S.Boy blog

いかに生きるか いかに撮るか

世界の路面電車 ピエブックス

2011-08-05 | 写真の本


路面電車が好きである。なぜなら街の中を走るから。街の生活の延長線上にある、それでいてちょっと特別な空間。市内電車に乗って街を眺める旅に出たいな。
ヨーロッパの素敵な町並みをバックに走る路面電車の写真を中心に、北米、ロシア、香港なども含まれるが、欧州中心なのは路面電車がLRTとして発達しているのと、街が絵になるからだろう。168点の写真から構成されている。1890円。


ポルトガル


ローマ


Canon Photo Annual 2011

2011-08-03 | 写真の本


先週、キャノンフォトアニュアル2011年版が届いた。
キヤノンフォトサークルに入会していると、毎年7月にこの写真年鑑が届く。
私はニコンとキヤノンの2つの年鑑を毎年見ているけれど、正直キヤノンの方は商業意識が過剰に前に出ているように思えて、全体的な写真の質としてはニコンの後塵を拝していると感じていた。
今年からキヤノン年鑑は中身が変わり、サークル会員の招待作品ページが新設された。サークル誌のコンテストで優秀な成績を収めた作家に声がかかるようだ。こういうページは、アマチュア写真家としては作品づくりにも気合いが入るというもの。私も掲載されるのをめざして腕を磨こうと思う。

なお、この会員の招待作品ページには、写団くろねこからは高橋さんと西田さんの作品が掲載されています。



プロの招待作品。熊切圭介先生、いい写真を撮られます。今回号ではいちばん好きな写真。


サークル会員の招待作品ページ


柴田秀一郎写真集『バス停留所』

2010-10-10 | 写真の本





バス停のある風景を撮ったモノクロ写真集。
海のそばのバス停、山の中のバス停、ユニークな形をした待合所のあるバス停など、日本全国のバス停を撮った写真集。作者の柴田さんはサラリーマンの傍ら、アマチュア写真家として作家活動をされているようだ。
スナップ的アプローチの写真がいい。テーマからすると単調になりがちな素材をこれだけ料理できるのは、とてもすばらしいと思った。やはり、テーマを持って取り組むということは強い。そして継続は力なということを教えられる。
とくにアマチュア写真家として作品づくりをしていく上でとても参考になると思う。テーマとしての切り口も脱帽ものです。

リトルモア 2010年

荒木経惟 実をいうと私は、写真を信じています

2010-03-30 | 写真の本
アラーキー氏が1970年頃から2000年代初頭まで、雑誌や写真集に書いたエッセイのセレクト集。やはり奥さんの陽子夫人が亡くなるところは胸が熱くなる。氏の日常から想像する人間像とのギャップが大きいからだろうか。
氏はかねがね、写真はセンチメンタリズムであるべきだとおっしゃっているが、その考えに激しく同意する。
この本の後半に、土門拳の名作「筑豊のこどもたち」についての記述がある。若干色眼鏡で見れば批判ともとれる内容を書けるのは、さすがアラーキー氏という感じがするが、そこにある深い写真論が印象に残った。

- 彼は小難しいリアリズム論をやってるけど、なにも考えないで撮ってるこの気楽な世界に一番それがある。写真の魅力や力ってこういうもんだよ。

もちろん、ここに至るまでの話があるのだが、それは本書に任せることにする。さりげなくこういうことを言える、書けるアラーキー氏は、ほんとにすごい人だと思う。

¥ 1,680 日本図書センター (2010/1/30)

たのしい写真 ホンマタカシ

2010-02-11 | 写真の本
ブレッソンの決定的瞬間と、それに対峙するニューカラーと呼ばれるタイプの写真を題材に比較しながら写真の解説を試みる内容は丁寧で、なるほどと思って読み進めていたらカラー口絵を越えた後半は内容ががらりと変わる。

ほとんど私小説にような内容に読み手はとまどう。ラストのロングインタビューが内容的につながらないように思えるのだけど、自分の理解力不足か?
 
写真の理論武装を期待して買い2回読んだのだけれど、どうもいまいちしっくりこない。
「写真論ってこんなもんか」と、今回もまた同じような感想。

平凡社(2009.6)

漸進快楽写真家 金村 修 (著)

2009-12-05 | 写真の本
独特な写真批評の金村修氏の写真論。
少し突き放した写真にたいする考え方は新鮮。元ロッカーというわけではないだろうけど、少々ぶっ飛んでいる写真論については、こういう写真へのアプローチもアリ、なんだと思う。アーティストとはこういう人のことを言うのだろう。
少なくとも、ちゃらちゃらしたカメラインプレッションを書いてるカメラマンよりは真摯に写真に向き合っている人だと思う。


写真空間1 特集 「写真家」とは誰か

2009-11-15 | 写真の本
写真の勉強をしようと思って買ったのだが、高尚な芸術論でワタシ程度の国語力では何が書いてあるのかサッパリわからん。いわゆるゲージュツ書によくある文章。
本格的に作家を目指す方、芸大の学生さんなどはがんばって理解することをオススメします。
一般の方にはちょっと敷居が高いような。

青弓社 2008年3月 2000円

チョートク先生の「カメラは知的な遊びなのだ」

2009-10-15 | 写真の本
街撮り歩きの途中で買った、田中長徳氏の本。
ライカの話もあるがコテコテのカメラ趣味の本ではなく、写真との向き合い方にヒントとなる。
口語調で読みやすい。
ワタシのように時として作品づくりのために写真観が凝り固まってしまった人間にはいい処方箋になるような気がする。
もっと頭をやわらかくして撮ることが大事だな、と。

アスキー新書(2008)



世界を変えた100日

2009-10-01 | 写真の本
ショッキングな写真に、人間の愚かさを感じる。とくに1900年代前半の戦争時代のページは心が痛む。でも、ある程度大人になったら知っておくべきなんだろうなと。
世界史をあらためて見直すことができたのは、歴史音痴の自分にとってはとてもよかった。
報道写真で構成されている、濃い内容の1冊。

ナショナルジオグラフィック 2940円

森山大道 大阪+

2009-05-11 | 写真の本



森山大道のモノクロ写真集。A6判(タテ149ミリ×ヨコ110ミリ×ツカ35ミリ)なのでカバンにつっこんで、撮影の合間に眺めるのもいい。でもちょっと分厚いか。でも、480ページのこのボリュームで1810円は買い得だと思う。



私が感じる森山氏の写真のいいところは、誤解を恐れずに言うと1枚1枚に意味が意味がないこと。意匠が押し殺されていて、都市映像が淡々と羅列している。そこに、人間の体臭というか、息づかいというか、そんなものがじんわり伝わってくること。
基本的に文章はなし。モノクロームの都市をじっくり味わうべし。

刊行年月: 2007.6
月曜社


GRD2で撮りながら『森山大道 写真を語る』を買う

2009-04-18 | 写真の本


会社を出て「今日は早く家に帰るぞ」と思いながら、逆方向の心斎橋方面へ歩いてしまう私。その気はなかったのだが、結局GR DIGITAL II片手にアメリカ村を撮る。これかGX200が常時カバンに入っている。

そして偶然見つけた本屋、スタンダードブックストア@心斎橋。写真関係の書籍が充実している。実はアセンスを探していて見つからず、あきらめて帰りかけたときに見つけた店。地下にはカフェがあって、ここで本を読んで確認してから買うこともできるらしい。次回はぜひカフェに寄ってみよう。


ネットカフェはベツモノ。本を読むそのカフェはこの右に地下へ降りる階段がある。


ブックカバーもセンスがいい。



しかし、このあたりはよく撮り歩いているのだが気がつかなかった。店員さんに最近できたのか聞いてみたら、2年ぐらい前にオープンしたとのこと。これからここに写真関係の本を買いに来ることが多くなりそうだ。




ところで、買ったのがこの本。『森山大道 写真を語る』(青弓社)。今年2009年3月に出たばかりの本。森山氏の過去のインタビュー、対談を集めたもの。帰りの電車で少し読んでみたが、写真と向き合うにあたり参考になりそうなことがたくさん書かれていそう。
「写真はしょせんコピー」と言い切る氏の発想は目から鱗であった。

フォトグラフノート No.1

2008-05-17 | 写真の本
新しい写真雑誌。カメラ中心ではなく、写真または作家活動という視点で作られているのがいい。第1号ということで、少し散漫な印象はあるが、コンセプトはこのままで発展してほしいと思う。ただ、発行間隔が不明なのと価格が高いのが難点。

誠文堂新光社(2008/2)
定価1,680円(本体1,600円)




PHaT PHOTO 2008年5月号増刊「うまくいく写真展のヒント」

2008-05-10 | 写真の本




大阪・船場界隈をはじめとして、小さなギャラリーが続々オープンしている。そんなギャラリーをまわっていると、自分も個展を開催したくなってくる。その参考になればと買った本。PHaT PHOTO といえば女性向けのイメージだが、この増刊号は男性でも個展を考えている人には参考になると思う。

新世代写真術―世界を拓くフォトグラファー

2008-05-10 | 写真の本
撮影の技術を解説しているのではなく、写真への取り組み姿勢、考え方といったものを解説した本。芸大の教科書ってこんな内容なのかな、と思った。題名のとおり、カメラマンではなく、フォトグラファーのための本。私はこういう本が欲しかった。何度も読み返して勉強中。写真をアートとして捉え活動されている方におすすめ。

新世代写真術―世界を拓くフォトグラファー
犬伏 雅一 (編集), 森川 潔 (編集), 西尾 俊一 (編集)
フィルムアート社 (2007/11/30)  価格: ¥ 1,785 (税込)