船越 英二(ふなこし えいじ、本名・船越 榮二郎、1923年(大正12年)3月17日 - 2007年(平成19年)3月17日)は、日本の俳優。兄は俳優の三島謙(本名・船越榮太郎)。長男は同じく俳優の船越英一郎。夫人は俳優・長谷川一夫の姪であり、元女優の長谷川裕見子。人気ドラマ『暴れん坊将軍』では逝去した有島一郎の後を継ぎ、2代目御側御用取次・田之倉孫兵衛役を演じたことでも知られている。
来歴・人物
東京都出身。専修大学経済学部卒業。1947年(昭和22年)、大映第2期ニューフェイス募集に合格。同年、大映に入社し、映画『第二の抱擁』で折原啓子(三上博史の叔母、篠塚和典の岳母)の恋人役でデビュー。以降、大映の看板俳優として、美男のルックスを活かした二枚目役をはじめ社会派・コメディー・スリラー・ラブストーリー・ホームドラマ・SF・文芸作品・時代劇など幅広い様々な役柄をこなす手堅い演技派として大活躍。数々の名作映画に主演で出演した。『和製マルチェロ・マストロヤンニ』とも云われている。1971年(昭和46年)の大映倒産後は、主にテレビドラマで活躍。また1965年(昭和40年)、神奈川県湯河原町に会員制の旅館を創業、娘とともに経営にあたっていたが、84歳の誕生日を迎えた2007年(平成19年)3月17日、脳梗塞により死去。
受章・受賞歴
1959年(昭和34年) - 映画『野火』
第33回キネマ旬報賞 主演男優賞
第14回毎日映画コンクール 主演男優賞
1962年(昭和37年) - 映画『私は二歳』&映画『破戒』
NHK 助演男優賞
1989年(平成元年) - 紫綬褒章
1995年(平成7年) - 勲四等旭日小綬章
1996年(平成8年) - 第6回日本映画批評家大賞 ゴールデン・グローリー賞
出演作品
映画
『第二の抱擁』 (1947年)
『いつの日か花咲かん』 (1947年)
『美しき豹(女の家)』 (1948年)
『三面鏡の恐怖』 (1948年。 ※ビデオ化)
『死美人事件』 (1948年)
『幽霊塔』 (1948年。 ※ビデオ化)
『愛染草』 (1949年)
『母燈台』 (1949年)
『大都会の丑満時』 (1949年)
『どぶろくの辰』 (監督:田坂具隆。1949年。 ※ビデオ化)
『私は狙われている』 (1950年)
『暴力の街』 (監督:山本薩夫。キネマ旬報ベストテン第8位。1950年。 ※DVD発売)
『霧の夜の恐怖』 (1951年)
『毒蛇島綺談 女王蜂』 (1952年。 ※ビデオ化)
『安宅家の人々』 (1952年。 ※ビデオ化)
『巣鴨の母』 (1952年)
『秘密』 (1952年)
『母山彦』 (1952年)
『彼女の特ダネ 総理大臣と女カメラマン』 (1952年)
『新婚のろけ節』 (1953年)
『現代処女』 (1953年)
『トコ春じゃもの』 (1953年)
『歌う女剣劇』 (1953年)
『胡椒息子』 (1953年)
『新・江ノ島悲歌』 (1953年)
『あにいもうと』 (監督:成瀬巳喜男。キネマ旬報ベストテン第5位。1953年。 ※DVD発売)
『続続十代の性典』 (1953年)
『紅椿』 (1953年)
『母の湖』 (1953年)
『十代の誘惑』 (1953年)
『五ツ木の子守唄』 (1954年。 ※ビデオ化)
『或る女』 (監督:豊田四郎。1954年。 ※ビデオ化)
『金色夜叉』 (1954年。初のカラー映画出演。 ※ビデオ化)
『心の日月』 (1954年)
『愛染かつら』 (1954年)
『こんな別嬪見たことない』 (1954年)
『こんな美男子見たことない』 (1954年)
『こんなアベック見たことない』 (1954年)
『こんな奥様見たことない』 (1954年)
『荒城の月』 (1954年)
『月よりの使者』 (1954年。 ※ビデオ化)
『春琴物語』 (1954年。 ※ビデオ化)
『春の渦巻』 (1954年)
『こういう具合にしやしゃんせ 恋の野球拳』 (1955年)
『螢の光』 (1955年)
『泣き笑い地獄極楽』 (1955年)
『幸福を配達する娘』 (1955年)
『薔薇いくたびか』 (1955年。 ※ビデオ化)
『東京暴力団』 (1955年)
『母笛子笛』 (1955年)
『哀しき富士の白雪よ』 (1955年)
『新女性問答』 (1955年)
『七人の兄いもうと』 (1955年)
『五十円横町』 (1955年)
『珠はくだけず』 (1955年)
『花嫁のため息』 (1956年)
『虹いくたび』 (1956年)
『東京犯罪地図』 (1956年)
『浅草の灯』 (1956年)
『現金の寝ごと』 (1956年)
『日本橋』 (監督:市川崑。1956年。 ※DVD発売)
『人情馬鹿』 (1956年)
『火花』 (1956年)
『屋根裏の女たち』 (1956年)
『魔の花嫁衣裳 前後篇』 (1956年)
『四十八歳の抵抗』 (監督:吉村公三郎。1956年)
『新・平家物語 静と義経』 (1956年)
『あさ潮ゆう潮』 (1956年)
『スタジオは大騒ぎ』 (1956年)
『惚れるな弥ン八』 (1956年)
『スタジオはてんやわんや』 (1957年。 ※ビデオ化)
『踊子』 (1957年)
『朝の口笛』 (1957年)
『満員電車』 (監督:市川崑。1957年。 ※DVD発売)
『永すぎた春』 (原作:三島由紀夫。1957年。 ※DVD発売)
『妻こそわが命』 (1957年)
『夜の蝶』 (監督:吉村公三郎。1957年。 ※2007年4月、DVD発売予定)
『穴』 (監督:市川崑。1957年。 ※DVD発売)
『駐在所日記』 (1957年)
『暖流』 (監督:増村保造。1957年)
『敵中横断三百里 日露戦争勝利の秘史』 (脚本:黒澤明。1957年。 ※DVD発売)
『新婚七つの楽しみ』 (1958年)
『悲しみは女だけに』 (監督:新藤兼人。1958年)
『母』 (1958年)
『忠臣蔵』 (1958年。 ※DVD発売)
『東京の瞳』 (1958年)
『南氏大いに惑う』 (1958年)
『素っ裸の青春』 (1958年)
『不敵な男』 (監督:増村保造。1958年)
『大阪の女』 (1958年)
『娘の冒険』 (1958年)
『赤線の灯は消えず』 (1958年。 ※ビデオ化)
『おーい中村君』 (1958年。 ※ビデオ化)
『夜の素顔』 (監督:吉村公三郎。1958年。 ※ビデオ化)
『共犯者』 (1958年)
『親不孝通り』 (監督:増村保造。1958年)
『銭形平次捕物控 雪女の足跡』 (1958年。 ※ビデオ化)
『あなたと私の合言葉 さようなら、今日は』 (監督:市川崑。1959年。 ※DVD発売)
『最高殊勲夫人』 (監督:増村保造。1959年。 ※DVD発売)
『情炎』 (1959年)
『細雪』 (1959年。2度目の映画化。 ※ビデオ化)
『夜の闘魚』 (1959年)
『次郎長富士』 (1959年。 ※DVD発売)
『氾濫』 (監督:増村保造。1959年。 ※DVD発売)
『私の選んだ人』 (1959年)
『旅情』 (1959年。ハワイロケが行われた)
『電話は夕方に鳴る』 (監督:吉村公三郎。1959年)
『野火』 (監督:市川崑。キネマ旬報ベストテン第2位。1959年。 ※DVD発売)
『セクシー・サイン 好き好き好き』 (1960年)
『女経』 (オムニバス映画で、市川崑監督の第2話「物を高く売りつける女」に出演。1960年。 ※ビデオ化)
『流転の王妃』 (監督:田中絹代。1960年。 ※ビデオ化)
『からっ風野郎』 (共演:三島由紀夫。監督:増村保造。1960年。 ※DVD発売)
『ぼんち』 (原作:山崎豊子。監督:市川崑。1960年。 ※DVD発売)
『痴人の愛』 (1960年)
『女妖』 (1960年)
『勝利と敗北』 (1960年)
『夜は嘘つき』 (1960年)
『足にさわった女』 (監督:増村保造。1960年。 ※ビデオ化)
『顔』 (1960年)
『偽大学生』 (監督:増村保造。1960年)
『時の氏神 新夫婦読本』 (1960年)
『お伝地獄』 (1960年)
『婚期』 (監督:吉村公三郎。1961年。 ※2007年4月、DVD発売予定)
『新夫婦読本 恋愛病患者』 (1961年)
『好色一代男』 (監督:増村保造。1961年。 ※DVD発売)
『黒い十人の女』 (監督:市川崑。キネマ旬報ベストテン第10位。1961年。 ※DVD発売)
『夜はいじわる』 (1961年)
『女の勲章』 (原作:山崎豊子。監督:吉村公三郎。1961年。 ※DVD発売)
『怪談蚊喰鳥』 (1961年。 ※ビデオ化)
『雑婚時代』 (1961年)
『小太刀を使う女』 (1961年)
『銭形平次捕物控 美人鮫』 (1961年。 ※ビデオ化)
『若い奴らの階段』 (1961年)
『家庭の事情』 (監督:吉村公三郎。1962年)
『ある関係』 (1962年)
『婦系図』 (1962年。 ※ビデオ化)
『爛』 (監督:増村保造。1962年。 ※ビデオ化)
『江梨子』 (1962年。 ※ビデオ化)
『宝石泥棒』 (1962年)
『破戒』 (監督:市川崑。キネマ旬報ベストテン第4位。1962年。 ※DVD発売)
『黒の試走車』 (監督:増村保造。1962年。 ※DVD発売)
『男と女の世の中』 (1962年)
『私は二歳』 (監督:市川崑。キネマ旬報ベストテン第1位。1962年。 ※DVD発売)
『しとやかな獣』 (監督:川島雄三。キネマ旬報ベストテン第6位。1963年。 ※DVD発売)
『雪之丞変化』 (監督:市川崑。1963年。 ※DVD発売)
『嘘』 (オムニバス映画で、第三話「3女体」に出演。1963年)
『赤い水』 (監督:山本薩夫。1963年。 ※ビデオ化)
『雑兵物語』 (1963年。 ※ビデオ化)
『停年退職』 (1963年)
『巨人大隈重信』 (1963年)
『末は博士か大臣か』 (1963年)
『現代インチキ物語 騙し屋』 (監督:増村保造。1964年)
『現代インチキ物語 ど狸』 (1964年)
『傷だらけの山河』 (監督:山本薩夫。キネマ旬報ベストテン第7位。1964年。 ※ビデオ化)
『ど根性物語 銭の踊り』 (監督:市川崑。1964年。 ※DVD発売)
『卍』 (監督:増村保造。1964年。 ※DVD発売)
『青い性』 (1964年)
『検事霧島三郎』 (1964年)
『黒の超特急』 (監督:増村保造。1964年。 ※DVD発売)
『十七才は一度だけ』 (1964年)
『帯をとく夏子』 (1965年)
『六人の女を殺した男』 (1965年)
『花実のない森』 (1965年)
『妻の日の愛のかたみに』 (1965年)
『大怪獣ガメラ』 (1965年。 ※DVD発売)
『氷点』 (監督:山本薩夫。1966年。 ※DVD発売)
『私は負けない』 (1966年)
『白い巨塔』 (菊川昇役。原作:山崎豊子。監督:山本薩夫。キネマ旬報ベストテン第1位。1966年。 ※DVD発売)
『小さい逃亡者』 (日本&旧ソ連合作映画。1966年)
『夜の罠』 (1967年)
『ラーメン大使』 (1967年。 ※ビデオ化)
『毒薬の匂う女』 (1967年)
『砂糖菓子が壊れるとき』 (監督:今井正。脚本:橋田壽賀子。1967年)
『古都憂愁 姉いもうと』 (1967年)
『あるセックス・ドクターの記録』 (1968年)
『陸軍中野学校 開戦前夜』 (1968年。 ※DVD発売)
『怪談おとし穴』 (1968年)
『新・与太郎戦記』 (1969年。 ※ビデオ化)
『盲獣』 (監督:増村保造。1969年。 ※DVD発売)
『女賭博師十番勝負』 (1969年。 ※ビデオ化)
『女賭博師花の切り札』 (1969年)
『ガメラ対大悪獣ギロン』 (1969年。 ※DVD発売)
『千羽鶴』 (原作:川端康成。監督:増村保造。1969年。 ※ビデオ化)
『男はつらいよ 寅次郎相合い傘』 (監督:山田洋次。キネマ旬報ベストテン第5位。共演:渥美清、浅丘ルリ子。シリーズ第15作。1975年。 ※DVD発売)
『青年の樹』 (1977年)
テレビドラマ
時間ですよ(1970年(昭和45年) - 1973年(昭和48年))
雲のじゅうたん(1976年(昭和51年))
人はそれをスキャンダルという (1978年(昭和53年))
熱中時代(1978年(昭和53年) - 1979年(昭和54年))
若草学園物語(1983年(昭和58年))
暴れん坊将軍IIIシリーズ~VIIシリーズ 2代目御側御用取次・田之倉孫兵衛役(1988年(昭和63年) - 1997年(平成9年))
NHK大河ドラマ『信長』(1992年(平成4年))
美味しんぼ4 究極vs至高 心の対決!(1997年(平成9年))
隠密奉行朝比奈(1998年(平成10年) - 1999年(平成11年))
その他のテレビ番組
3時にあいましょう(※司会。TBS)
CM
ワイパアエースゾル
ポリデント
僕にとっては、テレビドラマ『時間ですよ』の銭湯の番台に座っていたイメージが強い。こんなにもたくさんの映画に出られていたとは・・・。息子さんは今や、ドラマで大活躍。お父さんに似てきたなぁ~