ごはん、大好き

　前に書いたこともあるが、ご飯が好きだ。最近、特にそれを感じる。朝早起きしているので、朝食も十分な食欲で摂る。パンは食べない。やはりご飯である。
　何にでもあう自在性。独特なやわらかな食感。味噌汁をはじめとして、いろいろなおかずに合う、不思議な主食だ。
　何度も奥歯で噛みしめるていると、やさしい甘みが出てくる。そうして、何度もご飯を噛んでいると、なんだか、幸せを噛みしめているような気になってくる。

　あぐあぐ、ああ、おいしいな。
　あぐあぐ、ご飯はいいなあ。
　あぐあぐ、今日もご飯が食べられて、なんと幸せなのだろう。
　あぐあぐ、ああ、幸せだなあ。

　こうして、普通にご飯が食べられる幸せ、これをもっと味わおう。普通のことだからこそ、それに幸せを感じる意味があると思う。
　普通のこと、それが本当は普通ではなく、たいへんな偶然の所産であり、億万分の一の僥倖であり、真の意味での「有り難し」であると気づいた時に、安定した「幸せ」の心がうまれるのだと最近確信している。
　おお、宗教だ宗教だ。
　ちがう、人間として当たり前の感謝の心であると、私は思う。