なつみかんの木々を見上げて

野草大好きなつみかんです。
植物園や身近な場所の植物を紹介します。

ウマノスズクサにジャコウアゲハの幼虫が鈴なり!

2022-07-13 05:28:57 | 自然

準絶滅危惧種のウマノスズクサ・・・
ブロ友さんの情報を聞いて、雨上がりの休日の早朝、早速見に行ってきました。
桜並木の横・・・うんうん、こちらが桜並木ですね。
花の時期は綺麗そう~


確かに綺麗に草刈りされています。
こっちの方かな~


金網の向こうのネコに睨まれました。


この辺かな~


綺麗な毛並みのネコに無視されました。


おっと、最初の写真の左奥に見えている草むら・・・これが正体でした!
知らなかったら、絶対ヤマノイモか何かの蔓と間違えると思います。


よく見ると不思議な形の花が咲いています。
こちらは蕾のようです。


こちらが花。赤茶色の花の中には沢山の毛が見えます。


この角度では分かりにくいですね。
こちらで説明しますね。
こちら全体が花で、約4㎝。


赤茶色の部分の内側には沢山の毛があり、そこだけは外からでもよく観察できます。
そこから球状の部分につながる緑色の管が花筒で、そこにも毛が生えているそうですが、見えません。
で、その奥の球状の部分が萼筒でその奥に花柱が6個並んでいるそうです。
ウマノスズクサは雌性先熟。
匂いで呼び寄せられたショウジョウバエなどの小さい虫はこの萼筒まで行って閉じ込められます。
(毛が逆毛なので、戻れないそうです)
で、雄性期になって花粉が出る頃に、毛が脱落し、ようやく脱出できるそうです。
花粉を付けた虫は、性懲りもなく匂いに引き寄せられ、またウマノスズクサの花の中に入ります。
それで雌性期の雌蕊に受粉することができるというわけです。
すごい仕組みですね~
こちらは花の開口部のアップです。毛がみえますでしょうか。


後ろ姿ですね。


こちらはてっきり蕾と思ったら、若い果実なんだそうです。
ここまで苦労して受粉しているのに、日本ではほとんど果実が生らないとか・・・
とすると、この実は熟さない? 要観察ですね。
葉っぱの様子もご覧くださいませ。


さて、ここまでウマノスズクサの不思議な生態をみていただきましたが、実はこちら毒草です。
でもその毒をうまく利用している生き物があります。
それがジャコウアゲハです。
そう、昨日の投稿の最後に載せた、あの綺麗なチョウです。


ここから、幼虫の写真がわんさか出てきますので、苦手な方はここで閉じてくださいね~



 












この花を見に行ったとき、花より先に目についたのがこちらのトゲトゲの幼虫です。


中央に白い帯があり、トゲトゲが沢山あり先が濃いオレンジ色になっています。
これぞ、ジャコウアゲハの幼虫。
それが実に沢山くっついていました。
毒のあるウマノスズクサを食べるので、体に毒が蓄えられ捕食されないみたいです。


少し週齢が若いですね。


まさに鈴なり・・・


食べているところの口元を撮ろうと思ってカメラを近づけたら、オレンジの臭角を出されてしまいました。
ナミアゲハに比べると短いということでしたが、確かに短かったです。


糞も大きいです。クズの葉に乗ってこのサイズ・・・


少し色が薄く赤っぽい幼虫。何齢幼虫でしょうか。


わしわし食べているところ。
よく葉がずんべらぼんにならないものです。


さらに週齢の小さい子。


こちらはそろそろ蛹になる準備ですね。


で、見つけました!
こちらが蛹です。こんなに目立つところに作っても大丈夫なんて、毒の威力は絶大ですね。


ということで、めったに見られない貴重な場面がみられました。
できたら、ここに1枚看板を立てて、ゆめゆめ間違って抜かれないようにしてほしいですね。

今回は電車で行きましたが、帰りは1時間ほどで歩いて帰れました。
また行ってみたいと思います!


【撮影:2022/7/10  京都市伏見区】



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16 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
おはようございます^^ (attsu1)
2022-07-13 06:37:07
ウマノスズクサの不思議な生態、
楽しませていただきました。

ショウジョウバエ、
食べられてしまうのかと思いきや、違った^^;
しかし、ここまで、子孫を残す進化をしたとは、
凄い!!!
そして、まさに、ジャコウアゲハの幼虫が鈴なり(@_@)
ジャコウアゲハは、見たことありますが、
幼虫は見たことないです(@_@)
毒のあるウマノスズクサを食べる(@_@)、
不思議すぎる(@_@)
これも、進化でこうなったんでしょうねぇ~
返信する
わーい! (fukurou)
2022-07-13 06:50:19
なつみかん様
おはようございます。
ありがとうございます。
予告通りのジャコウアゲハ。
幼虫がたくさんいますね。
この蝶は卵も美しいし、幼虫も美しい。
蛹の形がまた変わっています。
写真には写っていませんが、口紅を少しさしたように赤いのです。
お菊虫と言われ、お菊さんが後ろ手に縛られて、井戸につるされている姿だとか。
それだけでもワクワクしますよね。
何度も飼育しましたが、羽化の瞬間はまだ撮ったことがない蝶です。
機会があれば撮りたいです。
ウマノスズクサが少ないのですとね。
草刈りに合わないようにと願うばかりです。
返信する
おはようございます (shu)
2022-07-13 06:56:19
昨日、雨のため予定を切り上げて、山から下りてきました。
ウマノスズクサ科は、聞いたことがある名前でした。ウスバサイシンがそうでした。
でも、ウマノスズクサは、見たことがありません。
仰るとおり、花がないとヤマノイモか何かの蔓かと思ってしまいますね。
これだと、街にあっても除草されるのは仕方ないように思いました。
小バエを閉じ込めるとは、不思議な生態ですね。

虫の方はさらっと見せていただきました。
昨日からの続きとは、そういうことだったのですね。

六甲高山植物園のシリーズ、楽しく拝見しました。
高山植物といっても、知らない植物が多いと思いました。
エーデルワイスまで咲いているのですね。日本のウスユキソウとはかなり違います。
そして、オオヤマレンゲが観られてよかったですね。
私はこの花が咲く山のいくつかに登っていますが、花期とは違って、まだこの花は見たことがありません。
この花を観るためだけに山に行く方の気持ちが、分かるようでした。
返信する
こんにちは (さざんか)
2022-07-13 10:55:00
とても面白くてためになる記事を載せて下さって有難うございます。
ウマノススクサの花はしいちゃん(多分)のお部屋で見せて貰ったことがあると思います。
ジャコウアゲハの幼虫は初めて見ました。
凄い色と形!(fukurouさんは美しいと仰る!)
赤っぽいのは若いのかな?
小さなオレンジ色の角は、ナミアゲハの幼虫みたいに匂いがしましたか?
蛹の色は綺麗ですね。
こんなに沢山の幼虫や蛹まで見られて、電車で行かれた甲斐がありましたね。
帰りは歩かれたとは、お元気で羨ましいです。
楽しませて頂きました。
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神様が考えたとしか思えません (ninbu)
2022-07-13 16:28:34
なつみかんさん、こんにちは。
休日にも早朝からウマノスズクサを見に行くとは。
さらに、帰りは1時間かけて歩くとは、超元気です!(@_@)
執念で見つけたウマノスズクサ、変わった名前の花です。
また、奇妙な形をした花ですね。
花の形が馬の首に掛ける鈴のようだから、付いた名前だそうです。

ウマノスズクサの受粉の仕組みなど、詳細に説明ありがとうございます。
なかなか、複雑な仕組みになっているのが、凄いですね。
一体、誰がこんな仕組みを考えたのでしょう。やはり神様しかありません。

また、ウマノスズクサとジャコウアゲハの関係も興味深く読みました。
毒があり、他の虫たちが食べようとしないウマノスズクサ。
ジャコウアゲハは毒に侵されないアドバンテージを活かしてますね。
ウマノスズクサを独り占め出来るとは、頭がいいですね~。
やはり、これも神様が考えたとしか思えません。
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次回は ジャコウアゲハとの 出会いを (カワセミ)
2022-07-13 17:34:47
こんにちは。
この場所は 桜の季節は ソメイヨシノの 見事なトンネルになりますよ ~
今 鈴生りの幼虫たちは この場所での 今季 第2弾で
第1弾で 私の見てきたサイクルで 計算すると
8月上旬には また 産卵に来る ジャコウアゲハが 見られるのでは? と 予想しています。
ここに ウマノスズクサが 自生することを
行政が どのように知ったのか 興味があります。
誰かが 存在を 連絡したのか? 行政の 実地調査で
偶然 見つけたのか ?
いずれにしても ここだけ 草刈りせず 残してもらえて 感動! しました。

昨日 久しぶりに 御陵さん散策 に 行ってきました。
敷地内は ちょうど 草刈り直後の すっきり状態でしたが
あの歩道沿いは あるがままの 草だらけ状態( いいね!) 
乃木神社そばの ソクズ は 花盛りで たくさんのアリが 蜜を 吸っていました。
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ウマノスズクサ (カンサン)
2022-07-13 20:02:27
なつみかんさんへ、アリマノウマノスズクサだったら、六甲高山植物園で見たことがあります。2021年6月に行った時でした。ウマノスズクサとはちょっとだけ違いますね。
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食虫植物ではない (なつみかん)
2022-07-13 21:08:52
attsu1さん、こんばんは。
最初はジャコウアゲハメインで書くつもりだったのですが、食草のウマノスズクサを調べていたら、面白すぎて・・・

形と言い、ショウジョウバエを閉じ込めることと言い、まるで食虫植物ですよね。
でも消化液で溶かすのではなく、生かして花粉をはこばせるのがすごいです。
どうやって進化したのか不思議ですね~

ジャコウアゲハはその毒を利用しているのですから、これまたすごいです。
みんなやりますね~
返信する
早く知りたかった~ (なつみかん)
2022-07-13 21:24:45
fukurouさん、こんばんは。
思った以上に沢山の幼虫がいて、ウハウハでした。
幼虫も、以前庭に現れたルリタテハの幼虫に比べたら、可愛いです。
というか、最近大抵の虫は大丈夫になりました(笑)

それにしても、fukurouさんはこんな珍しい食草をどうやって調達されてたんですか?
今回この程度のウマノスズクサの藪に50匹くらい幼虫がいたので、案外小食とか・・・
家のナミアゲハだったら、この程度の藪を数匹で食い尽くしそうです。

卵は今回みられませんでした。
蛹は一匹だけです。
残念!口紅を差したように赤いのですね。
私が見た角度からはよく分かりませんでした。
お菊さん、確かにそんな感じですね!
そんな話を伺ったら、また見に行きたくなりました。
もうちょっと職場寄りだったらいいのですが・・・
週末、行けたらまた行ってみます!
返信する
カンアオイ属! (なつみかん)
2022-07-13 22:08:12
shuさん、こんばんは。
ウスバサイシンもウマノスズクサ科・・・でしたっけ?
と思って調べてみたら、なるほど、カンアオイ属もウマノスズクサ科でした。
fukurou先生がご専門ですが、カンアオイはギフチョウの食草でしたね。
チョウはウマノスズクサ科がお気に入りなのかもしれません。

ウマノスズクサは今回初めて見ましたが、遠目にはヤマノイモそのものでした。
なので、最初「まさかこれ??」でした。
そこに大きく育った幼虫が沢山くっついているのですから驚きです。
刈られずに残っているのは、行政が準絶滅危惧種と認識しているからだと思います。
なかなかやるね!でした。

オオヤマレンゲが自生している山・・・憧れですね。
この美しさですから、そのために登るというのも、確かに理解できます。
そこまでではなくても、植物園で満開の所を見てみたいです。
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