川崎市・狛江市・世田谷区 静岡県牧之原市 整体スクール「日本徒手整体アカデミー」日本徒手整体施術院

東京・神奈川・静岡で整体師資格取得は「日本徒手整体アカデミー」。「巡心流整体術」は当校独自手技。講師によるブログ。

使用するテクニックについて

2007年06月15日 | 学院長のコラム、ブログ

アカデミーで主に習得するテクニックについての解説です。今回は筋膜リリースです。筋膜っていう日本訳が正確とはいえないとある解剖学書には書いてありました。この膜は必ずしも筋肉だけを覆っているわけではなく、そもそも筋肉自体が単体としては成立せず靭帯や腱と連なっているし、筋肉の起始、停止(始まりと終わり)もあってないようなもので、それらの軟部組織だけではなく直接関節や骨を覆っている組織も筋膜と元の構成組織は同様だからです。

膜というと皮膚のように薄っぺらいイメージがありますが本来は流動性があって水分とタンパク質を豊富に含んだイメージ以上の厚みのある強力な組織です。そいうこともあって筋膜っていう言葉がそもそも曖昧であるのだと思います。筋膜といわれるものに対する世間一般(医学界を含んでいる)に対する誤解があるからともいえます。

一度肉離れなど怪我をした後の筋肉はなかなかストレッチをしても元に戻らないだとか手術後、皮膚が引っ張られてその周辺の筋肉や関節に制限が顕著に出てしまったなどは解かり易い事例で、筋幕自体がきちんとゆるんでいないからです。甲状腺を手術された方が、首が一方を向けなくなってしまったという患者様も筋膜の解放によって可動性が戻りました。筋肉という組織自体を伸ばそうとしても限界があるからです。確かに筋肉も硬くなっていますがそれを覆う筋膜が形状をコーディネートしているようです。筋肉反射などを用いて維持的に骨格の歪みをとっても戻るのが早いのはそういう理由からです。個人的にはそういうテクニックと組み合わせれば良いのだと思います。

これは元来からあるオステオパシ-に組み込まれたテクニックで、リリースとは解放、解かす(溶かす)と訳されます。あまり大きな力は必要とされず皮膚以下筋肉以上の部位にあるので大きな面を捕まえたらそのまま大陸移動のごとくずらすとでもいいましょうか。ですから、一見ソフトなテクニックといえます。ただ、これは臨床上何度も目の当たりにしていますが、゛膜移動゛中「ピリピリする」「痛い」など穏やかではない刺激が感じられることも少なくありません。外見ほどソフトではなくかといって激痛ではない神経刺激が起こっているようです。

私見ですが結果として血液やリンパの流れを活性化するのはもちろん、東洋的エナジー経絡を開き刺激を加えている一助になっているのだと思います。更に骨盤の捩れや胸郭の厚さ、肩や首の前後左右の位置、肋骨の形状も変化させることから改めて筋肉ではなく筋膜が身体のバランスをコーディネートしているのがよくわかります。頭から指の先まで全身を覆っているので、顔や四肢、胴体をくまなくアプローチできます。

キネシオテープと同じような効果も得られると思います。皮膚下の神経伝達物質の滞りを流すことが可能だからです。注射で薬を打たれ、その副作用で上肢が刺さるように数箇所痛いといった訴えに対し、上肢のリリースを行なったところそれっきり痛みがなくなったという症例もありました。゛痛み゛という現象に対して改めて考えさせられました。

当校では筋膜リリースの基本と応用を習得するカリキュラムも含まれています。

佐々木