~身体調整の隠し味 仙骨を知れば整体が分かる 仙骨矯正セミナー~
先週土曜日に「仙骨矯正セミナー」を開催致しました。ボディワーク、体操指導を志す方、これから整体を勉強しようと思っている方、既に整体サロンで働いている方、最近開業した方等色々な境遇の方が参加されました。これがいいんです。いつもながら皆さん熱心です。将来どう進みたいのかという意思をもっていらっしゃるので目力があります。
まずは仙骨の機能、身体上の役割を説明致しました。それは、とどのつまり整体とは何ぞや?という話になり、結局積極的な健康の追及という話しになります。病院などの医療機関があるのにわざわざ整体院にいらっしゃる方々絶えない。本来だったらなくても生きていける存在です。じゃあ、健康って何かというと古今東西様々な健康法が衣食住を含め存在していますが、どれも自分に適したものを実践しなければ効果が出ないばかりか心身へのストレスとなり悪化してしまう場合もあります。
まずは「自己を知ること」が健康と言え、整体は「自己を知って頂く、認識して頂くこと」になるのだと思うのです。だからしなければいけないことも明確になる。我々にとって施さなければいけないこともはっきりしてきます。
その為に、骨格や内臓などの構造や役割をまず正しく理解していなければいけないし、ではそれらが正常ではなくなった場合どのような変化が身体上起きるのかの指針や検査法がなければ正しいアプローチは不可能です。そういう、見解や検査、アプローチを説得力をもって事前に説明できる人間力や知識を身に付けることがセラピストとして成功するための秘訣の一つだと思います。成功して自分が自信をつかみ幸せになることで本当に癒すことだ出来るはず。今回のセミナーで一番言いたかったことはこのことです。
よく、患者さんから「施術をしてもらうのも合う、合わないってありますよね」という話を聞くことがあります。どうしても予約時間がとれず他のところへ行ってみたらやはりダメだったという・・。これは何だろうと思案すると、施術する側が前述の過程を踏んでおらず、通り一辺倒の施術を行っている場合に当てはまります。相手を見ず、こだわりが前(全)面に出てしまっているケースです。これが極端になると、患者さんを受け入れず、自分の謙虚さが欠け、自己満足の手技、アプローチとなってしまうのです。主役がクライアントではなく自分になってしまいます。
整体って肩や腰をほぐすことが本当の目的でしょうか?それで多少の自己治癒力は引き出せるかもしれませんが内面に抱えた重石をほぐす、取り除いていこそ本当の意味での自然治癒力が引き出されるはずです。心療内科の医師や心理カウンセラーは心と言葉の掛け合い、我々セラピストは心と言葉と身体をつかって感情に響かせるのです。
仙骨は腰椎5番と腸骨のそれぞれのアンバランスをまず正しく矯正してはじめてアプローチされるものであって、さらに骨運動と関節運動=仙骨の動き方を調整して可動域が改善して痛みがとれるという手順が、参加者の皆さんには良くご理解頂いたと思います。そして基本ルーティンをしっかり押え、正しく検査すればさほど難しいことではないという事も・・。実際に参加者同士が組み合わせを変えながら、それでも脊椎や骨盤や仙骨の術前後であきらかに形状が変わり、さらに可動性が大きく変わることに驚かれていましたし、手ごたえもつかめたのではないでしょうか。
関節の調整練習ではほんの少し微細な力を加えるだけで大きく仙腸関節が動き、筋肉だと思っていた胴体の抵抗も消失してしまうことに更に驚いていたようですね。いかに全身に連動するか?身をもって体験して楽しんで頂けたようです。
先程の話しですが、内面から癒す方法って様々です。でも手技に優劣はありません。使うものの手と心、人間次第で差が出てきます。仙骨をそろえることはその一つではありますが、仙骨の矯正で軸が出来ます。軸が出来ると姿勢が変わります。姿勢が変わると考え方も変わり内臓の働きも変わってきます。
私は手技を使って身体を調整しながら安心感を与え、相手の機微を読み問いかけていくこと、それにより癒しを提供することがお役目だと思います。あなたは何を目指して手技を施して行きますか?