川崎市・狛江市・世田谷区 静岡県牧之原市 整体スクール「日本徒手整体アカデミー」日本徒手整体施術院

東京・神奈川・静岡で整体師資格取得は「日本徒手整体アカデミー」。「巡心流整体術」は当校独自手技。講師によるブログ。

今年一年ありがとうございました

2019年12月30日 | 書籍のご案内

2019年は平成から令和と元号が変わり、大きな節目、転換点となる一年となったのではないでしょうか。

日本列島は大きな自然災害を受けた年にもなりました。地震も台風も豪雨も、この日本にいる限りいつ何時起きても不思議ではない、と改めて痛感した年でもありました。

医療費、介護費用が膨張し、医療費負担は2割へ、という議論も出てきています。いずれ介護負担もそのようにすすめられるでしょう。

一方、ラグビーワールドカップが開催されて、地元日本も躍進、大会としても大成功といえるイベントとなったのではないでしょうか。来年は、いよいよ東京オリンピックが開催されます。観客動員、成績、ホスピタリティも含め無事に成功を収めてほしいですね。

世界は環境問題や人口問題、地域紛争等所々で混迷、混乱は続くものの、全ては総体的により発展していって淘汰されより良い世の中に変化している過渡期だと信じたいです。

日本では次世代以降が不安なくくらせる社会になるように我々が高齢化社会を乗り越えていかなければならない。

 

個人的にも2020年1月に著作第2弾、「運動で体質が改善されなかった人が読む本」の刊行が決まり新たな一歩を踏み出すきっかけとなりました。

新書カバー

これからの社会に少しでも役立つ書籍になることを願って、よりいっそう精進してまいります。

今年一年誠にありがとうございました。皆様のご健勝をお祈り申し上げます。

皆様にとって良い年となりますように・・。

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運動を効果的に行うために その2

2019年12月30日 | 学院長のコラム、ブログ

前回のコラムでは、広く行われている運動全般の欠陥として、

  1. 身体動作の根本となる「胴体」の特性・バランスを考慮していない
  2. 「拮抗作用」の無視
  3. 運動リズムの軽視

を挙げ、これらのポイントをおさえて行えば健康づくりに役立てることができる、と述べました。前回の1)に続き、今回は2)と3)について解説します。

2)「拮抗作用」の無視

身体に力を入れると、筋肉は収縮して力を発揮します。力こぶをつくる上腕二頭筋は、肘を曲げると収縮(縮む)して物を持ち上げることができます。

その際、腕の外側(力こぶの反対側)の上腕三頭筋は弛緩(伸びる)します。逆に肘を伸ばすと上腕二頭筋は弛緩し、上腕三頭筋が収縮します。
このように、一方の筋肉が縮むと逆の作用を持つ筋肉は伸びるというように、ある働きに対して逆の働きをする筋肉を拮抗筋といいます。

ストレッチや筋力トレーニングを行う場合は、特にこの拮抗筋を頭においておく必要があります。

収縮する動きにだけ重きをおいていると、バランスが偏り関節に負担がかかるので、怪我をしやすくなりますし、身体が歪み、日常の動作や姿勢にも影響を及ぼします。

代表的な例を挙げます。

前屈ストレッチと腹筋運動
前屈ストレッチと腹筋運動は、腰痛体操として、柔軟性を養うため、そしてスポーツ前のウォーミングアップとして、重点的に行われることが多いようです。

1
前屈のストレッチ

これによって腿裏の大腿二頭筋は伸びますが、もともと丸まり(後湾)伸びている背部の筋肉を必要以上に丸めてしまいます。

また腰痛(特に急性期)の場合は、腹筋が硬く胴体のしなやかさが失われていて、前湾しているはずの腰椎の湾曲バランスが崩れています。
腰痛の予防・改善、姿勢の矯正と保持のため、そしてウォーミングアップには、前屈よりも後屈のストレッチや身体前面(腿の前、大腿四頭筋等)のストレッチに時間をかけるべきです。

普段から積極的に行ってもらいたいおすすめのストレッチです。

2
腹筋(後屈)のストレッチ
3
大腿四頭筋のストレッチ    
 

腰痛予防・姿勢改善には、腹筋運動より背筋運動の方が必要です。

4
肩甲骨を寄せて上体を少し持ち上げる背筋運動
3)運動リズムの軽視

筋肉を伸ばし、関節の可動域を広げることが目的のストレッチや柔軟体操等は、状況に応じてリズムや速さを変えるべきです。

例えば、スポーツを行う前、出勤前等は、動きを伴いながらリズミカルに行います(動的ストレッチ)。血流が促進され、心拍、筋肉の温度が上がってダイナミックな動きを可能にします。

ゆっくり静止して行うストレッチをスポーツ前に行うと、筋肉の温度を下げてしまい、肉離れ等怪我の危険性を増してしまうので、スポーツ後のクールダウンとして、入浴後・就寝前に軽く行う方が良いでしょう。

筋力トレーニングは、基本的にゆっくりとした動作で行いましょう。ゆっくりとしたテンポで1, 2, 3, 4と筋肉を縮め、5, 6, 7, 8で筋肉を伸ばす、というような4拍子が理想です。

反動を使うと怪我を誘発することがあるので、使っている筋肉を意識しながらゆっくり行いましょう。

自己流で速いテンポで筋トレをしている方をよく見かけますが、関節や筋肉に過剰に負担をかけてしまいますし、運動効果も低くなります。

健康効果を目的に行うなら、自己流でなく、以上3つのポイントに留意して行うことをおすすめします。

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運動を効果的に行うために その1

2019年12月14日 | 学院長のコラム、ブログ

健康維持・増進に効果的であると言われて久しい運動は、腰痛体操・ラジオ体操、ジムトレーニング・スクワットなどの筋トレ、ストレッチ、エアロビクス、介護現場でのリハビリ・寝たきり予防の体操など多種多様です。

しかし、主に有酸素運動系以外の前記の運動を行うにあたって、運動効果を上げるための重要なポイントが抜け落ちていることが多いようです。運動=健康という概念だけが一人歩きして、運動効果を上げるための方法論が無視されています。ポイントをおさえていなければ、どんな運動をしても健康づくりに寄与できないばかりか、怪我・痛み・関節の炎症や変性などを招き、姿勢不良を悪化させ、体質改善を妨げてしまいます。

 

広く行われている運動全般の大きな欠陥を私なりに整理すると、

  1. 身体動作の根本となる「胴体」の特性、バランスを考慮に入れていない
  2. 「拮抗作用」の無視
  3. 運動リズムの軽視

が、主に挙げられると思います。

逆に言うと、上記3つのポイントをしっかりおさえていれば、怪我のリスクを最小限に抑え、運動効果も期待できます。順を追って解説していきます。

1.の胴体の特性やバランスについてですが、胴体は首の下から骨盤までの四肢(両腕・両脚)を除いた部分を指します。骨で言うと、骨盤、背骨の腰椎、胸椎までと肋骨、肩甲骨等が含まれます。

胴体の動作には、前後の屈曲(前屈)と伸展(後屈)、左右への側屈、そして胴体をねじる回旋の3パターンがあります。
バランスを見ると、肩の高さの違い(写真1)、左右いずれかの肩・胸前部が前へねじれる(写真2)など、中心軸が歪んでいることが非常に多く見受けられます。

1
写真1: 肩の高さの違い
2
写真2: 写真では右胸前部が前へ歪んでいる
 

このような胴体の歪みを考慮せず、ストレッチや体操を行っているケースが多く見られます。また、胴体のアンバランスは四肢と連結する関節(肩や股)の歪みを引き起こします。そのような状態で筋力トレーニングやヨガ・ストレッチを行うと、頚椎・肘・膝・足首等の関節にも歪み・炎症を波及させ、痛みや石灰化を増長させてしまい、症状はなかなか改善しません。

腕を上げる動作を例にとると、胴体側面の肋骨部分とそれを覆う筋肉群が硬いまま腕を上げていると、胴体の側屈や伸展と連動できないため、肩関節や靭帯にダイレクトに負担をかけて損傷を招きます。

3
写真3: 左側屈では右脚加重
(右側屈は左脚体重)
4
写真4: 前に捩れた胸部を矯正するストレッチ
(右胸部が捩れている場合)
 

側屈では、左に曲げる場合そのまま左脚に体重をかけて伸ばしてしまっている動作をよく見受けられますが、逆の右脚に体重をかけて右側面をしっかり広げながら胴体を左に倒す動きが理想的です(写真3)。胸部が前に捩れる胴体の歪みがある場合、捩れた側の腕を壁につけて胸を開く伸展のストレッチが効果的です(写真4)。

この正しい側屈や胸部の伸展を普段から行って胴体の柔軟性を養いましょう。腕を上げる動作が胴体と連動して可動域が広がります。
(コラム119話をご参考に実践してみて下さい。
http://melmaga.toy-hoken.co.jp/karada/2012-09-20-1049.php)。

腿を上げる動作には骨盤部の屈曲と伸展が関わりますが、胴体がしなやかさに連動していないと、股関節に負担をかけてしまいます。

5
(写真5)腿上げ
6
(写真6)屈曲
7
(写真7)伸展(左骨盤)
 

胴体の屈曲と伸展の柔軟性が腿上げ動作に影響するため、普段から行いたいものです(写真6、7)。

エアロビクスや体幹トレーニングは胴体を直立的に固めて行うエクササイズなので、腰痛の引き金になりますし、前述のように、各関節部分の負担・損傷を増長させてしまうのです(詳しくはコラム143話をご参考に対処法もお試し下さい。
http://melmaga.toy-hoken.co.jp/karada/2014-09-20-1223.php)。

胴体の特性・柔軟性を考慮せずに行う運動は怪我を招きやすく、期待するほどの効果は得られないでしょう。

胴体に意識を向けないと、年齢を重ねるほどに姿勢不良を招き、身体の可動性はますます失われてしまうので、介護現場での体操やリハビリでも、胴体の連動・しなやかさを養うことに主眼を置くべきです。そうしないとリハビリの効率性に影響が出てしまいます。

次回は拮抗作用について解説していきます。

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超高齢化社会の到来 その2

2019年12月01日 | 学院長のコラム、ブログ

前回のコラムでは、主にアルツハイマー型認知症の特徴についてご説明しました。

三大認知症の他の血管性認知症とレビー小体型認知症の場合は、さらに意欲と身体機能の低下が見られることがあります。程度の差はありますが、いずれの場合もそれぞれの症状には似ている部分があり、常に不安感や不快感を抱いています。社会生活を維持できなくなり、社会とのつながりを失うと、さらに孤独や寂しさを感じやすくなります。

理解力・記憶力・認識力などが低下していく中で混乱が増し、時にはパニックになり、自己を保つことも困難になるでしょう。そのような状況でも、患者自身には自分の存在を認めてほしい、必要とされたいという承認欲求があります。そのように見受けられる方が身近にいたら、コミュニケーションを工夫して、承認欲求(自己重要感)を満たしてあげることが望ましいです。
例えば、

  • 相手の顔の正面から見て話す、
  • 否定せずに大きくうなずいたり、笑顔で受け答えをする、
  • 身振り手振りを交えた「身体性」を伴った態度で臨む、などです。

(この欲求は誰もが持っているものなので、認知症であるか否かに関わらず、このような対応が求められるでしょう。)

つまり、認知症の方の身体的状況・心理的変化を理解し、会話の中でも可能な限り身体性を伴いながら受け入れてあげる必要があるのです。

逆に、強く否定したり、萎縮するくらいの強い口調で指示し続けると、ますますパニックになり認知機能の低下を招く危険があります。

今ある脳の機能・身体機能をしっかり活用するためには、前述のコミュニケーションの工夫に加えて、地域や(行政のサービス(家族会や介護保険でのデイサービスなど)を活用することも大切です。そうすることによって、介護する側も、ストレスが軽減して、心身共に余裕ができるはずです。

このように、認知症の特徴や認知症を取り巻く制度を把握することが大事になってきます。そして、認知症予防に取り組むことも、認知症を理解することにつながるでしょう。
例えば、

  • 普段から姿勢を意識し、そのためのエクササイズを習慣にする。
    これは、脳の血流や神経が姿勢に影響を受けているからです。背中が丸まってしまうと、生理的な湾曲が失われて首が理想的な位置に収まらず、脊髄と脳神経、そして頸部の血管が詰まってしまいます。
【姿勢矯正エクササイズの例(30秒~60秒のストレッチ)】
1
腹筋を伸ばすストレッチで胴体のバランスを保つ
23
ストレッチポールを利用して背骨を伸ばし胸郭を広げる
4
大胸筋、肋骨を開く
5
肋骨を伸ばして姿勢を保つ
 
  • 水分摂取を意識的に行い、なるべく2リットル以上の水を摂りましょう。水分が不足すると血流不全になり、血管性認知症のリスクが高まります。血流がよければ、アルツハイマー型にみられる脳に蓄積される不要タンパク質が循環し、不要物は腎臓でろ過されます。認知症予防に水分は欠かせません。
  • 栄養管理を重視して、脳の神経物質の材料になる鉄分やタンパク質をしっかり摂取します。レバーや赤身肉、卵がおすすめです。動物性タンパク質が不足して低栄養状態になると、認知機能が低下して疾患リスクが高まります。また、甘いものの摂取が増えると、神経物質が糖化したり、冷えて血流不全になったり、快感物質ドーパミンの浪費を招きます。さらに血糖値の乱高下が起こりやすくなり(※下記ご参照)、虫歯のリスクが増えるため口腔機能の低下を招きやすくなり、咀嚼力を弱める原因になります。しっかりとした咀嚼は、脳の神経を刺激し血流を促進しますが、口腔機能の低下はその作用を妨げます。
  • 日光をしっかり浴びる。認知症の初期にはうつ症状が現れやすいといわれています。心を落ち着かせ不安感を解消するセロトニンは、日光を浴びることで分泌が促されます。セロトニンには自律神経を整える、姿勢を改善する、血流を促進するなどの作用があるので、予防には欠かせません。通勤しながら、というような「ながら」ではなく、浴びるためのだけの時間をしっかり確保します。深呼吸やストレッチ、ウオーキング等を行いながら日光を浴びると、よりセロトニンの分泌が促がされます。
    ◎アルコールは脳を萎縮させ、セロトニンやドーパミンの分泌力を弱めるので注意が必要です。

※ご参照 糖と認知症の関係は、知って得する身体の歪みバックナンバー第176話「糖が及ぼす身体への影響と対策その7」 http://melmaga.toy-hoken.co.jp/karada/2017-06-20-1561.php もご参照ください)

超高齢化社会を乗り切り、次世代も安心して暮らせる社会となるよう、これらの取り組みを是非習慣にして下さい。

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