もともとこのブログって、IT関連の話題を扱うために作ったんだよな~。
そんなわけで、とってつけたように、Windows Vistaの話題。
久しぶりのOSのメジャーヴァージョンアップだというのに、盛り上がっていないように思える。そのとおり、アップグレード版の売れ行きはあまりよくないと聞く。
うちにも数台のパソコンがあって、macを除く全部がWindows Xpである。そのうち、私が仕事に使っている二台がProで、家族のものが皆Homeである。
もちろん、「新しもの好き」なので、Vistaには興味があって、いろいろ情報を集めたりしてるのだが、どうもピンとこない。
執筆に使おうという気がしない。
山田祥平のRe:config.sys
とくにこのコラムを読んで、そう思った。
ひとのブログを引用するのはきらいだが、ちょっと末尾を引用してみよう。
(引用開始)
XPが4ナンバーのライトバンなら、Vistaは3ナンバーのステーションワゴンだと。あるいは新幹線のグリーン車と普通車の違いのようなものか。たどりつける場所は同じでも快適さが違う。どうせなら優雅にPCを使いたい。少なくともぼくはそう思う。
(引用終了)
いや、この文章はおかしい。いや、文法がどうのではなく、「たどりつける場所」うんぬんが納得できない。
本文中で、筆者はパナソニックのサブノートPCにWindows Vistaを入れているのだが、使い勝手が悪くなったと書いているのだ。筆者がそのサブノートでやっているのがOutlook。
たとえば、私が東京在住のサラリーマンで、明日大阪に出張しようってとき、そりゃ、グリーン車のほうが快適だろうさ。顧客回りや配達にステーションワゴンを使えるってのは楽かもしれないが、「仕事でパソコンを使う」ってのは、そんなもんだろうか?
自由業の人間がOutlookでできることなんざ、たかが知れている。そんな用途に2GBのメモリとデュアルコアのCPUが必要だろうか?そんな重装備の、高価なパソコンで、わざわざ重いOSが必要だろうか。
引用した部分で、筆者は「ハードウェアスペックがあがった(あげざるを得なかった)ことによる処理速度の向上=快適さ」と「OSの機能の向上」をすり替えている。
いや、いろいろ「事情」があるんだろう、とは思う。
が、故意ならば、テクニカルライターとしては不誠実ではないか。少なくとも仕事でパソコンを使わざるを得ないわたしのような人間は、この新OSについて、もっと率直な意見を聞きたい。
「Vistaは重いので従来機では使い物になりません。最新のハードに買い換えましょう」とはっきり書くべきだ。
書けないのは、売れ行き低下に悩むパソコン業界の事情があるからだ。
いわゆるVista効果により、パソコンの平均単価は若干上昇したという。
周知のとおり、Vistaはメモリ食いであるし、高速なGPUを必要とする(用途によっては必要でもなんでもないのだが)ために単価が上がるのだ。
産業にとっては、結構なことかもしれない。
しかし、昔のように、パソコンはマニアのものではない。すでに日用品である。
メールや、ミクシイやブログの更新という用途に関して、VistaとXPにどれほどの違いがあるというのだろう?
わたしはOSの多機能化の時代は終わりつつあると思う。
とくに、このVistaによって、その方向性には限界があるということがはっきりわかった。
ひとはハード環境に高いハードルがあるOSよりも、最低限ブラウザが快適に動く環境を使って、WEBサービスを利用するだろう。
メールやスケジューラーはもちろん、オフィススイーツも、そのうちWEBサービスに飲み込まれるのではないだろうか。