「○○番から電話です!」
はて、これは誰から? 一瞬考える。
ベルが鳴ると同時に知らせてくれる電話番号。 これもちょっと
ヨシワルシ かな。
非通知からです、 というのは無視。 出ないことにしている
が、番号を告げられても、記憶しているのはごく一部の人のもので、
あとはさっぱり解らないのである。
それで 「ん、誰から?」 と思いながら受話器を取る。
「××でございます」 信用出来ないような、紛らわしい電話が
多い昨今、 名乗るのをやめた方がよいのでは、 と思いつつ
それでも、すぐに口をついて出てしまい、 シマッタ!
今日、続けざまに勧誘 (何かの) の電話が2回。
元気に明るく、いつもの口調。 「××でございます」
ああ、 名乗らなければよかった!
今また電話。
今度は構えて受話器を取り、少々無愛想に 「はい」 と出たら
何と、本屋さんから先日注文した本が入ったという知らせ。
うわァ、 やっぱりいつも通りに自然体でいかなければ。
電話は顔が見えないのだから。
電話番号を聞きながら一瞬、 誰? と戸惑うけれど、 もう気に
しない、気にしない。
「はい××でございます」 明るく、さわやかに。