映画「ナルニア国物語・第1章」を観た。以前、一緒にお仕事させて頂いたディレクターからも、「とっても面白かった!」というメールがあり、妻も子供達と観に行って、「最初から泣いてしまった」という情報を仕入れたからである。
「ハリー・ホッター」とか「ロード・オブ・ザ・リング」とかに全く興味の無い僕なので、二人の「お奨め」がなかったら、観に行かなかったと思う。
先月、楽しみにして観に行った「ホテル・ルワンダ」で、「王将」で大食いした後、上映が始まる瞬間に熟睡してしまい、前の列のお客さんから、足を叩かれ、恥ずかしい思いをしただけに、今日は昼飯は映画の後にし、空腹で万全の状態で映画館に入った。何故、昼観に行けたかというと、「代休」だったから。
「新宿ピカデリー1」の13:00からの回は流石に空いていた。子供達が観るのは、「吹替版」の方なのだろう。上映時間は2時間半。
退屈はしなかった。もちろん、一瞬たりとも寝る事なく、最後まで観た。僕の嗜好には合わない映画だと思った。少し、ネタバレになるが、要するに、第二次大戦でロンドンから田舎の一軒家に疎開した4人の兄弟姉妹が、二階の部屋にある「大きな洋服ダンス」の中を通って、「ナルニア国」に行き、「悪役」の「雪の女王」と戦うというストーリー。最初に、「タンスの入口」を発見する次女のキャラはしっかり描かれていたが、あとの3人の兄弟のキャラの存在感は薄く、元の「ナルニア国」に住んでいた「良い人達」を取りまとめているライオン、そして「悪」である「雪の女王」の対立軸がはっきりしていなかった様に思った。
かつての「猿の惑星」の様に、チャールトン・ヘストン扮する主人公が「猿の惑星」に着いたら、そこは完全に猿の社会になっていて、人間は奴隷の様に扱われていた・・・という様な「良い人達」が「雪の女王」に苛められているシチュエーションが映像的に無いと、台詞で説明されても、「善と悪の戦い」の意味合いが分かりづらく、結果として、誰に感情移入して観ればいいのか、分からない。
それと、敵・味方、大軍団での戦いのシーンがあるのだが、カメラワーク含め、CGで作ったんだなと分かってしまうので、僕の気持ちは「ひいて」しまった。50年以上前に作られた「ベン・ハー」の様に、実際に何千人のエキストラで撮影していれば、そんな事は考えないのだろう。しかし、今の世の中、CGが当たり前になっているので、全くシーンとしては、CGを使って合成したとは見えない程、完成度は高いが、僕の気持ちは高揚しなかった。
「ALLWAYS 三丁目の夕日」の様に、さりげなく使うか、「ポーラ・エクスプレス」の様に、もっと「ファンタジー色」を強く出して、観客を「夢の世界」に導き、CGで遊ぶか、どっちかだと思う。
帰宅したら、妻が玄関で待っていて、
「面白かったでしょ!!!!!」と言われ、しどろもどろになってしまった。上記の様な事を逐一説明したのだが、納得はしていない様な感じ。うちの子供達は「面白かった」と言っていたので、子供目線で、あの兄弟姉妹に感情移入してしまえば、「ナルニア国」に僕も入れたかもしれない。