から「3・5」に拡大した。2002年日韓大会は、出場国枠の日本と韓国を含めて「4・5」となり、この大会での日韓両国の躍進によって06年ドイツ大会も据え置かれた。

 しかし、そのドイツ大会でアジア勢は全4チームがグループリーグで敗退した(16強の豪州は当時、オセアニア連盟所属)。FIFAのブラッター会長は今後の出場枠について、たびたび「南アフリカでの結果による」と発言している。アジアの実力が劣るという印象を与える戦いは避け、できれば2チーム以上のベスト16入りが望まれる。(大塚貴司)

2010年6月22日 読売新聞

「ヤード」に一斉立ち入り

2010年06月22日 | ニュース一般
「ヤード」に一斉立ち入り 外国人犯罪拠点の疑い

 「ヤード」と呼ばれる郊外の自動車解体作業場の多くが、盗難車ビジネスなど外国人犯罪の拠点となっている疑いがあるとして、警察当局などは22日、古物営業法などに基づく立ち入り検査と、盗品等有償譲り受け容疑などでの家宅捜索を全国で一斉に始めた。

 立ち入りは約440カ所、捜索は宮城、埼玉、神奈川、新潟、警視庁、愛知、岐阜、三重、大阪、兵庫、福岡の11都府県警による計15カ所。

 外国人犯罪対策を目的に都道府県警が一斉に立ち入りや捜索を実施するのは異例。11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会合を前にしたテロ対策も念頭に、実態解明を急ぐ。

 ヤードをめぐっては、盗難車の解体・密輸出拠点のほか、不法滞在者の隠れ家となったり、偽造外国人登録証や手りゅう弾を隠していたケースもあり、「テロリストの潜伏先となる可能性がある」(捜査関係者)とも指摘されていた。

 神奈川県小田原市などのヤードでは、県警が入管難民法に基づき立ち入り調査などをし、同法違反容疑でガーナ人の男(46)とイラン人の男(31)を逮捕した。

2010/06/22 12:57 共同通信

日本人の“友”となった「はやぶさ」

2010年06月22日 | 新聞案内人
日本人の“友”となった「はやぶさ」

 6月13日、帰ってきた「はやぶさ」は残念なことに、鳥でもなければ、生き物でもなかった。

 厄介なことに、機械である。重さ0.5トン。日本の技術の粋が詰め込まれた、小惑星探査機であった。

 もしも「はやぶさ」が、人格をもった一個の人間であるなら、筆者はどれほど手放しでこの人をほめても、後悔はしない。

○ついに故郷に

 目のくらむような長い旅路を、事故と怪我に度々みまわれ、挫折しながら、そのつど不死鳥のごとくよみがえり、克服して、ついに故郷へたどりついた。

 しかもその身は消滅しても、旅の本来の目的(カプセル)はきちんと約束通りに届けた。

 聡明で愚直でタフで、そのくせ創意と工夫、負けじ魂にあふれていた。

 小学生の頃、「名犬ラッシー」のモデルになったコリー犬が、スコットランドからヨークシャーまで、800キロをたった1匹で、飼い主のもとへ帰りつく、という話を読んだことがある。感動のあまり、泣けて泣けてしかたがなかった。

 「犬はすべて友だちだ」

 と、その時、思ったことを今も覚えている。以来の犬好きである。

 無論、これは少年期特有の精神現象といってよい。しかし生き物に関する思い出は、おそらく誰の胸の内にも、濃淡の差こそあれ、存在するはずだ。

 だが、困ったことに「はやぶさ」は、生き物ではない。「はやぶさ」が飛び立った平成15年(2003)に、漫画の世界では誕生したことになっている、「鉄腕アトム」と同じ機械であった。

 機械やその部品で組み立てられたロボットに、“心”は存在しない。感情もない。

 ところが、われわれ日本人のおもしろさは、この“心”なき物体にも感情を移入してしまうところにあった。江戸時代の武士は、毎日、刀をみがいており、現代のサラリーマンはマイカーを、休日のたびに洗い、清める。欧米の人々は日本人ほど几帳面ではない。おそらく機械は、生き物と区別されるものであるのだろう。

 が、日本人の場合、そこにある種の神性がやどっているかのように接する――。

○胸を躍らせ

 小惑星探査機「はやぶさ」にも、多くの日本人は胸を躍らせ、喝采し、そして泣いた。

 地球と火星の間にある、3億キロ彼方の小惑星「イトカワ」に着陸して、「イトカワ」の砂を採集し、再び地球へ戻ってくるという、これ自体高度なテーマを目標に掲げて出発した「はやぶさ」は、結局、約60億キロもの長旅を敢行することになる。地球に戻ってくるのに3年遅れ、7年の歳月を費やした。「イトカワ」に到着した前後、3基ある姿勢制御装置のうち、2基が故障。さらに着陸・離陸を2回ずつ行った直後に、ガス噴射エンジンの化学燃料が大量に漏れた。

 姿勢がくずれた「はやぶさ」は、アンテナを地球に向けられなくなり、通信は7週間も不能となった。 イオン噴射エンジンは設計寿命を超え、エンジンは1基しか動かなくなってしまう。

 手のとどかない、はるか宇宙の果て、帰還は幾度も絶望視されながら、研究者・技術者たちがその都度、解決策を見つけ出し、「はやぶさ」は地球帰還に最低必要な2基のエンジンを、1基のエンジンの電気回路の切り換えで克服、地球へ帰還した。

 「意地と忍耐と最後は神頼みだった」
 とチームリーダーは新聞で、語っていた。

 しかし、燃料不足のため「はやぶさ」は大気圏に突入し、燃えつきてしまう。その前に、「イトカワ」採取のカプセルをオーストラリアの砂漠に落下させて――。

 「南天の天の川の前を右下から上方へ横切った『はやぶさ』と回収カプセル」のカラー写真を「朝日新聞」(6月14日)でみたとき、筆者は不覚にも涙が出た。

 「はやぶさ」がわれわれ日本人に、60億キロの旅を終え、語りかけてくれたように思えたからだ。

 「あきらめちゃいけない、人生はなんとかなるものだよ」

 と。本当に、そう思った。

2010年06月22日 新聞案内人
加来 耕三 歴史家・作家

ハンガリー破綻なら日本衝撃2倍

2010年06月22日 | 情報一般
燻るハンガリー財政破綻の火種 日本の衝撃度はギリシャの2倍

 欧州財政危機はどこまで飛び火するのか。

 4月に政権交代を果たしたハンガリーのオルバン新政権の報道官が6月4日、「前政権の財政赤字を過小評価していた」と発言したのをきっかけに、ハンガリーの財政破綻懸念が噴出した。ハンガリー国債のCDSスプレッドは、200ベーシスポイント台半ばから一気に400ベーシスポイント前後にまで拡大した。ハンガリーへは、オーストリア、ドイツ、イタリアの銀行が多額の融資をしている。財政破綻は金融不安を招くとの連想から、ユーロは大きく売り込まれた。

 その後、オルバン首相はIMF(国際通貨基金)の支援条件である2010年の財政赤字の対GDP比3・8%の目標を達成するために最大限努力すると発言し、新銀行税の導入など財政再建策も発表するなど火消しに努めた。そのかいもあり、破綻懸念は沈静化したように見える。

 しかし、財政再建の道筋は平坦ではない。08年にIMFの支援を仰いで以降、緊縮財政に舵を切った結果、08年第4四半期から09年第4四半期までマイナス成長が続いている。税収の落ち込みも追い打ちをかけ、欧州委員会は09年のハンガリーの財政赤字の対GDP比率見通しを4・1%とした。つまり、IMFとの公約を守れないと見ているのだ。

 依然として市場の目も冷ややかである。オルバン首相の発言以降縮小したとはいえ、CDSスプレッドはポルトガルとほぼ同水準の300ベーシスポイント前後で推移している。破綻への警戒心は解かれていない。ギリシャの例を見てもわかるように市場に追い込まれれば、国家といえども資金繰りに窮するのは言うまでもない。

 オルバン新政権は、緊縮財政に反する減税を掲げて選挙に勝利した。国民の緊縮財政への反発を追い風とした以上、方針転換は国民への裏切りと映りかねない。

 ハンガリー同様、IMF管理下にあったアルゼンチンは05年12月、増税、大幅な歳出削減策を発表した。だが、それが暴動を招き、対外債務支払い停止に追い込まれ、ついに06年4月には債務不履行に陥った。ハンガリーも同じ轍を踏む可能性は十分にある。

 仮にハンガリーが財政破綻すれば、日本に対するそのインパクトはギリシャより大きい。

 ハンガリーは1500億円、ハンガリー国立銀行は500億円のサムライ債(非居住者発行の円建て債)を発行している。これは、ギリシャとギリシャ国有鉄道の残高合計1087億円の2倍弱に当たる。しかも、「ハンガリー関連のサムライ債は個人投資家も保有している」(香月康伸・みずほ証券チーフクレジットアナリスト)。デフォルトとなれば、被害は広範にわたる。

 また、隣国オーストリアのハンガリーへの与信残高は369億6400万ドルと突出しており、ギリシャへの与信残高の8倍強に及ぶ。破綻すればオーストリアの金融不安を招くことは確実だ。

 欧州財政危機の火種は依然として燻っている。

2010年6月21日 ダイヤモンドオンライン
「週刊ダイヤモンド」編集部 竹田孝洋

人民元弾力化 これで矛盾が和らぐか

2010年06月22日 | 社説
人民元弾力化 これで矛盾が和らぐか

 中国が人民元の対ドル相場固定を解除した。初取引が行われた二十一日はわずかな元高にとどまった。ゆっくりとした改革は中国内外の矛盾を緩和しきれず新たな問題を引き起こす可能性もある。

 北京や上海など大都会は訪れるたび、人を驚かす高層建築が現れビル街が増殖する。しかし、夜、灯がともる窓は限られる。投資目的で買われ、住む者もない。

 点在する「城(都市)中村」と呼ばれる地域では、農村出身労働者(農民工)たちが二十年前と変わらない貧しい暮らしを送る。

 輝きが増すだけ暗さも際立つ景観は実勢より低く抑えられてきた人民元のレートにも原因がある。中国は国土と労働力を格安で外資に提供し「世界の工場」として委託加工貿易を発展させた。

 膨大な貿易黒字を抱え、米国などからの元切り上げ圧力にはドルを買い元を売る介入を続け為替相場を維持した。あふれる資金は株や不動産、商品市場に流れ込み派手なマネーゲームを演出した。

 一方、農民工たちの賃金は、ほとんど上がらず農村購買力は振るわなかった。投資と貿易が成長をけん引し、内需が伸び悩む偏った経済発展を続けてきた。

 中国もこの問題を自覚し二〇〇五年七月には対ドル相場の固定をやめ、元切り上げを容認する管理変動相場制に移行した。その後、三年で元の対ドル相場は約20%上昇したが、金融危機の影響で輸出不振に陥ると〇八年八月から再び対ドル相場を固定していた。

 今回の固定解除で人民元は上昇に向かうとみられる。しかし、毎日の元取引の目安になる基準値はドル以外にユーロや円など多通貨の相場を参考にする「通貨バスケット方式」で決められ変動幅は上下0・5%以内と制限がある。

 ただちに貿易不均衡是正や国内の産業構造転換につながるとは思えない。元切り上げをあてにホットマネー(熱銭)と呼ばれる投機資金が流れ込めば、株・不動産のバブルが再燃する恐れもある。

 実効性に乏しく二十六日にカナダで始まる二十カ国・地域首脳会合(金融サミット)に臨む胡錦濤国家主席のメンツを立てた措置という色彩が強い。

 人民元の切り上げは中国への輸出企業には有利、中国に加工を委託している企業には不利に働く。各地で頻発する労働争議とあわせ、日本企業は中国が賃金の格安な工場であった時代が終わりを告げることを覚悟すべきだろう。

2010年6月22日 中日新聞 社説

6/22中日春秋

2010年06月22日 | コラム
6/22中日春秋

 迷った末に何かの買い物をしたとする。すると、気に入らない点がみつかっても、むしろ長所を見出(いだ)し「やはりよい物だった」と思い込もうとするところが人間にはある。

 「よいと思って買った」行動と「やはりよくない物だった」との認知は矛盾するので不快。だが、行動は翻らないので、それに合わせ「やはりよい物だった」と思うことで不協和を解消しようとするらしい。米国の心理学者フェスティンガーが提唱した「認知的不協和理論」だ。

 繰り返される海や山など屋外活動での事故にも通じよう。万障繰り合わせた実施のスケジュールは変えたくない。すると悪天候など不都合な条件が出てきても、「大したことはない」と思い込むことで不協和を解消しようとしてしまう。

 不都合な条件の無視や軽視を招く、「せっかくの心理」の怖さともいえる。「せっかく休みを取ったのだから」「せっかく準備してきたのだから」「せっかく来たのだから」…。

 強風下の浜名湖でボートが転覆、愛知県豊橋市の女子中学生が亡くなった事故も自然体験活動というスケジュールの決まった学校行事の最中の悲劇だった。決行を決めた学校や実施施設の側にそんな心理は働いていなかったか。

 自然の懐に遊ぶ時、その怖さを頭に入れておくべきなのは当然だ。だが、人間の心の“癖”の怖さも十分に自覚しておく必要があろう。

天下り容認で改革逆行

2010年06月22日 | ニュース政治
公務員退職管理:「現役の天下り」を容認 改革に逆行

 政府が策定中の国家公務員の出向や再就職の指針などを盛り込んだ「国家公務員退職管理基本方針」の全容が21日、明らかになった。近く閣議決定する。毎日新聞が入手した原案によると、官庁人事の停滞回避や、公共部門での知見の活用を根拠に、独立行政法人などに公務員が出向する「現役の天下り」を容認。次官や局長レースに敗れた高級幹部の受け皿として上級の「専門スタッフ職」を新設するなど公務員に手厚い内容となっている。【三沢耕平】

 政府関係者は「公務員に定年まで能力を発揮してもらうため」と説明。退職後の官僚OBが特殊法人や独法などに天下りを重ねる「渡り」などとは違う点を強調する。

 しかし、民主党は昨夏の衆院選マニフェスト(政権公約)などで官僚の天下り根絶など公務員制度改革をアピール。官僚OBの天下りに加え、各省庁の既得権の温存などにつながりかねない現役官僚の政府系機関への出向なども厳しく制限する方針を示してきた。それだけに、従来の改革姿勢に逆行するような菅政権の「基本方針」に批判も出そうだ。

 「基本方針」は、現役官僚の独法や特殊法人などへの出向を「法人側のニーズがあること」を条件に容認。鳩山前政権は昨年末、独法の役員ポストへの天下りを原則禁止し公募で選ぶ方針を決めたが、今回は「(省庁からの現役)出向の場合、公募の対象にしないことができる」と明記。さらに、政策に関する調査や研究に限って認められている公益法人への現役官僚の出向についても「公共性が高い法人」を前提に拡充する。

 一方、次官や局長コースから外れたキャリア官僚に対する早期退職勧奨(肩たたき)について、民主党は昨夏の衆院選で「禁止」を打ち出した。しかし、「基本方針」は、国家公務員の総人件費抑制を優先し、各省庁が再就職のあっせんを行わないことを条件に「肩たたき」を認めることにした。

2010年6月22日 毎日新聞

角界底なし汚染 理事長の責任は重大だ

2010年06月22日 | 社説
角界底なし汚染 理事長の責任は重大だ

 全国の大相撲ファンがどれだけ腹立たしい思いをし、寂しい思いをしていることか。そのことを日本相撲協会は真剣に受け止め、痛みを感じているのだろうか。

 まさに「底なし」の様相を呈してきた相撲界の賭博汚染である。日本人最高位の大関や若手の期待力士の名前が次々と浮上し、現役の親方も野球賭博に手を染めていた。

 加えて深刻なのは、協会トップの武蔵川理事長が師匠を務める部屋の元大関・雅山関も野球賭博に加担していたことだ。

 野球賭博の胴元は主に暴力団で、その資金源になっているとされる。すでに多くの相撲関係者が「社会悪」に組み込まれている。現役大関の琴光喜関は野球賭博の口止め料として元暴力団組員に現金を脅し取られた疑いが強まっている。これほど明白な危機に直面していながら協会の対応は手ぬるすぎる。

 協会は21日の臨時理事会で第三者機関の調査委員会の設置を決めた。名古屋場所を開催するかどうかと、賭博に関与した親方や力士の処分は調査委の報告を受け、来月4日の理事会で決めるとしたが、一連のスピード感に欠ける対応は、実質的な「先送り」としか映らない。

 当面、名古屋場所は開催する方向で準備を進め、野球賭博をしていた力士の出場を見合わすこともあるという。協会が親方や力士名の公表をためらっている間に報道が先行し、大相撲のイメージは低下するばかりだ。疑惑に口をぬぐい、素知らぬ顔で土俵に上がる力士の相撲を誰が見たいと思うだろうか。賭博と無縁な対戦相手にも失礼だ。

 武蔵川理事長の責任も明確になっていない。今月11日、協会が野球賭博をしていた力士名を公表しなかったことについて、私たちは「指導責任を問われるべき師匠や親方を守ろうとしているのではないか」と指摘した。しかし、協会トップの「指導責任」を問う事態にまで至るとは想定していなかった。

 協会トップが部屋の不祥事の責任を回避したまま改革は進むのだろうか。ここにも重大な懸念が残る。

 「土俵際」「仕切り直し」「うっちゃり」など、日常生活でも使われる相撲用語は山ほどある。それほど相撲はわれわれ日本人の生活にとけ込んでいる。その日本固有の伝統文化としての相撲が一部の協会幹部や現役の親方たちの悲しいばかりの不見識と指導力不足で社会からレッドカードを突きつけられている。

 伝統ある大相撲を薄汚れた見せ物にしてはならない。協会は早急に体制を一新し、裏社会との不明朗な関係を断絶する以外に大相撲が国民娯楽として生き残る道はない。

2010年6月22日 毎日新聞 社説

6/22余録

2010年06月22日 | コラム
6/22余録「小惑星からの便り」

 「ほめたたえるって、どういう意味?」と聞く王子さまに、小惑星の見栄張り男は言う。「おれがこの星でいちばん美しく、いちばん身なりが良く、いちばん金持ちで、いちばん利口だと認めることさ」「でもこの星には君一人しかいないよ」。

 サンテグジュペリの「星の王子さま」はまず小惑星をめぐる。権威をつくろう王さまの星、見栄張りの星、酒を飲む恥ずかしさから酒をあおる飲み助の星、空の星の所有台帳作りにはげむ事業家の星--次が点灯夫の星だ。

 1分間に1回自転する小惑星329だ。1本しかない街灯に休む間もなく点火と消火を繰り返す点灯夫は、自転がもっと遅かったころの「指示」に従っているという。王子さまはこの人なら友達になってもいいと思ったが、その星は小さすぎて2人では住めなかった。

 さて、現実の小惑星25143/イトカワは自転周期約12時間、長径540メートルの落花生形だった。そこで見つかるのは、王さまのガウンの毛か、飲み助のこぼしたお酒のしずくか--そんな空想も頭をよぎる小惑星探査機「はやぶさ」のカプセルの中身への期待である。

 ただカプセルから取り出された試料容器のX線検査では直径1ミリ以上の粒子は見つからなかったという。そう聞けば残念な気もするが、もともと収集装置の不調で大きな試料の回収は無理と想定されていた。焦点は開封調査で、より微細な試料が見つかるかどうかだ。

 太陽系誕生の事情を物語るという小惑星だが、開封調査には今後数カ月を要する。そういえば「星の王子さま」もこんなふうに書いていたような気がする……「肝心なものは、目に見えない」。

名古屋場所 キャンセル相次ぐ観戦ツアー

2010年06月22日 | ニュース一般
名古屋場所、キャンセル相次ぐ観戦ツアー

 「場所は本当に開かれるのか」――。看板力士の関与が次々と発覚した大相撲の野球賭博問題が、来月11日からの名古屋場所開催に影を投げかけている。観戦ツアーのキャンセルや懸賞金の取りやめを検討する企業が相次ぐなど、影響は広がる一方。21日午後1時過ぎから始まった日本相撲協会の臨時理事会では、調査委員会が設置され、関与した親方や力士の処分などが話し合われることになっており、関係先はピリピリした空気に包まれた。

 ◆予約不振◆ 

 「予約がさっぱり入らない。どうしたらいいのか」。名古屋場所の初日が20日後に迫り、名古屋市中村区の「つちやホテル」 女将 ( おかみ ) の土屋寿美子さん(61)は声を落とす。同ホテルは観戦チケットと宿泊などをセットにした「大相撲観戦プラン」を約300人分用意したが、予約済みは約70人だけ。昨年の同じ時期に比べ半分以下のペースという。

 升席代や交通費などをセットにしたバスツアー(1人2万3800円)を売り出している浜松市の旅行会社「いーら旅行舎」では、販売した約20人のうち、女性客4人がキャンセル。女性客の1人は「とても観戦する気になれない」と話していたという。古橋昌直社長(49)は「事情が事情だけに、キャンセル料も取れない」と語った。

 名古屋場所の観戦チケットを販売する名古屋市内の旅行代理店も「賭博の報道が始まってから申し込みがピタリと止まった」と話す。昨年は約120万円の売り上げがあったが、まだ50万円ほどという。

 ◆懸賞金は◆ 

 昨年の名古屋場所では1033本(1本6万円)出た懸賞金にも影響が及びそうだ。1場所ごとに200本の懸賞金を出している永谷園(東京)が既に、名古屋場所から大幅な縮小を表明しているほか、タマホーム(同)も減額や撤退を検討。広報担当者は「相撲協会の処分などを見ながら判断したい」と困惑した様子。約60年にわたり懸賞金を出してきた森永製菓(同)の担当者も「協会が 毅然 ( きぜん ) とした対応ができなかった場合は、撤退も検討せざるをえない」と話す。

 ◆国技館◆ 

 日本相撲協会の臨時理事会が開かれた両国国技館には午前11時頃から、親方ら関係者が続々と集まってきた。親方らは一様に厳しい表情で、武蔵川理事長も報道陣の問いかけには答えず、厳しい表情のまま、会場に入っていった。

 国技館周辺では、ファンや街の人からも厳しい声があがった。

 家族で観光中の青森県黒石市の建築業須藤光男さん(59)は「相撲界の体質が甘い。すべてを明らかにしないと信用は回復しない」と協会の対応を批判。だが、名古屋場所については「まじめにけいこに励んでいる力士も多いはず。賭博にかかわった人は除いて、場所は開くべきだ」と話した。

 一方、50年来の相撲ファンという近所の男性(75)は、「野球賭博にかかわった力士が土俵に立てるわけがない。名古屋場所は中止すべきだ」と主張。武蔵川部屋の雅山ら協会幹部の部屋の力士も賭博に絡んで名前があがっていることから、「幹部を総入れ替えしなければ、協会は変われない」と指摘した。

2010年6月21日 読売新聞

人民元改革 中国は緩やかな上昇の容認を

2010年06月22日 | 社説
人民元改革 中国は緩やかな上昇の容認を

 中国の中央銀行である中国人民銀行が、「人民元相場の弾力性を高める」と発表し、人民元の切り上げを容認する姿勢を打ち出した。

 緩やかな元高は、中国ばかりでなく、世界経済にとってもメリットが大きい。言葉通り、中国は国際社会が納得できる元切り上げを実現すべきである。

 リーマン・ショック前の2008年7月から、中国当局は大規模な市場介入を続け、1ドル=6・83元前後で相場を固定してきた。

 しかし、今週末にカナダで開かれる主要20か国・地域(G20)サミット(首脳会議)では、人民元問題が議題になる見通しだ。

 サミット前に、中国は自主的な改革姿勢をアピールし、米国などで高まっている元の切り上げ圧力を回避する狙いだろう。

 ところが、中国当局が21日に示した元相場の基準値は、前週末と同じ1ドル=6・8275元だった。上海外国為替市場の取引は、基準値より元高にはなったが、今後の動きは不透明だ。

 大幅切り上げにはやや慎重な姿勢もうかがえる。改革のポーズだけでは、失望感が広がる。外圧もさらに強まるに違いない。

 人民元相場は、2005年7月から3年間で、対ドルで約2割上昇した。今後も、それくらいの切り上げペースが必要でないか。

 注目されるのは米国政府の出方だ。米国は4月、中国を為替操作国に認定することを先送りし、中国の自主的な判断を待った。

 貿易不均衡の拡大を背景に、議会では対中制裁法案が浮上している。元安が是正されない場合、米中摩擦が激化する恐れがある。

 元切り上げは、中国にとっても喫緊の課題と言えよう。元高の抑制を目的に相場介入を続けた結果、副作用が顕在化した。

 大量のマネーが市中にあふれ、不動産価格が高騰し、消費者物価も上昇している。景気は過熱気味で、バブル経済の状況だ。

 このバブルが崩壊し、景気急減速を招けば、中国経済は大打撃を受け、世界景気にも響く。

 中国は、輸出主導から内需主導型へ転換する途上にある。インフレを抑制し、成長を維持するには、経済力に応じた元の上昇を受け入れねばなるまい。

 中国ビジネスを展開する日本企業にも、中国経済の安定はプラスとなる。

 ただ、元高に連動し、円が急騰すれば、輸出企業の収益に悪影響が及ぶ。日本は元相場の推移を十分に注視する必要があろう。

2010年6月22日読売新聞 社説

6/22編集手帳

2010年06月22日 | コラム
6/22編集手帳

 英国の哲学者、フランシス・ベーコンの言葉にある。〈卵焼きを作るためだけであっても、家を燃やしかねないのが、極端な利己主義者の本性である〉と(岩波文庫『ベーコン随想集』)。

 サッカーW杯のフランス代表に当てはめれば、「卵焼き」は監督以下、各人のメンツ、燃えた「家」はファンの夢と希望かも知れない。仏紙『レキップ』がチーム内の不協和音に怒り心頭に発した記事を掲載している。

 いわく、〈エゴの塊であるドメネク監督と、そしてそれを上回ったエゴイストの選手たちを笑い飛ばそう〉(本紙特約)。

 監督を侮辱した選手を仏サッカー連盟が追放したことが亀裂の始まりという。抗議する選手たちは練習をボイコットした。選手は監督に従わない。監督は監督で、「占星術で選手を選考した」などと奇矯な発言をする。練習拒否を非難する連盟は監督を信頼しているのかと思えば、すでに監督の後釜を決定済みという。何が何だか分からない。

 人は石垣、人は城…というが、組織を“砂上の楼閣”に変えるのも人だろう。よその食卓ながら、火事場で調理した卵焼きの味は何ともほろ苦い。