Mitchell Froom / A Thousand Days
(JAZZ/AMBIENT)
評価:★★★★★
細君でもあるスザンヌ・ヴェガやロス・ロボスなどのプロデュースで知られるミッチェル・フルームによるピアノソロ作品。表題や「1965」といった曲名が示すように、過ぎ去りし愛と喪失の日々をしずかに回想する極私的な掌篇集とのことでドイツのみでひっそりリリースされていたらしいのですが、知る人ぞ知る名盤的にチラオホラと見聞きするのでずっと気になってた作品。
便宜上JAZZにカテゴライズしたがいわゆるJAZZピアノものではなく、どちらかとゆうと環境音楽っぽいけど決してアンビエントにはなっていないギリギリの境界線を彷徨う独特の世界観。その立ち位置なんかからもゴンザレスの名作「ピアノソロ」を連想する人も多いかもしれません。
美しい旋律で構成された1曲2~3分程度の小品集。非常に内省的なのだがロマンチック過ぎず適度な温度感。まさしく冷静と情熱の間というところ。
ピアノ以外には微細な音響的なSEが鳴っているだけなのだが、「あっ」と思わせられるフレーズに満ちていて、とても映像喚起的でもあり、聴く人によって思い浮かべる情景も異なるのであろう。そう言った意味では都会の雑踏の中i-podで道をずんずん歩くための友にもなり得るが、やはり家の生音の良さを引き出すオーディオで聴くと最高。
「何かいいCD無い?」とたずねてこれを薦めてきたら、間違いなく僕は惚れますね。
ア・サウザンド・デイズ
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます