Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

マジ~ですか?

2007年10月15日 | 家・わたくしごと
外国人「ちょっとお時間ありますか?」
 スポーツ用自転車にまたがってかっこいいヘルメットをかぶり、ワイシャツにネクタイ姿の若い外国人が日本語で話しかけてきた。
私「何ですか?」
外国人「私は宣教師です。宗教や愛について興味はありますか?」
私「もちろんあります。」
 現代に生きるフランシスコ・ザビエル、ルイス・フロイスに敬意をはらってそう答える。
外国人(宣教師)「今、私は家族の愛についてお話しているのですが、ちょっとお時間はありますか?」
私「私、これから家族の愛を実践するために急いで帰るんです。今日は奥さんの誕生日だから。」
外国人(宣教師)「マジ~ですか?」
 突然口調が変わる。彼は私が絶対に嘘の口実を作っていると思っているに違いない。しかし宣教師は神に仕えるはずだから、人を疑う心をもつわけがないのだ。
私「マジですよ。」
外国人(宣教師)「これから奥さんのためのパーティーですか?」
私「そんな大げさなことをしませんよ。一緒に家でご飯を食べるだけです。」
外国人(宣教師)「ところで、宗教に興味はありますか?」
 かみさんの誕生日だって言ってんだろ、おりゃ。しつこいんだよ!なんてどこかの親子みたいな乱暴な口をきかずに、やさしく答える。
私「ありますね。私はヒンドゥー教徒みたいなもんですから。大丈夫ですよ。キリストを否定なんてしません。私の考えでは、あらゆる神、シワもウィシュヌもブラフマもブッダも、そしてキリストもすべて同じなんです。統一神(god of the unity)が存在しているんですから。」
外国人(宣教師)「そうそう。すばらしい。神は一つですね。奥さんの誕生日、祝ってください。さようなら。」
 彼とその連れは、あっという間に自転車に乗って去っていった。かみさんの誕生会の前におれは何やってんだ?と思いつつ家路を急ぐ。ちなみに家では、嬉しい小事件が勃発しており、私の帰りなんて誰も待ってはいなかった。子どもが、塾の帰りに母親に花を買ってきたのだから!しかもその花は、リンドウと黄色と白の小菊であった。なんだか意味深い種類の花であるのだが、子どもが生まれて初めて、自分のおこずかいで自主的に買ってきた花なのである。種類など問題にされるわけがない。ちなみに私からのプレゼントは手書きのバティックだったのだが、完全に子どものプレゼントのせいで色あせてしまったような気がする。それはそれで、嬉しい「色褪せ」である。