加地尚武の佐倉新町電気街

「福音の少年 Good News Boy」シリーズ(徳間書店 徳間デュアル文庫)著者による電脳生活と意見。

【観劇】ケイアス・マーシアス・コリオレイナス!

2007年02月26日 21時05分50秒 | 公園のつぶやき。
たまには「作家」らしいことも書こうと思う(笑)。
もう先々週になるけれど、2月15日に観劇に行ったのだ。

梅田芸術劇場シアター・ドラマシティの蜷川幸雄演出「コリオレイナス」である。
配役などはリンク先を見てもらうとして、この「コリオレイナス」というお芝居について書いてみよう。

作者はウィリアム・シェイクスピア。多くの作品があるが、この芝居は「悲劇」に分類される。彼が生涯に書いた悲劇を、ウィキペディアから引用してみよう。

タイタス・アンドロニカス(Titus Andronicus、1593年)
ロミオとジュリエット(Romeo and Juliet、1595年)
ジュリアス・シーザー(Julius Caesar、1599年)
ハムレット(Hamlet、1600-01年)
トロイラスとクレシダ(Troilus and Cressida、1601-02年)
マクベス(Macbeth、1601-06年)
オセロー(Othello、1602年)
リア王(King Lear、1604-06年)
アントニーとクレオパトラ(Antony and Cleopatra、1606-07年)
コリオレイナス(Coriolanus、1607-08年)
アテネのタイモン(Timon of Athens、1607-08年)

このうち、「ハムレット」「マクベス」「オセロー」「リア王」は「四大悲劇」と呼ばれたりする。
最後の「アテネのタイモン」の執筆年代は異論があって、1599年の「ジュリアス・シーザー」と同時期に書かれたという。作品そのものも、どちからというと台詞も筋も荒っぽい大味な作品なので、個人的には正しいと思う。

となると「コリオレイナス」はシェイクスピアが最後に書いた「悲劇」ということになる。これ以降、シェイクスピアの作品史において10年続いた暗い悲劇の時代は終わり、傑作「テンペスト(あらし)」を代表とする「ロマンス劇」の時代となる。

観るひとを選ぶお芝居だ。

誰が観ても感情移入できるだろう「ロミオとジュリエット」とはちがう。
「リア王」の巨大さ、「ハムレット」の深さ、「マクベス」の怪奇趣味と運命観、「オセロー」の人間描写。「四大悲劇」に比べると、やはり地味。
まず、共和制初期のローマに関する知識、芝居の中で繰り返される「貴族と平民」というものが当時のローマでどんな意味を持っていたのかということ、「執政官」「護民官」、これらは頭の中にあったほうがいい。でないと、コリオレイナス(唐沢寿明)がなんでああいつも機嫌が悪いのか、いまひとつ理解できないだろう。

そして「コリオレイナス」の称号を授けた偉大な将軍を追放してまで護った共和制がその後どうなったかということを知るために、「ジュリアス・シーザー」と「アントニーとクレオパトラ」は読むか観るかしておいたほうがいい。

わたしが上の条件に当てはまっていたのはたまたまだった。
偶然雑誌で目にして、その日に予約を入れた。

新幹線から、大阪駅へ。梅田駅を目印に歩いた。
すっかり変わってしまったけど、「梅田コマ劇場」の界隈を思い出した。

平日12時30分の公演は、中年のおばさまたちでいっぱいである。男は三十人に一人くらいしかいない。
前から六列目。ネット予約はすごい。

幕が開く。
巨大な鏡が現れる。ほぼ満席の観客は自分自身と向かい合う。
「このお芝居の本当の主役は『民衆』であるあんたたちですよ」と言っているかのようである。
これが薄いマジックミラーのようになっていて、後ろから光を当てると透き通って奥が見えるようになっている。
セットは巨大な階段。この階段ですべての芝居が行われる。ローマ史劇に階段というのはひどく合う。階段の先に歌舞伎のような襖があって、場面転換は襖絵を切り替えることによって行われる。

芝居が始まる。
引き込まれる。
気がつくと3時間あまりの芝居は終わっていた。
二度目のカーテンコールのときに周りの人はスタンディング・オベーションを送っている。わたしも立ち上がって拍手したかったんだけど、できなかった。
泣いていたのだ。
いやー、よかった。
まるで、鈍器で頭を殴られたような。そんな気がした。

劇場の外にでる。
もう太陽は西に傾いている。
梅田の古書街に向かって、そぞろ歩いた。風が心地よい。

冷静になって思うと、白石加代子のヴォラムニアや勝村政信のオーフィディアスの熱演に比べると、すこし主演の唐沢が弱いような気がするのだが、それはいい。
個々の役者よりも、群衆(鏡像の観客も)を含めて、全体がひとつの政治劇でもあり、怒りっぽい男の性格悲劇でもある「コリオレイナス」という複雑な演劇空間を形成していたと思う。

困った。
書いているとまたお芝居を見に行きたくなった。
やっぱりシェイクスピアがいい。

「十二夜」か「シンベリン」、「冬の物語」あたりをねらいたい。


しっぴつかんきょー。

2007年02月21日 20時31分43秒 | パソコン・デジモノ
とりあえず、待ちの状態なので、現在の「執筆環境」載せて起きますね・・・って、手置くとこあれへんがな(笑)

いや。これ、横にディスプレイ繋いでiTunes専用機になってるのです。NASも導入したので、ファイルサーバーとしても卒業したしね。

メインの執筆は以前書いた79800円のHPの地味ーな事務用ノートパソコンでやってます。

写真は最初に出した本の印税で買ったiBook G4です。
なんかイロイロ載ってますが(笑)、壊れるまでなんらかの用途を見つけて使ってやろうと思ってます。

いまやってるのはその資金となった本の原稿をああして、こうして、書き足して、大手術みたいなこと。
この一~二週間あんまし寝てないので、今日、あるところで爆睡してしまった。
いやー、顰蹙かったかな?

まあ。先のことはわからんけど、なんとかなるでしょう、てか、ならさんと。

そうそう、このあいだ、iTMS-Jで、ACIDMANってグループのアルバムACIDMAN 「創」買いました。
ケーブルテレビのスペースシャワーでPVを見て、一発で気に入ったのでした。
アマゾンでCD見ると、なんとCCCD。
「CCCDだけは買うな」という亡くなった祖母の遺言があるので、買えないと思ってたら、すんなりiTMS-Jにあったのでした。1500円だったので即購入。

いいですね。日本のロックはほとんど聴かなかったんだけど、このグループはいい!

中学二年生のときに出会いたかった、ってしみじみ思います。
ワタシは「永遠の中二病」だけど、もっと違った「中二病」になってたと思う。
だもんで、娘に聞かせたら一曲しか気に入らなかったとのこと。
ふん。
とりあえず、全アルバムを集めるつもり。

近況といえば、こんなとこです。
厨房もメンヘラーも元気でな~。



眠てー、体力ねー。

2007年02月19日 20時24分29秒 | パソコン・デジモノ
メールの返事とか、今後の準備とかイロイロやらねばならんことが山積みなのだが、今日はもう眠たいので、新婚マイミクさんから借りたゲームをビールを飲みながらぼちぼちやって寝ることにする。

ああ、そう、このブログの更新も滞ってました。

いやー、執筆以外にも大阪にシェイクスピア劇観に行ったりとか、お気に入りのアーティストが増えたりとか、書きたいこともあるんですが、なにぶん今日は疲れ切ってるのでこのへんで。

そのかわりにウチの美人の犬だしときます。

【ゲーム】父はアイドル、息子はピニャータ。育成一家

2007年02月10日 07時41分28秒 | ゲームのこと
わたしが執筆のために某アイドルマスターを封印している間に、息子が「あつまれ!ピニャータ」を買いやがった。

あつまれ!ピニャータ

マイクロソフト

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プレイしているのを見ていると、すごく面白そうではある。
ちょっと「どうぶつの森」を連想したので、「ぶつ森とどっちが面白い?」と尋ねたら、「ピニャータ!」と某掲示板のAAのように答えた。

あ、そう。


ウチはXBOX360がメインのゲーム機になった。
Wiiはしばらく起動していない。お天気チャンネルやニュースチャンネルも、地デジが観られる環境になったら、別に必要ないし。
しかし、とりあえず「ファイヤーエムブレム」の新作を予約しているわたしなのであった。

以下次号。

【iPod】オレンジ色のなにが悪い? iPod shuffle

2007年02月08日 17時20分15秒 | 音楽・映画のこと
以前買ったサブ機のshuffleを娘にやってしまったので、重たくて、電池が死にかかった第3世代の20GBをかかえて通勤していたのだけど、この間、新しいshuffleを買ったのだ。

色はオレンジ(笑)。

Apple iPod shuffle 1GB オレンジ MA953J/A

アップルコンピュータ

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ピンクでないだけまだいいだろう?
オッサンが持って、いや、ズボンのベルトのところに挟んでなにが悪い?

パッケージを開けたときに、思ったよりメタリックで、派手で、ちょっとだけ後悔した。なぜグリーンにしなかったか(初代シルバーは家内が持っているので選択肢にはなかった)と思った。

でもって、このオレンジ色のiPodでナニを聞いているかというと、The CorrsとかThe Smithとか、最近気に入っているUpper Roomとか聞いているのだった。


最近、いい天気が続くので、音楽を聴きながら、どこまでも歩いていける気がする。

【おんがく】The Police再結成! ロクサーヌ~

2007年02月02日 07時02分40秒 | 音楽・映画のこと
英バンド「ポリス」がグラミー賞授賞式で再結成へ(ロイター) - goo ニュース

これは素直にうれしい。
先日、娘と一緒に行ったカラオケ屋で、「ロクサーヌ」を歌ったばかりだ(なんつう親だ)。

ちなみにカラオケで歌うんなら、映画「ムーラン・ルージュ」のアルゼンチンタンゴ風「ロクサーヌ」がいいと思うが、当然そんなカラオケは存在しない。

さらにちなみに、「ロクサーヌ」は娼婦をやってる恋人に嫉妬する男の歌。イギリスで放送禁止になったんだっけ? 「ムーラン・ルージュ」はこの歌があるからあの設定になんたんじゃねーかと思うくらいはまっていた。

ポリスのすごさは、実際に聞いていただくのが一番いいと思う。

ソロ活動で有名なスティングばかりが目立つが、ドラムスのコープランドやギターのサマーズは、すごいミュージシャンだと思う。

残念ながら今出ているCDは音があんましよろしくない。ライブDVDもいまいち。ファンとしては、再結成を機に、いろいろと出て欲しい。

とくにDVD化をお願いしたいのは、「シンクロニシティー・コンサート」!

いままで、いろんなコンサートビデオを観てきたけど、ゴドリー&クレーム監督の「シンクロニシティー・コンサート」以上のものはない。
ずっと以前に取り上げた、ザ・バンドの「ラストワルツ」、トーキング・ヘッズの「ストップ・メイキング・センス」を上回る、ロック史上屈指の名ライブ映像だと思う。

ムーラン・ルージュ

20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン

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