なつみかんの木々を見上げて

野草大好きなつみかんです。
植物園や身近な場所の植物を紹介します。

森の京都で初夏の草花~ミゾホオズキ・ミズタビラコなど

2023-06-09 05:37:59 | 植物

知る人ぞ知る森の京都の渓流沿いでこの時期見られる花の主役はもちろんベニバナヤマシャクヤクとクリンソウ。
でもそぞろ歩いていると、他にも小さい花たちの姿が色々。
こまめに写真を撮っていたら結構あったので、森の京都最終回にまとめて載せますね。
例によって、特徴、写真、花の名前の順です。

黄色い小さい花、やんたんなどでも今の時期はよく目立ちます。


こちらはミゾホオズキ(ハエドクソウ科ミゾホオズキ属)です。
前出のやんたんでは、集落を流れる小川の排水溝付近に群生しているのを見たことがあります。
比較的生命力強そうです。

お次はもっと普通にみられる花。
不思議なことに、真夏も真冬も花を見るんですが、正式な花期は5~6月。
少し自然があればどこにでも生えますが、山の中では風情がありますね。


コナスビ(サクラソウ科オカトラノオ属)です。
風情のある(?)科なのに、名前がいかにも庶民的。
実が茄子に似ているからなんだそうですが、見たことがありません・・・

お次は、本州以南、初夏から夏の渓流沿いではデフォルトで見る花。
何かの花に似ていると思いませんか?


キュウリグサそっくりのこの花はミズタビラコ(ムラサキ科キュウリグサ属)
似ているのも当然、同じ属でした。
でも咲いている場所が違うだけで上品に見えます。
それにしてもなぜ「ミズタビラコ」というのかと思ったら、キュウリグサの別名が「田平子」なんですって。
水辺に生える田平子だからミズタビラコと・・・
「先生、質問です。ではなぜオニタビラコは鬼田平子というのでしょうか!」

脱線してしまいました。答えは自分でお探しくださいね。
先に進みます。
ベニバナヤマシャクヤクが保護されているネットの中に、名前を覚えたばかりのこの花が・・・


お~、六甲高山植物園で見たオオナルコユリ(キジカクシ科アマドコロ属)ですね!
それにしても食べられてしまったのか葉が一枚もありません。
シカは入れないはずなので、何かの虫!?

近くに咲いていたこちらの花はもうお分かりですよね。
なんども登場しています。


シックな青色のこちらはチョウジソウ(キョウチクトウ科チョウジソウ属)です。
まさか自生!と思いましたが、さすがに違うようです。
京都では絶滅寸前種となっており、わずかに残る場所も山城地区(南部やん)。
この辺り、保護のための人手もかなり入っていますので、植栽なのでしょうね。

あたりにはシダ類が沢山生えています。
さすがにシダまでは手が(頭が)回らないので、素敵な新芽をちょっと写してきました。




ということでお次が最後です。
明るい青紫の花が目立ちます。


タツナミソウ(シソ科タツナミソウ属)なのですが、タツナミソウと言っても色々。
見た感じ、じいちゃん家にあるザ・タツナミソウに比べて葉も花も大振りです。
おそらくですが、オカタツナミソウではないかと・・・
茎をよく見ると下向きの毛が生えている草で、確かにそうでした。
なお、ヤマタツナミソウ、ホクリクタツナミソウ(いずれも絶滅危惧種)は特徴が違いました。



それでは今回の森の京都散策はこの辺で・・
明日からは、いつものわち山野草の森です。
お目当てのあの花は・・・

【撮影:2023/5末 森の京都】


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12 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
おはようございます (shu)
2023-06-09 06:13:18
先生、分かりました。
オニタビラコの「オニ」は大きいという意味です。
では、コオニタビラコは小さくて大きいタビラコなのですか?
いったいどっちなのでしょう?

オオナルコユリの葉が一枚もないって、すごく不思議です。
普通は花が葉に隠れていて、葉を持ち上げて写真を撮ったりするのですが・・
どうしたのでしょうね。

チョウジソウ、きれいなお花ですね。
すごく清涼感があっていいですね。
写真がまたいいですね。お上手です!
返信する
おはようございます^^ (attsu1)
2023-06-09 07:39:18
ミゾホオズキ
ハエドクソウ科、なにかこの名前、変な名前、
牧野さんが付けたのでしょうか?(笑)
逆に花は、可愛い花ですね😉

コナスビ(サクラソウ科オカトラノオ属)
こちらも、えぇぇ、オカトラノオの仲間、
なにか似て似つかない気がするのですが
これも牧野さん?(笑)

牧野富太郎をモデルの朝ドラらんまん、
スタート時は見るのやめようかと思ったんですが、
やめないで良かったと思う最近です^^;
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こんにちは (さざんか)
2023-06-09 13:46:19
3番目のお花、キュウリグサに似ていると思いました。 
田平子はキュウリグサの別名なんですか。
オニタビラコを調べたら、「田平子は、葉が放射状に伸びて田んぼに平らに張りつくというところからつけられた」そうですね。
キュウリグサとオニタビラコは全然似ていないので、よく分かりません。
オニタビラコはコオニタビラコの大きいの、コオニタビラコはオニタビラコの小さいの。
鶏と卵、どっちが先?みたいになってしまいます。💦
大ナルコユリの葉はどうしたんでしょうね。
タツナミソウにも色々あるんですね。
知識が無い私は、ナツミカン先生のお話についていけません。(:_;)
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クリンクリン (ピエロ)
2023-06-09 17:08:38
なつみかんさん こんにちは
シダの新芽のクリンクリンが可愛らしいね。
森の中では色んな種類の花が出迎えてくれたんだね。
オオナルコユリは全然葉っぱが無かったんですか。
若い芽は山菜として食べられるとか。
人間が採ったのかしら?
名前には戸惑う事がありますね。
こちらでも今コナスビが咲いています。
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恐れ入りました (ninbu)
2023-06-09 17:39:38
なつみかんさん、こんにちは。
今日はただひたすらお勉強しながら読ませていただきました。チョウジソウ以
外は聞いたこともなく、見たこともない花ばかりでした。そのチョウジソウも
自生でなく、植栽されたようですね。

ムラサキ科キュウリグサ属のミズタビラコの名前に疑問を持って、キュウリグ
サの別名が「田平子」に辿り着き、水辺に生える田平子だからミズタビラコと、
方程式を解いていくなつみかんさん、尊敬してしまいます。

同様に、見た感じタツナミソウのような花を、葉と花の大きさや茎に生えてい
る毛などから、オカタツナミソウと特定する技も凄いなと感心してしまいます。

まさに、驚き桃の木山椒の木です。恐れ入りました。(^.^)
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コナスビ (ran1005)
2023-06-09 18:44:20
ミゾホウズキ、正面から見るのと、横から見るのとでは印象が違いますネ。
コナスビは地面を這って繁茂していますか?
諏訪湖岸では良く似ているコバンコナスビが大繁茂している処があり、先日投稿しました。
洪水の後、水に浸かりながらも増えていましたのでかなり強健な植物だと思います。
ミズタビラコ・ワスレナグサみたいで可愛いですネ。
野生の丁子草は貴重なのですネ。
タツナミソウの葉の毛・勉強不足で判りまませんでした
総じてタツナミソウと称していました。
返信する
タビラコが謎 (なつみかん)
2023-06-09 18:50:04
shuさん、こんばんは。
オニタビラコのタビラコは根生葉が田んぼに平たく広がっているからなのでなんとなく分かりますが、
キュウリグサがタビラコって本当に謎です。
しかも、コオニタビラコは小さくて大きいタビラコで、実際にはオニタビラコよりずっと花が大きいという・・・
もう何が何だかわかりません^^;;

オオナルコユリ、葉の切り口を見ると、なんとなくシカが食べた痕のように見えますが、入れないはず・・・
どうにも不思議です。
チョウジソウはこの色がなんとも上品で素敵です。
けっこうぼうぼう咲くのですが、ここでは少しだけだったので、写真も上品に撮れました!
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なんでも牧野さん (なつみかん)
2023-06-09 18:56:33
attsu1さん、こんばんは。
昔は確かゴマノハグサ科だったと思いますが、その一部があるときに遺伝子を元にしたAPG分類でハエドクソウ科になりました。
ハエドクソウ科ってねえ・・・
ミゾホオズキ自体は結構可愛い花です。

コナスビもオカトラノオとは似ても似つかぬ姿、しかも花は全然ナスビっぽくありません。
和名の名付け親が誰かは分かりませんが、どうやったら調べられるんでしょうね~

らんまん、あとで見ようと思いつつ、断片的にしか見られていません。
それでも面白いです。
気持ち、なんか分かります。
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不思議です (なつみかん)
2023-06-09 18:58:40
さざんかさん、こんばんは。
タビラコと言えば、キク科のオニタビラコやコオニタビラコを思い浮かべます。
なので、ミズタビラコはなぜこの名前か不思議でしたが、キュウリグサの別名もタビラコだったのですね。
由来は全然納得できませんが・・
(だって、キュウリグサの葉は全然平たく広がっていませんよね)

オオナルコユリの葉はきっとおいしかったのでしょうね。
ぎざぎざの切り口を残して、根元から食べられていました。
タツナミソウ、もっと希少なタツナミソウもあるようですが、こちらは普通っぽかったです。
でも綺麗ですよ。
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ありがとうございます! (なつみかん)
2023-06-09 19:01:02
ピエロさん、こんばんは。
シダの新芽のくりんくりん、可愛いですよね!
光が当たってとても形が面白く、思わず撮ってしまいました。
他のシダもあったのですが、うまく撮れず・・
それに名前はワラビとゼンマイ以外全く分かりませ~ん^^;

オオナルコユリの葉は切り口がシカっぽかったです。
クマでないことを祈ります。
人が結構入っている場所なのですが、やはり歩くときはクマよけの鈴を持っている方が良さそうです。

コナスビは年中咲いています。
不思議な草です。
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