加地尚武の佐倉新町電気街

「福音の少年 Good News Boy」シリーズ(徳間書店 徳間デュアル文庫)著者による電脳生活と意見。

【ぶんがく】ベッドの中で安吾と向き合う。

2008年11月30日 08時48分29秒 | 公園のつぶやき。
太宰派か坂口派か、という言い方が許されるのならば、太宰派の青春時代を過ごしたと思う。文庫で手に入るすべての作品を集中して読んだのだから、はまっていたのだろう。

いま、本好きの若者に「太宰派か坂口派か」などという問いはナンセンスかもしれない。ああ、そうそう、太宰治と坂口安吾のことです。

ちょっと入院することがあって、ベッドの中で読む本を持って行こうと思った。
しかし、本というものは文庫本でもかさばるものだ。

なので、この間買ったiPod Touch 32GBに「青空文庫」からダウンロードした小説を入れていこうと思った。
「青空文庫」だから、五十年経過して著作権が失効しているものから選ぶ。

だから、この際まとめて読もうと思って、「青空文庫」にある坂口安吾のすべての小説をダウンロードして持って行き、点滴の合間などに読んだ。

「戦争」「戦後」というものにある程度の知識と共感が無ければ理解しがたい作品もあるけれど、おもしろいものは飛び抜けておもしろい。

いまのことろ、

「青鬼の褌を洗う女」
「白痴」
「桜の森の満開の下」

がお気に入りである。

数多い時代ものも、語り口がおもしろいので気軽に読める。

・・・ああ、そうか、こんな作家だったのか。

ベッドの中でだらだらとしながら数十年ぶりに「堕落論」を読み返し、ひたすら感動する。

明日で退院である。

【じけん】生きていない人が生きている人を殺す。

2008年11月23日 16時25分10秒 | 社会時評なんちって
「ペット処分され腹立った」 小泉容疑者、出頭時に語る(朝日新聞) - goo ニュース

不謹慎だが、「意外な犯人と動機」という気がした。
年金に絡めて名を売りたい過激な政治結社のしわざ、くらいに思っていたのだ。
(それにしては「犯行声明」というものが出ないと思っていた)

犬が動機だとは思わなかった。(これまた不謹慎だが)橋本忍脚本監督の「幻の湖」という愚作映画を連想した。
復讐というのは、推理小説における殺人の動機ベストワンだろうけど、この動機であの犯行まで思い立つなんてストーリー、どんな推理作家でもなかなか書けないだろう。

しかし、この人物の動機そのものについて、あれこれ分析してもはじまらないだろうと思う。こんな、心が後ろ向きの、「生きていない」人間は、過去のどんなささいな恨みですら動機にしうると思う。それがペットのことだったり、学生時代のいじめだったりするだけのことだ。

この男は、生きていない。
人生のどこかで生きるのをやめてしまったのだ。
未来へ向かうべき生のエネルギーを遮断したために、ダムが小さな穴から決壊するように、遠い過去の、(人生の全体から見れば)ささいな出来事からあふれ出したのだ。

池田小学校殺傷事件の宅間と同じ意味で、生きていない人間に「死刑」が有効なのかどうかわからないが、あの人物と同じ意味で情状を酌量する余地も無いのではないかと思った。

【近況報告】ただいま入院中。

2008年11月21日 16時53分04秒 | 公園のつぶやき。
訳あって入院している。病院のロビーからブログ更新。

耳の手術なので、手足が動くのをいいことに、小説の構想を練っている。短編です。長編はあまりに先が長いので入院生活には向かない(?)と思ったのだ。

オチがもう一つ決まらない短編を試しに書き出してみつつ、新しいものの構想を練る。なんだかいい感じのものになりそうだ。
三つできちまった。いや、構想が。さて、どれを取るか。
全部書いてみるという選択肢もあるが、そんな売れっ子作家のマネゴトをせずに、やはり絞った方がいい。全力投球。

・・・いや、入院してるんだった(笑)

某大学附属です。看護師さんが若くてかわいい人が多いです←オッサンです。
教授回診て、想像していたのと全然違う。耳鼻咽喉科だからか、下々のものを引き連れてって感じではなく、ナースセンター横の処置室で、普通に回診してくれました。

今日ははじめてお洗濯をしてみた。ドラマみたいに屋上に干し場がないので寂しい。脱水機をじっと見つめる。

明日は手術後初めて風呂に入る予定である。

では、また。
あ、福音の少年外伝第二弾は退院してから再開するつもりです。もうしばらくお待ちください。

じゃ。

【えいが】「江分利満氏 対 ヘドラ」

2008年11月05日 20時25分17秒 | 音楽・映画のこと
日本映画専門チャンネルで「ゴジラ対ヘドラ」を観ていてふと思った。
この映画って、岡本喜八監督の「江分利満氏の優雅な生活」に似ている。

ストーリーとかではなくて、とぼけた味わいの語り口と、ふいに挿入されるアニメーションといった、映画のスタイルが似ているのだ。
オープニングとエンディングが繋がる作りもおんなじだ。

いや、だからオマージュだの影響だの映画について語りたいわけではない。
なんとなくおもしろいな、と思った。

ちなみに「ヘドラ対ゴジラ」は低予算ながら全ゴジラシリーズの中でも上位にくる傑作。「江分利満氏の優雅な生活」は岡本喜八監督が自分の作品の中でもいちばん気に入っているという大傑作。

江分利満氏の優雅な生活

東宝

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久しぶりに更新・近況報告

2008年11月01日 10時45分40秒 | ゲームのこと
ども、久しぶりです。
いきなりですが、11月の中旬から入院することになりました。持病に慢性中耳炎がありまして、ちょっと最近調子がわるいので、両耳の鼓膜の再生手術をすることにしたのです。
入院は二週間から三週間くらいになりそう。

その間執筆とかお休みです。いま福音の少年の外伝小説第二弾を書いていますが、公開は退院後、12月末くらいになりそうです。

しかし、いろいろありましたねー。いったいこの先どうなるのか。手術よりもそっちが心配です。

でも、とりあえず退院に合わせて、12月発売のゲームを注文しました(笑)
ロールプレイングゲームのFallout3ね。
愛機の360にいろいろ国産のRPGが出ていますが、これは外せない。バイオショックとオブリビオンを超える出来ってのが楽しみ。

Fallout 3(フォールアウト 3)【CEROレーティング「Z」】

ベセスダ・ソフトワークス

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