朝6時、板 (はん) が打ち鳴らされて座禅が始まる。
時折しわぶきと、かすかに衣擦れの音。
座禅堂の中を静かに、ゆったりと時間が流れて行く。
わたしにとっては最も好きなひとときである。
堂長さんの今朝の法話は 観音経 の中の一節 「慧日破諸闇」
について。
また 「観世音とは御身自身なり」 とも。
「横田先生と、うず坂の石」 のお話には深く感動した。
今朝は座禅の最中に、主人が会社を興した当時から、閉鎖した
昨日までのさまざまな場面が脳裏を駆け巡り、あっという間に
終了時刻になってしまった。
去来する想いは如何ともし難く、今日はそのことのみに終始。
浮かんでは消え、消えては浮かぶ雑念とは大きな違いであった。
今日から毎日が日曜日となる主人。
長い間の緊張から解き放たれて自由になったのだから、好きな
ことを、好きな時にやってくれれば それが一番、と思う。
わたしは、昨日に続く今日である。 今まで通りに中国語講座、
ビーズのアクセサリー作り、読書その他。
遠方に住む息子夫婦から、「長い間お疲れさまだったね、有難うね」
との言葉をもらって、主人の喜びはどれほどだったか。
息子も嫁も大層優しい。 わたしたちは感謝の日々である。
毎日曜日、健康で夫婦共々座禅に参加出来ることも感謝である。