【時事(爺)放論】岳道茶房

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6/28中日春秋

2010年06月28日 | コラム
6/28中日春秋

 大鵬時代からの大相撲ファンで、テレビ中継はずっと見てきた。忘れがたい勝負がいくつかある。全盛期の横綱北の湖に勝てなかった大関三重ノ海が仕掛けた奇襲はその一つだ。

 立ち合った瞬間、三重ノ海は横綱の目の前で両手をパチンとたたいた。相手をひるませ、有利な体勢に持ち込もうという作戦は、その名も「猫だまし」。しかし、北の湖にはまったく通じなかった。

 大関を陥落しながら、横綱になった三重ノ海は前さばきがうまく、速攻が魅力だった。親方としても多くの弟子を育て、不祥事で辞任した北の湖前理事長の後を引き継いだが、野球賭博をめぐる対応はあまりにもお粗末すぎた。

 日本相撲協会の特別調査委員会はきのう、名古屋場所開催の「条件」を発表。賭博に関与した疑いがある大関琴光喜ら力士十五人の出場の辞退、さらに武蔵川理事長ら親方十二人にも謹慎を求めるという前代未聞の勧告だ。

 対象になる幕内力士は八人。取組は四番減る。執行部が不在のまま理事長代行を置いても、場所の運営に深刻な影響は避けられない。勧告を受け入れたとしても、名古屋は試練の場所になろう。

 親方衆自身が賭博にまひしていたのではないか。協会は自主申告した力士を「厳重注意」してお茶を濁そうとしていた。「猫だまし」が通用するほど甘くはない。必要なのは、公益法人の解体的出直しである。


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