身体的な活動は、アルツハイマー病の危険がある人々の海馬を健康に保つ
中程度の身体的な活動は海馬を保護するかもしれないことを、アルツハイマー疾患の危険が高い高齢成人の研究は示す。
海馬は、アルツハイマー病で最初に攻撃される記憶と空間定位の原因である脳領域である。
J.カーソン・スミス博士(研究を実施したメリーランド公衆衛生大学の運動学研究者)は、アルツハイマー病が増加する遺伝子のリスクのある人々は、時間とともに、より海馬の大きな萎縮を全体的に示すと言う。
「より良いニュースとして、身体的な活動は、アルツハイマー病の遺伝子のリスクと関連した神経変性から保護するかもしれないということである」、スミス博士が示唆する。
スミス博士と同僚は、年齢65-89の健康で正常な認識能力がある高齢成人の4つのグループを追跡した。追跡期間は18ヵ月以上で、その始めと終わりに海馬の量をMRIで計量した。
グループは、アルツハイマーのリスクの高いか低いか(アポリポ蛋白Eイプシロン4対立遺伝子の有る無しに基礎をおいた)、そして、身体的な活動レベルで分類された。
調査された全4つのグループのうち、運動しなかったアルツハイマーの高い遺伝子のリスクの人々だけは、18ヵ月間以上で、海馬の量の減少(3%)を経験した。
しかし、身体的に活動的だった他の全てのグループは、その海馬量を維持した。
学術誌参照:
1.身体的な活動は、アルツハイマー病の遺伝子のリスクがある高齢者で、海馬の萎縮を低下させる。
Frontiers in Aging Neuroscience、2014;
http://www.sciencedaily.com/releases/2014/04/140423102746.htm
<コメント>
遺伝的にアルツハイマーのリスクが高い人は、運動しないと1年半で3パーセントも海馬が萎縮するという研究です。
関連記事には、皮膚癌の人はアルツハイマーになりにくいという研究があります。
http://www.sciencedaily.com/releases/2013/05/130515163918.htm
外出が多ければ紫外線によく当たるので、皮膚癌にはなりやすく、そして外出では体を動かすのでアルツハイマーになりにくいのだろう、と考えるのが普通です。
しかし、記事の内容は「アルツハイマーの人は皮膚癌になりにくい(メラノーマは除く)」というものです。
なぜメラノーマだけ除外なんでしょう?
アルツハイマーではありませんが、「パーキンソン病の人は(特に喫煙に関連する)癌になりにくいが、メラノーマには2倍なりやすい」という記事もあります。
http://www.sciencedaily.com/releases/2011/06/110606161021.htm
別の記事では「パーキンソン病の人はメラノーマと前立腺癌になりやすい」とあります。
http://www.sciencedaily.com/releases/2011/04/110406161035.htm
神経変性疾患と癌の関連は、一筋縄ではいかないようです。