加地尚武の佐倉新町電気街

「福音の少年 Good News Boy」シリーズ(徳間書店 徳間デュアル文庫)著者による電脳生活と意見。

さぬき、110キロの自転車の旅

2011年08月30日 07時03分42秒 | 自転車と旅、メシ。
日曜日、朝5時に起きて、お隣の香川県に行った。
初めてスポーツ自転車を買ってもうすぐ一ヶ月、とりあえず「一日100キロ」の壁を越えたかったのだ。

とくに目的地を定めず、国道11号線をずっと東に向かって行って、五十キロのところで折り返そうという、ずさんな計画だった。

で、もちろん道を逸れた。観音寺市街から県道21号線を海沿いに走ったのだ。



香川県、三豊市仁尾町の朝の風景。仁尾城趾の石段から撮った。小さいながら城下町っぽい。



同じく三豊市の津島神社。海の上に浮かんでいるようなお社。立派な橋が架かっているが、8月の夏季大祭の二日間を除き、普段は渡ることができない。



JR津島ノ宮駅。なんだかつぶれたタコ焼き屋のような駅舎だが、夏季大祭の時のみ臨時に開業するそうなので、これでいいのだろう。

「子供の神様 津島神社」という看板がかかっている。

二十歳を迎える直前に亡くなった娘は、ずっと「子ども」のままなのだろうか。
さんざん泣いたはずなのに、涙があふれてくる。



自転車を押し、小さな踏切を渡って、県道21号線に戻る。

香川県の多度津のあたりで、50キロを越えた。しかし、このまま来た道を帰るのは芸がない。
なので、多度津から善通寺に向かうことにした。
と、善通寺までの距離を示す看板の上に、「こんぴらさん○○キロ」と書いてあるではないか。



気がつくと琴平駅に着いていた。というのは大げさなのだが。琴平駅のたたずまいは昔から好きである。何だが土産物のお菓子の箱に描かれるような安っぽいロゴが楽しい。



気がつくと金比羅宮の階段を上っていた。いや、自転車ではなく、歩いてですよ(笑)。盗られたどうしようもないので、その辺に停めずに駅の手荷物預かり所のおばあちゃんにお金を払って預かってもらった。自転車は150円。料金表には170円と書いてあるのだが。

ここまでで64キロ。自転車で64キロ走った後に、御本宮までの785段の階段は少々きつかったが、なんとかのぼりきった。

熱心に信仰されている方には申し訳ないが、一大観光地みたいな金比羅宮などはどうでもよかった。ただ、「日曜日どこに行っていたの?」と聞かれて「自転車でこんぴらさんまで行った」と答えるほうが体裁がいい、と思ったのだ。

帰りはおもしろくもない国道11号線を延々と走った。観音寺市で雨に遭ったが、後は炎天下。鼻の頭が天狗のように赤くなった。金比羅さんが怒ったのか。

家に帰り、シャワーを浴びて、缶ビールを呑んだ。
110キロの旅、終了。

理論的には一日に100キロ走っても身体も愛車も大丈夫であることがわかった。
頭の中の日本地図で「100キロで行けるとこ」を測っている。自転車をばらして電車を使えば、けっこういろんなところに行けるぞ、などと思いつつ、私は深い眠りに落ちていた。

土曜日の朝、湖畔に行く。

2011年08月27日 07時20分34秒 | 自転車と旅、メシ。


六時前に森と湖畔の公園までポタリング。
静かだ。



明日、行ければ100キロオーバーのツーリングに行こうと思っているので、自転車の先輩の薦めに従って、パンク修理セットを手に入れた。携帯用の空気入れも。上の写真のようにボトルホルダーの横にくっつけられる。

この作業を庭でしていると、犬(ゴールデンレトリバー、雌9歳)がやかましいので庭に放してやった。犬の頭を撫でながらネジを回す。と、何を思ったか犬がワタシに体当たりをかましてきた。

あっ、と思ったのもつかの間、ネジの一個を伸び放題の芝生の上に落としてしまった。
不思議な事にいくら探しても見つからない。まさか呑み込んだのではあるまいな、と犬の口の中まで探してみる。

見つからない。

とりあえず空気入れについてきた予備のネジを下のフレームのものと交換した。
しかし、カッコワルイ。

【教訓】自転車のメンテナンスを犬の手が届くところでやってはいけない。

日の出コールド

2011年08月26日 06時49分48秒 | 自転車と旅、メシ。
山の端に太陽が昇るまで自転車で走ってきた。
今日の朝日は、みごとな黄金色だった。

空の半分を染め上げる太陽を、目を細めて見ながら、レイ・ブラッドベリの美しい短編集、「太陽の黄金の林檎」という題名を連想した。
アマゾンの画像を貼ろうとしたら、あろうことか絶版になっている。

仕方ないので、ダニー・ボイル監督のSF映画、「サンシャイン2057」を貼っておきます。
太陽への畏怖、そして原初的な信仰心、といった要素を頭に入れておかないと単なるホラーアクションにみえてしまうかも。でも傑作。

サンシャイン2057 [Blu-ray]
クリエーター情報なし
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン

初ヘルメット。

2011年08月25日 06時55分29秒 | 自転車と旅、メシ。
朝の5時過ぎに起き、自転車でひとっ走り。
今回、通販で買ったOGKの自転車用のヘルメットを被っていった。
この田舎じゃ、いわゆる「クロスバイク」でヘルメットを被っている人なんてほとんどいない。
でも、ヘルメット無しで車道を走るのって、死ぬほど怖い。かといって、歩道ばかり走るのはかえって危険。

で、ヘルメットを買おうと、いろいろ自転車店を回ってみたのだが・・・。
合わねえ。
欧米製のヘルメットはどんなにサイズがでかくとも左右が合わないのだ。
車で一時間ほどのショップにある最大のヘルメット(65センチまで)を試着してみてきつかったのには愕然とした。おれはH・G・ウエルズの火星人か、と思った。

なんのことはない。人種の違いってやつだ。日本人は国産のヘルメットを買えばいいのだ。
で、下のヘルメットを一度も試着することなく通販で買った。
ぴったりだった。
ちょっと「勝った」気分だ。

ちなみに今日、平地で最高速度36キロをマークした(笑)。
まだまだだな、ワシも。

OGK LEFFヘルメット BLACK GUNMETAL BLACK GUNMETAL XL/XXL
クリエーター情報なし
OGK

自転車を買ったこと。

2011年08月24日 19時46分10秒 | 自転車と旅、メシ。


4月に家族の一人を失ってから4ヶ月後、僕は自転車を買った。
いままで、その家族用に持っていたママチャリに乗っていたのだが、錆がきてしまい、買い換えることにしたのだ。

で、ロードレーサー乗りの後輩のおすすめの店で、安売りをしていた真っ白な自転車を買った。

GiantというメーカーのEscapeという車種らしい。「らしい」と書いたのは、どっちも知らなかったからだ。恥ずかしいことに、Giantは台湾にある世界最大の自転車メーカーで、Escapeはいま流行っているらしい「クロスバイク」というカテゴリの自転車のうち、定番中の定番なのだとか。

買ったのはその車種の2009年モデル、SEというオプションフル装備のやつ。いわゆる型落ちだが、新型を買ってあれこれ付けるよりずっとお得、ということで買ってしまった。
ドロヨケやスタンドや、鍵や、写真では外しているが、カゴまで付いている。
「クロスバイクをママチャリに近づけた」という評価をネットで見かけたほどのゴーカさであった。

ここまでお読みの方はおわかりのとおり、いわゆるスポーツバイク、スポーツ自転車に乗るのは初めてだった。それまではママチャリに乗り、最長で往復10キロ程度をふうふう言いながら走っていた。

が、いくら装備をママチャリに近づけたと言っても、そこはスポーツバイク、最初に漕いだ瞬間、「うぇええええ、はえええええ」とたじろいでしまった。
今まで立ち漕ぎしないと登れなかった坂もすいすい登れるし、体感で30キロくらい出そうだ。

その日から、僅かながら生活が変わった。
自動車を使わない行動範囲、つまり徒歩か自転車での行動範囲が、大げさではなく6~7倍に広がったのだ。

今では週に100キロほど走っているが(それでも自転車乗りとしては少ないらしい)、まるでモノリスに触れた後の類人猿のように、僕は「エスケープ」という名の自転車のペダルを漕ぎまくっている。

そういえば、大好きな映画、「バニシング・ポイント」の主人公が乗るV8のダッジ・チャレンジャーも真っ白だったな、などと考えながら、今日も自転車に乗って帰ってきた。

久しぶりの更新だが、この自転車とともに旅したこと、食った物のことなどをぼちぼちと書いていきたい。