ADD?先生の発達障害児 教育応援サイト

ADD?傾向のある塾教師がADHDやアスペルガー症候群の子にどうかかわり教えたらいいのか模索していくブログです。

かけざんがいつまでたっても覚えられない子

2008-10-19 09:46:59 | LD
かけざんがいつまでたっても覚えられないという子がいます。

そうした子の多くは、身体の動きも取り入れて(筋肉からの情報入力も加えて)
抑揚をつけて唱える
(伝承遊びの歌のリズムで唱えると覚えやすいです)

3いちが3 3にが6
など最初の2つだけ何度も繰り返したりして、
記憶の取っ掛かりを作る。

唱える時に、指で数を作ってみせ、
視覚的な記憶からもインプットしながら覚える

4にが8ブンブン~などだじゃれを入れて
覚えやすくする

九九だけでなく、遊び歌をいろいろ覚えて聴覚の記憶力を上げる

カセットデッキを利用して、オリジナルのかけざんカセットを作って
聞きながら練習する

などの方法があります。
こうしたさまざまな方法を取っていると、知的障害がある子でも、
きちんとかけざんを覚えることができます。

しかし、ごくたまにそうした努力をいくらしても、
家庭でもたくさん働きかけをしてもらっても、
かけざんが覚えられないという子がいます。

3年生の☆ちゃんが、そうした子です。さまざまな働きかけのおかげで、
他の能力はずいぶん伸びてきたのに、
かけざんだけはいつまでたっても覚えられないのです。
☆ちゃんは、お絵かきが得意ですし、お人形ごっこでも
楽しく遊べます。
そうした右脳に関わることは、それほど問題を感じさせないのです。
しかし、左脳の言語野を使って学ぶこととなると
極端に能力が落ちてしまうのです。

そこで、遠回りなようでも、カラーのイラストを使って、
お話としてかけざんを教えていくことにしました。
(九九の暗唱も同時にしています)

写真は5の段です。
5いちが5で りんごがあって、
5に10で 木とお池
5さん15で 木とりんご
5し20で あひるさんとお池
5ご25で あひるさんがりんごを食べて、
5ろく30 で大きなお耳がお池のボチャンという音を聞いて、
5ひち35 で、大きなお耳が りんごのおとだとわかって
5は40で ヨットとお池
5く45で ヨットの上でりんごを食べました。

5の段は最初の部分を少し暗唱できるので、
☆ちゃんが得意な画像を処理する能力
ストーリーを記憶する能力
色への敏感さ
に訴えて、記憶を定着させようと考えたのです。

できないところより、
できることを注目する

という発想の転換が大切だと考えています。


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