女を愛したとたん、メロメロになる男がいる。
四六時中その女性のことを考えるのは当たり前、甘える、すねる、会えないときは酒におぼれ、別れ話になりそうなときは恥も外聞もなく泣いてすがる。
年齢なんぞ関係がない。そういう男はいくつになってもそういう男だ。
ボブ・ディランが私生活でもそんな男かどうかは知らない。
だが、彼の書いたいくつものすばらしいラブソングを聴いていると、そんな情けない男の人間像が浮かんでくるのだ。
プロテストソングばかり集めた初期の傑作「時代は変わる」からして、離れていく恋人に、欲しくもないスペイン皮のブーツをねだる男の、せつなくもどこかおかしい歌が入っている。実生活において留学して別れた彼女をことをうたっただとか、秋元康によって男女を入れ替えられ翻案されて「木綿のハンカチーフ」という歌詞になったとか、そんなことはどうでもいい。そこにはある種の、普遍的な人間像がある。
でもって、この「ストリート・リーガル」というアルバムである。
その4曲目。「ベイビー・ストップ・クライング」。もうメロメロである。
自分を捨てて悪い男に奔り、泣きながら戻ってきた女に、声をかける男。冷たくするなんてとんでもない。ただ当惑しつつ「泣くのをやめなよ」と声をかける。
「見はり塔からずっと」や「廃墟の街」の象徴詩人としてのボブ・ディランはすばらしい。
だが、わたしは、情けない男の愛の歌を歌い続けてきたディランが、好きでたまらない。
四六時中その女性のことを考えるのは当たり前、甘える、すねる、会えないときは酒におぼれ、別れ話になりそうなときは恥も外聞もなく泣いてすがる。
年齢なんぞ関係がない。そういう男はいくつになってもそういう男だ。
ボブ・ディランが私生活でもそんな男かどうかは知らない。
だが、彼の書いたいくつものすばらしいラブソングを聴いていると、そんな情けない男の人間像が浮かんでくるのだ。
プロテストソングばかり集めた初期の傑作「時代は変わる」からして、離れていく恋人に、欲しくもないスペイン皮のブーツをねだる男の、せつなくもどこかおかしい歌が入っている。実生活において留学して別れた彼女をことをうたっただとか、秋元康によって男女を入れ替えられ翻案されて「木綿のハンカチーフ」という歌詞になったとか、そんなことはどうでもいい。そこにはある種の、普遍的な人間像がある。
でもって、この「ストリート・リーガル」というアルバムである。
その4曲目。「ベイビー・ストップ・クライング」。もうメロメロである。
自分を捨てて悪い男に奔り、泣きながら戻ってきた女に、声をかける男。冷たくするなんてとんでもない。ただ当惑しつつ「泣くのをやめなよ」と声をかける。
「見はり塔からずっと」や「廃墟の街」の象徴詩人としてのボブ・ディランはすばらしい。
だが、わたしは、情けない男の愛の歌を歌い続けてきたディランが、好きでたまらない。
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