加地尚武の佐倉新町電気街

「福音の少年 Good News Boy」シリーズ(徳間書店 徳間デュアル文庫)著者による電脳生活と意見。

【鋼鉄社長漫遊記】アイアンマン3【その参】

2013年04月29日 21時01分22秒 | 音楽・映画のこと
アイアンマン3 ARTFX アイアンマン MARK42 (1/6スケール PVC塗装済み簡易組立てキット)
クリエーター情報なし
壽屋



とにかく「社長シリーズ」には外れがない。
いや、ポッツに社長職を譲ったので、正確にはちがうけど、わたしと息子の間では映画「アイアンマン」は「社長シリーズ」なのだった。

で、ゴールデンウィーク前半の三連休の最終日、息子と観に行った。
いやあ、面白かったですねえ。
ノーランのバットマンの参作目「ダークナイト・ライジング」に個人的には失望した口なんだけど、マンネリになりがちな参本目、「アイアンマン」は大成功していると思う。

ネタバレは避けるけれども、スチル写真ではかっこいいとは思えなかったマーク42にはかっこいいし、大好きなマーク○○が(ちょこっとだけど)大活躍するのもポイントが高い。

もちろん脳天気娯楽映画なので、そんなにシビアなものではないけど、原作マンガの古くからの悪役である「マンダリン」を「○○のテロリスト」にすることにより、物語に深みが出たと思う。

もう、文句なし。
もちろんエンドクレジット後のお遊びも楽しい。

3から観る人もいないだろうけど、これはとてもおすすめ。

【映画】The Love Letter ~ ジャック・フィニイの「愛の手紙」から

2013年04月25日 04時50分29秒 | 音楽・映画のこと
おととい、アメリカ人(日本語が堪能なので日本語で)と、アンブローズ・ビアスやサキといった海外の掌編小説のことについて話してたら、ふいに「ジャック・フィニィ」の名前を思い出した。
中学生のころから海外作家の短編小説が好きで、チャールズ・ボーモント、フレドリック・ブラウン、レイ・ブラッドベリといった名前に並んでお気に入りだったのがジャック・フィニィだった。

とくに早川書房から海外短編小説全集といったような名前でハードカヴァーで出ていた「ゲイルズバーグの春を愛す」という本は大のお気に入りで、それこそ装丁がボロボロになるまで何度も読み返したものだ。

その短編集の中でも、いちばんのお気に入りが、巻末の「愛の手紙」という小説だった。
ニューヨークのブルックリンに住む現代的な青年(といっても1959年の発表当時の)が、古道具屋で、ある木製のライティングデスクを買う。ある日、そのデスクの隠し抽斗があることを発見。中を覗いてみると一通の手紙が入っていた。読んでみると、この机の初代の所有者である若い女性が、架空の恋人に宛てたラブレターであった。青年はふと戯れに、この手紙に返事を書くことを思いつく。そして、どうせなら投函しようと、古い切手を貼り、ニューヨークでもっとも古い郵便局に行き、投函するのだった。
何日か経って、その机にはあと二つの抽斗があることを思いつき、二番目の隠し抽斗を開けてみると、そこにはやはり手紙が入っていて・・・。


というお話。続きはぜひ読んでいただきたい。気に入るかどうがわからないが、少なくとも私は何度読み直してもラストで泣いてしまう。

ところで、ふとこの小説の題名 The Love Letter でググってみると、原文全文がアップされている(著作権が切れているから)し、おまけにTVムービー化もされているらしいし、さらにおまけにYoutubeで全編見ることができるのだった。

http://www.youtube.com/watch?v=2v1qxZoj0i8

これはさすがに権利的にどうよ、と思うが、日本では放映されてないみたいだし、DVDも出てないので、深夜目が覚めたついでに観てしまった。むろん字幕がないが、原作を読んでいる強みでなんとなくわかったし、なんどがホロリとしてしまった。原作からは大きく脚色されており、一大ラブロマンス大作風(あの風とともに去りぬのような)になっているけど、原作の切ないラストの雰囲気はじゅうぶん味わえて、いい映画だったと思う。コメント欄に同じような(パ○リ?)アイデアの映画よりもいい、なんてあって笑ってしまう。

ああ、未明になんか余韻にひたりつつ、現実逃避終了。