「近頃○ちゃんの様子が・・・・・・」
と耳にして愕いた。
彼女は幼い頃から控え目だった。
積極的に自分から思いを口にすることが少なく、それはこの齢に
なっても変わっていない。
そんな彼女のためにわたしたちはなるべく会う機会を多くしよう、
と話し合ったのだった。
集いは愉しい。
「○ちゃんどう思う?」
折々彼女に意見を求めたりして話に花が咲く。
○ちゃんの表情にわたしたちはホッとしたけれど、このまま気を
確かに持ち続けていてほしい。
「みんな声を掛け合いながら足並み揃えて年取って行こうよ。
それで最後はPPKで逝きたいね。 ぴんぴんころり だよ」
「毎日が日曜日だし、まあコーヒー飲むくらいのお金はあるからさ、
出来るだけ会おうね」
思いはみんな同じ。
老いるのは 哀しい。