加地尚武の佐倉新町電気街

「福音の少年 Good News Boy」シリーズ(徳間書店 徳間デュアル文庫)著者による電脳生活と意見。

「現代の小説 2010―短編ベストコレクション」

2010年05月30日 17時49分11秒 | 本のこと。
現代の小説 2010―短篇ベストコレクション (徳間文庫 に)
日本文藝家協会,赤川 次郎
徳間書店


うえのアンソロジーにわたしの作品「彼方から」(初出SFJapan誌)が選ばれました。

先日、二人目の日本人女性宇宙飛行士の山崎直子さんが無事帰還されましたが、この作品は、山崎さんと同じように短期滞在クルーとして国際的な宇宙ステーションを訪れた日本人女性宇宙飛行士の体験した出来事が題材になっています。べつに狙っていたわけではなく、たんにそういう話を思いついただけなんですが、発行時期と重なって、不思議な気持ちがしました。

6月4日発売です。書店で見かけたらよろしくです。

歴史小説の向かない自分。

2010年05月28日 21時56分47秒 | 本のこと。
正直にいうと、歴史小説を書こうとして、挫折したのだ。
いや、なんがだか、書いている。それがどんどんいわゆる「歴史小説」じゃなくなっていくのだ。うまく言えないな。

昔と比べて、いまは良質の資料が比較的簡単に手に入るし、歴史・時代小説は書きごろ、と思う。だけど、私の場合、書いていると宇宙方面や異次元方面から、いろいろ侵入してくる。

とにかく今書いているふしぎなものを書き上げてみよう。どんな風になるんだろう。

あ、下に挙げた本は、とても気に入った本。歴史好きな人で知らない人はいないだろうけど、一応挙げてみた。

信長の戦争 『信長公記』に見る戦国軍事学 (講談社学術文庫)
藤本 正行
講談社

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「好評につき終了しました」は正しいか(パート2)

2010年05月25日 02時11分25秒 | 公園のつぶやき。

この超不定期なブログで一番人気のある記事は、意外にも「好評につき終了しました」は正しいかなのだ。
先日も四年ぶりにコメントをいただいた(感謝)。
この言葉がなんとなくしっくりしない人が多いということなのだろう。今回は好評につき、この記事の続編を書いてみよう。

さっそく、「~につき」を辞書でひいてみる。

1・動作や状態などの対象を表す。・・・について。「その件につきご相談したい」
2・理由を表す。・・・のために。「店内改装中につき休業」
3・単位あたりでの数量を表す。・・・ごとに。・・・に対して。「一回につき千円の料金」「水一カップにつき醤油大さじ三」

「好評につき終了」という場合、上の1・3に当てはまらないのはあきらかだろう。
では、2か? しかし、「理由を表す」のだから、「好評だから終了」という、なんとなくおかしな日本語になってしまう。だからこそ、みなさんの興味を惹くのだろう。わたしもそう思う。これはおかしい。

が、ひとつだけ、これで正しい(まちがいではないかもしれない)用法がある。

ある限られた景品があって、それを先着1千名に配る、なんてとき、好評だったから主催者が想定していたよりも早く品が尽きてしまった・・・などである。
つまり、好評につき(だから)特典、終了してしまったんだ、ごめんね~てへへ。という場合にかぎり、おかしくはない。じじつこの用例は圧倒的に多い。

おかしいのは、「ネットゲーム」や「SNS」といったネット上のサービスなんかが主催者の都合で終了するさいにこの言葉が使われるとき、なのである。
「減るもんやなし、好評やったらなんぼでも続けたらええんちゃうん?」という受け取り手のわれわれにそんな意識があるから、この言葉を変に感じてしまうのだ。

もちろん、供給側からすると、サービスという「商品」のコストはタダではない。問題はそのコストを回収し、収益を上げるというビジネスモデルを描けるか、ということである。
で、プロとはいえ往々にしてこの辺の読みが甘く、終了するしかないサービスがあるんだろう。

そんなとき「儲けになりませんから終了しますぅ」では格好悪いし、コメント主も書いておられるように責任問題となる。だから上で挙げた「正しい用例」になるように細工するのだ。
「あ、もともと期間限定だったんですぅ(書いてなかったけど)」「おかげさまで予定に達しましたからぁ」なんてね。儲けが出たら永遠にでも続けたいくせに。

名付ければ「後付限定化」という、日本語のスキをついたテクニックである。みんなおぼえておこうw

・・・思えば、最初に書いた時、わたしの最初の本を出した出版社が倒産(わたしの本を出したからじゃないと思いたい)し、わたしのデビュー作は絶版中であった。
だから、前回のしめくくりは「絶賛絶版中」という言葉だった(笑)

装いも新たに徳間デュアル文庫から出していただいた「福音の少年」シリーズ初版は、おかげさまで書店の在庫が終了しつつある・・・・好評につき。

再版の話は、いまのところ、ない。
てへ。

 

※好評につき、なんとこの投稿を元に本を書いてしまいました!


一年間、エヴァーノートを使ってみて。

2010年05月23日 17時14分04秒 | パソコン・デジモノ
Evernoteというサービス、最近、日本語化されたんだけど、英語版のころから使っていた。

ただし、「使いこなしていた」とは言い難い。どーも、この仕組みがわたしの仕事のスタイルとあわない感じがした。

で、一年ぶりに下の入門書を買ってはみたけれど、やはりどーも使いこなせれるような気がしない。うーん。専用ソフトのできがいまいちなのが原因かもしれない(と人のせいにしてみる)。

下の本にもあるけれど、PCはもちろん、スマートフォンや携帯電話といった身の回りのもの(デバイス)全部で使う物なのかもしれない。

アイコンがゾウなのは、欧米では「ゾウは記憶力がいい」と信じられているところからきているのだろう。

よっぽどヘビーに使わなければタダなので、「あのメモどこにやったっけ?」なんて悩みがちの人は試してみてはいかが?

できるポケット+ Evernote
コグレ マサト,いしたに まさき,できるシリーズ編集部
インプレスジャパン

まあ、それはともかく。

2010年05月22日 13時33分42秒 | 音楽・映画のこと
昨日は、ちょっといろんなことがあった。自分の中でも整理がついていない部分もある。
ま、それはともかく、今日も一日がぼよよよーーんと過ぎていくのであった。


West Coast Jazz

Universal/Verve

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雨の夜によみがえる三十年前。

2010年05月20日 03時00分00秒 | 音楽・映画のこと
ちょっと昔のことを書きたい。
三十年あまり前、わたしは京都の貧乏学生だった。父母は四国の田舎で八百屋をやっていた。月一回、仕送りが届くと、わたしは大学の近くにあるジャズ喫茶でコーヒーを飲んだ。

一日百数十円で過ごすこともある学生にとっては、学食よりちょっとうまいコーヒーが飲めて、下宿のラジカセとは比較にならないほど素晴らしい音質でジャズが楽しめるジャズ喫茶というのは、とても思い切った娯楽だった。

レコード、音楽というものは、いまよりもずっと高価なものだった。

だから、月に数度、ジャズ喫茶にいるときは、ほんとうに一音一音耳に刻みつけるような気持ちでレコードを聴いていた、と思う。

「音楽鑑賞」などという言葉は、ふつうコンサートホールに足を運ぶイメージがあるだろうが、あのときのわたしは学生の身でささやかに「音楽鑑賞」を楽しんでいた。

ジャズ喫茶で過ごしたころに聴いて感動したレコードは、ほとんど覚えている。
さすがに吹き込んだ年代や、レーベルや演奏者全員は暗記していないけれど、ジャケットや主な曲は鮮明に思い出せる。

下のレコードもその一枚。もし一度も耳にしたことがなければぜひ。
ジャズの超名盤。詳しくはアマゾンのレビューで。

ホワッツ・ニュー
ビル・エヴァンス・ウィズ・ジェレミー・スタイグ,ビル・エヴァンス,ジェレミー・スタイグ,エディ・ゴメス,マーティ・モレル
ユニバーサル ミュージック クラシック

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