好き嫌いのはっきりした気の強い人であった。
その人の前では萎縮して思うことの半分も言えず、それどころか
緊張のあまり思わぬ言葉が口をついて出てしまい、ひどく落ち
込んだりした。
顔色を伺いながらの会話は苦痛であった。
ある日、ふとその人の噂が耳に入った。 同じ思いを抱いて
いる人が他にもいるのだと知り、いくらかホットした。
出来ることなら遠ざかっていたい。
幸い今は会う機会がなく、平穏な日々を過ごしているけれど、
どこかでバッタリ遭遇するようなことがあったならば、その時
はあっさりと、さりげなくいこう。
鈍感力が必要かも。