川崎市・狛江市・世田谷区 静岡県牧之原市 整体スクール「日本徒手整体アカデミー」日本徒手整体施術院

東京・神奈川・静岡で整体師資格取得は「日本徒手整体アカデミー」。「巡心流整体術」は当校独自手技。講師によるブログ。

骨盤や背骨が歪む発生機序 Ⅱ

2022年03月13日 | 学院長のコラム、ブログ

もう少し、骨盤や背骨が歪む発生機序について解説を続けます。

内臓不良=内臓炎症→脊髄興奮=脊髄炎症→脊椎や仙骨の変位、亜脱臼、つまり歪みになることを説明してきました。

問題個所が前後屈(屈曲・伸展)、側屈、捻転とそれぞれの三方向へ=3次元的に変位が生じると亜脱臼となり、連結する周辺関節や靭帯、筋肉にも炎症、損傷を起こし強い痛みを引き起こし、ギックリ腰、ギックリ背中という現象になります。

このような急性的な痛みに対しては変位箇所を矯正、微調整するとアライメントが整い、可動性が取り戻されます。周辺組織の炎症度合にもよりますが、そこで痛みも軽減しますので、歪みそのものは日常化していて、地球の自転や軸足の影響から起こるといっても、このようなケースでは歪みを矯正する意味が出てきます。

ただ、一時的に矯正しても徐々に変位は生じてきます。急性的な強い痛みは改善するケースが殆どですが、その後も軽度な痛みが持続したり、腰でいうと坐骨神経痛やヘルニア等の現象で持続することもあります。

ですから骨格矯正で痛みを軽減しつつ、例えその時痛みが消失しても、または軽度に持続したり他の症状が出ていても、根本的に内科不良と捉え、原因を受け入れ、その為の根本的対応はすべきだと考えています。

痛みが治まったからそれで終わりではなく、その痛みは体表面に発現した病理に繋がるメッセージと捉え、ストレスや私生活等を見つめなおし、内観し、自省する機会にすることが後の疾患を予防するケアにもつながるのです。耳が痛い話ですね(笑)。

仙骨周辺の変位、痛みは泌尿器、消化器、生殖器等の何らかの炎症が考えられます。例えばそこに長期的座位姿勢やスポーツ等の特殊動作が加味されることも増長されたり一因にはなることもあると思います。ただデスクワークが長いだけで酷いギックリ腰やヘルニアにはなりません。立位姿勢に戻ったり、お腹を伸ばせば圧迫現象は解消されます。

よく、一度ギックリ腰をやると癖になるとか、肩こりや腰痛持ちで・・というフレーズを聞きますが、それは前述の内臓炎症に繋がるストレスや食生活、生活習慣等が引き金となる自律神経のアンバランスが持続したままだからです。その為、その場で一時的に痛みが緩和しても繰り返したり、慢性化してしまうわけです。

良い医師や治療家、治療法を求めて外に原因を求めてしまうケースが多くみられ、健康ブームもそこから来ているのでしょうが、心因性である内因と捉えたり、食習慣や生活習慣といった不内外因として整理することが痛みの連鎖から解放される早道です。

ちなみに食習慣と言っても糖質を控える(炭水化物、果物、スイーツは勿論)とほとんどの症状は改善します。あとは水分をこまめに摂取したり、植物性とかビーガンといった偏食をせずタンパク質をしっかり摂取するくらいです。ほとんどの関節の石灰化、つまり関節症や脊柱管狭窄症、骨粗しょう症、そこからくる圧迫骨折の大元は糖質過多、タンパク質不足、水分不足に起因します。運動不足や老化ではなく、それらの食習慣の継続がある一定の年数になると細胞劣化を起こすこと、そして筋肉や関節の硬直により肋骨、胴体の硬化を引き起こすことで呼吸を浅くし酸素供給量を低下させ、ますます細胞の代謝不全につながるのです。

腰、膝、肩、頸等諸々関節症がある場合、四肢であっても、胴体、肋骨の可動性が極端に制限されています。肋骨の硬さは肋骨を覆う肋間筋の硬化を示唆しますが、その為に呼吸も浅くなり、酸素運搬能力も落ちて酸素や栄養を細胞に運ぶ供給量が少なく、四肢の関節症を引き起こします。

左脊椎の隆起は脾臓、右脊椎の隆起=側弯は肝臓等の炎症、慢性疲労、臓器負担が考えられます。長期的に薬を服薬することでも肝臓は炎症を起こすことに繋がりますし、強度のある運動を一定期間継続しても肝臓は疲労して、右背部隆起を起こします。

これらは慢性化して2次元的変位なので、背中の急性痛にはすぐにはなりません。ただ、臓器の炎症→神経の興奮で背骨が変位して慢性化すると周辺の背骨に付着したり影響されている筋肉も隆起してきます。

筋肉は記憶するので、長期化した隆起はその個所に痛みが無くても側弯を引き起こします。背骨の隆起は殆どが右側は肝臓、胆嚢、左は脾臓から起こっています。普段の姿勢、例えば脚をどちらで組んでも、運動不足であってもそこには起因せず、臓器から示唆されているのです。逆にどんなに運動をしても、身体を伸ばしてもその隆起の身体的記憶は取り切れませんし、過度な運動はますます隆起を増長させることでしょう。

こう考えると歪みを取り切ろう、矯正しようと躍起になったり、様々な治療法を試したり、そもそも歪みが痛みの根本的原因と考える前に、

身体の違和感は自律神経不良からくる臓器の疲れが起こっていると捉え、ストレスや食習慣を見直しつつ、呼吸が浅くならないように胴体の可動性を維持しておくことが何よりの優先事項であり、根本的対処法。そして元々の歪みは取り切れず、自然現象と割り切ることが健康的な生活を維持し、痛みを回避するシンプルな取り組みと言えるのではないでしょうか。

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骨盤や背骨が歪む発生機序

2022年03月06日 | 学院長のコラム、ブログ

前回までは腰椎5番を含む腸骨、仙骨等の骨盤の歪みの検査法、調整法について簡潔に述べてきました。

今回はそもそも何故これら骨格に変位が起こるのか、疼痛が発生するまで何故炎症が起こるのかについて解説していきます。

一般的に骨格の歪みは2足歩行、産後、日頃の姿勢、運動不足、老化等と言われています。

確かにどれもあてはまると言えます。ただ、2足歩行ではなく4足歩行でもヘルニアになったりギックリ腰にもなりますし、ターンし易い側(主に左)も存在するので歪みは起こっています。産後は一時的に骨盤は開きますが放置していれば勝手に戻ります。運動不足に関しては日頃運動している方、アスリート、ヨガのインストラクターでも普通に歪みはあります。老化に関しては、元々普段から歪んでいたものがより固着した状態になっている場合が見受けられますが、主に肋骨、胴体の側弯に見られます。

つまりこれらは歪みを多少増長させることがあっても根本的な原因には決してなりえません。骨格的には、地球の自転がまず影響し、そこに無意識の中で軸足や運動足の習慣が重なり、腸骨の位置に差が出ます。ですからどんなに矯正しても、ストレッチを日々行っても立位となり歩行を始めたその一歩目からすぐに歪みは始まります。

これまで歪みの調整法について解説してきたにもかかわらず、逆説的ですが歪みそのものは恒久的に無くすことは不可能ですし、その必要も無いのです。

歪みが3次元的に大きくなり、その個所に強い炎症が発現して、疼痛を生んでそれが顕著、または持続性を有する場合に、骨格矯正が有効になります。

日頃痛みが無いにもかかわらず、骨格を調整しても身体にはほとんど影響せず、そもそも歪みを取りきることは根本的も不可能なことなのです。

血流不全や神経痛、冷え、婦人科系の症状、他疾患の多くは自律神経系、内分泌系が不安定になることから起こり、ストレスと食生活からそれらは起こります。

3次元方向に歪みが大きくなり、炎症が強く、痛みも顕著な場合は、その個所はピンポイントで痛みの引き金個所となっています。

 例えば仙腸関節の捻挫がきっかけでギックリ腰、強い腰痛、神経痛が起こる場合は骨盤内臓神経、仙骨神経叢の延長線上にある内科的問題が内在しているわけです。生殖器、泌尿器、消化器等がそれにあたり、まずこれらの臓器が慢性的及び急性的に炎症が起こっています。臓器機能不全、病変等が考えられ、機能低下または亢進等になり、臓器炎症となります。

 人間は脊髄動物ですから、仙骨や脊髄からの神経は臓器等と繋がれています。臓器の炎症から連結している神経も炎症が起こり、体外部神経根となる各脊椎や仙骨も神経の興奮の影響を受けて3次元的に変位、捻挫が起こるわけです。

 神経の興奮、強い疼痛が起こらない歪み、変位は3次元ではなく2次元までの歪みで、それらは地球の自転の影響を受け、自然の摂理としての歪みです。そこに日頃の姿勢や癖が増長させることもあるでしょうし、日頃の姿勢を意識することは大切なことではありますが、歪みそのものを無くすこともできず、気にする必要もありません。

 繰り返しますが、矯正を必要とする程の骨格の3次元的変位は、その神経根が興奮、炎症を起こしている為で、その神経の大元となる臓器の炎症が根本原因です。姿勢や偏った動き、運動不足は炎症を増長させる一因子に過ぎません。

このような現象が起こった時に前回までご紹介してきた骨格の調整法を活用していきます。神経の興奮は臓器の炎症から、と述べましたが、自律神経や内分泌系に影響が出て恒常性が乱れる大きな原因は、ストレスです。このストレスが交感神経の比率を優位にして、自律神経系の切り替わりのスムーズさを失わせ、内分泌系にも強く影響していきます。この身体状況が持続すると、臓器不全が出始め、炎症を起こし、神経の炎症、興奮と傾き、神経根である骨格も捻挫を起こすというわけです。

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